スレート
項目名 | スレート |
よみ仮名 | すれーと |
別名 | スレート屋根、スレート瓦、コロニアル、カラーベスト |
関連用語 | 瓦、ガルバリウム鋼板 |
概要
粘土板岩を板状に加工した建築材料全般のことを指します。天然素材を用いたものは高価ですが、複数の人工材を組み合わせることで安価に製造でき、サイズの大小や塗装によるカラー展開など商品バリエーションを豊富に設定できます。そのため、幅広いデザイン対応力と施工性のよい軽量な屋根材として、日本では1960年代より急速に普及しました。
材質
1.天然スレート
泥や粘土が水中で堆積し、圧密作用で岩石となった天然の「粘板岩」を加工し、仕上げたもの。粘板岩を英語でSlate(スレート)と呼ぶことが語源になっています。天然素材を使用するため他のスレート材では味わえない重厚感ある仕上がりが特徴ですが、高価なためあまり普及していません。
2.人工スレート
セメントや粘土を基材に繊維系素材を結合させ、厚さ約2~5mmの薄板状に成形した屋根材で「薄型(化粧)スレート」などとも呼ばれます。加工性に富み、安価かつ軽量なため広く普及しました。以前はアスベスト(石綿)を用いたものが主流を占めていましたが、アスベストが健康被害を与えることが判明したため、現在では非石綿系のスレートのみの製造・販売となっています。
- 石綿スレート
- 耐久性抜群のアスベストをセメントで固めた人工スレートで、屋根材として1960年代の普及期から広く使用されました。
しかし、空気中に飛散したアスベストが強力な発がん性を有し、製品生産や建設作業に携わる従事者に深刻な健康被害を及ぼすことが明らかとなったため、1993年の段階的規制から2004年に全面使用禁止となりました。十数年前以上に建築された物件にはアスベストを含んだスレートが使用されている可能性があり、現在でも相当数の石綿スレート建築が存在します。
屋根材としてのアスベストはセメントとともに硬化しているため、その粒子が飛散することは通常ありませんが、屋根の葺き替え工事などのメンテナンス時には注意が必要となります。
- 無石綿スレート
- 使用禁止となったアスベストの代わりに、セメントにパルプなどの木質系繊維や化学合成繊維を混ぜて成形した人工スレート。アスベストから置換え当初は耐久性に劣るものも見受けられましたが、現在では超微粉末材の開発などにより機能向上が進んでいます。
どの様な種類があるか
成形後の塗装により、多彩なカラー展開やレンガ調のデザイン性をもたせられるなどの「平板(平型)化粧スレートが主流。水平方向に波打った形状とした「波板(波型)化粧スレート」もあり、建築のデザイン性向上にも一役かっています。
メリット
- 経済的
- 天然スレートをのぞけば、ほとんどの製品が瓦や金属屋根に比較して安価
- 耐震性
- 軽量で屋根重量を低減できるため耐震構造に有利
- 耐火性
- 熱伝導率が低く燃えにくい
- 耐腐食性
- さびない素材のため海浜地域での塩害に強い
- 施工性
- 施工しやすく対応業者も多数で複雑な屋根形状にも対応できる
- デザイン性
- カラーバリエーションが豊富なため建築デザインの自由度が増し、和風・洋風どんなタイプの建物にもマッチする
デメリット
- 衝撃に弱い
- 薄板形状で衝撃に弱いため台風時の飛来物などで損傷することも(アスベストが含まれるものは強度が高い)
- メンテナンス頻度が多い
- 塗装の効果が10年ほどで落ちるので美観や防水性を維持するため定期的なメンテナンスが必要
※耐用年数は約20~25年(アスベストを含むものは約30~35年)
関連項目
・コロニアル
・カラーベスト
・波型スレート
・天然スレート
・化粧スレート
・厚型スレート
・ガルバリウム鋼板
・トタン
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