シロアリ被害の悲惨すぎる現状!発生時期・原因を知り最善策を

シロアリ被害の悲惨すぎる現状!発生時期・原因を知り最善策を

「シロアリに困っている」「シロアリ被害をどこに相談すればよいか分からない」「シロアリの数が少ないから問題なさそう」と考えている人は、意外に多いのではないでしょうか。
いずれにしても、シロアリを放置すれば、事態は悪化するばかりです。家1棟が倒壊するだけでなく、シロアリの駆除に失敗すれば近隣にも被害が及びます。
そこで今回は、シロアリの被害事例や生態などに触れたうえで、シロアリを駆除できる実用的な方法を紹介します。
記事を読めば、手軽に実践できるシロアリ予防法やシロアリ駆除の相場が分かり、決断する勇気が持てます。

シロアリは「家1棟が倒壊する」ほどの力を持つ

シロアリは家中の至る所に発生します。シロアリ被害が「家全体の目に見える場所」で確認できる場合は、「末期症状」です。この状態になると、家1棟が倒壊しても不思議ではありません。

住宅内で起こり得るシロアリ被害事例

たとえば、床束(ゆかつか)・土台外壁の内側など、構造内部の下地を食い尽くします。

シロアリ被害の例

間取り別のシロアリ被害例

シロアリ被害が末期症状になると、その爪跡は顕著です。玄関では、上がりかまちや巾木(はばき)、和室では欄間や畳、洋室ではフローリングが、目に見える形でむしばまれていきます。

シロアリ被害の例

シロアリ被害の例

ただ、末期症状に至る前に、床下や柱の内部といった「要所」をすでに食い尽くしている可能性が高く、家を支える機能の低下も否めません。また、畳やフローリング下の敷板が空洞化している場合もあります。

 

シロアリ被害かが分かるチェックポイント

シロアリ被害の確認は簡単にできます。その際のチェックポイントは5つです。

「蟻道(ぎどう)」を確認する

シロアリには何種類かあり、その習性の1つが「蟻道をつくる」ことです。

写真

引用元:株式会社三共プロテック

乾燥と光に弱いことから蟻道をつくり、特に「基礎コンクリートの周囲」に見られます。

室内では湿気がたまりやすい場所を確かめる

シロアリは乾燥と光に弱い反面、湿気を好んで群がる習性もあります。湿気がたまりやすい床下や畳の裏側などは、シロアリが多く集まる場所です。
主なシロアリ被害の症状として、床下にシロアリの木くず・ふんがある、床や畳がふかふかするなどが挙げられます。
また、水分を吸収しやすい壁や柱の内部も、シロアリが発生しやすい箇所です。壁や柱をたたくと空洞音がする場合は、すでにシロアリの侵食が始まっていると考えられます。

庭木、枕木装飾、廃材を確かめる

シロアリの発生は室内にとどまりません。庭に木を植えていたり、廃材を置いていたりすると、シロアリの餌食になります。報告されている事例で多いのは、デザインを意識した枕木装飾、庭木を切った際にできた切り株などにシロアリが被害を及ぼしているかを確認する必要があります。

雨漏りや水漏れの跡が見られる

たとえば、屋根裏がシロアリ被害に遭うと、瓦やスレートといった屋根材を支える下地が弱くなり、雨漏りを招きます。洗面所の床下であれば、排水管を固定している下地がもろくなった結果、排水管が傾くなどして外れ、水漏れします。
つまり、雨漏りや水漏れはシロアリによる二次被害の可能性が高く、同時にシロアリの侵食も深刻な状態です。

築15年以上経過+床下の点検をしていない

住宅メンテナンス組合の調査によると、築15年を境にシロアリ被害の発生率が変化するといわれています。
築15年未満のシロアリ被害の発生率が約3%未満なのに対し、築15年以上では約4~10%です。

この調査では、シロアリの住宅被害において「床下の被害率が64%で最多」というデータも出ています。これらのデータを踏まえると、15年以上床下の点検をしていない住宅は、シロアリ被害に遭っている可能性が高いといえるでしょう。

 

シロアリ被害に遭いやすい住まいの特徴

シロアリの住宅被害におけるポイントは「湿気」と「木材」です。この章では4つの特徴を説明します。

床下40cm未満&床下の換気口が少ない

床下に適度な空間を設けていないと風通しが悪くなり、湿気もたまりやすくなります。つまり、床下が低い家はシロアリにとって好都合です。
床下の高さは、建築基準法で40cm以上と義務付けられているため、床下40cm未満の住宅はシロアリ被害に気をつけなければなりません。

また、床下の換気口が少ない場合も、シロアリ被害に注意が必要です。床下に基礎を施す際、建築基準法では300cm2以上の換気口を5mごとに配置するとされています。
たとえば、15坪程度(約30畳分)の基礎を正方形につくった場合、1辺の長さが約7mなので1つ以上の換気口が必要です。外周は4辺あるため、最低でも4つ以上の換気口を設置します。そのうえで正方形の内部も、間取りの長さに応じて5mごとに換気口を設けてあるのが目安です。

押入れがカビ臭い

押入れは密閉する機会が少なく、内部構造と密接している場所です。そのため、下地にカビが発生すると、カビ特有の臭いが押入れ内にこもります。
カビとシロアリの発生に関連性はないといわれていますが、いずれも湿気が関係する点は共通しています。カビが発生している場合は、シロアリ被害も十分に考えられます。シロアリはカビのように独特の臭いを発しないため、カビの臭いが1つのサインといえるでしょう。

家の周辺に川や池がある

シロアリ被害は、家の造りだけでなく地勢にも関係します。
たとえば、家の近くに川や池がある場合、周辺一帯は湿地帯の可能性が高く、地盤も軟弱です。ということは、水分を多く含んだ土地でもあるため、地表に湧き上がる湿気の量も多くなります。言い換えれば、換気効率の問題から床下に湿気をため込むのではなく、自然発生により必要以上の湿気をため込んでしまうケースです。

建具の立て付けが悪くなっている

主に格子戸、ふすまや障子など、木製建具のシロアリ被害例もあります。木造の戸建て住宅に多く見られるケースです。建具の立て付けが悪い場合も、シロアリ被害を視野に入れる必要があります。

 

シロアリの生態を知る

シロアリ被害の対策を立てるには、シロアリの生態をしっかり把握しておくことが大切です。

日本の家の5軒に1軒はシロアリがいる!

2013年に国土交通省が調査した「シロアリ被害実態調査報告書」によると、調査対象の約5,300軒のうち「1,000軒以上でシロアリ被害があった」そうです。この調査では、木造在来や2×4工法、鉄筋コンクリート造など、建物の構造を問わず調査しています。
つまり、マンションか木造住宅かにかかわらず、日本の住宅の約5軒に1軒はシロアリ被害が想定されるといえるでしょう。

シロアリの餌は木材

シロアリの特徴は木材を餌にすることですが、木材なら何でも食べるわけではありません。
好んで食べる木材は「マツ、ホワイトウッド、ヤナギ」
好まない木材は「ヒバ、カシ、アピトン」
といわれています。

ホワイトウッドは欧州系のモミ、トウヒの総称で、2×4工法で使われる代表的な木材の1つです。また、木造在来工法ではマツも多く使われます。
したがって、シロアリはマンションにも発生しますが、ターゲットになりやすいのは2×4や木造在来工法です。

外来種の繁殖によりシロアリの種類が増加!

かつて、日本の主な在来種はヤマトシロアリとイエシロアリといわれていましたが、1980年代ころから外来種の繁殖も目立ち始めています。その代表格がアメリカカンザイシロアリです。
アメリカカンザイシロアリは、家1棟が倒壊するほどの威力を持ち、今の日本に生息するシロアリの中で最も脅威があるといわれています。なお、現時点で確認されている日本のシロアリは22種類で、シロアリ被害の報告例が最も多いのが、「ヤマトシロアリ」「イエシロアリ」「アメリカカンザイシロアリ」です。

 

日本に生息する主なシロアリ被害の特徴

前述した3種のシロアリは、基本的に家中にある湿った木材なら、場所を問わず食い尽くします。なかでも、「堂倒し」の異名を持つイエシロアリは、木材だけでなくコンクリートやプラスチックも食べるので、マンションでも油断はできません。
また、屋根裏の被害例が多く報告され、梁(はり)や桁といった太い横材を好んで食べる傾向にあります。

それに対し、床下に多く見られるのがヤマトシロアリです。主な被害例としては、基礎材をはじめ、床上の畳や家具、木材のつなぎ目などが挙げられます。

一方、湿った木材だけでなく、乾燥した木材も食べるのがアメリカカンザイシロアリです。カンザイとは「乾材」のことで、木材の乾湿状態に関係なく食べ尽くします。木材の外に出ることはないため、侵食後は空洞化を起こすのが特徴です。

シロアリは黒アリや木食い虫とは違う

シロアリも黒アリも「アリ」ですが、昆虫としての分類をはじめ、食べ物や生息形態などが異なります。特に食べ物の違いが顕著で、基本的に黒アリは木材を食べない昆虫です。その代わり、シロアリを食べる性質があります。なお、シロアリが黒アリを食べることはありません。

一方、木食い虫は黒アリと似た黒褐色の昆虫ですが、黒アリやシロアリにはない甲虫特有の固い背中を持ちます。木材を食べる点はシロアリと同じですが、家1棟を倒壊させるほどの威力はありません。
また、木材を食べる際に木くずを落とす点も、シロアリとは異なります。

これでわかる!シロアリと黒アリの見分け方

シロアリも黒アリも種類が多く、黒アリに似た色や形のシロアリも存在します。とはいえ、触覚や羽アリに変化した状態などに違いが出るため、シロアリと黒アリを見分けることは可能です。

シロアリの羽アリ
【シロアリの羽アリ】
黒アリの羽アリ
【黒アリの羽アリ】

シロアリも黒アリも、繁殖期に入ると羽アリに変化します。ただ、シロアリは「4枚の羽根の大きさがほぼ均一」で、黒アリは「前羽の2枚だけ大きい」という違いがあります。

一方、羽なしの状態では、シロアリの触覚が「直線」なのに対し、黒アリは「くの字」です。また、シロアリは全体的に寸胴体型ですが、黒アリにはくびれがあります。

シロアリの80%が地中から侵入

シロアリが家に侵入する際、80%が地中の巣から蟻道を伝ってくるといわれています。近年では、配管の中から侵入するケースも珍しくないようです。シロアリの侵入を一度許すと、至る所に巣をつくり、それを放置すれば被害は広がり続けます。
残りの20%は羽アリが飛んできて侵入するケースです。シロアリは、4~6月に繁殖期を迎えると、羽アリに変化します。

シロアリの生息エリアは北上傾向

シロアリは本州を中心に、全国各地で生息が確認されています。なかでもヤマトシロアリの分布は、北海道の北部を除く全国47都道府県と最多です。
イエシロアリの分布は元来、九州をはじめとする温暖地域が主流でしたが、近年は関東南部や東北の一部でも確認されています。
アメリカカンザイシロアリの生息範囲は、まばらで少ないのが特徴です。東京や大阪といった都市部で生息が確認されています。

 

シロアリ被害に有効な11の対策

シロアリ被害の対策には駆除と防除があり、いずれも薬剤を使用します。駆除と防除の違いを簡単にいうと、すでに発生しているシロアリを根絶させるのが駆除で、前もってシロアリ被害を防ぐのが防除です。

シロアリの駆除工法

シロアリ駆除には、薬剤を散布する2つの工法があります。
1つは、床下の木材や壁の中にいるシロアリに直接薬剤を散布するバリア工法です。即効性が期待できるほか、新たなシロアリの侵入を防ぐための薬剤散布も実施します。
もう1つは、薬剤散布用機材を使ったシロアリ駆除です。

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引用元:テクノ株式会社

使用する機材がバリア工法より大きいため、屋根裏のように広い場所で効果を発揮します。薬剤が泡で散布され、アメリカカンザイシロアリにも有効です。

シロアリの防除工法

シロアリ防除は主に3つの工法があり、いずれも薬剤は使うものの散布はしません。
なかでもベイト工法は、安全性の高いシロアリ防除です。地中に埋め込んだ薬剤入りの餌をシロアリが持ち帰ることで、巣ごと絶滅させます。イメージとしては市販のゴキブリ駆除剤に近く、食べても安全な成分を使用しているのが特徴です。
タームガードは、新築の施工時に基礎の周りを専用のパイプで囲み、地中に向けて薬剤を注入する防除工法です。

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引用元:株式会社アメニティ・クリエイト三共

タームガードは取り外す必要がなく、定期的にパイプに薬剤を注入し続ければ、長期にわたるシロアリ防除が望めます。薬剤の持続効果の目安は5年です。

アリダン工法も新築時の基礎に施します。
アリダン工法とは、基礎の内部=床下にあたる土間全体を薬剤入りの専用シートで覆い、シロアリの侵入を防ぐ工法です。

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出典:アリダン施工協力会

手軽にできる6つのシロアリ予防法

シロアリの駆除・防除は、DIYでも不可能ではありませんが、前述したプロの工法に比べると、危険性や専門性の高さは否めません。業務用の薬剤も市販されていますが、床下や屋根裏での作業を考えると、ある程度のノウハウを身につけておく必要もあります。
DIYで手軽に実践できるのが、以下にまとめた6つのシロアリ予防法です。

  1. なるべく玄関周りをぬれたままにしない。
  2. 基礎にある通気口をふさがない。
  3. 木材を放置しない。
  4. 数年に1度は床下の点検をする。
  5. 羽アリが飛び交う4~6月は網戸に虫よけスプレーをまく。
  6. 室内の換気回数を増やし湿気や結露を防ぐ。

シロアリ駆除&防除を業者に依頼する際の注意事項

業者を選ぶときは、適正な施工価格かが重要です。とはいえ、業界の相場が分からないと、適正価格を判断できません。
そこで、首都圏にある主要なシロアリ駆除業者10社の平均相場と、契約に関する注意事項をまとめました。

  • シロアリ駆除の価格:約8,700円/坪(点検調査料込み)
  • シロアリ防除の価格:約5,400円/坪(点検調査料込み)
  • 施工箇所の詳細説明の有無
  • 薬剤の有効年数の説明の有無(5年が目安)
  • アフターフォローの説明の有無(5~10年の保証期間を設けている。保証期間内であれば、シロアリの点検や駆除が無料。年に一度の定期点検があるなど)
  • 保証範囲および期限の有無(シロアリの損害賠償を保証するなど)
  • 大げさな提案や営業の有無(「今すぐシロアリを駆除しないと明日にでも家が倒れる」「本日に限り半額にてシロアリ駆除を実施」「床下の風通しをよくするために専用換気扇の設置が必要」など)

 

シロアリ被害によるトラブル・疑問と解決方法

シロアリ駆除後の再発をはじめ、シロアリ被害での火災保険の適用、近隣とのトラブルについて見ていきましょう。

シロアリ駆除が原因のトラブル

シロアリ駆除を依頼したものの、被害が収まらなかったり、時間を置いて再発したりすることもあります。その場合、シロアリの損害賠償を保証する契約を結んでいれば、駆除費用や損害費用の請求が可能です。
ただし、ヤマトシロアリやイエシロアリに限定される、保証の上限が300万円といった条件もつきます。

シロアリ被害で火災保険は下りる?

結論からいうと、シロアリ被害に火災保険は適用されません。理由は、火災保険が定める「偶発」に反するからです。偶発とは、予想できない状態が偶然に起こり得ることです。シロアリには発生条件があるため、予測不能の事態とはみなさないといわれています。
なお、似たようなケースでは、瑕疵(かし)担保責任保険も適用されません。理由は、シロアリ被害は対象外のためです。

羽アリの飛来によるトラブル

羽アリの生命力は短く、生き残れたとしても巣をつくるまでは「時間がかかる」といわれています。ですから、羽アリは時期的に大量発生しやすいものの、すぐにシロアリ被害に直結するというのは現実的ではないでしょう。

シロアリ被害の近隣トラブルが起きたらどうすればよい?

考えられるケースはイエシロアリです。イエシロアリは、ヤマトシロアリやアメリカカンザイシロアリに比べて移動能力が高く、駆除した場合に近所に逃げる可能性があります。
ただ、巣を駆除すればイエシロアリは壊滅するので、確実に巣を発見できる業者に依頼することが解決の近道です。

 

まとめ

シロアリ被害を放置しても解決することはありません。むしろ、被害は大きくなる一方なので、一刻も早く侵食を止めることが先決です。
まずは手軽にできる、シロアリ被害のセルフチェックや予防法を実践しましょう。また、シロアリ被害が深刻だったとしても、業者に点検してもらい相談することもできます。
シロアリは見た目も被害も怖いものですが、今動ける勇気があれば、少なくとも5年間は安心が得られるのではないでしょうか。
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