• K様邸スレート屋根重ね葺き施工事例-甍に響く潮騒の子守唄

施工事例

K様邸スレート屋根重ね葺き施工事例-甍に響く潮騒の子守唄

はじめに-太平洋を望む屋根の改修

屋根の改修工事を行われたK様邸の屋根からは、洋々と広がる太平洋がよく見えています。夜になり町が静かになるとその潮騒の音が伝わってきます。
K様邸は、セメント製のスレート瓦ですが、大分時間が経ち古くなってきました。瓦の色艶は衰え、割れやすくなっています。カビが生えコケも見えています。特に太陽光発電機が載っていたところは劣化が顕著です。そろそろ取り替えるか、もしくは何かの手立てを施さないとこのままでは雨漏りが発生することになるでしょう。スレート瓦は潮風には強い素材ですが、それでも傷みは早いようです。助けを求めているようにすら思えてきます。
海と我が家をこよなく愛しておられるK様、この度思い切って屋根の改修に取り組まれました。


Before

After

Before
長い間の潮風と海辺の強烈な日光にさらされた屋根です。傷み具合が激しく劣化の著しさが一目でわかります。夜半には遠くからの不気味な海鳴りが。K様には屋根の嘆きに聞こえてきたそうです。

After
屋根は新しく葺き替えられました。と言っても、古い屋根が取り除かれたのではありません。これからもその新しい屋根の下でがんばることになりました。つまり既存の屋根の上に新しい屋根を葺く、「重ね葺き」(カバー工法)という方法です。これは何も手間を省いたからではありません。あえてそうすることによって、屋根に様々な益をもたらすことになるのです。下記で詳しく解説していきます。

屋根の改修工事


1

既存の屋根は相当傷んでいます。でもこれはこのまま残して活かします。重ね葺きの場合は、この屋根が下地となって新しい屋根を支えることになります。

ルーフィング(防水シート)の敷設


2

3

写真は二階と一階の既存の屋根の上に、ルーフィングを敷設したところです。防水紙、アスファルトルーフィングなどと呼ぶ場合もありますが、意味は同じです。屋根材を葺く前に、ルーフィングを敷くことによって、万一屋根からの雨漏りが生じた場合でも、それが下部に浸透するのを防ぎます。

棟瓦下地材の取付


4

5

ルーフィングを貼り終えたら、棟カバーを取り付けるための下地となる木材(棟木)を取り付けます。

大屋根の向こうに太平洋が広がっています。磯のにおいがこの屋根にまで届いてきます。海がこのように近いと、鉄板で作られている車などは潮風の影響によって耐用年数が短くなりますが、家も決して例外ではありません。サッシや雨戸、また鉄骨系の構造で作られている家は、錆による劣化などの影響はあなどれません。特に屋根は年がら年中、潮風にさらされていますので、耐久性が強く要求されます。
K様にとって、夜半に届いてくる潮騒や海鳴りは、早く屋根を直してほしいとの懇願のように聞こえていたそうです。

新しい屋根材・棟カバーの取り付け


7

8

棟カバー、新しい屋根材が取り付けられました。ガルバリウム鋼板という比較的新しい屋根材です。このガルバリウム鋼板は、アルミニウム55%、亜鉛43,4%、シリコン1,6%から成る、アルミ亜鉛メッキ鋼板です。アルミニウムの特徴である耐蝕性、耐熱性、熱反射性、防火性、また亜鉛の特徴である犠牲防食機能により、従来のトタンなどの金属屋根よりも耐久性に優れています。さらに瓦屋根と比べても軽く耐震性にも優れています。

完成


9

10

施工が完了しました。これで海辺の潮風や直射日光にも十分に耐えられます。また表面が滑らかですから、汚れが付きにくく落ちやすいので、屋根の美観が長く保てます。

■ まとめ

このK様邸のように、既存の屋根を残したままでその上に新しい屋根を葺く重ね葺きでは、色んなメリットが得られます。屋根が二重になるわけですから、耐候性が高まり、耐久性が増し、保温性や遮音性が高くなります。また既存の屋根を取り除く費用もかからずに施工ができます。K様にとってかつては恐れに近い感覚だった海鳴りや潮鳴りも、今では子守唄のように聞こえてきます。屋根への安心感がそうさせるのでしょう。

ページトップへ戻るTOP