アスファルトルーフィングとは?種類や価格目安・設置時の注意まで解説

家を新しく建てるとき、屋根の防水が気になる人もいると思います。
雨や台風などが多い日本の家屋にとって、傷みを早める雨漏りは大敵です。

そんな雨からわが家を守ってくれるのがアスファルトルーフィングです。

この記事では、アスファルトルーフィングの種類や価格、設置時の注意点について紹介します。

アスファルトルーフィングとは

アスファルトルーフィングと聞いて、何のことだかわからない人も多いでしょう。実は、アスファルトルーフィングは私たちの家の屋根やビルの屋上といった身近なところで、防水材として使われているのです。
瓦などの屋根材は雨から家を守り、屋内への雨水の侵入を防ぐ役割があります。
それでも、雨を完全にシャットアウトするのは困難です。

アスファルトルーフィングは、屋根材の下に敷くことで、侵入する雨から家を守ってくれる「最後のとりで」のような存在なのです。アスファルトルーフィングがないと、侵入した雨水が屋根材の下のコンパネに吸収され、それが天井からしたたって雨漏りとなってしまいます。

つまり、雨漏りは屋根材よりも、アスファルトルーフィングの劣化によって引き起こされる可能性が高いのです。
もちろん、屋根の劣化に伴い雨が侵入しやすくなると、アスファルトルーフィングの劣化も早まります。

 

アスファルトルーフィングの正しい使用で雨漏りが防げる

雨漏りの原因の多くはアスファルトルーフィングの劣化です。それなのに、アスファルトルーフィングの重要性はあまり世間に知られていません。
建築コストを削るため、「アスファルトルーフィングにはお金をかけなくてもいいだろう」と格安の商品を注文する人が多いのが現実です。

しかし、適切なアスファルトルーフィングを使用すれば、雨漏りを防いで屋根の寿命を延ばすことにもつながります。
その結果、将来的なメンテナンス費用を安く抑えられるというメリットも生まれるでしょう。

 

アスファルトルーフィングの種類

屋根のルーフィングにはさまざまな種類がありますが、大きく次の2つに分けられます。

  • アスファルトルーフィング(一般的なもの)
  • 改質アスファルトルーフィング(ゴムアスルーフィング)

アスファルトルーフィング

一般的なアスファルトルーフィングは、混ぜ物のないストレートアスファルトに紙や不織布を含浸させたものです。
RC造などのフラットな陸屋根(ろくやね)の防水に使われることが多く、施工後約10年で耐久性が大きく低下します。アスファルトルーフィングの中ではグレードが低い方です。

改質アスファルトルーフィング

改質アスファルトルーフィング(ゴムアスルーフィング)は、アスファルトに改質ゴムアスファルトの成分を使っています。
自己接着性があり伸縮に強いため、木造住宅の屋根などに防水シートとして使われています。一般的なアスファルトルーフィングと比べて耐久性が高いことも特徴です。

 

アスファルトルーフィングの価格目安

アスファルトルーフィングの価格は商品によってかなり幅があります。
一般的なアスファルトルーフィングは、1m×20mのサイズで2,000円程度です。
改質アスファルトルーフィングの場合、グレードにより3,000円台から9,000円台が目安となります。

安いものと高いものとでは価格差が4倍以上になり、強度も異なります。
ちなみに、グレードの高い「スーパールーフ」という種類は不織布を使用しており、耐久性や破れにくさにおいて優れているのが特徴です。

 

アスファルトルーフィング設置時の注意点

アスファルトルーフィングは目に見える場所に設置するわけではないので、状態を確認できません。
もし破れや穴があると、その場所から雨漏りしてしまうリスクがあります。そうなると家自体の傷みも早くなってしまうため、アスファルトルーフィングの設置前に破損がないかを確認することが大切です。
施工後に破損を見つけた場合は、修繕か貼り替えをしてもらいましょう。

アスファルトルーフィングには防水性がありますが、土砂降りの中で施工をしようとする業者は避けた方が良いでしょう。
コンパネが雨でぬれた状態での設置は、コンパネを傷める可能性が高くなります。ぬれたまま施工するとコンパネが腐ってしまい、屋根全体の状態に悪影響が出ます。
小雨程度であれば大きな問題とはなりませんが、強い雨のときには避けるべきです。

また、天気予報で雨が降るとわかっていても施工を強行する業者は、家の品質よりも自社の都合を優先しているといえます。
施主が納得する形で施工をしてくれるかは重要なので、この点も注意しておくとよいでしょう。
わからないことを聞いたときに、こちらが納得するまできちんと説明してくれる業者を選ぶことをおすすめします。材料の質と同じくらい、それを扱う人間も大切なのです。

 

アスファルトルーフィングが損傷したときの対処方法

施工中にアスファルトルーフィングの損傷を見つけた場合は、現場監督や責任者に連絡しましょう。
損傷があることを伝え、手直しを求めるのは決して悪いことではありません。住み始めてから雨漏りに悩まされないためにも、施工段階での損傷の発見は重要です。

損傷をそのままにしておくと、後々雨漏りの修理に多額の費用がかかるような事態につながりかねません。
もし自分で直そうと思うのであれば、貼り直しではなく上貼りがおすすめです。
損傷している部分だけではなく、その部分を中心に広く上貼りするとよいでしょう。

 

まとめ

家を新しく建てたりリフォームしたりするときには、業者任せにしてしまうことが多いと思います。
しかし家の寿命にも関わるアスファルトルーフィングは、きちんと施工しておかないと後々自分たちが困ることになります。
これから家を建てるのであれば、アスファルトルーフィングについて業者がどのような施工や対応をしてくれるかに留意しながら、大切な家を完成させましょう。

ページトップへ戻るTOP