水道管の破裂の対処法と原因!修理費用の目安と予防方法も解説

「水道管の破裂」というと、勢いよく水が噴き出している様子を想像してしまいますね。実際には、小さなヒビや割れ目から少しずつ水が漏れていて、気づかない破裂もあります。

この記事では、水道管が破裂した場合の症状や対処法を紹介します。水道管が破裂した場合の対処法がわかれば、慌てずに対処できます。また、冬に起こりがちな、凍結による水道管の破裂を防ぐ方法も紹介しています。

水道管が急に破裂して困らないために、ぜひ参考にしてください。

こんな症状があったら水道管破裂のサイン

解説する作業服の男性

以下のトラブルが家の敷地内で確認できたら、水道管破裂を疑いましょう。

  • 水道を大量に使用していないのに水道料金が急に上がった
  • 家や敷地内のどこでも水道を使っていないのに水道メーターが動いている
  • 蛇口をひねっても水が勢いよく出てこない
  • トイレの水量が少なくなり、汚物が流せなくなったり逆流したりする
  • 水をこぼしていないのに床が濡れている
  • 壁にシミができたり、壁紙が湿ってはがれてきたりする
  • 敷地内に、雨が降っていないのに土が湿っていたり水たまりができたりしている場所がある
  • アパートやマンションなどの集合住宅で、階下から水漏れの苦情がきた

壁や床、地中などに埋まっている水道管は、ヒビや破損そのものを目視で確認できません。そのため、水道管が破裂している場合に起こる上記の症状を知っておく必要があります。

漏水は、水道管が破裂していることがわかる、最もわかりやすいトラブルです。

水漏れが著しい場合は水道使用量が急激に上がるため、水道メーターの検針員や水道局が気づいて連絡をくれることもあります。しかし、水道局から連絡が必ずくるわけではない点に注意が必要です。

水道管が破裂していた場合の対処法

水道管の破裂で漏水していたら、以下の通り対処をします。元栓を閉めれば以降の漏水は収まるので、慌てずに作業をしましょう。

元栓を閉める

漏水を止めるために、まずは元栓を閉めて水の流れを遮断します。
元栓は、一般的な戸建て住宅では、水道のメーターボックスの中に設置されていることが多いです。

水道メーターボックスは、水道の検針員が検針しやすいよう、道路などから敷地に入ってすぐの場所に設置されています。玄関回りや道路に近い場所を探してみましょう。

水道メーターボックスの位置

出典:新潟市役所

元栓は、水道メーターより道路側(敷地の外側)に設置されています。蛇口のようなハンドル式やレバー式など形状の種類はありますが、どんな形状でも時計回りに回せば閉まります。回転が止まるまでしっかり回して止水しましょう。

水道メーターボックスの内部

出典:新潟市役所

集合住宅の場合、元栓がある場所はさまざまです。

  • エントランス周囲にある鉄扉の中
  • 駐車場や駐輪場などの共用スペース
  • 廊下

集合住宅の場合は、まず管理会社に水道管破裂の報告をするのが先決です。早急に管理会社に連絡し、その後の対応についても相談するとよいでしょう。

応急処置をする

元栓を閉めると家じゅうの水道が使用できなくなるので不便ですよね。

トイレや洗面所、キッチンなどの水道管で目視できる箇所の漏水であれば、応急処置で破裂箇所をふさいで水道が使用できる場合もあります。

アサヒペンのパワーテープ

出典:アサヒペン

上の商品のような、水道管の補修テープで配管を巻いて止水します。補修テープはホームセンターなどで購入できます。

補修テープがすぐに入手できない場合は、水道管の破損部分にタオルなどを巻き、ビニールテープやガムテープなどをぐるぐる巻きつけてみましょう。完全には防水できなくても、ある程度漏水を抑えることができます。

これらの処置はあくまでも一時的なものであるため、早急に修理を行う必要があります。できるだけ早く専門業者に修理を依頼することが重要です。

業者に修理を依頼する

敷地内の水道管は敷地所有者の所有物です。そのため、修理は敷地所有者自身で業者に連絡し修理を依頼する必要があります。

水道修理を依頼する業者は、必ず自治体の水道局指定業者から選びましょう。非指定業者や水道管工事の資格を持たない一般の人は、破裂した水道管を交換するなどの作業はできません。水道局指定業者は、お住まいの自治体ホームページなどで確認できます。

指定業者の例)東京都水道局 水道工事のお申し込み先一覧(東京都指定給水装置工事事業者一覧)

ただし、アパートやマンションなどの集合住宅にお住まいの場合は、まずは管理会社や大家さんに連絡を取りましょう。
賃貸物件であれば、借主が故意や不注意で破損させたのでない限り、貸主が修理の責任を負います。
分譲マンションの場合も、破損した水道管が共有部分と専有部分のどちらに属するかによって責任の所在が異なるため、まずは管理会社に連絡を取るとよいでしょう。

水道局が無償で修理してくれる場合もある

前項で「敷地内の水道管は敷地所有者の責任で補修する」と述べましたが、例外もあります。
水道管の破裂が排水管から水道メーターまでの間で起きたと認められる場合は、自治体の水道局が無償で修理をしてくれます。

ただし、植栽や舗装などを完全に原状復帰してもらえるわけではない点に注意が必要です。

漏水の解説図

出典:「漏水を発見したときは」(神奈川県県庁)

水道管が破裂する原因と対策

水道管が破裂する主な原因は「凍結」「経年劣化」「地震」です。この章では、原因別に対策できることを紹介します。

凍結

冬期に寒波がくると水道管が凍結し、破裂することがあります。過去には50万戸以上もの家屋で水道管の凍結・破損を原因とする断水が発生した年もあります。

ここで注意したいのが、水道管の破裂は寒冷地で発生するとは限らない点です。寒さに慣れていない温暖な地域では水道管の凍結対策を行う習慣がありません。そのため、強い寒波がくると被害が広がる恐れがあります。

凍結による断水の範囲を示す地図

出典:「どう防ぐ?冬の水道管破裂」(NHK)

水道管の凍結は、気温がマイナス4度以下(風当りが強い場所ではマイナス1~マイナス2度前後)で発生しやすくなるといいます。しかし、「いつ水道管が凍結する温度まで気温が下がるか」を事前に正確に知ることは難しいですよね。急に気温が下がっても大丈夫なように、早めに対策をしておくと安心です。

凍結による水道管破裂を防ぐ方法については、「水道管破裂の予防方法は?」の章で紹介します。

経年劣化

水道管の経年劣化も、水道管が破裂する原因のひとつです。

水道管の法定耐用年数は40年※とされています。さらに、水道管の材質や設置環境によっては、40年経過していなくても劣化が進行しているおそれもあります。そのため、水道管の設置から40年以上経過している場合には「いつ水道管の破裂が起こってもおかしくない」と考えるべきでしょう。

しかし、地中や壁の内部など見えない部分にある水道管は、目視で点検することはできません。水道管がどの程度劣化しているかは使用状況や設置環境によっても異なるため、水道管が破裂してから劣化していたことを知るのが大半です。

水道管の経年劣化が疑われる場合は、1ヵ月に1度などの頻度で漏水のチェックをしましょう。漏水は、水道メーターのパイロット※をチェックすることで確認できます。家の水道を全て止めているのにパイロットが回っているなら、どこかで漏水している可能性があります。この方法では漏水箇所の特定はできないので、漏水の兆候が確認できたら早急に業者に修理を依頼することを検討しましょう。

地方公営企業施工規則別表第二号 有形固定資産の耐用年数

地震

地震

地震が水道管破裂の原因となる場合もあります。

地震による水道管の破損は、激しい揺れによって破損するケースだけではありません。古い水道管では、弱い揺れでもヒビが入ったり接続がゆるんだりして漏水につながる恐れがあります。

地震による水道管破裂の被害を抑えるために、地震の揺れが収まったら水道メーターを確認しましょう。水道を使用していないのに水道メーターが動いていたら、水道管が地震で破裂し漏水している可能性があります。

もし地震の後に水道管が破裂している兆候を確認したら、「水道管が破裂していた場合の対処法」の章で紹介した方法で元栓を閉め、漏水の被害を抑えましょう。

水道管が破裂した時にかかる費用の相場

水道管が破裂した時や、水道管が破裂しているかもしれない時には、修理費用がどれくらいかかるかが気になりますよね。この章では、水道管が破裂した場合にかかる修理費用を紹介します。

なお、ここで紹介する費用はあくまでも目安です。破裂した水道管やその周囲の状況などによって費用は変動するため、正確な金額は業者の現地調査で確認をしてください。

また、修理費用とは別に、業者の出張費用などが加算される場合もあります。
水漏れ箇所の特定にかかる費用水道管の破裂による漏水は、目視で確認できない場所のどこで起こっているかを調査する必要があります。

漏水の音を検知する機器や、水道管にガスを送気し、漏れてきたガスを検知することで破裂箇所を特定する方法などがあります。

  • 音聴法(水漏れの音で漏水箇所を特定する方法):8,000~15,000円
  • ガスを使った漏水調査:2~3万円

破裂した水道管の修理費用

水道と電卓

破裂した水道管は、新しい水道管に交換する修理が必要です。その費用は破裂した場所などによって大きく異なります。

  • キッチンや洗面所などの水回り機器の給水ホースで、見える場所にある場合:1~2万円
    水回り機器の部品交換で対応が可能であれば、費用は比較的安価です。
  • 壁や土などで覆われていないむき出しの水道管の場合:1カ所あたり3万円~
    破損範囲が広い場合などは、さらに費用がかる場合もあります。
  • 壁内やコンクリート、地中に埋まっている水道管の場合:3~8万円
    壁に穴を開けたり、土地を掘り返したりして修理する必要があるため、費用は他の場合よりも高額になる傾向があります。また、水道管を修理した後の壁の補修なども必要となるため、修理費用の見込みに幅があります。
  • 水道管を交換できず、配管を引き直す場合:20~30万円
    壁やコンクリートの床などを修理のために壊せない場合や、壊すと修復費用が高額になる場合には、新しい水道管を引いて水回り機器に接続する「引き直し」工事を行います。補修も含む水道管修理と引き直しのどちらが工事費用を抑えられるかによって修理方法を選ぶとよいでしょう。

水道料金の減額措置や保険が利用できるかも?

考える男性

水道管が破裂して漏水すると修理費用がかさむだけでなく、水道料金が跳ね上がるのも困りものです。
しかし、水道料金の減額措置を申請したり、加入している火災保険で水道管の修理費用をカバーしたりできる可能性があります。

水道料金の減額措置とは、漏水による水道量をいくらか減量して水道料金を計算する制度です。
利用者が水道管を適切に管理していたか、漏水の発見が困難だったかなど、減額措置にはいくつかの条件があります。また、漏水による水道料金の増加分すべてが減額されるわけではなく、利用者も一定分は負担しなければなりません。

また、水道管の修理費用は、加入している火災保険でカバーできる場合があります。

火災保険の「凍結水道管修理費用保険金」

契約している火災保険に「凍結水道管修理費用保険金」の契約が含まれている場合、水道管が凍結で破裂した場合に修理費用が保険で補償されます。
その名称のとおり、原因が凍結による破裂が対象である点や、保険の加入内容によって補償される上限金額が異なる点に注意が必要です。

火災保険の「水濡れ補償」

契約している火災保険に水濡れ補償が含まれている場合、家財や家屋が水道管破裂で濡れて損害が出た場合に保険が利用できます。
この場合、水道管自体の修理は保険の対象外である点など条件が複雑であるため、加入している保険会社にまずは問い合わせてみるとよいでしょう。

水道管破裂の予防方法は?

水道管破裂の主な原因のうち、水道管の劣化や地震によるものは事前に予防することは困難です。
しかし、凍結による水道管の破裂は、事前に対策をすることで発生する可能性を抑えることができます。以下のような手軽な方法で水道管の凍結は防げるので、ぜひ試してみてください。

水道管や水道メーターボックスを保温する

屋外の水道管や蛇口、メーターボックスを布や保温材で保護することで、水道管を凍結による破裂から保護することができます。
蛇口や水道管は、専用の保温テープを隙間なく巻き付けて保温します。タオルや布でも代用できますが、その場合は上からビニールテープなどを巻き付けて布が濡れないようにします。
水道メーターには、砕いた発泡スチロールをビニール袋に詰めたものを入れることで凍結を防げます。

水道管と水道メーターボックスの保温

出典:「水道管にも冬じたくを」(松江市上下水道局)

水抜き栓で水抜きをする

北海道や東北など寒冷地では、凍結の恐れがある地上の水道管の凍結を防ぐため、水回り機器の下部周辺に水抜き栓がついているケースが多いです。水道を使用しない夜間に水抜きをしておけば、水道管の破裂を防止できます。
※下の画像の「D」の部分が水抜き栓です。

水抜き栓

※画像引用:水道を凍結させないためには(札幌市水道局)

ただし、関東以西など温暖な地域では水抜き栓が設置されていることはまれなため、他の方法で対策をする必要があります。

夜間に水を少量出しっぱなしにする

細く糸を引く程度に、夜じゅう水を流しっぱなしにすることで水道管が凍結し破裂するのを防ぐ方法もあります。
水道料金がかかるので、毎日行うのは経済的ではありませんが、水道管破裂で多額の修理費用がかかるよりは安価で済む対策です。水道管が凍結するほどの気温低下が天気予報などで事前に分かっている場合などに、限定的に取り入れてみるとよいでしょう。

給湯器の追い焚き機能を夜間に作動させる

給湯器の追い焚き機能を作動させると、給湯器に接続されている配管の凍結を防ぐことができます。
追い焚き機能を点けっぱなしにしておくのも、水道の出しっぱなしと同様に経済的ではありません。夜間の冷え込みが懸念される時だけなど、限定的に取り入れるのが良いでしょう。

まとめ

水道管が破裂しても、慌てずに元栓を閉めて業者に修理を依頼すれば、被害を最小限に食い止めることができます。ただし、水道管の修理費用は高額になる場合もあります。水道管の防寒対策やメンテナンスをして備えたいものですね。

なかでも水道管の凍結対策はDIYしやすいものですが、不安がある場合は、専門業者に水道管の凍結対策を依頼することもできます。

住まいのさまざまなトラブルに対応するエキスパート「イエコマ」では、水道管凍結対策のサービスを行っています。経験と知識が豊富なスタッフが、凍結しそうな水道管に適切な防寒対策を行います。

水道管凍結対策をご検討中の方は、ぜひお気軽にイエコマにお問い合わせください。

水道管凍結対策

家の専門家による水道管凍結対策が…
現地調査・お見積り無料 水道管凍結対策
寒さの厳しい季節が来る前に! 水道管の凍結を防止しましょう!
専門知識をもったイエコマスタッフが親切丁寧に対応いたします。

24時間365日受付

イエコマの『水道管凍結対策』の詳細

ページトップへ戻るTOP