• 天と闘う心意気の屋根-スレート屋根からガルバリウム鋼板重ね葺き(カバー工法)施工事例

施工事例

天と闘う心意気の屋根-スレート屋根からガルバリウム鋼板重ね葺き(カバー工法)施工事例


before

After

Befre:
既存の屋根は、コロニアルです。セメントと粘土でできたスレート瓦です。少し前まではポピュラーでしたが、今では少し人気を落としています。価格的には低廉なのですが、厚さが薄いため断熱性や耐久性また防音性などに不安があります。

After:
葺き替えられた新しい金属屋根です。JIS企画では、「溶融55%アルミニウム亜鉛合金メッキ」と定められています。金属屋根というと現在では通常、この「ガルバリウム鋼板」の屋根を言います。とても軽くて丈夫で耐久性が高く地震に適応できるため、人気が高まっています。

天と闘う心意気の屋根-スレート屋根からガルバリウム鋼板重ね葺き(カバー工法)施工事例

はじめに

屋根はいつも天と闘っています。屋根が闘うことによって屋根の下の家族は守られています。屋根はいったい何と闘っているのでしょうか。
天軍から差し向けられるのは、雨、風、雪、雹、直射日光、飛来物、そうした多くの容赦ない「敵」たちです。さらに冬には寒波がそして夏には熱射などが連日襲いかかってきます。屋根は毎日そうした相手と闘っているのです。でも、あなたはその屋根から、恐れおののく声や、弱音や愚痴などを聞いたことがあったでしょうか。ないと思います。屋根はひたすら無言のうちに戦っています。何と健気でしょう。
今回、屋根の改修工事をいただいたY市のO様宅は、見るからにシャープな三角形の屋根で天に向かって尖っています。その屋根は勾配が高いので迎撃精神にあふれているように思えます。天でさえ突き刺すようなその外観は、自然界の敵を打ち砕くかのような心意気で満ちているのです。
そう言えば施主のO様、元々がラグビーの選手だったとか。そう聞くならなるほどその外観は、いかにもその施主様の攻撃精神で横溢した建物スタイルとなっています。では、その最前線でいつも活躍している鋭い屋根の葺き替え工事を見てまいりましょう。

足場の組み立て


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屋根の勾配が高いので職人の安全のため、また隣家への迷惑防止のため、足場が組まれ防護ネットが張られました。

屋根の劣化状況


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建てられてから十数年を経過して、かなり劣化しているのが分かります。その長い歳月の間、天から向かってくるあらゆる敵と戦った戦績が読み取れます。表面は色落ちしていますが、大きな傷みがないところを見ると、いつも迎撃していたに違いありません。シャープに尖った棟が鋭い剣先のように思えます。逞しいです。


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棟板をはぐってみると、少し傷んでいるようです。でも、本当に健気です。

雪止めの取り換え


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スレート瓦を外す前に雪止めが除かれます。サンダーが火花を散らしながらカットしていきます。


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雪止めが外されました。しかし古い瓦はそのまま残されます。そしてその上に新しい鋼板屋根が敷設されます。これを屋根の「重ね葺き(カバー工法)」と呼んでいます。屋根が二重になることで、強度が増し、耐熱性、耐久性、防音性、保温性などが増すことになるのです。

防水シートの敷設


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防水のアスファルトフェルトまたはルーフィングがスレート瓦の上に敷かれました。スレート瓦の下にも古いのが敷かれていますから、幾重もの防水、断熱、防音、耐久性となります。とても合理的な施工性となっています。

完成

素晴らしい出来映えとなりました。あたかも戦国時代の若武者が新しい兜を戴いたような雰囲気となっています。これから勇気を持って戦うぞとの心意気にあふれています。


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■ まとめ

このように、これからも厳しい自然という敵と戦う屋根が出来上がりました。よく言われる言葉として「攻撃は最大の防御」という言葉がありますが、同じ理屈が家の場合にもあてはまるかも知れません。早め早めの積極的な改修は、家屋を深手の傷みから守ってくれます。その意味で特に屋根の改修や補修は大切です。O様の積極的なラグビー精神は、こと自宅の場合にも当てはまっていました。見事なタイミングで改修に取り組まれました。でもO様は、前に向う攻撃精神は豊かでも、背後からやって来る敵のタックルには弱いとのこと。ボールを抱えた時の逃げ足が遅いのだと自嘲気味に語られました。
するとその点では、新しい建材のガルバリウム鋼板のほうがO様より優れているかも知れません。なぜならこの新しい屋根は、天から来る自然災害にも、逆に背後から襲ってくる地震のタックルにも強い屋根材となっているからです。

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