屋根の構造|意外と知らないその仕組みとは

この記事では屋根の構造について紹介していきます。
屋根は住宅を守る重要な建材です。雨漏りなど何らかのトラブルがすでに起きている方は、まず屋根の構造を把握しましょう。

屋根の構造

屋根は基本的に、「垂木(たるき)」、「野地板(のじいた)」、「ルーフィング」の3つの部材を重ね合わせた上に、瓦やスレートなどの屋根材が設置されています。屋根の形状や屋根材に関わらず、屋根の構造やその機能はほとんど同じと言ってよいでしょう。

垂木

垂木とは、屋根材を支えるために住宅の最上部にある棟(むね)から幹(みき)にかけて渡す、長い材のことを指します。「はえき」や「たりき」とも呼ばれることがあります。

屋根材に隠れて見えない垂木のことを「野垂木」、軒下や室内から見えている装飾的な垂木を「化粧垂木」と言います。

野地板

野地板は、屋根材の下に張る下地材のことです。垂木の上にこの野地板を張ります。

色々な材質の野地板があり、昔は水はけの良さから杉材が多く用いられていました。しかし、現在ではコストやその強度から合板を用いた野地合板が主流となっています。

野地合板の耐用年数は20年ほどですが、常日頃から家を換気して住宅内部の風通しを良くする、換気口を設けるなど、長持ちさせるには工夫が必要です。

ルーフィング

板紙にアスファルトを染み込ませた防水材料のことをルーフィングと言います。通常は、野地板の上にかぶせ、屋根のすき間から漏れてくる雨などの水滴が家に侵入するのを防ぎます。

意外に思われるかもしれませんが、建物内への雨粒の侵入を防いでいるのは、屋根材ではなくこのルーフィングなのです。屋根材からはたびたび雨が内部に侵入していますが、ルーフフィングが軒先まで雨水を受け流しています。

ルーフィングの耐用年数も約20年前後で、野地合板と同じくらいですので、築年数が10年以上過ぎたら一度は屋根の構造部を点検してもらうと安心でしょう。

屋根構造で修理が必要な事例

ここでは、屋根材の修繕や葺き替えだけではなく、屋根構造においても修理が必要となる代表的な事例を3つご紹介します。

【事例1:複数箇所からの雨漏り】

ルーフィングの経年劣化が進行すると防水機能がほとんどなくなってしまい、屋根面の全体から雨が内部に侵入して、住宅のあらゆる箇所で雨漏りが起きます。

この場合には、新しいルーフィングを敷き直すのはもちろんのこと、住宅内部に侵入した雨によって屋根以外の構造部に腐食などがないか点検することが不可欠です。

【事例2:屋根面が波打っている】

野地板が水分を含んで変形すると、屋根面が波打った状態になります。野地板に水分が含まれているということは、おのずとルーフィングが機能不全だということもわかります。そのため、野地板の交換のみならず、ルーフィングも新しくする必要があります。

野地板に異常がある場合は、垂木やその他の構造部にも影響が及んでいる可能性が高くなります。

【事例3:軒が下がっている】

なんらかの衝撃や負荷がかかり続け垂木の強度が弱まると、積雪や屋根材の重みに耐えきれずに軒が下がってしまうことがあります。こうなると、垂木から全ての屋根構造を新しくする他ありません。

まとめ

屋根の構造について理解は深まりましたか。屋根の構造部は目に見えない箇所なので、普段なかなか気に留めることはありませんが、屋根構造部のそれぞれが重要な役割を果たしていることがおわかりいただけたと思います。

定期的に点検や細やかな修繕を行っていくことで、雨漏りなどのトラブルを未然に防ぐことができます。

ぜひ、この機会に屋根の構造部分の点検を依頼するなど、屋根の構造部を気にかけてみてください。

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