茅葺


画像出典:日本茅葺紀行

項目名 茅葺
よみ仮名 かやぶき

概要

ススキやチガヤ、ヨシ、シマガヤなど、イネ科多年草の茎葉を利用した、人類史上もっとも原初的な屋根材と、それを用いた構造のこと。

材料

茅葺とは植物で葺いた屋根の総称で、茅という固有名称の植物はありません。
主にススキやチガヤ、ヨシなどを中心に、強度や腐敗性などの品質は劣るものの稲や麦の藁も利用されます。
古くは農村などの周辺には茅場と呼ばれるススキ等の草原があり、家畜の餌にするため定期的な刈り入れや野焼きが行われ村落で共同管理されてきました。屋根材としては採集したては水分が多く屋根に葺いてから腐敗するため、冬枯れを待って刈り入れ春まで十分に乾燥させてから使用されます。かつて農村部では茅場の維持に努め、農閑期に村落共同で茅葺屋根の更新を行ってきたため昭和30年代ごろまでは日本各地に茅葺の集落が残っていましたが、農村の過疎化や高度成長期の建材需要から茅場が杉などの人工林になったことから急速に姿を消しました。
現在は、観光や博物保存など目的に伝統家屋を移築・復元した保存地区での補修維持のほか、寺社建築で伝統の技術を伝えています。

主にどういう建物に使われるか

伝統家屋、寺社建築のほか商業施設など。商業施設で新築される場合には、茅葺に見えるようFRPの代替素材も使用されています。

メリット

通気性・断熱性
四季を通じて屋内の温度や湿度を快適に保つことができます。
吸音性
屋根に雨が当たる音など、吸音性にすぐれているので屋内が静か。
伝統・美観
ノスタルジーあふれる美しい外観で、ドイツやオランダ、デンマークなどでは伝統家屋の再評価もあり裕福層の象徴となっています。

デメリット

耐火性が弱い
植物素材なので火災に非常に弱い。
メンテナンス性が悪い
定期的なメンテナンスが欠かせず(棟付近のこまめな補修や耐久性を増すため室内から煙でいぶす必要があるなど)、全体でも15~20年程度で更新時期を迎えるなど寿命が短い。

有名・歴史的な建築物

白川郷・五箇山の合掌造り集落(岐阜県白川村、富山県南砺市)、大内宿(福島県南会津郡下郷町)、江戸東京たてもの園(東京都小金井市)、日本民家園(神奈川県川崎市)、正法寺(岩手県奥州市)

関連項目

・合掌造り、苫屋、入会地、檜皮葺、こけら葺き

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