クーリングオフの期間・やり方|マスターすれば悪徳業者なんて怖くない!

LINEで送る
Pocket

住宅のメンテナンス・リフォームをすることで、家の美観を保つだけでなく、住宅設備の耐久性や安全性が向上するなど、多くの効果が期待できます。一方で契約を巡るトラブルが相次いでいるのも事実です。
中には、強引に契約させようとする悪質な業者もいるようです。

そんな悪徳業者につかまらないのが一番ですが、もしも営業に来た担当者に押し切られて契約してしまった場合には、クーリングオフをすることもできます。
どういった場合にクーリングオフが可能なのか、どのようにしてクーリングオフの手続きをすればいいのかについて説明します。

1、クーリングオフ制度とは

クーリングオフ制度とは、特定商取引法という法律に定められているもので、訪問販売などで契約した場合に解約をすることができる制度です。住宅メンテナンスの営業担当者が訪問してきてその場で契約してしまった場合なども、「訪問販売にかかる売買契約または役務提供契約」というものにあたり、クーリングオフの対象となります。
ただ、どんな場合でも契約を解除することができるのではありません。どういったケースでクーリングオフができるのかを知っておきましょう。

1-1.クーリングオフができるのはどんなときか?

クーリングオフをするためには、次の3つの条件を満たしていなければなりません。

  • 訪問販売で契約をしている
  • 契約日またはクーリングオフについて記載された書類を受け取ってから8日以内である
  • 個人での契約である

これらを満たしている場合は、クーリングオフで契約を解除したいと業者に「書面で」通知すれば、契約を無条件で解除することができます。

1-2.対象外になってしまうケースに注意

しかし、次のようなケースでは、クーリングオフをすることができません。

  • 業者の店舗や営業所に行って契約を結んだ場合
  • 契約者自身が業者を呼んで契約している場合
  • 契約日またはクーリングオフについて記載された書類を受け取ってから8日目を過ぎている場合
  • 契約者が法人である場合

この他、契約金額が3,000円未満の現金取引、過去1年以内に取引実績がある業者との契約などの場合もクーリングオフの対象外となります。

2、期限の8日を過ぎてもクーリングオフできる場合

交渉する人

では、契約から8日目を過ぎてしまった場合には、絶対にクーリングオフできなくなってしまうのかというと、そうではありません。
次に説明するような特殊なケースでは、救済措置として、期限後でのクーリングオフも認められています。

2-1.事実と異なる説明をされた場合

事実と異なる説明をして契約させた場合は、期限後でもクーリングオフで契約解除することが可能です。
商品や施工工事の性能や品質などについて、故意に事実を告げないで契約させた場合などが当てはまります。具体的には、わざと実際よりも性能・品質がいいと伝えて契約させた場合わなどが考えられるでしょう。
また、「この契約はクーリングオフができません」といった嘘をついて8日を過ぎさせた場合も同様です。

2-2.書面に不備があったり渡されていなかったりする場合

クーリングオフの対象となる商品やサービスを契約する際、販売業者は契約書以外に「クーリングオフについての注意書きが記載された書面」を渡さなければなりません。
その書類を渡されていない場合や、書類の記載内容に不備がある場合には、期限後でもクーリングオフをすることができます。

契約書とクーリングオフについての注意書きが記載された書面には、次のようなことなどが書かれていなければなりません。

  • 事業者の名前や所在地など
  • 契約日と契約内容
  • 代金
  • 契約の履行に関する事項
  • クーリングオフの要件・効果について

2-3.威圧的態度で迫られ、契約させられてしまったなどの場合

業者が威圧的な態度をとるなどして契約させた場合も、期限後のクーリングオフが可能です。
また、クーリングオフをさせないように威圧的な態度を取ったような場合も同様です。

3、悪徳業者のよくある手口とは?

 
悪徳業者

クーリングオフの手続きについて説明する前に、悪質な業者がどのような手口で契約をさせようとしてくるのかを知っておきましょう。もしかすると、あなたが契約したときに近い例もあるかもしれません。

3-1.危機感をあおってくる

「すぐにでも手を打たないと危険だ」と危機感をあおってくるケースがあります。
無料点検サービスをしていると訪問し、点検後(点検をしたフリというケースもあります)に危険な状態であることをしきりに強調してきます。そして、その場ですぐに契約を結ばせようとしてくるのです。

3-2.しつこく勧誘をしてくる

契約を断ろうとすると、しつこく勧誘し続けてくるのも、悪徳業者の特徴といえます。
なかなか帰らなかったり、「この場で契約すれば特別に値引きをする」と言ってきたりして、強引に契約に結び付けようとしてきます。

3-3.工事の質が低いことが多い

悪質業者は工事の技術やサービスで仕事を取ることができない業者といえるため、工事の質も期待できません。手抜き工事をする業者も多く、満足いく仕上がりになることは少ないでしょう。

クレームを言っても、「もっときれいに仕上げるには、追加工事費用が必要になる」と言われたり、逃げ回って対応しなかったりするケースもあります。

4、クーリングオフの通知方法

書類

ここまで、どんな場合にクーリングオフが可能なのかを説明してきました。
しかし、実際にクーリングオフをすると、どのように手続きするのが効果的なのでしょうか。悪質な業者であれば、「書類が届いていないから、クーリングオフの意思表示をしていないはずだ」などとシラを切るかもしれません。もちろん、業者がシラを切ったところでクーリングオフの効果がなくなるわけではありませんが、業者にシラを切らせないよう、証拠が残るように手続きをするべきです。

どのようにすればいいのかを、順に説明していきます。

4-1.決まった書式はない

クーリングオフをするときに送る書面は、書式が決められているわけではありません。
特定商取引法では「申し込みの撤回は書面でしなさい」と定めているものの、具体的に何をどのように書くかまでは定めていないのです。

しかし、業者側に「何の契約をクーリングオフしたいのか」を明確に伝えるために、また、言い逃れできないようにするために、次のような書面を作成するようにしましょう。

4-2.何を書けばいいのか

クーリングオフを伝える書面には、次のようなことを記載するようにしましょう。

  • 業者と契約した日付(契約書に書かれている日付)
  • 業者の名前・代表者名・担当者名
  • 工事名
  • 契約金額
  • 施工工事の解約をしたいという意思表示
  • クーリングオフを申し出る日
  • 契約者(自分)の住所と名前

4-3.証拠を残しておく

クーリングオフは、契約者が書面を発送した時点で効果が発生します。
しかし、業者が言い逃れできないよう、いつ発送したのか、どんな書類を発送したのかなどの証拠を残しておくことが大切です。

そこで、発送する書面はすべてコピーを取っておきましょう。
また、発送方法もFAXではなく郵送にすべきです。その中でも、発送した日を証明することができる「特定記録郵便」、「(簡易)書留」「内容証明郵便」を利用するのがよいですが、最もおすすめの郵送方法は「内容証明郵便」です。

内容証明郵便とは、「いつ、どんな内容の文書が、誰から誰宛に差し出されたか」を、日本郵便が証明しているものです。
これによって、契約者と業者以外の第三者が、クーリングオフの書類が発送されたことを証明してくれるため、業者がクーリングオフをした事実を言い逃れすることができなくなるのです。

4-4.内容証明郵便の送り方

内容証明郵便を出すときは、差出方法や書面の書き方などで注意すべき点があります。

まず、内容証明郵便は、どこの郵便局でも差し出すことができるわけではありません。事前に差し出そうとしている郵便局に問い合わせて、対応していない場合には近くの内容証明郵便が送れる郵便局を教えてもらいましょう。

次に、書面を3部用意する必要があります。
1部は業者へ送るもので、残りの2部は契約者(差出人)と郵便局が保管するためのものです。差出人と郵便局が保管する2部は「謄本」と呼ばれます。

4-5.内容証明郵便の謄本の書き方

業者へ送る書面の記載方法は自由なのですが、内容証明郵便の謄本には書き方のルールがあります。ややこしいので注意しましょう。

縦書き・横書きのどちらでもいいのですが、1枚あたりの文字数と行数に制限があります。

①縦書きの場合
・1行20字以内、1枚26行以内

②横書きの場合
・1行20字以内、1枚26行以内
・1行13字以内、1枚40行以内
・1行26字以内、1枚20行以内

記載することができる文字や記号は、仮名・漢字・数字・カッコ・句読点などです。英字は、固有名詞に限って使用することができます。
記号は1字扱いになるものや2字扱いになるものがありますので注意してください。

文字数や行数を数えながら書くのは大変ですが、市販されている内容証明用の原稿用紙やネットで無料ダウンロードすることができる用紙を使えば簡単です。

5、クーリングオフするとどうなる?

家族の写真

クーリングオフの書類を発送すれば、それで契約を解除することができます。
そのときに、どうなるのかを解説します。

5-1.契約が解除される

まず、契約が解除されます。契約が解除されることは、契約前の状態に戻すことができるということです。
次の2点について、「契約前の状態に戻す」ことがポイントになります。

5-2.違約金などは支払わなくてよい

契約書の中に、「解約した場合には、所定の違約金を支払ってもらいます」などの文言が書かれていることもあります。しかし、クーリングオフをすれば、契約前の状態に戻すことになるので、「契約自体していない」のと同じで、違約金や損害賠償を支払う必要はありません。

クーリングオフをしたいと伝えたときに、「違約金や損害賠償を請求することになる」と言ってくる業者もいるかもしれません。しかし、これは虚偽の事実を伝えているため、それに従う必要はありません。

また、このようなやり取りをしている間に契約から8日が過ぎてしまっても、業者がクーリングオフについて嘘をついているため、期限後でのクーリングオフも可能となります。

5-3.工事が進んでいても原状回復させられる

業者の中には、解約されることを避けるため、契約後すぐに工事を始めるところもあります。
工事が進んでいてもクーリングオフした場合には、工事が始まる前の状態に戻す(原状回復)ように業者に請求することができます。

原状回復の費用は業者が自分で負担しなければならないため、費用を請求されても応じる必要はありません。

6、クーリングオフできるかどうかを知りたいときは

話し合い

工事や商品等の契約を解約したいけれど、クーリングオフができるのかどうかを知りたい場合にはどうすればいいのでしょうか。
法律のことであれば弁護士や司法書士に相談するのがいいのかもしれませんが、相談するのにお金がかかったり、クーリングオフに詳しい人を探すのが大変だったりします。

クーリングオフができるかを知るには、消費生活センターに相談することをおすすめします。
消費生活センターは、独立行政法人国民生活センターが運営しているもので、商品やサービスなど消費生活全般に関する苦情や問い合わせなどの相談を受け付けています。

多くのトラブルの相談が集まってくるため、あなたが相談したい業者についての情報を持っているかもしれません。他にも「強引に契約させられた」、「高額の契約をさせられた」といった相談が来ていることを知ることができる可能性もあるでしょう。

全国の消費生活センターは、下記のホームページから探してください。
http://www.kokusen.go.jp/map/index.html

7、まとめ

以上のように、クーリングオフできるケースとその場合の手続きについて解説しました。
しかし、本当に大切なのは、急いで契約してしまわないようにすることです。住宅のメンテナンスにかかる代金は決して安いものではありませんから、その場で決断しないようにしましょう。家族や消費生活センターなど信頼できる人に相談するなどして、トラブルに巻き込まれることのないように気をつけましょう。

ページトップへ戻る