日本の水道環境はとてもよく、美味しくきれいなお水が出て当たり前だと思っていませんか?
ですが、水道管の中は常にきれいとは限りません。蛇口をひねった時に、赤い水が出てきたという経験があるという方は意外に多いのです。
この赤い水の原因は、水道菅内部のサビ。
赤い水が出ていなくても、水道から異臭がしたり、シャワーの勢いが弱くなったりした場合は点検が必要かもしれません。
今回は水道菅内部にサビができる原因と、サビが出来た時の対処方法をお伝えいたします。
下水道の仕組み
水道管内部のサビの原因を説明する前に、下水道の仕組みについて簡単にご説明します。
下水道の所有権は、公的な領域と私的な領域があります。公的な領域の管を配水管、私的な領域の管を宅内給水管といいます。
道路など、公共の地域の下に通っている下水道は、その町の所有物となります。
他方、公共の領域から個人の所有領域つながる管と、宅内に通る管はその住居者の所有物となります。ですので、仮に宅内給水管に不具合が生じた場合、その修理はそこの居住者の責任で行われることになります。
サビができる原因
サビの原因となるパターンはいくつかあります。赤い水が出る場合、考えられるのは宅内給水管あるいは配水管の内部が錆びているケースです。
水道管内部が錆びる原因として大きい理由の1つが、水道管の素材。水道管は鉄でできています。しかも、水道水には鉄のサビを進行させる塩素が含まれていますので、より錆びやすい環境なのです。
サビができると剥がれ落ち、水とともに流れていきます。そして、水道管自体も耐久性が落ちていきます。
ただし、近年では錆びやすい鉄製の配水管に代わって、配管に樹脂素材が使用されることもあります。
蛇口から赤い水が出るケース①
蛇口から水を出した際、最初の方だけ赤い水が出る場合は、宅内給水管の内部が錆びている可能性があります。
ちなみに水道菅は、15〜25年ほどで交換が必要になるといわれています。赤い水が出る・出ないに関係なく、宅内給水管の定期的なメンテナンスは必要と認識しておきましょう。放置しておくと、管の修理や交換に予想外の費用がかかることもあります。
蛇口から赤い水が出るケース②
赤い水がずっと出続けているケースです。この場合、公共領域の配水管内部にサビが発生している可能性があります。
また、自分の家だけでなく、近隣の住宅の蛇口からも赤い水が出る、という話があった場合も、やはり公共領域の配水管内部が錆びている可能性が高いといえます。
しばらく水を流して様子をみて改善されない場合は、町の水道局へ連絡しましょう。
まとめ
安心・安全な水を毎日利用するためにも、水道菅のメンテナンスは意識したいところ。とくに、宅内配水管の場合は築年数を参考にするとよいでしょう。
水道管の寿命は、およそ15~25年といわれています。築年数がそれ以上なら、やはり水道管のメンテナンスをおすすめします。
赤い水ではなくても、ごく少量のサビが水に交じっている可能性もあります。健康被害につながる前に対処しましょう。