施工事例

茨城県瓦屋根漆喰補修の施工事例-漆喰は屋根の命

はじめに

屋根で一番大切な箇所はどこですか?と問われたら、たいがいの人は、それは瓦です、と答えることでしょう。そうかもしれません。屋根において瓦の占める面積は圧倒的です。
ですが、屋根にとって大事な箇所は、むしろ瓦よりも漆喰なのです、と言うと、少しけげんに感じられる方もいるでしょうか。それどころか中にはその漆喰の存在さえ知らない人もいるかもしれません。
たしかに屋根に瓦は必要不可欠です。ですが、漆喰なしでは瓦屋根はなりたちません。漆喰は、外気の乾湿に合わせて絶えず呼吸をしながら柔軟性を維持しており、その柔らかさで瓦と建物をつないでいるのです。その意味で漆喰は屋根の生命線とも言えるでしょう。ではその塗り替え工事を紹介いたします。

茨城県瓦屋根漆喰補修の施工事例-漆喰は屋根の命


Before

After

Beforeの写真をご覧ください。棟瓦の下で黄ばんで見えているのが漆喰です。これが棟瓦と平瓦をつないで屋根を守っています。
漆喰は塗るとき柔軟な粘土状態ですので、瓦の形状に合わせて密着を保ち、乾燥後も雨などの湿気の多い時には、その湿気を含んで膨張し雨の侵入を阻止します。そしてお天気のよい乾燥した状況では多少収縮して外気を通すのです。まさに生き物です。それだけに寿命があることは否めません。この写真の状況は黄色く変色しており、ところどころにひび割れさえ見えています。棟瓦を剥がしたなら、もっとひどい状況であることが推測されます。

補修が終了後の棟瓦の下の漆喰をご覧ください。何と言う鮮やかな白でしょう。まるで雪のような白さです。これが漆喰の本来の白なのです。近づいて見るなら、きめ細やかで無垢な素地を見せており、今生まれたばかりの赤ちゃんのきれいな肌のようです。生命力に富んだ元気な赤ちゃんが、どん欲に呼吸を重ねて発育するように、この漆喰も呼吸をしながら、この瓦と屋根を守っているのです。

漆喰補修前の状況




棟瓦を外すと、たいへんな状況となっていました。黄ばんでいた部分のみならず、黒ずんでひび割れさえ入っています。中には火で焼けて炭化したかのような箇所さえ見られました。まさに「惨状」です。瓦の丈夫さだけで安心してはいけません。雨から屋根を生きて守っているのは、むしろこの漆喰なのです。



下屋(一階屋根)の部分も同様の状況です。

漆喰塗り替え



新しい漆喰が塗られていきます。鮮やかな白が輝いていて、命の息吹を感じさせてくれます。


下屋の棟も新しい漆喰が塗られていきます。




漆喰が塗り替えられ、瓦が被せられました。瓦だけでは変化に富んだ風雨の攻撃は守りきれません。
それに対しては、柔軟に対抗できる漆喰だからこそ出来ることなのです。

完成


総ての漆喰工事が終わりました。完成です。なんと綺麗な仕上がりでしょう。

■ まとめ

瓦が屋根を守っていることは確かです。しかし厳しい自然条件の変化に対応し、柔軟な対応力で屋根を守っているのはむしろ漆喰の存在です。漆喰さえ生きていれば、たとえ嵐や台風が来ても、また弱小程度の地震なら屋根は守られます。それでありながら意外と見落とされがちなのが、この漆喰の存在です。町を歩いていると、外壁も屋根もきれいなのに、漆喰のみが黄ばんだり黒ずんだりしていること少なくありません。その無言の警告に、気づいたら早目の塗り替えをおすすめします。

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