手入れや交換のときに知りたい網戸の外し方

網戸には、虫の侵入を阻むと同時に室内に自然の風を送る役割があり、新鮮な風を通すことで室内の換気、結露やカビの防止にも役立ちます。最近では、健康志向の高まりを受けて、自然の風を求める人も増えたため、網戸の価値が見直されています。

一方で、網戸は掃除をしていないと、知らず知らずのうちに汚れがたまる場所でもあります。網戸にたまったごみが何かの拍子に室内に入ると不衛生で、時には網が破れてしまうこともあるのです。

網戸は定期的な手入れや交換が欠かせません。そのためには、まず網戸の外し方を知っておく必要があります。

この記事では、網戸の種類に応じた外し方、網戸を外した後の掃除や網の交換の仕方までを解説します。これを読めば、網戸のメンテナンス方法が一通り理解できるでしょう。

網戸の不具合を放置すると、開閉時に騒音を立てたりいきなり外れたりして、近隣トラブルに発展する可能性も考えられます。トラブルを避けるためにも、定期的なメンテナンスをおすすめします。

種類別の網戸の外し方

まずは、窓の種類別に網戸の外し方を紹介します。

引き違い窓

引き違い窓

引き違い窓は、日本の住宅で最も一般的な窓です。スライド窓とも呼ばれ、2枚のガラス窓をそれぞれ別のレールにはめ込み、レール上を滑らせて開閉します。通常、サッシには3本のレールがあり、一番外側のレールに網戸が取り付けられています。

スライド窓の網戸には、「外れ止め」が付いています。外れ止めには、レールと網戸の隙間をなくし、強風などで網戸が落下するのを防ぐ役割があるのです。

外れ止め 戸車

引用:窓工房ナカサ

レールから網戸を外すには、まず外れ止めのねじを緩めてスライドさせます。次に、網戸を両手でしっかり持ち上げて室外側に押し出せば、レールから完全に外れます。

滑り出し窓

滑り出し窓

滑り出し窓は、横滑り方式と縦軸回転方式の特徴を併せ持つ窓です。窓を室外側に滑り出させるようにして開けます。
網戸は窓の内側に取り付けられているので、外すにはまず窓を完全に閉めます。そして、室内側の上下の外れ止めのつまみを縦向きにし、網戸を手前に引くと外せます。

つまみ

引用:YKKap

内開き窓

内開き窓

引用:CRASIAS

内開き窓の網戸は、窓の外側に取り付けられている場合がほとんどです。外すには窓を開け、網戸の左右上部の外れ止めをスライドさせます。そのままの状態で網戸を室内側に引くと外れます。取り外す際に網戸を外に落とさないよう注意が必要です。

内倒し窓

内倒し窓

その名の通り、窓の上部が開いて室内側に倒れるタイプの窓です。全開にできないため人が通れず、防犯性の高い窓として広く採用されています。

倒し窓の網戸は、窓の外側に付いています。

外す手順は、まず窓を内側に倒し、ドライバーで網戸の上部にある調整ねじを緩め、外れ止めを下方向にスライドさせます。左右同じように外れ止めを外したら、網戸を両手でしっかり持って外側に外します。そして、ガラスやサッシにぶつけないよう注意しながら、ゆっくり室内側に引き込みます。

身長の低い人が高い位置にある内倒し窓の網戸を外す際は、背伸びすることもあるので落とさないよう注意が必要です。

網戸が外れない原因

説明書通りに作業しても網戸がなかなか外れない場合、いくつかの原因が考えられます。

  • 強風などでサッシの枠がゆがんでいる
  • 隙間に汚れが詰まっている
  • 寸法の異なる網戸を無理やり取り付けた
  • 前の入居者や設置業者が外れないように加工した

サッシの枠がゆがんでいる場合、サッシの中央部がたわんで寸法が小さくなっていることが多いので、網戸を端に移動させてからもう一度試みるといいでしょう。それでも外れなければ、車のジャッキと棒を用意し、枠を持ち上げるようにジャッキを当てて枠を広げる方法が効果的です。

この方法は、サイズ違いの網戸が無理やり取り付けられている場合にもおすすめです。

ジャッキ

網戸を外して手入れ、交換

網戸を外したら、普段掃除できないサッシやレール部分もきれいに手入れしましょう。網戸を水洗いするのも効果的です。

一度レールから外して隅々まできれいにすることで、網戸本来の性能を十分に発揮させることが可能です。自分で網戸を外せれば、思い立ったときに気軽に掃除できます。

ただし、網戸にはさまざまな種類があり、窓の種類によって外し方や戻し方が異なります。しっかり構造を理解してから外さないと、落下したり元に戻せなくなったりする恐れがあります。

網戸の取り付け方と寸法の測り方

掃除が終わって網戸を取り付けるときに「戻し方が分からなくなった」という経験はありませんか。
「外すときの逆の手順で戻せばいい」と思っていたら、実際にはうまくいかないことがあります。

網戸の取り付け方

  1. 外れ止めが緩んでいる、もしくは外したときと同じ状態になっていることを確認
  2. 外れ止めは、振動や強風などで網戸が外れないように保護するものなので、これが効いたままでは網戸を戻せません。
    外れ止めの位置は網戸の種類やメーカーによって異なりますが、基本的には網戸の側面の上部左右にあります。

  3. プラスドライバーで外れ止めを緩め、下にスライドさせれば準備完了
  4. ねじを緩めすぎると外れ止め自体が落ちてしまうので、特に2階よりも上で作業するときは注意が必要です。

  5. 網戸を取り付ける
  6. 両手でしっかり網戸を持ちます。

  7. 網戸の下部が手前に来るように少し斜めにしながらレールの上部にはめ込む
  8. 4の状態を保って下部をレールに乗せる
  9. 障子やふすまを取り付けるイメージです。網戸下部の戸車がレールに乗っていないと、動かしたときに外れてしまうので、確実に取り付けられたことを確認しましょう。

  10. 緩めた外れ止めを上部にスライドさせ、ねじを締めて固定する
  11. レールに当たっていると開閉が窮屈になるので、レールから少し距離をとって固定するとよいでしょう。

網戸の寸法の取り方

自宅のものとサイズが違うものを購入して取り付けられなかったり、無理やり取り付けてサッシがゆがんでしまうリスクを避ける必要があります。そのため、網戸を新調する場合は寸法を正確に測りましょう。
ぴったりの網戸を選ぶには、次の3カ所を測定します。

高さ

網戸のレール間寸法のことで、サッシの上下にある網戸用レールの先端から先端までを測ります。メジャーやスケールが斜めになっていると正確に測れないので、サッシに沿って測定するとよいでしょう。

網戸用レールとガラス窓の間隔

ガラス窓のアルミ枠部分の一番外側に出っ張っている面から、網戸用レールの厚みの中心までの距離を測定します。このサイズを間違えると、網戸が取り付けられないので注意が必要です。

ガラス窓の幅

ガラス窓全体の幅を測定します。ガラス面の幅ではなく、アルミ枠を含めた右外側から左外側までを測定します。窓を開けたときに網戸が全面をカバーできるように、ガラス窓と同じ幅の網戸を選ぶとよいでしょう。

一時的に網戸の代用になるもの

網戸を外して掃除している間や、水洗いして乾燥させている間に窓を開けたくなっても、虫が入ってきそうで気が進まないかもしれません。そんなときには、一時的に網戸の代わりになるものを取り付けるとよいでしょう。

たとえば、すだれを掛ける方法があります。L字のフックやねじなどで固定しておくと、すだれの落下を防げます。

すだれ

目の細かいレースのカーテンなども、一時的な代用品として使えます。プライバシーの保護にもつながり、外からの視線を気にせず作業できます。
他にも、市販の簡易網戸や自作ネットなどを一時的な代用品とする人もいます。

網戸を外す際の注意点

指はさむ

一番注意しなければならないのは、網戸の落下事故です。気を付けて作業していても、手が滑ったりサッシに当たったりして落下する事故は少なくありません。
また、網戸を外したときに自分が誤って落下したり、ペットや子どもが窓から飛び出したりしないようにする対策も必要です。

2階以上の高さから網戸を落とす危険性

特に、戸建て住宅やマンションの2階以上の部屋で網戸を外す場合は、1つ1つの作業に細心の注意を払う必要があります。万が一網戸が落下すると、網戸が破損するだけでなく、下にいる人に当たってけがをさせたり、最悪の場合死亡させたりするかもしれません。高所になるほど風も強くなるので、なるべく風のない穏やかな日に作業しましょう。

指を窓に挟む危険性

外れにくい網戸を力ずくで外そうとすると、スライドさせた網戸に指を挟んでしまうことがあります。他にも、網戸の付け外し時など、指を挟みやすいタイミングがいくつもあります。
薄手の作業用手袋を着用して、ケガをしないように対策しましょう。

網戸の故障を防ぐ手入れ法とは

サッシ掃除

網戸を長持ちさせるには、定期的な手入れが必要です。網戸を外して、目の細かいブラシなどで丸ごと水洗いするのが理想ですが、手間がかかったり時間がなかったりするため手入れできない場合もあります。
そうしたときに、普段の掃除の延長で気軽にできる網戸の手入れ方法を紹介します。

メラミンスポンジを使う

100円ショップなどで購入できるメラミンスポンジは、網戸掃除に効果的です。水を含ませて固く絞ったスポンジで、網戸の上から下へ、右から左へと一定方向に軽くなぞります。

力を入れてこするのではなく、あくまでも軽くなぞるのがポイントです。
角の部分の汚れは、歯ブラシでこするとよいでしょう。掃除後は小さなかすが落ちるので、掃除機で吸い取りましょう。

掃除機を使う

掃除機で手入れする場合は網戸の内側にテープなどで新聞紙を貼り、外側から掃除機をかけるとよいでしょう。掃除機の吸引力を最大限に生かし、網目に入り込んだほこりまでしっかり吸い取ることができます。

また、新聞紙には家の中にごみを飛び散らせない効果もあります。外側の掃除が終わったら、新聞紙を外して内側から掃除機をかけます。気になる汚れがあれば、歯ブラシでこするときれいに仕上がります。

使わなくなったストッキングと靴下を使う

ストッキングをこすったときに発生する静電気を利用する方法です。

  1. 室内にごみやほこりが入らないように、網戸の内側にテープなどで新聞紙を貼る
  2. 靴下を丸めてストッキングのつま先部分に押し込む
  3. 網戸の外側を上から下へ、右から左へと一定の方向に軽くこする
    →ほこりやごみが落ちます
  4. 新聞紙を外して、今度は内側から同じようにこする
  5. 周辺に落ちたごみを掃除機で吸えば終了

まとめ

網戸は、定期的なメンテナンスが欠かせない設備です。日ごろの掃除と並行して、年に数回サッシから取り外し、水洗いや細かい部分の掃除、さらにサッシレールの掃除なども行いましょう。
網戸を長く使用するためには、丁寧に扱うことが大切です。そのためにも、正しい取り外し方、正しいメンテナンスの仕方を理解しておきましょう。

定期的に掃除する余裕がない場合は、業者に依頼するのも1つの方法です。
修繕のエキスパートであるイエコマでは網戸に関する複数のサービスを展開しております。ぜひ気軽にお問い合わせください。

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