施工事例
緑の背景に映える漆喰の白-T様邸漆喰補修施工事例
Before 漆喰がみられません、葺き土が露出しています。
Before漆喰が極端に劣化・収縮しており葺き土が見えるほどです。

Before
After背後の緑とのコントラストが実に鮮やかです。
T様邸漆喰補修施工事例
蓬莱、と呼ばれる古代中国の一つの地名があります。そこには古来、仙人が住んでいたとの伝説や故事により有名で、以来よりおめでたい事象への縁起をかつぐいわれとなって伝承されてきました。
そのため、蓬莱と名の付く町は日本各地やアジア地域に沢山あって、また単に町名だけでなく、山や川までもそのように名づけられているのが沢山あります。さらに中華料理店などには、蓬莱軒あるいは蓬莱亭などというのも見られます。
今回、紹介するT様邸のある家の周りも、沢山の小高い山や丘また森に囲まれており、たいへん緑の多い奥深いところで、まさに、かの蓬莱の地のように、仙人が住んでいてもおかしくないような雰囲気です。今でも時々は狐に出くわすことがあり、夜にはフクロウの鳴く声が聞こえてくるそうで、とても自然に恵まれた場所なのです。
ところが緑の多いことは、良いことばかりではありません。実は、緑豊かな土地のおかげでT様邸の屋根は、大変なことになっていました。
漆喰の劣化の原因は?
Beforeの状態でみていだたいたように、かなり漆喰が傷んでいます。中にはもうすでに欠落してしまった部分さえあります。ただ、T様に伺ったところ、今のところ家の内部での雨漏れは見受けられないとのこと、幸いでした。多分、瓦の下の葺き土が上手に吸収し、また適切に発散していてくれたのでしょう。そのT様邸、実は以前漆喰補修をされてからそれほど経っていません。ところが、点検してみると、その漆喰は築30年来かのような傷み具合です。不思議です。何が原因なのでしょう。
T様から補修の依頼を受けた担当者が、何回か訪問させていただいているうちに気付いたことは、単に緑の多さのみならず、その周囲の山々や森また田んぼなどから発せられる湿気の多さでした。T様邸の地形は、その周囲からはちょっとした盆地となっており、降り注いだ雨や雪などが地面に下りてきて、そこに集積される地形だったのです。それによって空気が水分を多く含み霧などの発生が多く、漆喰を極めて早期に劣化させる原因になっていたのかもしれません。逆に言うなら、漆喰はそれほどに活躍を強いられてきたとも言えるでしょう。
その説明を聞いて、T様は深く頷かれ、ぜひ早期の修理をお願いしたいとのご用命をいただきました。

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状態はかなり劣悪でした。
よく雨漏りがなかったと、感心したくらいです。

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漆喰がバルコニーの下であっても緻密にまた綿密に塗装されていきます。

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瓦を強固に押さえるためのコーキングを施し、施工完了です。
■ まとめ
湿気の多い環境だけに、漆喰の傷みはことのほか極端でした。でも雨漏りを寸前で食い止められたことは幸運でした。しかしそうしたことがあっても、先祖代々からのこの地に生まれ、また住まわれてきたT様、この土地の緑豊かな大自然が大好きとのことでした。お仕事は近郊の中核都市まで車で片道約1時間をかけて会社まで通っておられるとのことですが、ここへ帰ってくるとホッとされるそうです。転勤もなくは無いそうですが、他へ移ることは考えられないとのことでした。
この漆喰の塗り替えはいかがだったでしょうか。その蓬莱の緑の自然を背景に、何と漆喰の真っ白さが際立っていることでしょう。ご近所の人の話によれば、ある日のことこの屋根に、仙人が座っていたとか、いないとか。そんな想像が生まれそうな出来上がりとなりました。