草むしり

草むしりとは

草むしりとはどんな作業？

「草むしり」は雑草の除草方法のひとつで、庭や敷地などに生えた雑草を根から引き抜いて除去する作業です。1本ずつ雑草を引き抜く草むしりは時間と手間がかかりますが、雑草のない状態が長続きします。機械や薬剤を購入しなくてもできる、安価で手軽な雑草対策でもあります。
手が届くところなら狭い庭でも草むしりはでき、また、残しておきたい草花を誤って切ってしまうこともありません。どんな場所でも行える、ていねいな除草方法といえるでしょう。

草むしり以外の除草方法

草むしり以外の除草方法として、「草刈り」や「除草剤の散布」があります。これらの方法も含めた除草作業全般を草むしりという場合もあります。

草刈り

雑草の地上に出ている部分を道具や機械で除草する「草刈り」は、草むしりよりも比較的楽な作業です。広い敷地も短時間で効率的に除草できます。ただし、雑草の根は地下に残るため、すぐにまた雑草が伸びて元どおりになるのが欠点です。
草刈り用の機械はある程度の広さがないと使いにくく、草を刈りづらい場合もあります。

除草剤

除草剤は、薬剤を散布して雑草を枯らします。手間がかからない点が魅力ですが、散布した範囲では園芸用の草花や樹木まで枯れてしまいます。除草剤の種類によっては雑草だけを選んで枯らすタイプもあるので、用途に応じて除草剤を選んで使用する必要があるでしょう。
また、子どもがいたり動物を飼っていたりする家庭であれば、薬剤の誤飲や除草剤のかかった草を触ったり口に入れたりなどのトラブルに注意しなければなりません。

場合に応じて最適な方法で除草を行おう

草むしりはていねいで効果が長続きする除草方法ですが、広い敷地では労力と時間がかかります。鑑賞用の草花や農作物を考慮する必要がない場所であれば、除草剤を使ったほうが効率的な場合もあるでしょう。
ケースに応じて適切な方法を選んで除草するのがおすすめです。

草むしりのメリット

草むしりをして庭や敷地をきれいに保つことには、以下のメリットがあります。

草むしりできれいにした庭は近隣に良い印象を与える

草むしりをして手入れが行き届いた庭は、きちんとした印象を与えます。「住んでいる人もきちんとした人だろう」と思ってもらえる可能性が高く、近隣の人との付き合いにも良い影響を与えるでしょう。一方、雑草が乱雑に伸びた庭や敷地は住む人をだらしなく見せることが多いです。印象が悪いだけでなく、雑草が敷地を越えて繁殖したり草むらに害虫が発生したりなど近隣の人に迷惑をかけるおそれもあります。

また、雑草が伸び放題の荒れた庭は、住んでいるエリアの印象も悪くすることがあります。自分の家の庭だから手入れしないのも勝手と考えず、地域のためにも草むしりをしてきれいな庭を維持したいものです。

草むしりは防犯性の向上にも役立つ

こまめな草むしりは、庭をきれいに保つだけでなく、犯罪に巻き込まれる可能性を減らせるメリットがあります。
手入れがされていない庭は、泥棒や空き巣から「防犯意識が低いルーズな家」と目をつけられるおそれがあるためです。また、背の高い雑草を伸び放題にした庭は、人目をさえぎるので泥棒が敷地内に侵入しても気付きにくいです。
草むしりをし、ある程度の見通しがきく庭を維持して防犯性を向上しましょう。

健康被害や害虫の繁殖を防ぐ

草むしりをして庭の雑草を減らすことは、健康的で快適な住環境にする効果があります。
雑草の中には、ブタクサやカモガヤなど、花粉がアレルギーの原因となるものがあります。スギ花粉の季節ではない時にくしゃみや鼻づまりなどの花粉アレルギーの症状が出ているなら、庭の雑草が原因かもしれません。

また、雑草が繁殖して庭の風通しが悪くなると、アレルギーの原因となるカビや菌が繁殖しやすい環境になります。カビや菌は人間だけでなく、木造家屋にとっても悪い影響を及ぼします。柱や基礎など木材にカビや菌が繫殖すると、腐食して劣化の進行が早まります。
生い茂った草むらはまた、カやムカデといった害虫の住み家にもなりやすいです。

快適に暮らせる環境を維持するためには、こまめな草むしりを心がけて自宅の庭をきれいに保ちましょう。

草むしりの方法

草むしりの方法や、必要なもの、草むしりに適した服装などを紹介します。

草むしりをする前に準備するもの

軍手

素手で雑草を抜くと手が汚れたり、葉で手を切ったりします。また、雑草についていた毛虫などをうっかり触ってかぶれるおそれもあります。必ず除草用の軍手やゴム手袋をはめて行いましょう。

スコップや雑草を抜く道具

大きく育った雑草の根を掘り返して抜きやすくしたり、草を抜いた後に残った根を取り除いたりする際には、スコップがあると便利です。
また、草むしりに便利な道具を使うと効率的に草むしりができます。
別章で草むしりに使える便利グッズを紹介しているので参考にしてください。

抜いた雑草を集めるほうきやちりとり

ほうきとちりとりがあると、抜いた雑草をまとめて捨てる際に便利です。

草むしりに適した服装

草むしりを行う時は、長袖・長ズボンを着用し、軍手やゴム手袋をはめて行います。しっかり服装を整えておけば、泥で汚れたり草で手を切ったりするのを防ぐだけでなく、虫刺されの心配も少なくなります。
また、通常の靴やサンダルでは泥で汚れることがあるので、長靴をはいたほうが無難です。
さらに、日焼けや熱中症対策として、帽子は必ずかぶりましょう。

草むしりの手順

雑草の根元を持ち、根こそぎ引き抜く

草むしりは、雑草の根元を持って引き抜くのがコツです。雑草の根が土壌に残りにくくきれいに抜けます。

小さな芽も残さず抜く

小さな雑草の芽は見落としがちですが、雑草は短期間で大きく成長します。小さな芽のうちに除草するほうが、草むしりの負担が軽くてすみます。

抜いた雑草はすぐに処分する

抜いた雑草は放置せずにまとめ、各自治体のルールに則り回収してもらいましょう。放置すると見苦しいだけでなく、風で飛ばされてごみが散乱したり種がこぼれて新しい雑草が生える原因になったりします。

場所によっては草刈りの機械・道具や除草剤も活用する

広い場所や庭木・草花が植えられていない場所であれば、草刈りの道具や機械、除草剤を使ったほうが効率的な場合もあります。
状況に応じて除草方法を使い分けるとよいでしょう。

草むしり業者に依頼する方法もある

草むしりの時間が取れない場合や、庭や敷地が広く草むしりが大変な場合は、草むしり業者に依頼するのもひとつの方法です。
草むしりのプロに依頼すれば、暑い時期に何時間もかけて面倒な草むしりをせずとも庭や敷地をきれいにすることができます。

草むしりのポイント

草むしりを効率的・効果的に行うポイントをいくつか紹介します。

草むしりに適したタイミングで行う

１年のうちで草むしりに適したタイミング

１年のうちで草むしりに適したタイミングはいくつかありますが、ぜひ草むしりを行ってほしいのが春です。植物が芽生えたばかりであまり成長していないこの時期に草むしりをすれば、大きく成長してからよりも作業の負担が少なくてすみます。住んでいる地域の気候にもよりますが、雑草の成長が始まる3月ごろから始めるとよいでしょう。

次に草むしりをしておきたいのが、梅雨の頃です。春の草むしりで抜き損ねた雑草が大きくなっている頃なので、ここでしっかり雑草を抜いておきましょう。梅雨の時期は雨が多く土が柔らかくなっているので、雑草が抜けやすい点でも草むしりに適した時期といえます。梅雨が過ぎ、暑さが本格的になってくると、熱中症や日焼けの心配もあります。梅雨の時期に雑草を減らしておくことで、真夏の草むしりの回数を減らすこともできるでしょう。

また、雑草には、秋に芽吹いて冬を越し、春に大きく育つ種類もあります。そのため、秋にも草むしりをしておくと、次の春に育つ雑草の量を減らせます。

１日のうちで草むしりに適したタイミング

１日のうちで草むしりに適したタイミングは朝です。

雑草が成長する時期は、気温が高い時期とも重なります。気温が高い屋外での活動は熱中症の危険があるため、草むしりに適しているとはいえません。
朝は気温が低いだけでなく、紫外線量も１日のうちで低い時間帯です。10時から14時までが紫外線がもっとも強い時間帯なので、10時より前に草むしりを終わらせるのがベストでしょう。

※参考：「紫外線が強い季節は？時間帯は？」（花王）

草むしりの頻度

雑草が成長するタイミングである春と梅雨の時期は、何度か草むしりを繰り返しましょう。草むしりをした後、取り切れなかった雑草の根や地中の種子から雑草がまた生えてくるためです。
春から夏にかけては雑草の成長が盛んで、1ヵ月前後で種子をつけるまで成長するものもあります※。1週間おきなど、新しく生えてきた雑草が育ちきらない頻度で何度か草むしりを繰り返すことで、庭に残った根や種子が減り、雑草が生えにくくなります。

※参考：雑草の生育時期と繁殖生態（ルーラル電子図書館）

人目につく場所や目立つ場所から行う

草むしりをするなら、雑草が目についた場所からなんとなく行うのではなく、人目につきやすい場所や目立つ場所から行うことをおすすめします。
庭全体の草むしりをする時間が取れない場合も、目立つ場所だけでもきれいにしておけばだらしなく見えません。

土が濡れている時に行う

土は乾いている時は固く、草むしりをしても根が抜けずに土中に残りがちです。雨が降った後など、土が濡れて柔らかい時に草むしりをすると比較的簡単に根が抜けます。草むしりの前に都合よく雨が降るとは限らないので、事前に水をまいておくとよいでしょう。

あると便利な草むしり用品

草むしりをより楽に行える道具や、草刈りや除草に使える用品を紹介します。

あると便利な草むしり用品

草抜き用具

雑草の茎や根に引っかけて抜ける道具です。手では途中で切れやすい雑草も、根からきれいに抜けるので草むしりがやりやすくなります。
茎や根にツメを引っ掛けて抜くものや、テコの原理でラクに抜ける形状のものなどがあります。

※画像引用：清水製作所

※画像引用：清水製作所

※画像引用：藤原産業株式会社

草刈りや除草に便利な用品

鎌

雑草を抜かずに刈り取るのに使用する鎌です。
根は残りますが、繰り返し草刈りを行えば庭や敷地をきれいに保つことができます。

※画像引用：富田刃物

電動草刈り機

広い敷地を除草するのであれば、電動の草刈り機があると便利です。コード式や充電式、立ったまま使えるタイプ、ブレード（刃）を替えて庭木の剪定（せんてい）にも使えるタイプになどがそろっているので、用途に応じて選べます。

※画像引用：山善（YAMAZEN）

※画像引用：山善（YAMAZEN）

除草剤

庭木や草花が生えていない場所なら、除草剤を使用して除草することも可能です。

芝生にも使えるタイプや長く効果が持続するタイプ、即効性があるタイプなどがあるので、除草する場所や目的に応じて最適な除草剤を選びましょう。

※画像引用：住友化学園芸

除草シート

除草シートを敷いて雑草が生えてくることそのものを抑制するのもひとつの方法です。除草シートが劣化して破れるまでは雑草が生えづらくなるので、芝生や草木が植わっている場所以外での使用を検討してもよいでしょう。

※画像引用：デュポン

イエコマの草むしり!

Before

After