縦型とドラム式
現在販売されている洗濯機は、衣類を上から投入する「縦型」と前面から出し入れする「ドラム式」の2種類に大別されます。
昔からある縦型の洗濯機は、洗濯槽の底についている羽根が回転することによって発生する水流と洗剤の力で洗うタイプです。水が豊富で軟水の日本で発達しました。
洗剤分をよく溶かしこんだ水の渦で衣類同士をこすり合わせて汚れを落とすという方式で多量の水を使います。
それに対してドラム式洗濯機は、洗濯槽自体が垂直方向に回転して衣類を上から下にたたきつけるようにして洗うタイプで水の使用量は少なくてすみます。
ドラム式洗濯機は水の硬度が高い(硬水)ヨーロッパで生まれました。というのも、硬水では洗剤が溶けにくく洗濯物はたたき洗いするのが常識だったからです。
ドラムが縦に回転し、衣類は内側の突起に引っかかって上に持ち上げられてから下にたたきつけられる、ということで「たたき洗い」を実現したのですね。
さらにヨーロッパのドラム式洗濯機は温水洗浄機能を内蔵していて、水洗いから熱湯洗い(95度!)まで洗い方を選べるようになっています。
温水で洗うことにより皮脂などの脂分を落とす効果があります。
洗濯機の定位置
日本ではほとんどの家庭で洗濯機は洗面脱衣室に置かれているのだと思います。お風呂に入るときに脱いだ衣類をそのまま洗濯機に入れられるのでとても合理的ですね。
マンションなどでも「洗濯機はここに置く」と言わんばかりに洗面脱衣室の中にあらかじめ給水栓と排水口(場合によっては洗濯機パン)が設けられています。
ヨーロッパでは、洗濯機がドラム式で衣類の投入口、電源や洗濯プログラムの操作部が上面ではなく前面に設けられていてカウンターの下などにビルトインできるものが多いため、あまり広くない家(アパートなど)ではキッチンのカウンター下に設置されることがよくあります。
キッチンに洗濯機なんてちょっとどうかなと思われるかもしれませんが、カウンターの下に入ってしまうので邪魔にはならないし、料理と洗濯を同時にするわけではないので(同時にしてもいいのですが、、)狭い家を効率良く使うためのソリューションのひとつだと考えれば納得です。
ちなみに、ヨーロッパではビルトイン洗濯機もビルトイン食洗機もサイズは同じ(幅60cm、高さ82cm、奥行56cm)。キッチンに食洗機はないけど洗濯機が入ってるという家庭もあるのでしょうね。
また、アメリカの郊外の一軒家などでは、洗濯機と乾燥機はガレージや地下室に置かれたり、マッドルーム(Mudroom)という外から帰ってきて汚れた衣服や靴を脱いだりする外と内の中間的スペースに備え付けられたりします。
アメリカの洗濯機はばかでかいのでそういう扱いなんでしょうか。