施工事例

H様邸の棟・一階部分の漆喰補修工事


Before


After


Before2


After2

H様邸の棟・雨仕舞部分の漆喰補修工事

今回ご注文をいただいたH様邸は、福島県にあります。あの忘れられない東日本大震災の震源地にもっとも近いところ。震度6の強震と津波を経験したところです。震災で特に目立ったのは屋根の棟瓦の剥がれや破損でした。地上からは肉眼ではっきりとそれが確認でき、多くの家の屋根がブルーシートでしばらくのあいだ覆われていて、東京の近場でさえもそれが多く見受けられました。海岸から離れた高台にあるH様のご自宅に幸い大きな被害はありませんでした。屋根も一見したところ大丈夫なように思えました。けれども見えない箇所の破損を心配された(ここが肝心なところです)H様は点検を依頼されました。そうしたところ屋根瓦に被害はなかったものの、漆喰に多くのひびが入っていることが分かりました。そこでさっそく修理に取り掛かりました。


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棟が三角の瓦ですっぽりと覆われているため、瓦を抑えているビスを外し(1)、漆喰の状況を見るとカビが生えて変色していたり、また多くの割れやひびが入っていました(2,3)。
漆喰のひび割れは一般的には経年劣化による原因が多いのですが、築年数の浅いH様邸の場合は、施主様がご心配された通り地震の影響が強かったのかもしれません。そのままにしておくとそこから雨水が侵入したりまたひどい場合には瓦がずれたりします。早めの修理が必要でした。


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5

棟に漆喰を新しく塗り始めました(4,5)。幸いお天気続きで工事は順調に進みました。H様邸は築年数が浅いため瓦がたいへん綺麗です。そこへ漆喰が新しくなれば鬼に金棒です。


6

二階屋根の漆喰工事はほぼ完了です(6)。見るからに頑丈で耐水性が高い屋根に戻りました。
塗り替えた漆喰は瓦が三角形なのですっぽりと覆われて殆ど目立ちませんが、それでいいのです。
屋根が舞台の立役者は瓦ですが、それを引き立てる名脇役こそ、漆喰なのです。縁の下の力持ちならぬ、「瓦の下の力持ち」というわけです。


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8

漆喰の劣化性は一階の屋根も同じです(7)。黒ずんでいる様子やカビの状況がうかがえます。同じ機会に、やはり塗り替えることにしました。
塗り替え後の写真が(8)です。瓦も外壁も綺麗ですから、まるで新築のようですね。

■ まとめ

家とその屋根にとっては大敵な雨ですが、、普段その建物の屋根や外壁をきれいに洗ってくれるのも、実は雨なのです。
久しぶりに雨に打たれた家が、その直後の日光に照らされてキラキラと輝いているのを見て感動を覚えられたことはありませんか。
大袈裟に言って、土壌を潤す雨がなかったら、人類は途端に飢える事ともなることでしょう。漆喰も水に溶けて柔軟となり施工されるからこそ、その役目を果たすことが出来ているのです。ですから雨水を恨んではなりません。むしろ感謝すべきでしょう。
要は、このH様が模範的に心がけられたような、住む人の雨仕舞に対する認識の高さではないでしょうか。そう思えました。

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