温暖化や異常気象が連日話題になっているように、ひと昔前に比べて日本の夏は厳しさを増しているように感じられます。
エアコンの使用に電気代がかさみ、そればかりか冷房病で体調を崩してしまった…など、夏の暑さは悩みの種です。
もちろん、必要に応じたエアコンの使用も暑さ対策の一つですが、他にも小さな工夫を重ねて暑さを和らげることができれば、もっと心地よく夏を乗り切ることができますよ。
暑さや寒さの体感を決める要素は下記の6つです。これらを「温熱環境6要素」といいます。
【環境側の要素】
(1) 室温
温度計に表示される室内の温度です。
(2) 相対湿度
空気中の水分量の度合いです。室温が同じでも、湿度が高いと暑さを感じます。
(3) 熱放射
壁、床、天井、家具、その他室内の物質から熱が伝わることです。
室温が変わらなくても冷たいものがそばにあるとひんやりとしてきます。
(4) 気流
空気の動き、流れです。気流があると体表面の熱が奪われて涼しく感じます。
【人間側の要素】
(5) 活動量
座る、歩く、などの運動状態により体からの発熱量が異なります。
(6) 着衣量
衣服の種類や量により断熱性、保温性が異なります。
つまり、涼しくするには…
・室温を下げる(室内や周辺の空気から熱を奪う)
・室内の湿度を下げる
・壁、床、天井の温度を下げる、室内で発生した熱を取り除く
・直射日光を遮る
・気流をつくる
といった対策で、室内の環境を涼しくすることができます。
打ち水
各地で「打ち水作戦」などのイベントが行われるなど、近年その効果に注目が集まっている打ち水。
水が蒸発する際の気化熱を利用して冷却効果が得られます。
しかし、水の蒸発は湿度の上昇にもつながるため、タイミングや場所に注意が必要です。
ポイントは、
・朝早くや夕方におこなうこと
・日なたの路面よりも日蔭や植栽に水を撒くこと
どちらも撒いた水がすぐに湿気とならず、ゆっくりと蒸発して空気を冷やすようにするためです。
グリーンカーテン
photo credit:By : rockriver / Green Curtain / cc
つる性植物でつくるグリーンカーテンも、打ち水と同様に水の蒸散作用による冷却効果が見込めます。
こちらは一度設置してしまえば効果を発揮してくれますし、日射を遮る効果も生まれます。
それに、グリーンのある空間は見た目にも涼しいですね。
エアコンの室外機に注目
あまり注目されていない裏ワザが、エアコンの室外機周辺への散水です。
直接室温を下げるわけではありませんが、室外機の熱交換を助けることでエアコンの運転効率を高め、省エネ効果を生みます。
とはいえ、エアコンを使うたびに水を撒くのは手間かもしれません。そんな方には、室外機を設置している場所が日陰になるようグリーンカーテンをつくる方法がおすすめです。
風の通り道を作ろう
通風のために窓を開けたり、扇風機をまわしたりといったことは、日常的にされていると思います。
より風の通りやすい環境をつくるポイントに気をつけてみてください。
・高いところの空気を動かすこと
熱い空気は冷たい空気よりも軽いため、室内の高いところに昇っていきます。
部屋の天井付近や階段・吹き抜けの上部、2階などに熱気が溜まりやすいので、ここに風を通すことが大切です。
扇風機のヘッドを上向きにしてまわす、階段を上がり切った付近の窓をあけるなどが効果的です。
・対面する窓を開ける
窓は2ヶ所以上開けた方が効果的です。
さらに、できれば向かい合った場所の窓を開けましょう。風が通りやすくなります。
台所、浴室はこまめに換気を
台所や浴室の換気はカビや臭いを防ぐためだけのものだと思っていませんか?これらの場所は熱や湿気の発生源です。
換気によって家の中から熱気や湿気をすぐに排出すれば、無駄な暑さを感じずに済みますから、おろそかにしないように気をつけましょう。
遮光カーテン、遮熱ガラスの利用
室内の壁や床を日射で温めないよう、日射しが強い日はカーテンをうまく利用しましょう。
遮光性の高い生地のカーテンならより効果的です。
また、窓ガラスにもペアガラス、Low-Eガラスなどの遮熱性能の高い製品がありますので、新築やリフォームの際には注目してみるとよいでしょう。
特に部屋の東西方向にある窓はこれらを用いた対策をおすすめします。
屋外にいるときは真昼の日射しがきつく感じますが、窓から室内へ入る熱は朝日と夕日によるものの方がずっと大きいためです。
調湿効果のある建具、建材
障子紙や漆喰の壁などが使われた日本の伝統的な家屋には調湿効果があり、室内の湿度が過剰になるのを和らげてくれます。
現代の建材にも、珪藻土や竹炭などの多孔質成分を用いた壁紙などが商品化されています。
部屋の内装を考えるときには、こんなところに注目しておくと後々の快適な暮らしにつながるでしょう。
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