施工事例

瓦屋根からガルバリウム鋼板屋根への葺き替え施工事例


Before

After

瓦屋根からガルバリウム鋼板屋根への葺き替え施工事例

瓦屋根からガルバリウム鋼板屋根への葺き替えの施工事例です。
日本瓦の屋根なのですが、瓦が全体的にずれているのがわかります。
瓦のズレを放置してしまうと、ずれた隙間から雨水が浸透し、下地を腐らせてしまうこともあるため、早めの処置をおすすめします。
今回は、調査内容を踏まえてお客様とお話をした上で最終的に金属屋根に葺き替えることになりました。


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瓦をはがします。
最近の瓦屋根であれば瓦の下はルーフィング(防水シート)であることが多いのですが、こちらの屋根の下は葺き土です。
葺き土の上に瓦を置いて固定する伝統的な工法です。葺き土は瓦を完全に動かなくするのではありません。地震の時には屋根から瓦が落ちることによって、屋根を軽くして家自体の倒壊を防ぐという考え方です。
しかしながら、瓦が落ちてしまえば当然葺き替えなければなりません。また、日本瓦は非常に重いのでいくら屋根から落ちるといっても、地震の際にはやはり倒壊の危険は高くなります。
また、伝統的な葺き土による屋根の葺き替えができる職人はほとんどおらず、そのまま葺き替えるとコストも費用に高いものになります。
このようなコスト面での事情を考慮して、今回は、瓦屋根を葺き替えるのではなく新しい屋根素材に葺き替えることになりました。


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葺き土をすべてはがしたところです。
今回はこの上から、新しい野地板を打ち付けました。


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野地板の上にルーフィング(防水シート)を貼ります。防水シートは屋根の最も大切な構造物といえます。屋根の防水機能はルーフィングによって保たれるのです。
ルーフィングの上にある屋根素材がなくなってしまっても、ルーフィングがしっかりしていれば雨漏りはしないのです。見えない建築部材ですがそれくらい重要な役割を担っています。
ルーフィングの上から金属屋根を貼ります。素材はガルバリウム鋼板です。金属の屋根というとトタン屋根を連想される方が多いでしょう。
トタンは安くて軽いものの、耐久性が低く、防音、保温性能も低く、美観もあまりよくない素材です。そのため金属屋根というと敬遠される向きもあります。しかし、ガルバリウム鋼板はトタンと全く違い、ほぼメンテナンスフリーともいえるほどの長寿命であり、デザインも多様で、軽いといった特徴があります。最近では、金属屋根の弱点であった、保温、防音性にも優れた製品も数多く出てきています。屋根材として非常に優れた素材です。軽さという観点では他を寄せ付けないほどの素材で、耐震といった観点では最もお勧めできるものです。

■ 職人さんからひと言

古い建物で不便なところも多々あったこともあり建て替えも考えたそうですが、受け継いだ家を壊すことはしのびないとのことで、リフォームすることになりました。
屋根を直したことで、これからまだまだ住めると思います。
今回は日本瓦にそっくりなガルバリウム鋼板の瓦もあることをお伝えしたのですが、そこまでは必要ないとのことでした。近代和風のような風格のあるたたずまいとなりました。

■ まとめ

造りのよい日本家屋は100年を優に超える耐用年数があるものです。法隆寺といった例もありますが、木造建築はメンテナンスを適切に行えば非常に長く居住に耐えるのです。ただ、昔ながらの瓦屋根や木造建築はメンテナンス費用もそれなりにかかってきます。家のメンテナンスにあまり費用をかけたくない、という場合もあるかと思います。
今回は、瓦の代わりにほぼメンテナンスフリーともいえるガルバリウム鋼板を選びました。
ガルバリウム鋼板は瓦よりも軽いため、葺き替えることで、家の重心が下に下がり、耐震性も増します。
家を長持ちさせるうえで一番重要なのが、屋根が正しく機能することです。これからも長く住むことができるでしょう。

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