瓦桟
項目名 | 瓦桟 |
よみ仮名 | かわらさん |
概要
瓦葺きの施工法のうち引き土を使用しない「引掛葺き」工法で、瓦がずれないように野地板に打ち付けた木の桟。
設置の目的
- それまで主流だった土葺きにかわり屋根重量を低減して耐震性を高めるため。
- 瓦の大きさや形状に合わせ配置した桟に、瓦のツメの部分を引っ掛け、釘で固定することでさらに耐震性を高めるため。
- 屋根に傾斜がないのでメンテナンス作業に危険が少なく容易。
材料
一般的には木材だが、近年では腐食に対する耐久性を高めた合成樹脂製の製品も普及している。
主にどういう建物に使われるか
関東大震災以降、地震時の瓦の落下に対する効果が大きかったことから土葺きにかわって普及が進み、伝統的工法が残っていた関西地区でも阪神大震災を契機に引掛葺きが主流となった。
どのような種類があるか
屋根材同士をつなぎ合わせる部分の重ね合わせが薄く、見た目がフラットな仕上がりになる「平葺き」と、屋根材のつなぎ合わせで15mm程度の立ち上がりを設けることで横のラインを強調し、重厚な屋根デザインとする「段葺き」がある。
メリット
- 瓦と同等の重量が必要となる葺き土と比較して、屋根重量が大幅に低減。耐震性が向上した。
- 瓦のサイズに合わせた桟に釘などの補助材も用いて確実に固定するため、地震時の瓦の落下を抑えることができる。
デメリット
- 土葺きとの比較で断熱性と防水性にやや劣るため、必要に応じて断熱材や防水シートを使用する必要がある。
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