施工事例
東京都スレート屋根にガルバリウム鋼板重ね葺きの施工事例-重ね葺きで予算の大節約!
はじめに
M様は、傷みの顕著なスレート屋根を改修するかどうか悩んでいらっしゃいました。
懸念点は、やはり予算。屋根の改修にはそれなりにお金がかかります。
M様は、まずは古い屋根材を撤去してそれを廃棄処分とし、そして下地を調整した後に新たな屋根材を葺かなくてはならないのでは?と考えておられました。それは相当な手間賃や諸経費で高くつくのでは・・・と悩んでおられたのです。
ただ、今回、M様邸の屋根はスレート屋根で、下地もそれほど傷みが激しくなかったため、今回は古い屋根を撤去せず、上から新しい屋根材を重ねて葺く、重ね葺きをご提案しました。
そのため、余計な撤去費用を掛けることなしに少ない予算で改修が叶いました。その改修工事の経緯を見てまいりましょう。
Before
After
Before
M様邸の元の屋根は、スレート瓦。かつてM様邸が新築された当時には、薄くて軽いため、地震に強いことや、また価格が安くつくことから、一世を風靡したものでした。ヒビが入りやすくて割れやすく、色あせもしやすいため、定期的にメンテナンスが必要です。そのため、最近では、新築の屋根に使われることは少なくなりました。
After
新しい屋根です。屋根の素材は比較的新しい製品で「ガルバリウム鋼板」と呼ばれています。もともとはアメリカ生まれで、その性能は錆びにくく割れない、耐久性、耐水性、耐震性、耐候性が高い屋根材です。そのためにメンテナンスの必要は殆んど無く、塗り替えなどの余計なコストがかからない優れ者です。この屋根の下に、既存のスレート瓦の屋根が残っている重ね葺きとなっているため、ガルバリウム一枚で葺くよりも、防音や防寒性も上がります。それにしても何ときれいな屋根でしょう。
元の屋根の状況
劣化の著しいスレート瓦です。新築時の色艶は失われてしまっています。何か重いものでも乗ろうものなら、パリッと痛い音がして今にも割れてしまいそうな雰囲気です。実際にテレビのアンテナや塗り替えで人が乗る時には、相当気をつけていないと古くなったスレートを踏んで割ってしまう、という例も少なくありません。そういった難しさもあるので、屋根の上での作業は、作業に慣れた職人に任せるのが安心です。
下屋の部分は比較的きれいで、新築時の輝きをわずかに残しています。これはM様邸の建物の北側裏にあたる部分で、常日頃は日陰になっています。お日様がまともに当たる2階の屋根と比べてみると、2階屋根がいかに酷く色あせてしまっているかよくわかります。日々、日差しや雨風に晒されることでこんなにも屋根はダメージを受けてしまうのです。
そのまま放置しておくのではなく、点検や手入れを怠らないことが大切です。
改修工事 棟板金の取り外し
まず、棟板金を取り外してから、ルーフィングを貼っていきます。
ルーフィングの敷設
既存の屋根の上にルーフィング(防水シート)を貼ります。この防水シートは、万一、屋根瓦から雨水が漏れたとしても、その侵入を防いでくれます。屋根の平板なところはもちろん、入り組んだドーマの箇所などもその形状にそって、丁寧に敷設されていきます。
ガリバリウム鋼板の取り付け
新素材の屋根材「ガリバリウム鋼板」を取り付けていきます。新素材と言っても、開発されてよりすでに30年以上は経っており、その耐久性の高さは実証されています。ガリバリウムとは商品名で、実体は金属の亜鉛、メッキ、シリコンで構成された鋼板です。その特徴は、丈夫で軽く、しかも安い、三拍子。それでいて丈夫な日本瓦とも張り合えるほどの強度を誇るといわれています。
カバー工法
このように、既存のスレート瓦の屋根の上に、防水シートを敷き、ガリバリュウム鋼板などの屋根材を敷いて二重の屋根を構成することを、「重ね葺き(カバー工法)」と呼んでいます。屋根が二重になることによって、屋根が耐候性、耐久性、防音性、また保温性の高まることがメリットです。まさに、既存の屋根の欠点をカバーする結果となりました。
■ まとめ
今回は、重ね葺き(カバー工法)の事例をご紹介しました。、いかがでしたか。M様のように、既存の屋根に新しい屋根を葺く方法があるなどとは思いも寄らなかった、と思われる方は少なくないことでしょう。日本瓦などのように分厚い瓦屋根では、重ね葺きはできません。今回は、M様邸の屋根が、比較的安価なスレート瓦で平べったいものだった故に、それを残したままの恰好で、その上に新しい屋根材を乗せることができました。重ね葺きであれば、既存の屋根を取り外す費用をかける必要がありません。しかも、屋根の耐久性、耐震性、防音性、保温性なども、以前に増して高めることができます。
M様には大変喜んでいただけました。みなさんにもぜひ知っていただきたいと願っております。