大事な家を守るために|屋根の葺き替えの基本知識を紹介

住宅の部位の中でも、屋根は特に傷みやすいものです。年数の立っている屋根は痛みが激しく、葺き替えが必要なこともあります。また、最近では屋根を軽い素材にすることで、地震対策をする人も増えているようです。

この記事では、屋根の葺き替えに関する基本知識を紹介していきます。
屋根の葺き替えについてご検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。

屋根の葺き替えとは

屋根の葺き替え(ふきかえ)とは、古くなった既存の屋根材を撤去し、新しい屋根材を張り直すことをいいます。葺き替えの際は、既存のものと異なる屋根材を選ぶことも可能です。
冒頭で触れたように、地震対策として葺き替え時に軽い屋根材にする住宅が増えています。

屋根の劣化や破損の状態によっては、屋根の一部の修理で済むこともありますが、一般的には全面的に屋根を葺き替えて、その際に雨樋や屋根構造部の修繕も行います。

屋根の葺き替え 人気の屋根材

屋根の葺き替えにおいて、人気の屋根材をここでは3種類紹介します。

スレート屋根

薄い板状の屋根材で、「カラーベスト」や「コロニアル屋根」とも呼ばれています。種類やデザインも豊富で比較的安価であるため、葺き替えで人気の屋根材です。

耐火性や耐腐食性、デザイン性に優れている一方で、瓦屋根などと比較すると耐久性が低いというデメリットもあります。

ガルバリウム鋼板

スレート屋根と同様に安価でありながら、瓦屋根と同等の耐久性を兼ね備えており、近年人気が高まってきているのが、ガリバリウム鋼板です。メッキ・亜鉛・シリコンで構成された金属屋根で、軽量であることもメリットの一つとしてあげられ、地震対策としても重宝されている屋根材となっています。

ただし、金属であるため、防音性や断熱性に関しては他の屋根材と比較すると劣ります。また、塩害の恐れがある地域では、ガルバリウム鋼板などの金属屋根は避けた方が無難でしょう。

瓦屋根

日本家屋で馴染み深いのが、瓦屋根です。耐久性に優れていることが瓦屋根の最も優れている点で、50〜100年持つとも言われています。

一方で、かなりの重量があるために耐震性に劣り、近年頻発している大地震で損壊などの被害に遭っている屋根の多くは瓦屋根です。ですので、葺き替えの際に瓦屋根から耐震性の高い屋根材に変更する家屋も多くなってきました。

しかしながら最近では、「防災瓦」といって台風や地震に強い瓦も出ており、その需要は年々高まってきています。

屋根の葺き替え メリットとデメリット

屋根の葺き替えというと、屋根材が新しくなり見た目や機能など全てが改善されると思いがちですが、実際にはデメリットも存在します。ここでは、屋根の葺き替えに関するメリットとデメリットをご紹介します。

【メリット】

耐久性がアップする

ほとんどの屋根材が昔と比べて性能がアップし、地震や台風など強い衝撃を受けても破損や劣化がしにくいものとなっています。そのため、部分的な修繕や塗装を繰り返すよりも葺き替えをしてしまった方が、長期的なコストや労力の軽減につながることもあります。

好みの屋根材に変更できる

建て売り住宅の場合は屋根材を選ぶことができません。しかし、葺き替えをする際には、デザインや色などを好きなものにすることができます。屋根材を一新するだけで住宅の外観がガラリと変わるので、注文住宅のように自分好みの見た目にすることが可能です。

【デメリット】

出費がかさむ

屋根の塗装や重ね葺きをするよりも出費がかさんでしまうことは、デメリットとしてあげられるかもしれません。既存の屋根材を処分する費用や、工事期間が長くなるために人件費も上乗せされてきます。

しかしながら、長期的な視野で屋根にかかるコストを計算すると、それほど高額な出費とは言えない場合もあります。いずれにしろ、一度にかかる金額が大きくなるということは頭に入れておきましょう。

ご近所迷惑の可能性

屋根を葺き替える際には、かならず細かなホコリが出るものです。なかには、屋根材の小さな破片が誤って飛んでしまうこともあります。

事前にしっかりと近隣の方に説明や注意喚起をしておかないと、のちのちになってトラブルに発展する場合があります。十分に気をつけましょう。
車に関しては、シートを被せたり、他の駐車場に一時的に移動してもらったりするなどの工夫が必要です。

屋根の葺き替え目安

屋根材によって寿命も異なり、また住宅のある地域の気候によっても劣化具合はまちまちです。ここでは、自分で確認することができる屋根の葺き替え目安をご紹介します。

15年以上屋根の手入れをしていない

新築や中古いずれの場合においても、15年以上屋根の手入れをまったくしていないということであれば、葺き替えを検討してもよいでしょう。どの屋根材においても、約10年スパンで点検の必要はありますので、葺き替えを視野に入れた点検を専門の業者にしてもらうようにしてください。

天井に雨染みがある

天井から雨漏りがあるということは、屋根のどこかに不具合があるということです。屋根材の葺き替えにとどまらず、屋根の構造部分も修繕する必要があるかもしれません。

屋根に苔やカビが発生している

屋根に苔やカビが生えてしまうと水分が定着し、そこから屋根が劣化してしまいます。なるべく早い段階で専門業者に点検してもらい、場合によっては葺き替えをすすめられることになるでしょう。

瓦などの屋根材がズレている

屋根材に目視で確認できるほどのズレが生じている場合には、葺き替えが必須となってきます。ズレのすき間から雨漏りをして住宅を劣化させてしまう原因となるだけではなく、台風などの突風が吹いたときに、屋根材が飛んでしまう可能性があるからです。

ひび割れやサビが発生している

屋根材の経年劣化により、ひび割れやサビが多く見受けられるということであれば、葺き替えを検討しましょう。放っておくと、雨がすき間から侵入して住宅の構造部にまで及んでしまうことがあります。

まとめ

屋根の葺き替えに関しての基礎知識を解説していきました。
屋根は四六時中、日光や雨風にさらされているので、思っている以上に経年劣化や破損が進んでいるかもしれません。

ぜひ、今回の記事を参考に、屋根の点検・修理と葺き替えを検討されてみてはいかがでしょうか。

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