外壁塗装の火災保険の賢い適用方法|実は適用できないケースもある!?

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ご自分が契約している火災保険の補償内容を、きちんと理解していますか?
火災保険の補償内容は幅広く、対象と思っていなかった災害や事故が、補償の対象となっていることがあります。

外壁塗装を行う際も、自然な劣化ではなく、火災や落雷・風害などの自然災害が原因であるときには火災保険から保険金が支払われることもあります。

ここでは、今さら聞けない火災保険の概要と、被害を受けたときに保険金を申請する際の手続きのポイントについて紹介していきます。

火災保険の種類

折り紙の街 火災中

ここで紹介する火災保険は、一戸建て・アパート・マンションなどの居住のみを目的とした建物の補償に対する保険です。

火災保険は補償内容の違いによって大きく次の4タイプに分けられます。

住宅火災保険

火災、落雷、爆発・破裂、風・ひょう・雪などによる損害を受けた場合に補償が受けられる保険です。

住宅総合保険

住宅総合保険では、住宅火災保険の補償内容に加え、次のような内容についても補償が受けられます。

  • 洪水や水漏れ、床上浸水などの水害
  • 物が落下、飛来、衝突した場合の損害
  • 暴動や集団行動に伴う暴力行為による損害
  • 盗難(家財保険契約時のみ)
  • 持ち出し家財の損害(家財保険契約時のみ)

オールリスクタイプ

住宅総合保険でカバーしきれなかったリスクに対応するタイプの保険です。保険会社や保険商品ごとに、独自の特徴があります。

たとえば、次のような補償があります。

  • 家屋以外の敷地内の設備(車庫、外灯や庭木など)にも補償が拡大
  • 少額の損害への補償
  • 宿泊費用、取り壊し費用、片付け費用、仮住まいへの引っ越し費用
  • 加害者となった場合に相手に補償をする個人賠償責任補償

特約火災保険

住宅金融支援機構などの住宅ローン利用者が加入できる火災保険です。
通常の火災保険と比べると補償内容は狭いものの、割安な保険料が適用されることがあります。

ただし、2016年4月以降、申込みが中止されています。

家財は別に契約が必要!

火災保険は、主に建物の補償をする保険です。家の中の家財を補償対象とするためには、家財を対象とする商品をセットで契約するか特約をつけることが必要です。

家財とは、家具や家電製品といった生活用の動産のことを指します。宝石や貴金属、絵や彫刻などの美術品で1件30万円を超えるものは“明記物件”と呼ばれており、そのままでは補償対象にはならない場合があります。

火災保険の契約時には、明記物件の数や価値を明らかにして、細かく明記物件明細書に記入するなど、保険会社の指示に従って申告しておきましょう。
ただし、補償される金額に上限額を設定した商品もあるため注意が必要です。

地震は補償対象とならない

住宅を対象とした火災保険は、地震以外の災害を対象としています。地震による被害も補償を受けたいときは、火災保険にプラスして「地震保険の契約」が必要です。

自然災害の種類

災害にさらされる家 イラスト

火災保険は、火災のほかに自然災害によって受ける損害を補償します。

火災保険が対象とする自然災害について、それぞれの種類ごとに起こりうる被害例は次のようなものがあります。

台風・竜巻

  • 台風などにより屋根や外壁が落下した
  • 台風などにより外部から飛んできた物で、屋根や外壁に穴があいた

雪・ひょう

  • 雪の重みで、屋根や外壁が壊れた
  • ひょうにより、屋根や外壁に穴があいた

雨・洪水・土砂崩れ

  • 洪水により家の中への浸水があった
  • 土砂崩れにより屋根や外壁が損壊した

落雷

  • 落雷により家屋が壊れた
  • 落雷により火災が起きた

外壁塗装に火災保険が適用される条件

命保険会社とお札イラスト

外壁塗装が火災保険の補償適用とされるには、原因となる災害について基本的な条件があります。

火災、落雷、風災が原因で適用

火災や落雷によって建物が燃えたり損傷を受けたりした場合は、全焼ではなくても補償が受けられることが多くあります。

風災には、ひょう災・雪災が含まれていることが多いです。

風災は災害の判断が難しい自然災害です。
風災の定義は各保険会社によって異なりますが、定義を満たさなければ、外壁に被害を受けても火災保険の対象とならないケースがあります。

風災の対象とならない事例

  • 最大瞬間風速が20メートル/秒以下の風による被害
  • 損害額が20万円未満
  • 新築から10年以上が経過し、経年劣化が起きていたと判断されたもの

水害が原因で適用

水害とは、洪水や高潮、土砂崩れなど、水によって起こる自然災害で損害を受けることをいいます。台風や大雨、洪水によって家が流されたときや、一定の基準を超える床下浸水以上の浸水が起こったときに補償されます。

各保険会社や商品によって、水害の定義や補償される範囲は異なります。最低限の補償しかついていない住宅火災保険では、水害はカバーされていません。

水害の補償を受けるためには、住宅総合保険やオールリスクタイプに加入している必要があります。
風災と同じく水害も、定義を満たさなければ、被害を受けても火災保険の対象とならないケースがあります。

水害の対象とならない事例

  • 建物や家財の損害が時価の30%未満だった
  • 地盤面から45cmを超えない浸水による損害だった
  • お風呂のお湯を止め忘れて床が濡れた、など

暴動、泥棒の侵入や自動車事故で適用

火災保険の契約内容によっては、外部からの物体の衝突や集団での破壊行為、泥棒の侵入による家具の破壊などが対象となります。

たとえば、ブレーキとアクセルの踏み間違いによって、家に自動車が飛び込んできた事故などです。
ただし、補償内容は保険商品によるため、契約している内容を確認することが必要です。

経年劣化では保険は適用されない

家は年月を経るごとに自然に老朽化していきます。どのタイプの火災保険でも、災害を原因とせず、経年劣化によって起こった変色や変質は補償対象とはなりません。
外壁に発生したコケやカビ、塗膜の剥がれなども補償の対象外です。

外壁塗装に火災保険が適用される場合の流れ

自然災害によって、屋根や外壁に損害を受けた後の保険金申請の流れは以下の通りです。

流れ

  1. 外壁塗装会社に連絡
  2. 損害保険会社に連絡
  3. 申請書を作成して保険金の請求申請を行う
  4. 損害保険登録鑑定人が保険会社から調査に訪れる
  5. 審査が認められれば保険金が支払われる

それでは、順番にくわしくみていきましょう。

1.外壁塗装業者に連絡

外壁に損害を受け、損害保険会社に保険金を申請する際には、修理費用の見積もり書を提出することが必要になります。
この見積もり書には、修理に使用する部品や単価など細かな記載が必要なので、職人に作成してもらう必要があります。

そのためまずは、修繕を依頼する予定の外壁塗装業者と連絡をとりましょう。

ただし、外壁塗装業者の中には悪徳業者も潜んでいます。
たとえば、実際には補償の対象になるかわからない工事を、無料になると強く契約を迫るケースがあります。
また、見積もりを明確にせず、あとで料金を上乗せしたり、手抜き工事を行われて数年もしないうちに再補修が必要になったりするトラブルも起こる可能性があります。

「早く復旧の見通しをつけたい」
「自宅を元の快適な状態に戻したい」
と契約を急ぎたい気持ちがあるかもしれませんが、焦りは禁物です。

支払われる保険金は、損害保険会社の契約者が支払ってきた大切なお金が元になっています。焦って契約をして、補償金が支払われなかったり、せっかく支払ってきたお金を、業者に都合良く使われたりすることのないようにしたいものです。できるだけ複数の会社に見積もりを出してもらい、比較検討をすることが望ましいでしょう。

2.損害保険会社に連絡

外壁塗装を依頼する業者の目処をつけてから損害保険会社に連絡をとり、申請に必要な書類を確認しましょう。

主な書類は以下の3つです。

  • 保険金の請求書(申請書)
  • 事故の報告書(損害発生の日時、状況と原因、契約者の名前、保険証書番号などを記載する)
  • 修理する箇所の工事見積もり書
損害保険会社よりも先に外壁塗装業者に連絡する

必要な書類はほぼ同じであるため、損害を受けたら損害保険会社に連絡するよりも先に、信頼できる塗装業者を探しましょう。
火災保険の保険金が支払われるかどうかは、保険会社から要請を受けた「損害保険登録鑑定人」が査定をします。損害保険登録鑑定人は、保険会社に提出する申請書類を元にして鑑定を行います。

損害保険会社に連絡する前に、火災保険の申請にくわしい塗装業者に相談をしておくことで、ポイントを押さえた申請を行うことにつながります。

3.申請書を作成して保険金の請求申請を行う

保険金の申請書を作成して、損害保険会社に提出します。申請書は基本的には自分で作成します。

申請書作成は火災保険申請代行サービスにお願いすることもできる

保険金は、保険申請を行って初めて審査が行われます。
必要な書類は、加入している保険の保険代理店または損害保険会社に問い合わせをしましょう。

申請書の作成は火災保険申請代行サービスが代行することもできます。忙しい人や書類仕事が苦手という人は相談してみてもよいかもしれません。

ただし、火災保険の規約には「保険金の申請は被保険者がおこなわなくてはいけない」と定められています。火災保険申請代行サービスを利用すると契約違反になり、最悪の場合には「契約打ち切り」や「保険金が支給されない」ケースもあります。

作成は業者に頼んでも、申請は必ず自分で行いましょう。

損害箇所の写真を添付しよう

申請書には、損害箇所の写真を添付する必要があります。そのため、周囲に散らばった破片や事故の原因となった飛来物などを片付ける前に必ず写真を撮影しておきましょう。立派なカメラで撮る必要はなく、デジカメやスマートフォンでも構いません。

家全体の外観と、すべての方角からの外壁を撮影します。
損害の箇所には、印をつけて書類に添付をしましょう。補償の対象となるかの重要な判断材料にもなるので、忘れないようにしましょう。

4.損害保険登録鑑定人が保険会社から調査に訪れる

損害保険会社が保険申請書を受け取ると、損害保険登録鑑定人が損害箇所の確認に訪れます。
提出した申請書をもとに、実際の家を確認して損害の状況や被害額を算定し、保険会社に報告書を提出します。

5.審査が認められれば保険金が支払われる

鑑定人が作成した報告書をもとに、損害保険会社が審査を行い、契約内容に見合う損害であると判断されれば保険金が支払われます。

損害を受けてから何日以内に手続きが必要?

火災保険の請求権は自然災害による損害を受けてから、原則として3年以内に申請することが定められています。

※参考:保険法第95条

しかし、各保険会社がそれぞれに請求期限を定めていることもあります。
契約内容を確認しておくとともに、期限が残っているからと先延ばしにせず、できるだけ早めに申請しましょう。

火災保険適用で必ず保険金がおりるわけではない

ストライプエプロン悩む女性 

契約している保険会社や商品によって、補償条件が異なります。

火災保険適用で外壁塗装が無料になるケース

火災保険が適用されて外壁塗装が無料になるには、次のような条件を満たしている必要があります。

  • 損害額が、加入している保険の免責条件を超えている
  • 修理費用が、火災保険からの補償限度額内におさまっている
  • 損害保険登録鑑定人によって、自然災害が原因であると認められる

「免責条件」とは、自己負担しなければならない金額の条件のことです。

主な火災保険では、自然災害で損害を受けても、損害額が20万円未満では補償金は支払われない補償内容になっています。
保険会社や、保険の商品によって、10万円、5万円、3万円などの設定から選択できます。ただし、免責金額を選択できる保険は、毎月の支払い額が高額になる傾向があります。

損害保険会社は、保険金の支払いにさまざまな条件を定めています。この条件を満たしていなければ、いくら保険料を払っていても補償金は支払われないのです。

風災や水害の定義が決められているように、どこからどこまでの傷や破損を損害とするかについても、商品や保険会社ごとに定められています。

火災保険適用で外壁塗装が全額無料にならないケース

火災保険適用となって一部の補償金が支払われたとしても、自己負担が生じることもあります。

損害額が大きく、契約している火災保険の補償の限度額を超えているケースでは、自己負担金が発生します。

火災保険適用と併せてリフォーム助成金も使える?

電卓と積み木の建物とお札

都道府県や市区町村など自治体ごとに異なりますが、外壁塗装にかかる費用を助成してくれる制度が設けられていることがあります。

自治体ごとに定められる助成金や補助金制度

一般的な外壁塗装のリフォームは火災保険の対象外ですが、自治体によっては助成金や補助金の制度があります。火災保険が適用されるようなケースでも対象となることがあるため、住んでいる市区町村に問い合わせてみるとよいでしょう。

助成金受給の条件

リフォーム助成金は、一般的には省エネのためのリフォームを行う際に助成が受けられます。リフォームの際に、断熱資材や塗料など環境に優しいものを指定されることが条件となるケースがあります。

自治体によっては、地域の指定された業者による施工だけが対象となることがあります。事前に確認をしておきましょう。

助成金受給の流れ

自治体に助成金や補助金の制度があれば、塗装前に申請書の作成、提出を行い、審査を受けて決定通知が届いてから、工事を開始してもらうようにします。

万が一、工事を開始した後に審査が不合格になった場合には、トラブルになることがあります。
工事完了までの期限が設けられている場合もあるので、申請は余裕をもって行いましょう。

なお、自治体によって書類の名称は異なりますが、工事完了後には実際に工事を行って完了したという報告書の提出が必要となります。忘れないようにしましょう。

悪徳塗装業者に注意

イラスト 悪徳業者と女性

残念ながら、塗装業者の中には悪徳業者と呼ばれるような悪質な対応をする業者もいます。悪質な塗装業者と信頼できる塗装業者を見分けるコツを挙げていきましょう。

火災保険を利用した悪徳塗装業者の手口

火災保険を利用して自分たちが得をしようと考えるような塗装業者は、突然の災害で混乱をしている人に対して、言葉巧みに契約を迫ってきます。

とくに次のような甘い言葉を繰り返す業者は、注意しましょう。

  • 「必ず無料でできる」
  • 「火災保険を使えば必ず無料でできる」とうたって契約を進めようとする

火災保険が補償する内容は、契約内容によって異なります。また、申請をしたからといって必ず全額の保険金が支払われるものではなく、損害保険登録鑑定人による査定をもとにして、金額が決定されるものです。

見積もりに対して損害保険鑑定人の鑑定額が低かった場合には、その鑑定をくつがえすことができなければ、契約者から塗装業者への支払いが発生します。補償される金額を決めるのは塗装業者ではないのです。

見積もりの段階から「必ず無料でできる」という説明をするような塗装業者は、何か裏があるかもしれません。契約を急いだ結果、自己負担金が発生したり、法外なキャンセル料を請求されたなどのトラブルに巻き込まれることのないよう警戒をしましょう。

良心的な塗装業者を見つけるコツ

良心的な塗装業者を見つけるためには、次の2つのポイントに注意してみましょう。

地元の評判をチェック

地元の業者であれば、意外と身近な人が情報を持っていることがあります。悪い評判がないかどうか友人や同僚、近所の人に聞いてみましょう。

外壁塗装の実績を確認

外壁塗装の実績があるかどうかを確認しましょう。インターネットで業者の名称を検索したり、口コミサイトに掲載がないか確認してみたりしてもよいでしょう。

見積もりを書面で渡してくれる

修理を焦る気持ちがあっても、複数の塗装業者に見積もりをしてもらいましょう。
複数の業者に同じ条件で見積をしてもらうことは、価格を比較できるだけではありません。見積もりに記載された内容が明確で、依頼する側にとってわかりやすいものになっているかどうかは、頼れる業者かどうかを判断するためのヒントになります。

契約を急かさずに、見積もりをしっかり書面として渡してくれる業者から選ぶことをおすすめします。

まとめ

誰がいつ自然災害に遭遇してもおかしくはありません。大規模な災害では、住宅に大きな損害を受けることもあります。

住まいは、災害後に生活を立て直すための拠点として重要です。
少しでも低い金額で修復するためにも、火災保険による補償は大きな支えとなるでしょう。この機会に、加入している保険の補償内容を確認し、万が一の際に備えましょう。

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