知らぬは損!結露の原因から知る「納得の対策」とは?

「いつも結露に悩まされているけれど、これといった対策が分からない」という人は、意外に多いのではないでしょうか。
実は、結露の対策はたくさんあります。また、結露の状態や性質を知れば、適切な対策も見えてくるものです。

そこで今回は、結露の原因や発生しやすい場所などについて触れたうえで、自宅で簡単にできる「納得の結露対策」を紹介します。
記事を読めば、結露防止に効果的な15の方法のほか、結露が引き起こす危険も分かり、健康対策としても役立ちます。
ぜひ参考にしてください。

結露とは?

国語辞典によれば、結露や露(つゆ)とは「大気中の水蒸気が冷えて、物の面に水滴になってついたもの」です。言い換えれば、水蒸気が水滴に姿を変え、どこかの面につくものが結露です。
結露には、2つの種類があります。

表面結露

湿度の高い梅雨や、寒さの増す真冬などに発生する、いわゆる“人目に触れる”機会の多い水滴が表面結露です。身近なところでは、窓の曇り、玄関につく水滴、キンキンに冷えたビールジョッキの水滴などが挙げられます。

内部結露


引用:kamisei

表面結露とは対照的に、人目に触れにくい場所に発生する水滴が内部結露です。
水蒸気は、室内の人間が生活するスペースだけにとどまらず、壁の内側にまで浸透します。普段は目にする機会の少ない内部でも、実は窓やビールジョッキに見られるような現象が起きているのです。

結露が起きる原因

室内を漂う水蒸気は、外気との「温度差」が開くほど水滴に変わりやすくなります。簡単にいうと、この温度差が結露発生の原因です。

結露の仕組み

一口に温度差といっても、夏場の冷房より冬場の暖房の方が、朝起きたときに窓際などの結露が目立つと感じる人も多いでしょう。一方で、夏場は「キンキンに冷えたビールジョッキの水滴」という風物詩もあります。
なぜこのような矛盾が生じるのかというと、結露には温度差だけでなく「湿度」も関係しているからです。

結露が発生する温度は、湿度の割合(パーセンテージ)で決まります。空気中の水蒸気が凝結して露になり始めるときの温度を、露点といいます。
露点は「湿度100%を基準」とし、たとえば「気温30度・湿度80%=露点26.17度」のように決められています。湿度100%とは、空気が含むことのできる「水蒸気量の上限」に達した状態のことを指します。つまり、水蒸気量の上限に達した状態になると、温度に関係なく水蒸気が水滴(=結露)に変わるのです。

冬場と夏場で結露発生が異なるカラクリ

湿度は温度と同じように、季節に応じて変化します。特に、冬場の湿度は低く、逆に梅雨を含む夏場の湿度は高くなりがちです。
そうすると、結露になりやすいのは夏場のはずですが、ここにカラクリがあります。それは「空気と温度の関係性」です。


引用:DAIKIN

気温が高くなるほど、空気はより多くの水蒸気を含むことができます。反対に、気温が低いと少量の水蒸気しか含めません。つまり、気温が低いと、湿度が低くても早く露点に到達して結露が発生するのです。
これが、冬場と夏場で結露発生が異なる理由です。

結露は、その表れ方も季節によって違いがあります。冬場は冬型結露、夏場は夏型結露と区別するのが一般的です。
冬型結露は窓や玄関、部屋の隅の壁などに表れます。そうした目に見える場所以外に、寒暖差の激しい床下や壁の内側といった「内部の構造」でも結露が発生するのが特徴です。
夏型結露は、目に見えにくい床下や壁の内側はもちろん、日差しの照り返しが強い屋根裏などに表れます。
つまり、冬型結露では表面結露と内部結露の2つが発生し、夏型結露は主に内部結露が発生しやすいのです。

結露が戸建てよりもマンションの方で起こりやすい理由

マンションは、近代建築の構造上の便利な特徴が結露を招きやすくする場合もあります。マンション建築で使う建材も、結露が起こりやすくなる理由の1つです。
戸建てよりもマンションの方が結露が起こりやすい原因を、主に2つ説明します。

マンションの気密性が結露を招く

現代の新築マンションのトレンドの1つに、限りなく隙間をなくすことで熱ロスや省エネ効果が望める「高気密住宅」があります。高気密マンションでは、隙間風の侵入を防ぐという快適さがある分、換気を意識する必要もあります。
ただ、高気密住宅にすると窓の数も減るため、一般的な戸建て住宅より「換気の効率」が低くなるのです。
部屋の空気を入れ替える回数が少ないと、それだけ室内の湿度も高くなるので、結露の発生は時間の問題です。

コンクリートと木材の違いが結露発生の明暗を分ける

一般に、マンションは鉄筋コンクリート造、戸建て住宅は木造と、工法や使う建材が異なります。
まず木造の場合、鉄の400分の1とされる「熱伝導率の低さ」が持ち味で、コンクリートを上回る断熱効果があります。湿度や乾燥状態に応じて、水分の吸収と放出を自動的に繰り返すという優れた特徴も持っているのです。
一方、熱伝導率の高いコンクリートは熱をためやすく寒さも通しやすいので、断熱性能を上げないと防湿効果は望めません。また、水とセメントを成分とし、乾くと水分を放出するのが特徴です。コンクリートの水分の放出は築後10年にわたって続き、特に最初の1~3年は放出量も増えやすくなります。
つまり、コンクリートは温度差が開きやすく、自然に湿度を上げてしまう性質があり、結露発生の原因となる特徴を持ち合わせているのです。

結露を放置するとどうなる?

結露を甘く見て放置すると、健康に影響を及ぼすだけでなく、1棟の家が倒壊する危険すらあります。また、表面に表れない内部結露や夏型結露も油断は禁物です。
結露を放置すると、主に3つの弊害が生じます。

ダニやカビが発生

結露の放置で最も注意すべき問題が「ダニ・カビ」の繁殖です。
湿度の高い環境を好む「カビ」が生えると「ダニ」も増殖し、そこから「ぜんそく」や「アトピー」といったアレルギーにつながります。
ダニ・カビは目に見えず、完全に除去できるものではありませんが、寿命が2~3カ月なので発生と繁殖を防ぐことが最善策です。毎日の掃除はもちろん、結露対策に有効な「温度と湿度」も意識して対策すると、ダニ・カビの発生を抑えられます。
ダニ・カビが好む環境の目安である「室温25~35℃」「湿度75%以上」の環境を避けることがポイントです。

壁紙にシミができて腐食する

内部結露の典型例が、壁紙(クロス)のシミです。
一般に、内部構造は断熱材→構造パネル→下地(木材による枠組み)→石膏ボード→クロスの順に仕上げていきます。つまり、クロスにシミができた場合、すでに内部結露が深刻である可能性が高いのです。
クロスのシミを放置すると、ダニ・カビの発生はもちろん、腐食も始まるので注意が必要です。

住まいの構造材が腐食する


引用:イザットハウス

結露の放置によって構造材が腐食すると、危険は建物全体に及びます。
構造材には前述した壁面のほか、床下や屋根裏、軒天などもあります。なかでも、建物の要所である壁面の筋交いや床下の床束の腐食が進行すれば、最悪のケースでは住まいが倒壊してもおかしくありません。

結露が発生しやすい場所

家のなかで特に結露の発生しやすい場所は「5つ」です。結露発生で想定されるリスクも踏まえて見ていきましょう。

窓&サッシ【結露発生率トップ】

窓は、室内の結露の代表的な発生場所です。それを裏付けるように、東京都福祉保健局のアンケート調査では約8割以上の世帯が「窓のみに発生した」と答えています。
窓は外気と直に接する場所で、結露にとっても好都合です。水滴がカーテンに付着すれば、ダニやカビの格好の餌食になります。結露が床に落ちた場合は、フローリングや畳などのダメージにつながるのです。

壁(特に内部結露が危険)

一般に、窓やサッシと同様、外に面した壁ほど結露の発生率が高くなります。その際、断熱材の表面で内部結露が生じるのが特徴です。夏場は外装側の断熱材の表面に、冬場は内装側の断熱材の表面に内部結露が発生します。
断熱材は水分を放出するので、断熱材に面する構造用パネル(内装側の木材)や下地(外装側の木材)が腐りやすくなります。

床(フローリング)

床下で発生した内部結露の影響を受けやすいのが床です。一般に、床には木材を用いるので、内部結露の影響が強いと「底冷え」します。表面結露として表れる場合は、床材の腐食も想定しなければなりません。

押入れ(収納スペース)

居住スペースのなかでも、構造側に近いのが押入れです。収納を目的としているため、普段は密閉されている分、空気の流れが悪くなります。
押入れは、構造側に見られる内部結露が発生しやすい場所でもあるので、衣服や布団などにダニ・カビが付着するリスクも高くなります。なお、同じ収納スペースのクローゼットや納戸も注意が必要です。

キッチン(コンロや台所)

キッチンでは、調理や炊事のときに出る水蒸気が、結露の発生を促します。食材や食器を洗うなど、水を使う機会も増えるので、結露に注意が必要です。
包丁やまな板が湿ったままだと、付着したダニ・カビから食中毒につながる危険もあります。

結露対策に有効な15の方法

結露の原因や発生しやすい場所を見ると、結露対策の鍵を握るのは「湿度・温度調節」です。といっても、それほど難しいことではありません。
普段何気なく実践している生活の知恵や工夫から、効果的な暖房器具の活用まで、15の結露対策を見ていきましょう。

今すぐできる結露対策

人間の体温調節と同じで、建物でも温度や湿度の調節が必要です。部屋の空気がジメジメしていたら換気したり除湿機を使うと、自然と湿気を防ぎ、結露対策にもつながります。部屋の湿気が分かりにくい場合は、湿度計などを用意して日々の湿度を40~60%に保つことが、結露防止の目安です。

1. こまめに換気する
2. 除湿機を使う
3. 部屋の湿度を毎日測る(40~60%が理想)
4. 洗濯物の部屋干しをなるべく控える
5. 浴室では「浴槽のふたを閉める」+「換気扇で除湿」する
6. 冬場の加湿器は「部屋の中央」に置く

濡れた洗濯物を室内に干すと湿気がたまりやすくなるので、できる限り外干しを心掛けましょう。雨続きの場合は乾燥機やコインランドリーを使うことで、結露対策につながります。
また、浴槽にお湯を張ったままだと浴室が湿りやすくなるので、ふたを閉めて換気扇を回すことが結露対策のコツです。

意外と知られていない結露対策

壁の材質である木やコンクリートはもちろん、室内を彩る観葉植物も水分を吸って吐き出しています。

7. 壁と、荷物や家具などの間を10cm以上離す
8. 観葉植物は「風通しの良い」=「換気されやすい」場所に置く

壁と家具などの距離が近すぎると、人間と同じように汗をかいてしまうので、10cm以上離すことで結露の発生を防げます。
観葉植物は、たとえば窓と窓の間のように、風通しの良い場所に置くのがポイントです。木や観葉植物などは大量の水分を放出しているわけではありませんが、適度に換気しないと水分が室内にたまる場合もあります。
壁と接しないようにスペースを設けたり、部屋の空気を入れ替えたりして、水分の逃げ道をつくることが大切です。

少し手間と費用をかけた結露対策

ちょっとしたアイテムを使うことも、結露対策として有効です。身近なものでは、使い終わった新聞や段ボールを窓に貼ると、プチ断熱効果が狙えるほか、汗を吸い取るように結露も吸収してくれます。
気泡緩衝材や断熱シートを活用すれば、窓自体の断熱効果が高まり、自動温度調節による結露防止が期待できます。見た目にこだわりたい人には、おすすめのアイテムです。

9. 段ボールや新聞紙を窓に貼る
10. 気泡緩衝材や断熱シートを窓に貼る
11. 結露防止材や洗剤を窓に塗る
12. 結露取りワイパーを使う

窓に食器用洗剤を塗るだけでも、結露の発生を防げます。食器用の中性洗剤を水で薄め、タオルに含ませて窓を拭くだけなので簡単です。
結露防止剤も、中性洗剤と同じような効果が期待できます。家庭用と業務用があり、家庭用の結露防止剤はホームセンターやドラッグストアなどで購入できます。その際には、手軽に結露を取り除いてくれる結露取りワイパーも探してみましょう。

費用と手間をかけた結露対策

冬場の寒さ・乾燥対策に欠かせない暖房器具なども、使い方を工夫するだけで結露対策になります。

13. 水分を放出する暖房器具は使わない

室内を暖める生活家電といえば、石油ストーブやガスファンヒーターなどの暖房器具が代表的です。暖房器具は、石油やガスなどを燃焼させて室温を上げると同時に、室内に“水分(=水蒸気)”も放出しています。
ただ、FF式と呼ばれる「非開放型の暖房器具」は、器具内部の送風機(ファン)が排気管を通して、燃焼による排ガスと一緒に水分も室外に放出してくれます。石油およびガスファンヒーター、エアコンのなかにも、FF式のものがあります。
FF式とは別に、電気を加熱させるタイプの暖房器具も、水分を放出することなく室内を暖めます。電気加熱式の暖房器具は電気ストーブ、ハロゲンヒーターやオイルヒーターなどが主流です。エアコンやファンヒーターと違い「移動できる」ため、結露の発生しやすい場所で使うこともできます。

14. 窓下専用のヒーターを設置する

窓の結露対策に「窓下専用のヒーター」を活用するのも1つの手です。冬場の乾燥で加湿器を使う場合は、窓側を避けて部屋の中央に置くと、水蒸気が窓につきにくくなり、結露の発生を防ぎます。
ヒーターの価格の相場は「2万円前後」です。

15. 窓をペアガラスにリフォームする

窓自体の断熱性能を高めるのも効率的です。アルミサッシより断熱性の高い「樹脂サッシ」を使ったり、窓ガラスの強化で断熱効果が狙える「ペアガラス」を設置したりする方法があります。
サッシ枠ごとペアガラスに交換する際の価格は、工事費や廃材処分費なども含めると「30~50万円」が目安です。ただし、窓の大きさや種類によって価格も変わります。

まとめ

結露対策は、普段の生活を通して実践できるので、何も難しいことではありません。温度差と湿度を少し意識するだけで、カビやダニの発生も防げます。
それでも、「内部結露は心配だけど怖くて確かめられない」「窓を強化したいけどDIYのレベルでは無理」といった場合は、迷わず専門業者に相談するのも1つの手です。工事費用はかかるものの、自分と家族の安心は得られるのではないでしょうか。

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