ただ食べるだけじゃダメ|恵方巻の由来と食べる際のルールとは

節分に食べる行事食といえば、恵方巻。ハロウィン同様、いつの間にか節分に行うイベントとして日本全国に浸透しています。

でもなぜ節分に恵方巻を食べるのか、疑問を抱く人もいるはずです。
何故決まった方角を向いて食べるのか? カットもしていない食べづらい一本巻を食べるのか?

この記事では知られざる恵方巻の由来について紹介していきます。

恵方巻発祥の地は大阪だった

恵方巻はもともと大阪の花街(現在でいうところの歓楽街・風俗街)で流行っていた遊びだったという説がかなり有力なようです。

発祥の年号ははっきりしていませんが「巻き寿司」の存在が文献などで確認されたのは18世紀以降なので1700年以降に現れた風習といえます。

節分がある2月といえば花街の売り上げも落ち込む時期、ここはひとつ何かイベントを打たなければ、ということで登場したのがこの「恵方巻」だといわれています。

しかし当時の恵方巻を食べるのは遊女だけでした。遊女がカットされていない一本の巻き寿司を立ったまま食べ、その姿を旦那衆が見て楽しむ「遊び」が現在の恵方巻に由来しているというのです。

いかにも商売の街大阪の商人が考えそうなイベントですよね。しかし、これが意外にも浸透して恵方巻は色街を飛び越して一般家庭にも広がっていきます。そしていつの間にか節分に行われる関西地方ならではの風習となっていきました。

全国に広めたのはセブンイレブン

一部の関西地方では当たり前となった恵方巻ですが、これを一気に全国レベルに広めるきっかけとなった火付け役は大手コンビニチェーンのセブンイレブンでした。

セブンイレブンは関西地方で流行っていた恵方巻の風習に着目し、これをマーケティング戦略に活用したのです。セブンイレブンが最初に恵方巻を販売したのは1989年。最初は関西地方を中心に販売して行ったのですが、1998年にこのイベント一気に全国展開し、恵方巻を浸透させていったのです。

恵方巻が全国に知れ渡ったのは意外にもここ20年以内の出来事なのです。そしてセブンイレブンの思惑どおり、恵方巻マーケティング戦略は見事大成功し、節分に行われる日本国民のイベントにまでなりました。

それまで節分に豆まきしか行っていなかった地域でも、この20年の間でいつの間にか恵方巻を食べる習慣が浸透していったのです。

サンタクロースの赤い服がコカ・コーラの企業戦略だった事と同様に、企業が行うマーケティング戦略は凄まじいものがありますね。

恵方巻を食べる時のルールについて

恵方巻を食べる際にはルールがあります。そのルール3つを見てみましょう。

  • カットしていない恵方巻を使用する
  • その年の恵方の方角を向いて食べる
  • 無言で一気に食べる

恵方巻はそもそも「こうでなければダメ」というはっきりしたルールはありませんが、関西地方に伝わる漠然としたルールはこの3つのようです。

その年の縁起のよい方角(恵方)を向き、カットされていない長い恵方巻を食べる。恵方巻は縁起物ですので、カットしてしまうと運を断つこととなると考え、そのまま切らずに食すのが習わしとなりました。

また、黙って一気に食べるのは、恵方巻をその年の運と見立て、運気を黙って一気に食べることがベターだと考えられているようです。

また関西では、この3つのルールに加え、笑って食べるという新たなルールを追加している地域もあるようです。

関東と関西の違い

恵方巻は関西発祥のものが企業の手によって関東に伝わったため、関東と関西の恵方巻は異なります。

したがって関東の恵方巻は具材が違ったり、長さが短かったり、中には食べやすいように切られているものもあるようです。

また恵方巻自体の浸透性も、関西が60%に対して関東は20%と3倍もの開きがあります。
企業の手によって全国に存在が浸透した恵方巻ですが、実際に行われるまでにはまだ少し時間がかかりそうです。

まとめ

恵方巻の由来、食べ方や全国に広まった経緯などはまだ広く知られていないようです。大阪の花街から始まったというのは特異ですが、恵方巻は家族や友人と盛り上がれるイベントには変わりありません。

今年もおいしい恵方巻を食べて、運を呼び込みたいものですね。

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