施工事例

I様邸スレート屋根重ね葺き(カバー工法)施工事例


before

After

Before:
屋根は新築時当初からのスレート瓦です。安価で施工しやすいのですが、耐久性が低く、15年から20年くらいで寿命となってしまいます。10年前に一度、塗り替えを行なわれたそうですが、再び色が褪せてきたばかりか、一見しては分からないところにひび割れが生じてきました。そろそろ限界です。

After:
新しい屋根に葺き替えられました。今もっとも注目されているガルバリウムという軽金属製の鋼板製です。発売されてから30年ほど経ちますが、当時葺き替えた家でもまだその屋根が使われていることが多く、耐久性の高さが証明されています。そして非常に軽いので建物への負担が軽減されるため、耐震性に優れた素材としても高い評価を得ています。さらにさびにくく、また色も変化しにくいので、メンテナンスが必要になることも少なく、おすすめです。
それにしても何と変化に富んだ美しい屋根のかたちでしょう。まさに山あり谷ありで、重畳たるアルプスの山波を見ているようです。

◼︎I様邸スレート屋根重ね葺き(カバー工法)施工事例

はじめに

中央高速道路を走ると、そこはまさに山岳の世界。東京から向かうとまずは裏富士が、そしてしばらくすると南アルプスが、さらに進むと八ケ岳連峰、それを過ぎるなら今度は中央アルプスの峰々が。それら3千メートル級の、日本の屋根とも称される山容の美しさは、朝夕の紅の陽に照らされ、季節の彩りを受けて輝いています。
伊豆半島のN市にあるI様邸の屋根はたいへん入り組んでいて、そんな山脈の峨々たる山容を連想させます。山波の美しさが、重畳と重なる峰々とそこに入り込んだ深い谷によって、構成されるように、I様邸の屋根も、その棟と谷が邸宅の全容を飾っているのです。
I様の家は、壁が高級なタイルで覆われた美しい家です。けれども屋根が大分古くなり傷んできました。美しい壁に劣化した屋根が目立つようでは、美しい国土に荒れすさんだ山波の風景を見るようで残念です。そこでI様はこの度、屋根の改修をおこなわれました。その工事の内容を見てまいりましょう。

スレート瓦の劣化


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すでに20年近くが過ぎ、限界を迎えようとしています。以前の屋根塗装もだいぶ色褪せてきました。瓦に近寄ってつぶさに見ると、ところどころにひび割れが生じています。厚さの薄いスレ―ト瓦の欠点です。


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このままにしておくと雨や雪などの浸透で、瓦の下地である防水紙(ルーフィング)や野地板が傷んでしまい、最終的には二階への雨漏れが生じてしまいます。葺き替えは必然です。


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一階の屋根も同じです。こちらの葺き替えも必要です。

屋根の重ね葺き


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工事は既存のスレートを残したままで、その上に新しい屋根材が張られることになりました。これを屋根の重ね葺き(カバー工法)と呼んでいます。古いスレートを残したままで、そこに新しい屋根材を重ねて施工するため、古いスレートを外す手間や費用がかかりません。
しかも、屋根が二重になることで防水性が高まり、断熱性や遮音性が増し、さらに耐久性も高まるという合理的な方法です。そこでまずは、既存の瓦の上に直接新しい防水紙(ルーフィング)が敷かれました。単なる紙ではありません、アスファルト系の防水性が高い素材を含んだ厚手のシートで、これにより野地板に雨水が浸み込むのを防いでいます。

鋼板製の新しい屋根材の敷設


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新しい屋根材を葺いていきます。この新しい屋根材をガリバリウム鋼板と呼んでいます。例えば今回使用するこの鋼板は、その素材がアルミニウム55%、亜鉛43%、シリコン2%などから成っているアルミ亜鉛合金鋼板です。ですからアルミニウムの特徴である耐蝕性、加工性、耐熱性、熱反射性などに優れており、とても丈夫です。。ただ鋼板ですから、厚みにおいては今のスレートよりも薄いので断熱性や遮音性には弱いのですが、今回のように重ね葺きにすることによりそれをカバーできますし、さらに念を入れたいのであれば、このガルバリウム鋼板に断熱材の組み込まれた製品もありますので、それを採用することで弱点をカバーできます。

美しい峰々は、美しい棟々


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新しい屋根材が葺かれた美しい棟波をとくとご覧ください。朝日や赤い夕陽が当たると、思わず見とれてしまうほどです。もし、アルプスをミニチュア盆に再現するとするなら、この屋根の重畳たる重なりになるのかもしれません。

■ まとめ

いかがでしたか。もともとが優れたかたちの屋根でしたから、新しい屋根材を葺くことによって、さらにその美しさが際立つ結果となりました。そしてまたI様は、葺き替え後の二階にいると、寒さや暑さを以前ほど感じなくなったとおっしゃっています。屋根の重ね葺きが効果を発揮し、断熱性や保温性が増しているのかもしれません。
ところで、ある著名なオーストリアの登山家がかつて日本に来た時に、そこにある中央アルプスや南アルプスまた北アルプスを見て、日本にもこんな立派なアルプスがあるじゃないかと、感嘆したとのことです。その世界に誇れる卓抜の日本の屋根、それがこのI様邸の屋根にも再現されているようです。

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