「水道料金が前回より大幅に上がっているけど、どこかで水漏れしている?」
「壁の中から水の音が聞こえるけど、もしかして水道管が破裂しているの?」
水道管の破裂は、ある日突然起こることが多く、被害も大きくなりがちです。
一般的に、築20年〜30年以上経過している住宅では、水道管の破裂リスクが高まるとされています。
この記事では、万が一に備え、水道管が破裂した際の具体的な対処手順から、原因、修理費用、水漏れ被害時に利用できる制度までくわしく解説します。
「水漏れは自分で対処できるのか」「もし破裂したら、どのように対応すればいいのか」」と不安に感じる人は、ぜひ参考にしてください。
水道管が破裂した時の対処
水道管が破裂したら、被害を最小限に抑えるために、以下の手順で対処することが大切です。
止水栓・元栓を閉める

水道管の破裂が疑われる場合に最初に行うべきことは、水道の止水栓や元栓を閉めることです。
止水栓とは、キッチン・洗面台・トイレなど各水回りの水道管に設置され、その設備の水量を調整する器具です。
元栓は、家全体の水道供給をコントロールし、水を一括で止める役割を担います。
元栓は戸建て住宅の場合、敷地内の地面に埋められているメーターボックスの中にあることが一般的です。フタを開けてハンドルを時計回りに回せば止まります。
マンションなど集合住宅の場合は、玄関横のメーターボックス内にあることが多いです。
止水栓や元栓を閉めることにより、水漏れ被害を最小限に食い止められます。万が一の時に慌てないよう、止水栓や元栓の場所を事前に確認しておきましょう。
すぐ業者に連絡

止水栓や元栓をしめたら、すぐに水道修理業者に連絡しましょう。
「水道局指定業者」や「お住まいの地域の水道局」に連絡することがおすすめです。水道局に問い合わせると、水道局指定の工事店を紹介してもらえます。
賃貸物件の場合は、まずは管理人や管理会社へ連絡しましょう。
連絡する際は、どのようなトラブルが起きているのか状況を伝えることが重要です。
破裂箇所を塞ぐ
業者の到着までに時間がかかる場合、破裂部分に応急処置を施すことで水漏れを軽減できます。
破損個所にタオルや布を巻き、防水テープで固定します。防水テープはホームセンターなどで500〜1,000円程度で購入可能です。念のため、普段から用意しておくと安心です。
応急処置した状態で、水道を使うことは避けましょう。
なお、自分で応急処置できるのは、水漏れしている箇所が見える場合に限ります。
あくまで一時的な処置なので、必ず専門業者に修理してもらうことが大切です。
周囲の被害状況の確認
水道管破裂による水漏れの被害状況を確認します。
屋内の水道管が破裂した場合は、室内の床が濡れている状態の可能性が高いです。
また、水漏れの近くに家電製品や電気機器がある場合は、水漏れ被害のない部屋など安全な場所に避難させましょう。
さらに、破裂による被害が火災保険や住宅保険の補償対象になる場合があります。そのため、被害箇所や被害状況の写真を撮っておくと保険申請時に役立ちます。
撮影時は、破損状況や濡れた家具・床、家電なども含めて、詳細に記録しておくと安心です。
水道管が破裂したらどこに修繕を依頼すればいい?
水道管が破裂した場合、業者や管理者に早急に連絡することが大切です。戸建てか集合住宅かによって連絡先が異なります。住宅のタイプ別に、依頼先をご紹介します。
戸建ての場合

一戸建ての場合は、自分で業者を手配する必要があります。以下のようなところに連絡をしましょう。
- お住まいの市町村の「指定給水装置工事事業者」
- 24時間対応の水道修理業者
なお、指定給水装置工事事業者は各自治体のホームページに掲載されています。住まいに近い業者やすぐに対応してくれる業者に問い合わせてみましょう。
夜間や早朝、休日に起きたトラブルの場合には、24時間対応の水道修理業者が便利です。
しかし業者によっては、高額請求や不適切な工事を行うおそがあるため、事前に「口コミ」「対応実績」「明確な料金表示」などを確認できると安心です。
「指定給水装置工事事業者」であれば水道局の認可が下りているので、安心して作業を依頼できます。
マンションの場合

マンションの場合は、まず管理会社や管理組合に連絡しましょう。
修理の手続きや対応方法の確認が必要です。
破裂箇所が共用部分の場合は、管理会社や管理組合の負担となります。破裂箇所が専有部分の場合は、本人の責任となります。
自己判断せず、管理側の指示を仰ぐことが大切です。
水道管の破裂の原因
水道管が破裂する主な原因には、次のようなものがあります。原因を知っておくことで、事前の対策もしやすくなりますので確認しておきましょう。
地震

地震による振動で水道管がズレたり、水道管が亀裂や変形による破裂を引き起こしたりすることがあります。
壁の中や地中に埋まっている水道管は目視で確認ができません。
地震が起きた後に、水道を使っていない状態で、水道メーターが動いていないかチェックすることで異常を確認できます。
とくに古い配管は、地震の影響を受けやすいため注意が必要です。
経年劣化

一般的に、築20〜30年以上経過している住宅では、水道管の寿命による破裂リスクが高まるとされています。
水道管の寿命は、管の素材、材質、そして埋設されている環境によって大きく異なります。素材ごとの耐用年数は、以下のとおりです。
- ポリエチレン管(合成樹脂素材):30~40年
- 硬質塩化ビニルライニング鋼管(鋼管内部を特殊な樹脂でコーティングした素材):20~25年
- 亜鉛メッキ鋼管(鉄に亜鉛メッキを施した素材):15~20年
※現在、亜鉛メッキ鋼管は給水管へ使用することを禁止とされているため、破裂した場合は別の素材へ交換となります
現在よく使用されるのは、ポリエチレン管です。耐震性に優れており、化学物質にも強い水道管で、耐熱性にも優れています。しかし日光に弱く、日の当たる場所に設置されている場合は早く劣化し、耐用年数よりも短い期間で破損する可能性があります。
サビや腐食が進むとわずかな衝撃でも破裂するリスクがあるので、見えない部分にある配管ほど、定期的な点検が重要です。築年数20年以上の住まいであれば、5~10年ごとに点検することが望ましいでしょう。
凍結
寒冷地や寒波が来る地域では、冬に水道管が凍結しやすくなります。
水が凍ると体積が増え、水道管の内側から圧力がかかり破裂につながります。
住宅の北側にある配管や、屋外などの断熱材のない場所にある配管はとくに注意が必要です。水道管が凍り始めるのは気温がマイナス4度になってからです。
凍結が起こりやすい状況の場合は、水道管の水を少しずつ流し続けることで凍結を防げるでしょう。
水道管破裂の修理費用
水道管が破裂した際に、想定される修理費用を説明します。また、水道管破裂時に被った被害や費用を一部補ってくれる制度も紹介します。
費用相場

水道管の破裂修理費用は、以下のように、修理する場所や作業内容によって大きく異なります。
- 屋内の水道管で目視できる場所:2万円程度
- 壁内・床下配管:3万~5万円程度
- 屋外配管(地面掘削が必要な場合):5万~15万円以上
壁内や床下、地中など、配管にアクセスするために床や壁を撤去・復旧する必要がある場合は費用が高くなります。
また、部品交換か全体的な交換かなど、必要な作業範囲によって費用が変動します。出張費や深夜・休日対応の割増料金などが追加されることもあるため、上記の費用は目安として参考にしてください。
水漏れ被害や水道料金補助に使える制度
水道管の破裂で修理が必要になった場合、以下のような補助や保険制度を利用できる可能性があります。
- 火災保険や住宅総合保険
- 自治体の補助金制度
火災保険では、水道管破裂による水漏れや家財の損害が補償対象になる場合があります。自宅の火災保険の契約内容を確認しましょう。
保険を使う場合は、被害の写真や修理前後の記録、業者の見積書・領収書などを保存しておくことが大切です。
お住まいの自治体によっては、水道管が破裂した場合に、その水道料金の一定額の補助を受けられる減免制度を設けているところがあります。
また、古い住宅の給水管改修に対して、補助金が出る自治体もあります。お住まいの自治体に減免制度があるか確認してみましょう。
まとめ
築年数が20〜30年以上の古い家では、水道管の破裂が起こるリスクが高いです。いつ破裂するかわかならいからこそ、「破裂したらどうすればいいのか?」を事前に知っておくことが、被害を最小限に抑えることにつながります。
万が一、水道管が破裂して水漏れが起きた場合は、今回紹介した方法を参考に落ち着いて対処しましょう。
戸建ての場合は水道業者へ、集合住宅の場合は管理会社へすぐに連絡して、迅速に修理することが大切です。
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