施工事例

H様邸漆喰補修工事の施工事例


Before1


Before2


Before3


Before4


After1


After2

H様邸漆喰補修工事の施工事例

家の中で、一番自然の影響を受けやすいところまた傷みやすいところはと聞かれたら、ほとんどの人は屋根と答えることでしょう。
屋根は、多少の勾配があってもすべての面が、年がら年中、真上からの厳しい直射日光や風雨また積雪などの影響に常にさらされています。また、壁のように一休みもなければ、具合が悪い時にも水回りのようにすぐに気付いてはもらえません。
ですから屋根は、不具合があるらしいと分った時には相当に傷み具合が激しくて、雨漏りのなどの症状が表れているなどということが多いのです。そのように屋根のメンテナンスはむつかしく、かつ困難です。
茨城県のH様は、賢く先手を打たれて、このたび点検と修理をご依頼いただける結果となりました。この例からぜひ学んでいただきたいと思います。

点検したところ、建物が比較的新しいこともあって瓦にはまったく異常はなく、したがって雨漏りの心配もないことが判明しました。
しかし瓦の漆喰が黒ずんでおりまた苔が生えていて、しかもところどころにひび割れも散見されます(Before1,2)。漆喰の耐用年数は一般的に10年くらいとされており、この建物がちょうどそれくらいに達しているため、メンテナンスを行うにはふさわしい時期ともなっています。さすがにH様のご判断はそのように正しくて、今回は、全部の屋根の漆喰を塗り直すことになりました。そしてアフターの工事終了後には、漆喰はきれいな白となって高級な屋根瓦にしっくりとなじんでおり、また性能的にも風雨や直射日光など自然の攻撃から守る成果が期待できる結果となりました(After1,2)。


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ところで、このH様。
当初、屋根全部の漆喰塗り替え工事の見積書を提示させていただいたところ、しばらくそれを見ておられ、そしてちょっと曇りがちなお顔をされて、「予想した金額より高くな
ったね」とおっしゃり、「どうしようかなー」と小首を傾げられました。そこで恐る恐る事情をお伺いしたところ、現在三人のお子さんがおられて、そのうちの二人の子供さんが来春にそれぞれ大学と私立高校へ同時に進学される予定とのこと。「物入りでねー」と苦笑いをお返しになる。所帯盛りのH様にとって、家の手入れは大切としても、それよりもまず子供の進学を第一にされていて、そのやりくりが大変となっていたのでした。そこで業者が気を利かせて提案したのが、今の漆喰をすべて取り除いて新しい漆喰での総入れ替えをやるという方法でなく、現在ある漆喰はそのままに、そしてその上に新しい漆喰を塗り足すという施工方法です。その方法なら、旧い漆喰を取り除くという大変な作業の人件費が削減されるため、およそ今の三分の二程度の予算で収まることになり、仮にそうした方法でも現在のひび割れやカビやコケを充分にカバーできるとお伝えしたところ、その提案にたいへん喜んでいただいたH様。さっそく工事に取り掛かることとなりました。

まずは屋根の棟瓦をはぐり、そして既存の漆喰の上に新しい漆喰を塗っていく。
その際ひび割れを埋めてゆき、全体的に厚くならないよう慎重にまた丁寧に塗ってゆきました。なぜなら後で被せる棟瓦より厚くなると雨が漆喰を伝わるようになり、そこからの雨水の侵入が生じることとなるからです。塗り方だけに限るなら、むしろ総入れ替えによる塗りよりもこちらの方が高度な技術を要することになるかもしれません(1,2)。職人の腕の見せどころです。


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漆喰の塗は隅棟だけでなく棟の部分にも塗られていきます(3)。そして乾燥したのを見計らってから棟瓦を元に戻していくのです(4)。さらにその棟瓦をビスで止めていきます(5)。


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下屋(一階の屋根)も瓦が外されて同じような工程で漆喰が施されていき(6)そのあと
綺麗に仕上げられます(7)。


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なんときれいな仕上がりでしょう。
それにしても素晴らしい太陽光パネルが沢山並んでいて圧巻です。今どき先進のエコロジー発電装置です。
それについてH様、「いやー、これもローンですよ。僕が生きている間に元が取れるかどうか。どっこいどっこいならいいかなと思って」と話され、「それよりも子供の教育のためにね。人間は自然からの恩恵を受けて生かされているんだ、ということを実感してもらいたくて。そのことで、自然や物を大切にする感謝の心と謙遜さを育ててもらいたいんですよ」との弁。ちょっと感動です。すばらしいお父様ぶりを発揮されていて、この「ひとつ屋根の下」に住んでおられる素敵なご家族の姿が思い偲ばれます。漆喰できれいになった屋根はそのことを象徴していると思えてきました。

■ まとめ

今回の漆喰工事は、施主様のご都合により、既存の漆喰の上に塗りを加えるという方法になりました。
しかし、本当ならその方法よりも、総てを塗り替えるほうが良い方法であることに違いはありません。けれども、だからといって予算の都合によって先延ばしを考えるのは禁物です。
このH様の場合ももしその理由で長い期間そのままにしておかれたなら、やがて屋根全体を傷め、それが出来そうな頃になった時には、すでに家の内部までも深く影響が及んでいたとの危険性をはらんだものともなりかねないからです。ですから臨機応変、屋根の漆喰工事にかかわらず、家の瑕疵すべてはそこに融通を効かせ、たとえ応急措置でもそれをやっておくことによって、大事を未然に防止することが出来るのです。
予算の足らない場合でもご相談いただければ、その予算の範囲内でどう対処すべきかを考えて、予算にお合わせして対応できる方法をご提案したいと考えます。ぜひお気軽にそして率直にご相談ください。

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