吊戸棚

棚を吊る?

キッチンの収納としてキッチンカウンター(ワークトップ)の上の壁面に取り付ける扉付きの棚のことを「吊戸棚」といいます。
おそらく壁に吊るすように取り付ける形態からそう言われるようになったのでしょう。英語ではHanging Cabinet、 Wall Cabinet、 Upper Cabinetなどと呼ばれています。

さて、吊戸棚というとどんなイメージをお持ちでしょうか?
「高いところにあって手が届かない」
「ものを出し入れするのに踏み台が要る」
「普段あまり使わないものを入れる場所」
などと考えていらっしゃる方も多いと思います。

日本では昔から和室の押入れの上に「天袋」という収納スペースがあり、そのイメージが吊戸棚にも及んで、丈(高さ)の短い戸棚を天井近くに付けるというのが一般的になっていました。
だから手が届かなかったり、踏み台が必要だったりするのですね。でも、キッチンの収納として使うなら手が届くところに付いていないと意味がありません。

欧米のキッチンでは、ウォールキャビネットは丈も長く、壁のかなり低い位置に取り付けられます。
ウォールキャビネットの下端がワークトップの上から約45cmというのが普通で、床からだと130~135cmくらいの位置になります。
これくらいだと棚の上のほうをのぞいて大体手が届きます。
キャビネットは顔の前あたりに来るので扉を開ければ中のものもほとんど見渡せます。合理的ですね。
低すぎて頭をぶつけないかって?大丈夫、ウォールキャビネットの奥行はキッチンカウンター(ワークトップ)の半分くらいしかなく、引っ込んでいるので問題ありません。

地震対策をしよう!

吊戸棚を付ける場合、地震に対する備えは必須です。まず壁にはしっかりと固定すること。
壁の材料が石膏ボードという建物が多いですが、下地の木材(間柱等)のところに木ネジ等を使って壁にぴったり付いて、動かないように固定しなければなりません。
その上で、地震の揺れによって扉が勝手に開いてしまうことを防ぐ「耐震ラッチ」を取り付けましょう。

普段は普通に開け閉めできますが、地震の揺れを感じるとラッチのつめが固定されて扉が開かなくなります。
これによって戸棚の中のものが外に飛び出すことを防止できるというわけです。

さらに、戸棚の中のすべての棚板に滑り止め効果のあるマットなどを敷いておくとより効果が期待できます。
特に食器類は滑りやすいので効果は大きいと思います。ついでに、滑り止めマットは引き出しの中に敷いてもいいですよ。引き出しを開け閉めするとき、中のものが動いてばらばらになるのを防いでくれます。

次の大きな地震がいつ来るかわからないし、いつ来てもおかしくないということですから、非常食をはじめサバイバルキットを用意しておくなど、万全の地震対策をとっておいたほうがいいみたいですね。

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