おしゃれだけでなく、効率化も狙える?
雑誌やテレビに登場するおしゃれなインテリアに必ずと言っていいほど使われているのが、「見せる収納」。服や靴、趣味の雑貨などを、戸棚や物置にしまい込むのではなく、あえて部屋の中に定位置をつくって見せておくアイデアですね。
これを使いこなせば住む人の個性を感じさせる部屋づくりができますし、さらには住まい全体の収納の効率化にもつながります。
住宅の中で、収納スペースは限られた貴重な空間です。
そこに物をめいっぱい詰め込めば、物が見にくく出し入れしにくい、非効率な収納になってしまいます。
見せられるものは見せて、見せたくないものはしまう…そんなメリハリがクローゼットや納戸といった収納スペースにゆとりを生み、使いやすく効率的な収納につながるのです。
何を見せるべき?
ただ、一歩間違えると単に散らかっているように見えたり、必要以上にお洒落なものを置いてわざとらしくなったり、果ては埃をかぶっていたりと、落とし穴にはまりやすいのが見せる収納の難しいところです。
お部屋に取り入れたくても躊躇している、そんな方も多いのではないでしょうか。
まずは、何を見せて、何を隠すのかという線引きをすることが第一歩です。見せる収納に向くアイデアをいくつかご提案します。
・見えていた方が効率よく使えるもの
整理整頓のつもりで奥へ奥へとしまい込むと、使いづらくなるものがあります。
食器、服などの「いくつもある中から選んで使うもの」がそうです。本やCDなども、目につくところにある方が手に取る機会が増えます。
見づらい収納のおかげで、存在を忘れて使わなくなってしまった、見やすい場所のものばかりを手に取ってしまう、同じようなものを買ってしまった…といった経験はないでしょうか。
これらは引き出しや棚の中でいかに見やすくしまうかが収納のカギですが、いっそのこと見せて収納してしまう、というのもアリでしょう。
・「とっておき」のもの
上に挙げたものの中でも、あまりに生活感が見えすぎるようなもの、たとえば細々した生活用品や普段使いの服などは、あまり見せたくはないですよね。それらは見えていなくても使わざるを得ないのですから、ここでは除外しましょう。
大事にしまっておきがちな、とっておきのコレクションこそ見せる価値ありです。
お気に入りのアクセサリーや帽子、自慢のお皿やグラス。食にこだわる人は調味料やビン詰めの食材などもいいかも知れませんね。
自分の好きなものが目に入るところにあれば、毎日を気分よく過ごせます。むしろ、しまい込んでおくのはもったいないような気がしませんか?
それに、汚したり壊したりしたくないような大切なものを飾っておけば、まわりをキレイに整理整頓するモチベーションも保てるのではないでしょうか。
・大きくて場所をとるもの
たとえば、楽器やスポーツ用品、キャリーケース、ロードバイク…いやいや、そんなもの出しておいたらジャマになっちゃうよ!と思われるでしょう。
残念ながら、しまっておいてもジャマになるのです。これらをクローゼットや納戸にしまう場合、大抵はそれ自体よりもさらにひとまわり大きなスペースが必要になります。すると、限られた収納スペースの中でかなりの空間を占めてしまう恐れが…。
これらの大物を見せる収納として引っ張り出すことができれば、空いた収納スペースを活用して、より整理整頓がはかどるはず。
「これなら出しておいてもサマになるかも?」というものを見つけたら、ぜひ試してみていただくことをおすすめします。
見せ方のポイントは?
では、実際に見せる収納を取り入れるときのポイントを挙げてみたいと思います。
・高さや大きさ、色味、質感を揃える
統一感が出て見た目がよいのと、分類することで使うときに探しやすくなります。
具体的な工夫としては、
・本は同じ高さのものを揃えて並べる
・調味料をお揃いの容器に詰め替える
などが挙げられます。
・小さいものは透明ケースに入れるか、一角に集める
フィギュアやアクセサリーなどの細かいものを散乱させると雑然として見える上に、掃除がしにくいです。実際はまめに掃除していたとしても、「掃除しにくそう=してなさそう」というマイナスな印象を与えてしまいます。
・重そうなもの、大きなものは低い所に置く
これは出し入れがしやすいためでもありますが、重量感のあるものは低い位置にある方が、安定感があってスッキリと見えます。
・使う位置に置く
食器ならダイニング、服や帽子ならクローゼットの近く…といった具合です。日常の動線が短くスムーズになってストレスがたまらず、ジャマになりづらいです。
また、あまり脈絡のない場所に置くと、不自然な印象を与えます。
・本当に使うものを置き、「見せアイテム」はほどほどに
つい見栄えのするかっこいいものを置きたくなりますが、やりすぎは禁物です。
見た目重視で使わないものばかり置くと、わざとらしくなってしまいます。
実際に使うものをメインに据えて、少しの小物で演出を加えるくらいが好バランスです。