施工事例
スレート屋根へガルバリウム鋼板を重ね葺き/太陽光発電機設置替え
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スレート屋根へガルバリウム鋼板を重ね葺き/太陽光発電設置替えの施工事例
スレート屋根にガルバリウム鋼板を重ね葺きした事例をご紹介します。
今回、スレート屋根からガルバリウム鋼板への張り替えを施行するにあたって、カバー工法と呼ばれる施工方法で屋根の葺き替えを行いました。カバー工法は、現在の屋根を取り替えるのではなく、現在の屋根の上に新たに屋根を葺く施工方法のことで、丸ごと葺き替える方法に比べて工期及び費用の削減が期待できます。
ご相談いただいたK様邸の屋根を拝見したところ、スレート屋根の所々に変色や剥がれが確認できました。また、K様邸は太陽光発電機が設置されており、配線カバーにも傷みが見られました。屋外の配線カバーは雨や紫外線などにより劣化しやすく、特に写真のように屋根の頂点で折れ曲がっている部分は負荷がかかりやすいため、ひび割れなどが特に生じやすい部分です。実際、ひび割れを起こした箇所から雨水が侵入し、漏電等の事故に繋がったケースも報告されているため、定期的な点検は欠かせません。
また、棟板金を押さえている釘が抜けている部分も見られました。今回は重ね葺きの際に棟板金を一度外す必要があったためその一環としてメンテナンスを行いましたが、釘が浮いたまま放置すると、棟板への浸水・腐食が起こる恐れがあるため、定期的な確認の依頼を業者にお願いすることをおすすめします。
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1、まずは屋根材の上に設置されている太陽光発電機を外します。架台や配線にせき止められた泥が汚れとなって残ってしまっています。(定期的に洗浄するのが望ましいですが、危険な作業ですので屋根の洗浄は専門業者に依頼してください)
2、配線カバーを確認したところ、大棟(屋根の頂上部分)にかかった箇所が顕著に傷んでいました。こちらも交換します。
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3、K様邸でご利用されている太陽光発電機の京セラ「エコノラインEX」です。
4、屋外の配線はパワーコンディショナまでつながっており、ここに新しい配線を取り付けます。
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5、棟板金は、屋根の頂上に覆いかぶせる板上の金属で、屋根の接合部を雨水から守る役割があります。棟板はその棟板金を支えるために必要です。
6、棟板金・棟板を外し、新しい屋根を重ね葺きしていきます。
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7、雨どいにゴミが溜まっていたため、こちらもクリーニングを行いました。
8、現在のスレート屋根の上にルーフィング(防水シート)を貼ります。
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9、ガルバリウム鋼板を取り付けます。
10、太陽光発電機を取り付けるために、架台を設置します。
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11、新しく交換した配線カバーをパワーコンディショナから引っ張ってきました。
12、棟板金及び太陽光発電の設置が完了しました。あとは、作業台を解体して施工完了です。

After

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作業完了後の屋根です。雨が降ってももう安心です。
■ 職人さんからひと言
家も人間と同じように定期的な健康診断が必要です。定期的に点検することで早期に傷んだ部分を直すことができます。そうすることで、結果的に家の寿命も伸ばせます。50年以上の長い付き合いになるマイホームですし、家も健康でいてもらうのが一番ですよね。できるかぎり毎年定期的に面倒を見てあげることが大切です。
■ まとめ
屋根のリフォームには、古い屋根を新しい屋根に取り替える屋根葺き替え工事と、古い屋根の上に新しい屋根を二重に設置する屋根カバー工法のどちらかを選択します。屋根カバー工法は、二重屋根になることから重量が増え、耐震性が悪化するという欠点がありますが、廃材を出さないためその処分費用や撤去工期を削減できること、及び屋根が厚くなるため断熱性・遮音性が向上するというメリットがあります。一概に、どちらの手法が優れているというわけではなく、葺き替えの目的や意向によってどちらを選択すべきかは変わりますので、各々の特性を考慮した上で選ぶことが大切です。