住宅の構造について知ろう!木造・鉄骨造・RC造…、

住宅の構造を考える

住宅を買うときや借りるとき…
「木造」「鉄筋コンクリート造」など、どんな構造の建物なのかは必ず確認しますよね。
構造が異なれば、躯体(クタイ)の性質も外観も室内環境も異なるのはご存知の通りです。

では、自分の好みや生活にあう住宅はどんな構造のものでしょうか?
戸建住宅に使われる「木造」「鉄骨造」「RC造」の特性を知り、
それぞれどんな住宅ができそうなのか、思い描いてみてはいかがでしょう。

木造とは

建物の主要構造部(柱、壁、梁など)を木材でつくる建築を「木造」といいます。
日本国内の住宅は半数以上が木造であり、戸建てに限れば実に9割を占めています。
このため、家を建てるといえばまず木造を思い浮かべる方がほとんどでしょう。

鉄骨造とは

柱や梁を鉄骨(鋼材)でつくる建築を「鉄骨造」、または「S造」と呼びます。
厚さが6mm以下の鋼材を用いたものを「軽量鉄骨造」といい、それ以上の厚さの鋼材を用いたものを「重量鉄骨造」といいます。
軽量鉄骨造は施工が簡単で工期も短く済むのが特徴。重量鉄骨造は少ない本数の柱でも頑丈な骨組みを作れるので、大空間に向いています。

RC造とは

主要構造部を鉄筋コンクリートでつくる建物を「RC造」と言います。
引っ張られる力に強い鉄材を圧縮に強いコンクリートで包んでいるので、いろいろな方向からの力に耐えられる強さを持っています。

地震に強いのはどれ?

地震の揺れによって建物に力が加えられたときに、破損、変形がしづらい。そんな建物であれば地震に強いと言えます。

材料の頑丈さで考えると、丈夫な順にRC造、鉄骨造、木造となります。
「じゃあ木造の住宅はどれも危険なの?」というと、そうは言い切れません。耐震性能は素材だけで決まらず、構造設計、施工精度の良し悪しが影響します。

木造の場合は他の2つに比べて細かな構造計算を義務づけられていません。そのため、設計者の技術によって建物の強度に差が付きやすいと思われます。
鉄骨造やRC造はより詳細な計算のもとに設計されますが、施工精度が悪ければ既定の性能を満たせません。

作り手がその構造を得意とし、設計や現場監理をしっかりおこなっているか。
これが建物の性能を左右するので、メーカーを選ぶ際は多くの情報を集めましょう。

耐久性が高いのは?


住まい

これは、どの構造もそれぞれ弱点となる部分を持っています。ですので、適した対策をとることが重要です。
木造は木材の腐朽、シロアリ被害が最大の敵ですから、住まい手がメンテナンスを怠らないことが良い物件を選ぶことと同じくらい重要です。
神社仏閣などを見れば感じられると思いますが、木造建築はしっかり扱えば丈夫で、実績のあるつくりかたです。
そういった意味では、個体差のつきやすい構造と言えるかもしれませんね。

鉄骨造は、火災による加熱と錆に弱いです。どちらも鋼材の強度を低下させてしまいます。
施工業者を選ぶ際、各社が耐火や防錆に関してどのような技術を持っているのか、比較してみるのもよいかも知れません。

RC造は腐食しにくく、加熱にも強いので、耐久性に優れた構造と言えます。
ただし、木造や鉄骨造と違い、現場で部材をつくるRC造は、施工精度によって品質が大きく左右されることには注意したいもの。
実績のしっかりした、技術の確かな業者を選ぶことが大切です。

デザインの自由度

木造が優れているところは、内外装が多様なところと、増改築のしやすさでしょう。
最新のモダンな住宅から伝統的な数寄屋、南欧風…など、多様な作り方が可能です。外装材も湿式の工法(タイル張りや石張り、モルタルや漆喰塗りなど)が可能なので、好みの外観を選びやすくなります。
後々の増改築も、木造であれば容易です。
取り扱うハウスメーカーや工務店が多く、依頼先も選びやすいでしょう。

重量鉄骨造は、柱の間隔を木造よりも広く取れるので、大きな吹き抜けや柱のない大空間をつくれる利点があります。
同じ理由で、大きなガラス張りの外壁をつくることも可能です。
一方軽量鉄骨造にはこういった特徴はなく、設計施工が簡易な代わりに自由度はあまり高くありません。

RC造は重量鉄骨造同様に大空間が可能な上に、部材が定型ではないので曲面状の壁なども自在に作れるという特徴があります。
個性的な空間づくりにはうってつけの素材です。

住宅に何を求めるかで、どの構造を自由と感じるかは違ってきます。
求める間取りや土地条件は一般的で、多様なタイプの中から好みの家を選びたいなら木造が、大空間や狭小住宅など特殊な要望があるなら対応力の高い重量鉄骨造かRC造が、「デザインの選択肢が多く、自由度が高い」と感じられると思います。

住宅に適した構造はどれなのか

さて、どれが住宅にもっとも向いている構造か?というと、お気づきのように、作り手次第、住まい手次第の部分も大きいのですね。

建築コストが低いのは木造ですが、法定耐用年数が長いのはRC造。
長く住むならリフォームのしやすい木造か、それとも耐久性に優れたRC造か。

各自の運用の仕方によっても適した住宅の形は変わります。
自分の暮らし方、住み方に明確なビジョンを持つことで、それに適した住宅に辿り着きやすくなるのではないでしょうか。


 

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