毎年冬の時期になると心配なのが、屋根に積もる雪ですよね。雪の重さで屋根が圧迫されれば、住宅自体の損傷になりかねません。また、屋根から雪が落ちてしまうと、周囲においてあるものが破壊される可能性もあります。
この記事では、雪止めの必要性についてご紹介しましょう。
雪止めとは
雪止めとは、屋根に積もった雪が地面に落ちないようにするために、屋根に設置する部材を指します。 屋根に降り積もった雪は、気温の上昇とともに溶け出し、一気に崩れ落ちる可能性があります。雪止めは文字通り、崩れそうになる雪をせき止める役割を果たすのです。
意外なことに、豪雪地域の住宅屋根には、雪止めが設置されません。その理由は、重みで雪止めが曲がってしまうほど雪が屋根に降り積もることに加え、雪を屋根から下ろす「雪下ろし」をする際に邪魔になってしまうからです。
ですから雪止めは、豪雪地域ではなく、年に一度でも屋根に雪が積もる地域の住宅にこそ必要なのです。
屋根に雪止めが必要な4つの理由
人への危害を防ぐ
屋根からの落雪は突発的に起こりますので、偶然その場に人が居合わせてしまうと、大惨事になりかねません。
家族の身のみならず、他人へ危害を加えてしまう可能性があります。雪止めは、落雪による人身事故を未然に防いでくれるのです。
車や庭まわりの破損防止
水分を含んだ重い雪が一気に崩れ落ちる衝撃は、車も破壊してしまいます。人や車などに損害を与えかねない落雪ですから、そのリスクを考えると、屋根に雪止めを設置することは決して無駄なことではありません。
人のみならず落雪による物損事故防止のためにも、雪止めは必須と言えるでしょう。
雨樋破損の防止になる
大量の雪が屋根から落ちる際に、屋根のへりを沿うように設置してある雨樋(あまどい)を破損してしまう可能性があります。高い位置にあるものなので、曲がってしまうだけでも自分ではなかなか直せません。
修理費用も高額になってしまう恐れがあります。雪止めを設置しておけば、大量の雪が一度に落ちるリスクが減りますので、雨樋破損の防止にもつながります。
近隣住宅とのトラブル回避
落雪による実際の損害はなかったとしても、自宅の屋根から近隣住宅に落雪があったという事実だけで、近隣住宅とトラブルに発展するケースはよくあります。住宅が密接している家は、なおさら雪止めを設置した方がよいといえます。
雪止めをつける方法
ここでは代表的な3つの屋根材別に、雪止めのつけ方をご説明します。
スレート屋根の場合
スレート屋根専用の雪止め金具がありますので、それを使用します。屋根を施工する段階で雪止めを設置するということであれば、スレート屋根に雪止めをひっかけ、その上にまたスレート屋根を重ねていく手法をとります。
後付けの場合は、屋根を専用の工具で少しだけ持ち上げて、雪止めをすべり込ませます。その上をハンマーで叩いて固定し、雪止めの下にシーリング剤を注入して金具の揺れを防止して完成です。
【設置費用…相場で10万円前後】
瓦屋根の場合
スレート屋根と同様に雪止めの金具や「雪止め瓦」という雪止めがあらかじめ付いた瓦があります。雪止め瓦は後付けができませんので、葺き替え(ふきかえ=屋根を新しくすること)が必要になります。
予算や屋根のリフォーム時期に応じて、雪止めの種類を決めてください。
【設置費用(雪止め金具の場合)…相場で30万円前後】
金属屋根の場合
金属屋根に雪止めを設置するときは、アングルタイプの雪止めを使用します。アングルタイプとは、長い棒状になっている金属の雪止めです。地面に対して水平に、雪をせき止められるように設置していきます。住宅を施工する段階でも、後からでも付けることは可能です。
【設置費用…相場で15万円前後】
雪止めは、上記以外の屋根材でも、ほとんどの場合において後付けすることが可能です。通販やホームセンターで雪止めを購入することは可能です。
ただし、屋根材に適した雪止めを設置しなければならない他にも、設置方法や設置場所など専門的な知識が必要となってきます。なにより、素人が高い屋根の上に登って作業することは危険です。そのため、必ず雪止めを設置する際には、専門業者に依頼することが無難と言えそうです。
まとめ
雪止めは今回紹介したように、落雪によるさまざまなリスクを未然に防いでくれます。雪止めを設置しなければ、命にも関わるリスクがあることをご理解いただけたのではないでしょうか。
雪が降ってからでは手遅れですので、もしもお住まいの家に雪止めが設置されていないということあれば、早急に雪止めを付けることが必須であると言えます。
ぜひこの機会に、ご自宅の屋根に雪止めがあるかどうか調べてみてはいかがでしょうか。