キッチンやトイレなど、建物内の設備に水を供給する役割がある水道管。破裂すると水漏れが発生して、家の中が水浸しになります。突然起きる漏水にパニックになる人もいるでしょう。
今回は水道管破裂の原因と予防方法について解説します。この記事を読めば水道管が破裂したときどんなことが起きるか、また、その対処法がわかります。落ち着いて対応でき、被害を最小限に抑えられるでしょう。
水道管の破裂原因
各家庭に水を供給する水道管を給水管といいます。キッチンや風呂場などへ水を運ぶ役割のある水道管(給水管)は、ある日突然破裂することがあります。水道管が破裂する主な原因は以下の3つです。
経年劣化による破裂
水道管は年月が経つにつれて劣化するため、永久に使い続けられるわけではありません。水道管の材質や太さ、設置環境によって寿命は変わり、劣化することで水道管が破裂する恐れがあります。
ただし水道管破裂は、住宅が築10年で起きることもあれば、50年以上経過しても破裂しないケースもあります。いつ起こるか予想がしづらいため、対策や予防が難しいのが実情です。
水道管破裂が起きたときに素早く気づけるように、普段から水道料金のチェックをすることが大切です。水道料金が突然上がった場合は、見えない場所で水道管が破裂などして漏水している可能性があります。
凍結による破裂
気温が下がる冬場に気をつけたいのが、水道管の凍結による破裂です。水は氷になると体積が増えるため、水道管内の水が凍ることで膨張して水道管や接続部を破損させます。
一般的にはマイナス4℃で水道管が凍結する恐れがあります。とくに氷点下を下回る寒冷地では注意が必要です。またマイナス4℃以上でも、家の北側や日陰、風が吹きつける場所にある水道管は凍結する可能性があります。
地震による破裂
地震の揺れによる衝撃でも水道管が破裂することがあります。破裂するのは大きな地震による衝撃を受けたときだけではありません。水道管が劣化している場合は、小さな地震でも壊れる恐れがあるため注意が必要です。
地震の揺れがおさまってから、水道を止めた状態で水道メーターを確認してみましょう。水を使用していないのに水道メーターが動いている場合は、水道管が破裂して漏水している可能性があります。
破裂した水道管の症状は?
蛇口をひねると水が勢いよく出るように、水道管の内部は高圧状態になっています。そのため水道管が破裂すると、水道を使っていなくても破損した部分から水があふれ出てきます。
屋内にある水道管が破損などした場合は水漏れが生じて、床が濡れたり水浸しになったりするでしょう。とくにキッチンやトイレ、お風呂などの水回りから被害が発生しやすく、トイレの場合は流す水の量が減るため、汚物が流せなくなったり、詰まりが発生し逆流したりすることもあります。
さらに水漏れの二次被害によって、家具や電化製品が濡れて壊れたり、床材や壁紙の剥がれ・シミなどの被害が生じたりします。建物内部の基礎部分が濡れて傷むと、大規模なリフォーム工事も必要です。
マンションやアパートの場合は階下の部屋にまで水漏れ被害が拡大する恐れがあります。
屋外にある水道管が破裂した場合は、晴れているのに家の周りの地面が濡れたり水浸しになったりします。屋外でのトラブルであるため、水漏れに気づきにくいのが特徴です。発見が遅れた場合は、近隣の住宅へ水漏れ被害が広がる可能性もあります。
破裂した水道管の対処法
水道管が破裂した場合は、すぐに業者へ修理を依頼しましょう。ただし業者のスタッフが忙しい場合は、駆けつけるまで時間がかかることもあります。
つづいて破裂した水道管の対処法を紹介します。水道管が破裂すると水が漏れ続けるため、業者が来るまで自分で応急処置を行い、被害を最小限に抑えましょう。
止水栓(元栓)を閉める
水道管が破裂した場合は、まず止水栓を閉めましょう。止水栓は水道管の途中に設置されており、水量を調整したり止めたりできる器具です。
止水栓には、家全体の水流をコントロールする「元栓」とキッチンやお風呂などの水回りごとに設置されている「止水栓」の2種類があります。水道管が破裂した際は元栓を閉めます。元栓を閉めて水量を止めることで、水漏れの被害を最小限に抑えられるでしょう。
【元栓の設置場所】
元栓の設置場所は住居のタイプや建物ごとに異なります。元栓の場所がわからない場合は、建築会社や管理会社に連絡して確認しましょう。
また水漏れ時のトラブルに備えて、事前にご自宅の元栓の場所を把握しておくと安心です。
住居のタイプ | 元栓のある場所 |
一戸建て | ・水道のメーターボックスの中に設置されているケースが多い ・メーターボックスは敷地内の地中に埋まっているケースが多い |
集合住宅 | 建物ごとに異なり、以下のような場所に設置されている ・玄関近くにある鉄扉の中 ・駐車場や駐輪場の共用スペース ・廊下に埋められている |
元栓の閉め方とタイプ
元栓を閉める場合は、時計回りにレバーを回しましょう。開ける場合は、反時計回りに回します。元栓のタイプには蛇口のようにハンドルが付いたハンドル式や指でつまんで回せるレバー式があります。汚れなどが付着して固く開閉が難しい場合は、ドライバーを使うといいでしょう。
破裂した箇所に応急処置をする
破裂した箇所に手が届く場合は応急処置をしましょう。水漏れ被害を抑えることができます。
破損部分にタオルなどを巻き付けて、ビニールテープでしっかりと固定します。巻き付けたタオルがある程度水を含んだら、新しいタオルに交換しましょう。
ただしこの対処法は業者が修理に来るまでの応急処置です。必ず業者に修理してもらいましょう。
業者に修理を依頼する
水道管が破裂したら下記の連絡先に問い合わせて、できるだけ早く業者に修理してもらいましょう。
住居のタイプ | 連絡先 |
一戸建て | ・建物の水道工事を担当した水道業者へ連絡 ・連絡先がわからない場合: 建築を依頼した工務店やハウスメーカーに問い合わせる 市の水道局に連絡し、業者を紹介してもらう |
集合住宅の場合 | ・管理人や管理組合に連絡 ・早急に修理が必要な場合: 建物の水道工事を担当した業者に直接連絡する ※必ず管理人や管理組合にも連絡をすること |
水道管が破裂しないための予防法
凍結による水道管の破裂は対策することで予防できます。冷え込みが予想される場合は下記を参考に、事前に対策をしましょう。
保温する
水道管を保温することで、凍結を予防する方法です。屋外に露出している蛇口や水道管、水道メーター、また屋内でも浴室などの日が当たらず冷えやすい場所にある水道管や蛇口などに対策しましょう。
蛇口や水道管にタオルなどを巻き付ける、メーターボックスに発泡スチロールを入れるなどの方法で保温します。ホームセンターなどで購入できる凍結対策グッズの保温テープや凍結防止カバーなどを利用するのもおすすめです。
水を出しっぱなしにする
蛇口から少量の水を出し続けることで、水道管の凍結を予防する方法です。流れる水は氷点下になっても凍りにくい性質を利用します。
蛇口をひねるだけで簡単にできる予防法ですが、水を出し続けるため水道料金がかかる、流しっぱなしにできないトイレなどには対応できないのがデメリットです。
水抜きをする
水道管の中の水を抜いて凍結を防ぐ方法です。水道の元栓を閉めてから蛇口をひねり、水道管の内部にある水をすべて出し切ります。水道管が空になり水が出なくなったら、最後に蛇口を閉めます。
水道の元栓を閉めるため、水抜きをする間は水道を使えないのがデメリットです。
まとめ
今回は水道管の破裂の原因と予防方法について説明しました。水道管が破裂した場合はすぐに業者へ修理の依頼をすることが重要です。
また、破裂した箇所から水漏れが発生して、室内が水浸しになる可能性があります。今回の記事を参考に対処することで、万が一のときも落ち着いて対応でき、被害を最小限に抑えられるでしょう。
凍結による水道管の破裂は予防もできます。冷え込みが予想される場合は、事前に対策を行い、水道管の破裂を防ぎましょう。
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