自宅の水回りへと水を運ぶ水道管(給水管)から突然水が漏れると、慌ててしまいがちですよね。目に見えない場所にある水道管の場合は、急に水道料金が高くなったことで破裂に気づくケースもあります。
今回は水道管が破裂する原因について、くわしく解説。自分でできる対処方法や、修理にかかる費用なども、わかりやすく説明します。
場合によっては修理に保険が適用されたり、水道代の減免制度が受けられたりする可能性もあります。この記事を参考に、いざというときも適切に対処できるようにしましょう。
水道管が破裂する原因
外気温の低下によって水道管内部の水が凍結し、膨張した氷が原因で水道管が破裂することがあります。水よりも氷の方が、体積が増えるためです。
凍結時は氷を溶かそうとして水道管に熱湯をかけたり、蛇口を無理にひねったりしないようにしましょう。水道管の破裂を招いたり、蛇口部分が破損したりする原因になります。
一般的にはマイナス4℃以下で凍結しやすくなるといわれていますが、風が強い場所や日の当たりにくい場所では、マイナス4℃以下にならなくても凍ることがあります。寒い地域にお住まいの方や、屋外に設置されている水道管は、凍結に注意が必要です。
水道管の経年劣化
水道管は年月が経つにつれて劣化が生じ、老朽化が原因で破裂することがあります。
素材ごとによる耐用年数は、以下のとおりです。
- ポリエチレン管(合成樹脂素材):30~35年
- 硬質塩化ビニルライニング鋼管(鋼管内部を特殊な樹脂でコーティングした素材):20~25年
- 亜鉛メッキ鋼管(鉄に亜鉛メッキを施した素材):15~20年
高温でサビやすい環境にあるなど、設置場所によっては10年ほどで修理や取り換えが必要になるケースもあります。また現在、水道管の中で主流なのはポリエチレン管ですが、日光に弱く、日の当たる場所に設置されている場合は、早く劣化する可能性があります。
突然水道料金が上がった場合は、水道管が経年劣化によって破裂し、漏水しているかもしれません。定期的に水道料金をチェックして、大きな変動がないか確認することが大切です。
地震
地震の揺れによる衝撃を受けて、水道管が破裂したり亀裂が入ったりすることがあります。大きな揺れだけではなく、経年劣化が起きているパイプの場合は、少しの揺れでも破損することがあり、注意が必要です。
とくに地中に埋まっている水道管や見えない場所にある水道管は、破損による漏水に気づきにくいものです。地震が起きたら、揺れが収まるのを待ってから、メーターが動いていないかチェックしましょう。水を使用していないのにメーターが動いている場合は、水道管が破裂している可能性があります。
工事中のミス
水道管の破裂は、人為的ミスでも生じるケースがあります。
たとえば庭の整備やカーポート設置などの外構工事のときです。庭にくいを打つときに誤って水道管を破損させたり、水道管に工事器具をぶつけたりすることで、水道管に亀裂が入り、水漏れが発生することがあります。
水道管が破裂した時の対処法
水道管が破裂した場合の対処法を紹介します。いずれも業者が対応するまでの応急処置です。できるだけ早く修理を依頼しましょう。
止水栓を閉める
水道管が破裂したとき、最初に行うのが「止水栓を閉める」です。
止水栓とは水道管の途中に設けられており、水流を止めたり、水量を調節したりできる器具です。止水栓を閉めると閉めた場所の水の流れが止まり、水漏れの被害が広がるのを防ぐことができます。キッチンや洗面所、トイレ、風呂など、水回りの水栓金具のある場所にそれぞれ設置されており、右回りに閉めると水流が止まります。ドライバー式、ハンドル式、ネジ式の3種類があり、ドライバー式やネジ式の場合は、開閉にドライバーが必要です。
元栓を閉める
止水栓の位置がわからない、止水栓を閉めても水漏れが止まらないという場合は、家全体の水の流れを調整する「元栓」を閉めます。元栓は水道メーターの横にあり、戸建て住宅は敷地内の地面に埋められているメーターボックスの中、集合住宅は玄関近くの鉄の扉の中にあるケースが多いです。
水道管の破裂箇所をふさぐ
水道管の破裂箇所が目で見える場合にできる対処法で、破裂箇所をタオルとテープを使ってふさぎます。
不要なタオルを破裂箇所にしっかりと巻き付け、その上からグルグルとビニールテープを貼って、固定します。タオルから水がたれるため、破裂箇所の下にはバケツを置きましょう。タオルの吸水力が無くなったら、新しいタオルと交換します。
水道管が破裂したときは、どこに連絡すればいい?
水道管が破裂した場合は、戸建てか集合住宅かによって連絡先が異なります。いずれもすぐに連絡して、迅速に対応してもらいましょう。
戸建て住宅の場合
戸建て住宅の場合は、水道業者に連絡をして修理を依頼しましょう。
料金や対応地域は、業者ごとに異なります。中には高額請求をする悪徳業者も存在するため、注意が必要です。水漏れが起きているのでつい慌ててしまいますが、業者選びは重要なポイントです。
どの業者に依頼すればいいかわからない場合は、お住まいの自治体の水道局に相談するか、自治体のホームページで水道業者を紹介しているので、確認してみましょう。
集合住宅の場合
賃貸物件やマンションなどの場合は、まずは管理人や管理会社へ連絡しましょう。修理する業者が決まっており、スムーズに修理できる可能性があります。
賃貸物件の場合は故意に破損させた場合を除いて、修理費用を大家さんに負担してもらえることがあります。勝手に水道業者へ依頼して修理した場合は、大家さんに費用を負担してもらえなくなるケースもあるため、気をつけましょう。
水道管が破裂したときの修理費用・相場
水道管が破裂したときにかかる修理費用は、以下が相場です。階下への水漏れや、修理に壁を壊す必要があるなど、場合によってはさらに修理費用が高くなるケースもあります。以下の相場は目安として参考にしてください。
- 見える場所にある水道管修理:2万円ほど
- 天井裏や床下など、隠れた場所にある水道管の修理:3~5万円ほど
火災保険が適用されることも
水道管凍結による破裂の場合は、火災保険が適用されるケースもあります。つまり無料で修理できる可能性があるのです。
さらに凍結による水道管破裂で水漏れが生じ、家財や建物が被害を受けた場合に受けられる「水漏れ補償」プランなどもあります。自宅の火災保険の契約内容をチェックしてみましょう。
自治体の減免制度
お住まいの自治体によっては、水道管が破裂した場合に、その水道料金の一定額の補助を受けられる減免制度を設けているところがあります。
水道管凍結によって水漏れした場合や、水道管が地中に埋まっていて漏水に気づかなかった場合など、自治体ごとに条件は異なります。お住まいの自治体に減免制度があるか確認してみましょう。
※参考:漏水に伴う水道料金減免制度について(福島市水道局)
寒波に伴う水道管等凍結破損漏水の減免制度について(雲南市役所)
まとめ
水道管の破裂する原因は、主に以下の4つが考えられます。
- 水道管内部の水の凍結
- 水道管の経年劣化
- 地震
- 工事中のミス
万が一、水道管が破裂して水漏れが起きた場合は、今回紹介した方法を参考に落ち着いて対処しましょう。戸建ての場合は水道業者へ、集合住宅の場合は管理会社へすぐに連絡して、迅速に修理することが大切です。
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