部屋干しをすると、洗濯物に嫌な臭いがついたり、カビやダニなどの原因になったりするので、避ける人もいるのではないでしょうか。
しかし、雨の日が続くこともありますし、そもそも洗濯物を外に干せないもしくは干したくない人にとって、部屋干しは必須です。
実は、部屋干しは外干しよりもメリットが多い場合もあるということをご存知ですか?
今回は、部屋干しの悩みを解消し、室内で快適に洗濯物を乾かすためのコツやポイントを紹介します。毎日部屋干しをしている人はもちろん、あまり部屋干しを好まない人もぜひ参考にしてください。きっと部屋干しをしたくなります。
目次
上手に部屋干しをするコツとは
長雨が続く梅雨や気温が低く曇りが続く日に、不快な臭いや室内の湿気、カビなどを予防できれば、部屋干しも快適になります。
まず、部屋干しを前提として、洗濯方法から見直すことをおすすめします。
洗濯物をため込まない
毎日洗濯するのは乾かすのが大変だからと、洗濯物を数日分ためることもあると思います。しかし、その間に洗濯物に雑菌が繁殖し、嫌な臭いの原因になったりします。
そのため、なるべく洗濯物はため込まずに洗いましょう。
また、一度にたくさんの量を洗濯すると、汚れが落ちにくくなることがあります。1回当たりの洗濯量を多くしすぎないことも、上手な部屋干しのポイントです。
洗濯前の衣類は通気性の良いカゴなどに入れておく
着用後の衣類には、汗やあかなどがたくさん付着しており、放置するとカビや雑菌が繁殖する原因になります。洗濯機を洗濯カゴ代わりにするのもよくありません。
衣類の汗などが洗濯槽にこもり、カビの原因になります。洗う前の衣類は、専用の通気性の良いカゴなどに保管するのがベストです。
洗剤と柔軟剤を上手に利用する
汚れの残った洗濯物を部屋干しすると、臭いが発生することがあります。洗濯用洗剤には、汚れをきちんと落とせる洗浄効果の高いものがおすすめです。
最近は、臭いの発生を予防する抗菌・除菌効果の高い部屋干し用洗剤が市販されています。柔軟剤も、洗剤と同様に防臭や抗菌効果のある製品が出ているので、併用してもよいでしょう。
洗剤や柔軟剤を使いすぎない
いくら抗菌・消臭効果があるとはいえ、洗剤や柔軟剤の使いすぎはかえって良くありません。必要以上に洗剤や柔軟剤を入れると洗濯槽の中に残ってしまい、そこから雑菌が繁殖することがあります。
また、残った洗剤や柔軟剤は洗濯槽を傷める原因にもなるため、洗剤と柔軟剤は洗濯物の量に合わせて使用しましょう。
干し方に注意する
部屋干しするときは、なるべく早く洗濯物を乾かしたいものです。そのためには、干し方を工夫することが不可欠です。
なるべく風通しの良い場所に干す
外のように風が吹いていない室内は、当然ながら洗濯物が乾きにくくなります。空気がこもった場所に干すと湿度も上がりやすく、ますます乾くまでに時間がかかるのです。
部屋干しをするときは、できるだけ風通しの良い場所に干しましょう。
部屋干しの際、カーテンレールにハンガーを掛けて干すケースがよく見られます。カーテンレールはハンガーを掛けやすく、日当たりも良いので部屋干しに適した場所と思われがちです。
しかし、カーテンレールはそもそも洗濯物を干すための場所として作られてはいません。洗濯物とカーテンの間隔が狭くなり、洗濯物から出る水分が壁やカーテンにカビを発生させる原因になることがあります。カーテンレールに干すことも避けるべきです。
洗濯物は適度な量と間隔で干す
室内で一度にたくさんの洗濯物を干すと、湿度が上がってしまいます。また、洗濯物1枚1枚の干す間隔が狭いと、外気に当たる面積が小さくなるため、乾かす時間が余計にかかります。
適度な量と間隔で干すのが第一です。また、厚手のものと薄手のものは交互に干すと間隔を開けやすく、より乾きやすくなります。
アーチ干しで干す
引用元:ソフラン
おすすめの部屋干しの方法の一つに、「アーチ干し」があります。角ハンガーなどの両端に一番長い衣類を干し、内側に向かってだんだん短いものを干していく方法です。
横から見ると両サイドが長く、中央が短くなります。
アーチ干しをすると内部の空気が温まり、上昇気流となって空気の流れが生まれ、乾くまでの時間が短くなるのです。
縫い目を裏返して干す
衣類の縫い目の部分は、厚くなっているため乾きにくい箇所です。縫い目部分を表に出し空気が当たるようにすると、より乾きやすくなります。
太めのハンガーを選ぶ
部屋干しのときに細めのハンガーを使うと、服の前後の生地が触れてしまうことが多く、乾きにくくなります。
太めのハンガーを使うとよいでしょう。
衣類別の干し方
ズボンやジーンズ
ポケット部分が厚いズボンやジーンズは、裏返して干す方が早く乾きます。さらに、履き口を開いて筒状に干せるハンガーを使うと、風通しが良くなり乾きやすくなります。
パーカー
生地が厚手のものが多くフードが付いているパーカーは、乾かすのに時間がかかりがちです。
上下を逆さにして干すと、フードや袖部分を伸ばした状態になり、風が通りやすくなるため早く乾きます。
バスタオル
バスタオルは、縦向きよりも横向きに干す方が乾きやすくなります。
角ハンガーを使用するときには、「囲み干し」がおすすめです。これはバスタオルを横向きにし、角ハンガーの外側に沿って上部を洗濯ばさみで留めて干す方法です。
複数のバスタオルを干す場合は、重ならないように干して全体に空気が行き渡るようにするのもポイントです。
Tシャツ
Tシャツは、干し方が悪いとしわになったり伸びたりします。干すときに軽くたたき、しわを伸ばしてからハンガーに掛けます。
首の部分からハンガーを入れると伸びやすくなるため、裾部分から入れましょう。
念入りに脱水する
部屋干しをするときは、なるべく洗濯物に水分を残さないように念入りに脱水しましょう。
すすぎのときは、ぬるま湯を使うのがおすすめです。温度が高い方が、効率よくすすげるからです。なお、風呂の残り湯はあかや皮脂が含まれているので、洗濯だけでなくすすぎでも使うのは控えましょう。
洗濯機を掃除する
洗濯機そのものが汚れていると、洗濯物にも汚れが付いてしまいます。特に洗濯槽は残った洗剤カスなどで汚れやすく、その汚れを栄養分としてカビが発生したりします。
洗濯機を清潔に保つには、洗濯後すぐに洗濯槽を乾かしましょう。現在は、槽乾燥ができる機種もあります。
乾燥させるだけでなく、洗濯槽を定期的に(2カ月に一度くらい)洗浄することも大事です。
手順
- 洗濯槽にお湯をためて市販の洗濯槽クリーナーや塩素系漂白剤を入れ、洗濯を行う。
- 2~3時間放置し、再度洗濯のみ3回行う
- 標準の洗濯コースで運転させる
洗濯槽洗浄機能付きの機種なら、洗濯槽クリーナーを入れて運転を行います。
部屋干しに最適な場所とは?
家の中には、洗濯物を干すのに適した場所があります。部屋干しをするなら、以下に挙げる場所がおすすめです。
リビング
リビングは、家の中でも特にスペースの広い部屋です。日当たりの良い場所も多く、リビングの窓際は洗濯物を早く乾かすための格好の場所です。
ただし、カーテンの近くに干すと、洗濯物から出る湿気がカーテンのカビの原因にもなるため、注意が必要です。
浴室
浴室は湿度が高いと思われがちですが、換気扇が設置されているので、湿度を適度に外へ逃がすことができるスペースです。
さらに、浴室暖房乾燥機が設置されている住宅であれば、洗濯物がより乾きやすく、部屋干しに適した場所となります。
特に、浴室の窓際は、窓を開けて換気すればさらに湿度を下げることができるので、洗濯物が乾きやすくなります。
洗面所
洗面所はスペースが比較的狭く、浴室と同様に換気扇が設置されていることが多い場所です。狭くてしっかり換気できるので湿度を下げやすく、部屋干しに適した場所といえます。
3、部屋干しを効率的にするアイテム
部屋の中で洗濯物を干すときは、効率よく乾かすための便利なアイテムを使えば、乾くまでの時間をさらに短縮できます。
以下に、おすすめのアイテムを紹介していきます。
送風・除湿機能付き家電製品を使う
エアコンの多くの機種には、湿度を下げるドライモードがあります。部屋干しをするときにドライモードで運転すれば、室内の湿度が下がって洗濯物が乾きやすくなります。
湿度を下げる機能に特化した除湿機も、洗濯物を干す場所で運転すればドライモードと同様の効果が得られます。
また、株式会社エフシージー総合研究所で行われた実験結果によると、洗濯物を乾かすときに扇風機を使うと、物によっては扇風機を使わないときの約3倍の早さで乾かせることがわかりました。しかも電気代が安く済み、エアコンよりも経済的です。
扇風機と同様に室内の空気を循環させるサーキュレーターは、空気を動かせることに加えて扇風機よりも強力な風を当てられるので、さらに早く洗濯物を乾かせます。
引用元:Vornado
送部屋干し臭を防止できる家電製品
一般に、臭いの原因となるモラクセラ菌という雑菌は、60℃を超えると増殖しなくなるといわれています。
参考:NHK
そのため、干す前に洗濯物を60℃以上で加熱すると、嫌な臭いを防げます。
たとえば、脱水した洗濯物に150℃程度に設定したアイロンをかけたり、コインランドリーの乾燥機を利用したりすると、高温で加熱できるので臭いの原因菌を除去できるのです。
部屋干し用洗剤を使う
部屋干し専用の洗剤の多くは臭いを予防するための除菌効果があり、洗浄効果も高い特徴があります。部屋干しをする際には、ぜひ使いたいアイテムの1つです。
部屋干しの嫌な臭いの原因と除去法と予防法
部屋干しの嫌な臭いの原因
室内で洗濯物を干すと、独特の「部屋干し臭」が出ることがあります。衣類に付着したあかや皮脂など、洗濯時に落としきれなかった汚れが化学変化を起こして臭いの原因物質を作ったり、雑菌が繁殖したりすることが原因です。
外で干すよりも洗濯物が乾くまでに時間がかかる分、雑菌も繁殖しやすくなります。
水道料金を節約するため、浴槽の残り湯を洗濯やすすぎに使う人もいます。しかし、残り湯で洗濯すると、残り湯に含まれる人のあかや皮脂が洗濯物に付着し、臭いの原因を増やしてしまうのです。
部屋干しの臭いが気になるときは、風呂の残り湯の使用を避けた方がよいでしょう。
部屋干しでついた臭いを取る方法
臭いを消すには、日光に当てて臭いの元である雑菌を除去したり、熱湯につけ置きにしましょう。
部屋干しで発生する臭いを防ぐ方法
臭いの原因を取り除くことができれば、不快な臭いは防げます。
以下に方法を説明していきます。
除菌効果のある洗剤を使う
現在は、部屋干しに適した洗剤が多数市販されています。嫌な臭いの原因となる雑菌を除菌できる製品が多く、洗剤を変えるだけでも効果が期待できます。
アルコールスプレーを吹き付ける
アルコールスプレーには殺菌効果があり、部屋干しで気になる臭いの原因である雑菌を除去できます。
洗濯やすすぎに風呂の残り湯を使用しない
風呂の残り湯には人のあかや皮脂が含まれ、汚れています。残り湯を使って洗濯すれば余計な汚れが付着して、臭いの原因になりかねません。部屋干し臭を元から予防するには、洗濯やすすぎで使う水にも気をつけましょう。
部屋干しがお勧めである理由
洗濯物は、日光が直接当たる屋外に干した方がよいと思う人もいるでしょう。部屋干しは天気が悪いときだけに行うイメージもあるかもしれません。
しかし、部屋干しには以下のように、外干しにはないメリットもあるのです。
衣類の変色が少ない
天気の良い日に外に洗濯物を干すと、当然ながら日光が当たるのでよく乾きます。しかし同時に、紫外線もたくさん当たっています。
紫外線には殺菌効果もありますが、衣類が変色する原因にもなり得ます。紫外線を浴びることで、衣類に含まれる染料の化学構造が変化してしまうためです。
特に、紫外線の強い4~9月は、洗濯物を日光に当て続けると変色しやすいです。
その点、直射日光を浴びない部屋干しなら、紫外線による衣類の変色を防ぐことができます。
自動車の排気ガスも、衣類を変色させる原因になります。排気ガスは、酸化作用や還元作用を持つ酸化窒素ガスです。交通量の多い国道や高速道路などの近くで洗濯物を干すと、排気ガスによって染料が分解され、衣類が変色する可能性があります。
花粉などのアレルギー物質が衣類に付着しない
花粉症の人は、花粉が付着した衣類を着ただけで、アレルギー症状が出てしまうこともあります。部屋干しなら、これらの汚れやアレルギーの原因をシャットアウトできます。
人目を気にしなくてもよい
バルコニーや庭など、洗濯物を干す場所が近隣から丸見えの場合、どうしても人の目が気になってしまいます。
その点、家の外から洗濯物が見えない部屋干しなら安心です。
天気に左右されない
部屋干しであれば、急な天候の変化も関係ありません。朝は快晴だったが、午後に急な土砂降りで干した洗濯物がぬれてしまうこともあります。
最初から部屋干しにしていれば、天気の心配なく洗濯物を乾かせるのです。
部屋干しの注意点
洗濯物を部屋干しすれば、外に干すときにありがちなトラブルを防ぐことができます。
ただし、主に以下の7点の注意点があることも忘れてはいけません。
洗濯物の水分が部屋中にこもる
ぬれた洗濯物を部屋干しすると、洗濯物に含まれた水分が水蒸気となって室内にたまります。
一般に、5kgの洗濯物には約3リットルの水分が含まれるといわれています。
ダニやカビが発生しやすい
ダニは、高温多湿の環境を好む傾向があります。つまり、部屋干しで湿度が上がった室内は、ダニが繁殖しやすい環境になるのです。
カビはダニの栄養分となるので、湿度が上がった室内は、カビと同時にダニも大量発生させてしまう恐れがあります。
洗濯物が生乾きになりやすい
室内では天気のよい屋外に比べれば、洗濯物が乾きにくいものです。洗濯物に含まれる水分が室内の湿度を上げるため、外で干すときよりも乾くまでに時間がかかってしまうのです。
空気が乾燥しがちな冬も、同様の理由で洗濯物が乾きにくく、生乾きになりがちです。長時間干しても、完全には乾かないことがあります。
洗濯物に不快な臭いがつく
部屋干しをした洗濯物には、外で干したときには感じない独特の不快な臭いがつくことがあります。生乾きの状態だけでなく、洗濯物が完全に乾いた後も臭いが残ることもあるのです。
物干しスペースを確保する必要がある
外に洗濯物を干すスペースはあっても、室内にスペースが用意されていない住宅は多いのではないでしょうか。
室内に物干しのスペースが確保できないと、普段使っているスペースに洗濯物を干さなければなりません。あまり広くない部屋では、洗濯物に多くの場所を取られてしまいます。
間違えた部屋干しで起こる問題
部屋干しは、やり方を間違えるとさまざまな問題が発生することがあります。
冬場も部屋干しをする機会が多くなりますが、その際に注意したいのは結露です。結露とは、室内の空気に含まれる水蒸気が部屋の中と外との気温差によって水に変わる現象です。
冬の部屋干しは、洗濯物から発生する水分が室内の湿度を上げ、窓に結露がたくさん発生してしまいます。結露によってカビが発生することも多く、カビを栄養源にしてダニが増える可能性もあるのです。
部屋干しで室内の湿度が上がると、部屋干し臭やカビ、結露の原因になり、放っておくと湿気でフローリングの床が傷んだりすることもあります。
室内の湿度上昇を予防するには、小まめに換気を行い、なるべく水分を外へ逃がすことが大切です。
部屋干しによる臭いや生乾きの対策
部屋干しにはメリットがあれば、注意するべきことも複数あります。部屋干しのスペース確保はどうしても避けられません。
しかし、臭いや生乾きには、先述の通り
- 除菌効果のある洗剤を使う
- アルコールスプレーをかける
- 浴槽の残り湯を洗濯に使用しない
- お湯に付け置きする
- 除湿機とサーキュレーターをうまく併用する
などの対策で改善することが可能です。
まとめ
「洗濯物は外干しが一番」という人にも、部屋干しのメリットを理解していただけたのではないでしょうか。
「部屋干し」という選択肢が増えることで、天気や環境などの条件に合わせて、ストレスなく洗濯物を干せるようになります。
部屋干しにも外干しにも両方対応できる、快適な選択環境を整えましょう。
イエコマでは、部屋干し専用の物干しの取り付けも請け負っています。専用物干しがあれば、部屋干ししたいとき適当な場所がなくて困ることがなく、いつでも簡単に洗濯物を干せます。家の専門家による施工なので、安心してお任せいただけます。
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