外壁の頑固なコケを落とす方法・防止策を徹底検証!

新築やリフォームしたての家の外壁は、ピカピカで気持ちが良いものです。このきれいな状態を維持するぞ!と張り切っていたのに、実際には3年程度でコケやカビが生えてきたら・・・「なんで?どうして?」と悲しくなりますよね。
この記事では、外壁に生えてしまうコケやカビの原因とその防止策をお伝えします。

外壁にコケやカビが生える原因

外壁にコケやカビが生えるのは、必ずしも手入れが不十分だからではありません。
コケやカビが繁殖しやすい環境が整えば、たとえ新しい家の外壁でも発生してしまうのです。

コケやカビは、山や川など周辺が自然に囲まれた環境に多く生息し、胞子を飛ばして色々なものに付着します。コケは光合成をして成長し、水分と日光と酸素の3つの条件が揃うと繁殖していきます。カビは、高温多湿の環境下で、空気中のゴミやホコリなどに含まれる微量の栄養を餌にして繁殖します。
これらは普通の植物と違い、タイルやコンクリートなどの硬い場所でも根を張れるので、一度外壁に付着するとそこから繁殖してしまう危険性があるのです。

コケやカビが繁殖しやすい環境・壁とは?

外壁は常に水分や湿気に晒されている

雨が降れば濡れ、外気の湿気に常に晒されている外壁は、コケやカビが繁殖しやすい環境です。

水分が付着しやすい外壁は、コケやカビが繁殖しやすい環境です。
先ほど述べたように、自然に囲まれた環境にある場合は、必然的に水分が付着しやすいです。
また、外壁がザラザラしている、あるいは凹凸のあるデザインになっている場合も水分が残りやすいです。屋根のひさしが浅く外壁に直接雨が当たる場合も、梅雨の時期などには表面が常に乾きにくい状態になります。日光が当たりにくく風通しが悪い北側の外壁も、コケやカビが特に繁殖しやすい場所です。

森林や川、湖など自然に囲まれた環境

特に、先ほど述べた通り、自然に囲まれた環境にある場合は、一般的な住宅街よりもさらに水分が付着しやすい状態です。

外壁のデザインや材質

また、外壁がザラザラしている、あるいは凹凸のあるデザインになっている場合も水分が残りやすいです。

軒やひさしが浅い

屋根の軒やひさしが浅く外壁に直接雨が当たる場合も、梅雨の時期などには表面が常に濡れ、乾きにくい状態になります。

家の北側の外壁

日光が当たりにくく風通しが悪い北側の外壁も、コケやカビが特に繁殖しやすい場所です。
自宅の外壁が上記のような環境下にないか一度確かめてみましょう。

コケやカビが繁殖してしまったら

コケやカビが繁殖してしまったら

コケやカビが繁殖すると、見た目が悪いだけでなく、中には人体に影響するものもあります。
特にカビは、食べてしまったり吸い込んでしまったりすると、喘息やカビ性肺炎などの呼吸器疾患、吐き気や下痢などの症状を引き起こす場合があります。また、皮膚に接触すると、水虫などの皮膚病を引き起こす場合もあります。
もし、コケやカビを発見したら害の出ないうちに除去したいですよね。

1.自分で取り除く方法

ある程度なら自分で除去することも可能です。

用意するもの
  • ホース
  • バケツ
  • 洗濯用漂白剤
  • カビ取り洗剤
  • 雑巾
  • スポンジ(ブラシでも可)
  • あれば家庭用高圧洗浄機

まずホースで壁全体に水をかけ、泥や汚れを落としていきます。この作業である程度の汚れは落とすことができます。次に市販の洗濯用漂白剤やカビ取り洗剤を用意し、コケやカビのついた外壁にかけます。10分程経ったら雑巾や柔らかいスポンジなどでこすり、コケやカビを綺麗に取り除いていきます。この時にブラシを使用しても良いのですが、ゴシゴシ力任せにこすると外壁が傷んでしまうので注意しましょう。また、家庭用の高圧洗浄機があればさらに簡単に取り除くことができます。外壁のコケ・カビ専用のクリーナーには新しくカビやコケが生えるのを抑制する効果もあるようなので、コケやカビが生えやすい環境や外壁であれば使用を検討しても良いでしょう。

2.業者に依頼する方法

少しのコケやカビならば、上記の方法により自分で除去することも可能ですが、取り残しがあるとまたそこから繁殖が始まる可能性があります。
業者が行う方法も基本的には同じですが、素人とは比べ物にならないほど綺麗に除去してくれます。
外壁全面にまで繁殖してしまっている場合や、塗料が劣化していて外壁塗装まで一度に行いたい場合は、業者にお任せするのが良いかもしれません。

3.DIYで外壁のコケやカビを掃除するデメリットとは?

「できればお金をかけずに外壁のコケやカビをきれいにしたい」とは、誰でも思うところです。ご紹介した通り、外壁のコケやカビの掃除はご自身でやることができますが、DIYによる外壁の清掃には思わぬ失敗や危険が伴う場合があります。

手が届かない2階外壁の清掃は難しい

1階外壁の掃除は比較的スムーズですが、2階は手が届かないため、洗剤の散布ができない・高圧洗浄機の水が届かない部分が出てきます。「うちにはハシゴがあるから問題ないよ」という方もいらっしゃいますが、慣れないハシゴ上の作業でバランスを崩して倒れれば、大怪我の可能性があります。

外壁やサッシを傷める可能性がある

掃除に使用した漂白剤が強力過ぎた場合や、薬剤を使用した後の洗浄や拭き取りが不十分であった場合、外壁やサッシを傷める可能性があります。
さらに、外壁の塗装の膜が劣化しはじめているような場合やモルタル仕上げの外壁の場合、高圧洗浄機で高過ぎる水圧をかけて洗浄すると塗装が剥げてしまう、とうことも起こります。
コケやカビは綺麗になったけど外壁やサッシにシミや塗料のハゲができてしまった・・・なんて、悲し過ぎますよね。

専用の清掃用具は高額

高圧洗浄機があると外壁の掃除はとてもやりやすくなりますが、家庭用でも決して安い機材ではありません。家庭用ではパワーが不十分で、業務用ほどの効果がない場合もあります。

4.DIYと外注、費用はどれくらい違う?

外壁のコケや外壁の除去をDIYで行った場合と専門業者に外注した場合、費用はどの程度違ってくるのでしょうか?

DIYの場合

機材や洗剤を購入しない場合:0円
高圧洗浄機の購入:10,000~25,000円前後(安いものはパワーが劣る場合もある)
専用洗剤の購入:1,000~2,000円前後(洗剤の種類や容量によっても価格は異なる)

専門業者に外注した場合

水を利用する高圧洗浄と、コケやカビを死滅させる専用の洗剤も利用するバイオ高圧洗浄の2種類があります。目に見えない菌や胞子が外壁に残っているとすぐに再発するので、バイオ洗浄を選択するのが良いでしょう。
高圧洗浄:20,000~30,000円前後
バイオ高圧洗浄:30,000~50,000円前後
※標準的な2階建の一戸建てを想定しています

汚れの範囲や住宅の形状や大きさによっては、足場(作業員が高所でも安全委作業できるように家の周りに組む作業用の枠)を組む必要が出てくる場合もあります。その場合は15~20万円前後の足場代が別途かかります。足場を組むと高圧洗浄の何倍もの費用がかかってしまうので、極力足場を組まずに作業ができるよう、業者と相談しましょう。新築やリフォームからかなり年数が経っている場合は、この機会に外壁塗装リフォームもやってしまう、という選択もありますよ。

繰り返し生える厄介なコケ、その原因と防止策

1.繰り返すコケの原因
除去しても繰り返しコケやカビが発生する、また今まで綺麗だった外壁に急にコケが生えるなどでお困りの場合は、次の原因が考えられます。

〈外壁が劣化している〉

外壁が劣化して防水効果が得られなくなると、コケやカビが繁殖しやすい環境を作り出してしまいます。
コケやカビが外壁を直接いためる可能性は少ないのですが、劣化した部分をそのまま放置しておくと内壁までいたんでしまいます。

〈コケやカビが生えやすい外壁材を使用している〉

以下の素材は水分や汚れが残りやすいので、その他の材質よりコケやカビが繁殖する可能性が高いです。自宅の外壁がどのような素材なのか、一度見てみるといいでしょう。

  • モルタル:砂とセメントを練り混ぜた建築材料。住宅でもよく用いられます。
  • 窒素系サイディング:セメント質と繊維質を板状にしたもの。新築戸建ての7割で使用しています。
  • リシン:アクリル塗料に細かい石を混ぜて吹き付ける仕上げ塗装。昔から使用されている素材です。
  • ALC:耐火性・防火性に優れた軽量の気泡コンクリート。高層ビルなどによく用いられます。

2.コケやカビに強い外壁をつくる

コケやカビの再発を防ぐ方法をご紹介します。
掃除で取り除いても繰り返しコケやカビが生える場合は、以下を検討してみてください。

〈薬剤入の外壁塗料でコーティングする〉

コケやカビを防ぐ薬剤入りの塗料で外壁をコーティングすることで、再発を防止します。
フッ素・シリコン系の塗装はコケやカビが発生しにくいです。
なお、自分で塗料を塗るのは難しいので、困った時は業者にお願いしましょう。

〈外壁をリフォームする〉

「凹凸が多く水分がたまりやすい」など外壁の形状に問題がある場合は、リフォームを検討しましょう。

塗料の種類にもよりますが、外壁の耐久年数は10年前後であることも頭に入れつつ業者に定期的な調査・メンテナンスを頼むのも良いでしょう。

まとめ

外壁のコケやカビは「自然が多い周辺環境」や「水分が乾きにくい壁」などの条件が整えば繁殖することを紹介しました。もしコケやカビが生えてしまったら掃除して取り除くことも大切ですが、発生した原因を突き止め、再発しないよう防止することも心がけると良いですね。
家を長持ちさせるためにも、定期的なメンテナンスを欠かさないようにしましょう。

ページトップへ戻るTOP