寒さが和らぎ、春がそこまで来ていることを実感する季節です。では、目をお庭に向けてみましょう。花のない花壇にも、冬枯れの芝生にも、いち早く雑草たちが芽吹いていませんか?
そう、春は雑草との戦いが始まる季節でもあるのです。取っても取ってもしつこく生えてきて、少しでも油断すればあっと言う間に手が付けられなくなる雑草。草むしりは手間も時間もかかる上、身体的な負担が大きいものです。草むしりのコツを知り便利な道具を駆使して、今年は少しでもラクに草むしりをしたいものですね。
目次
見付けたら即駆除!やっかいな雑草たち
風や鳥の糞によって、或いは宅地造成前からの根が残っていることによって、庭にはありとあらゆる雑草が生えてきます。ここでは、一旦はびこると駆逐するのに苦労するやっかいな雑草たちについて、簡単にご紹介します。
一年生雑草
種子で増えるタイプの雑草です。一般的に、春に芽吹いた株は秋に枯れ、秋に発芽した株は越冬して早春から繁殖し、秋に枯れます。1年で枯れるからと油断してはいけません。花が咲けば爆発的に増え、手に負えなくなります。
オオアレチノギク
キク科の雑草です。秋に発芽してロゼット状態(地面に貼りつくように葉を並べて生えている状態のこと)で越冬したのち、春から夏にかけて人の背の高さまで成長します。駐車場の隅などコンクリート面でもわずかな土があれば芽を出します。気付いた時にはコンクリートのヒビ部分に固く根を張っていて抜けなくなっていた―ということもあります。オオアレチノギクは1株で10万個以上の種をつけるとのこと。恐怖ですね!
※引用元:松江の花図鑑
ウラジロチチコグサ
キク科の雑草です。地面に貼りつくようにして株が広がっていったのち、花穂が伸びて開花します。芝生に生えることが多く、芝生をかき分けて引き抜くのが大変面倒な上、ウラジロチチコグサの下の芝生が茶色く枯れてしまう点もいまいましい雑草です。花穂が伸びると引き抜きやすくなる印象がありますが、種子をばらまいてどんどん増えてしまうので、面倒でも小さいうちに抜いてしまうことをお勧めします。
※引用元:雑草ポケットブックオンライン版
多年生雑草
地上部が枯れても根の部分は生き残り、翌年また同じ株から芽吹いてくる宿根性の雑草です。種子で繁殖するものと地下茎で繁殖するものがあります。抜き取らない限り毎年花を咲かせたり地下茎を伸ばしたりなどして繁殖し続けるわけで、一年生雑草より手ごわい相手です。
カタバミ
カタバミ科の雑草です。葉がハート型をしているので子どもは喜びますが、親としては見つけ次第徹底的に退治したい雑草です。繁殖力が強く、踏み固めた土や芝生、側溝の蓋のほんの少しの隙間などに場所を選ばず生えてくる上、小さな株でも細いゴボウのような根が深く張っていて、抜くのに苦労します。種は1m以上飛び散って繁殖するので、結実する前に根を残さずに引き抜くようにします。
※引用元:植物ずかん
ドクダミ
ドクダミ科の雑草で、庭の半日陰の場所を好んで殖えます。地下茎を盛んに伸ばし、元々生えていたところからずっと離れたところに芽が出てきたりします。地上部分は“氷山の一角”で、広い範囲に伸び広がっている地下茎を始末しないといくらでも芽が出てきます。土を鋤き返して地下茎をできるだけ取り除けば駆除できますが、庭に敷いた平石や平板の下など動かせないものの下は地下茎が残って繁殖を続けます。
※引用元:プロが教える雑草の抑え方
ヤブガラシ
ブドウ科のつる性の雑草です。「キング・オブ・庭の雑草」と言っても過言ではありません。太く長い地下茎が広範囲に伸び、日陰だろうと日向だろうとお構いなく芽が出てきます。除草シートが敷いてある場所でも、塀伝い・家伝いに何度抜いてもしつこく芽を出します。地上部分も生育力が旺盛で、フェンスや木があれば巻き付いて伸び広がり、巻き付くものがなければ地面を這うように広がっていきます。放置すれば一戸建てのフェンスや狭い庭などあっという間にヤブガラシで覆われてしまいます。その上、ヤブガラシはセスジスズメというガの幼虫が好むようで、不気味な黒い芋虫が大量に発生する点でも迷惑極まりない雑草です。
※引用元:住友化学園芸
※引用元:昆虫エクスプローラ
草むしりをする際の道具と服装
固く踏み固めた地面や芝生、平板の隙間など、なかなか抜けない場所にも遠慮なく生えてくるのが雑草です。手で抜いていては握力も使い、腕が筋肉痛になることもあるので効率よく行いたいものです。この項では、面倒な草むしりを少しでもラクにする道具と、草むしりをする際の服装についてご紹介します。
草むしりに便利な道具
草取り一番 百発百中
Amazonのベストセラー商品です。「園芸用のこぎり」というキャッチフレーズがついていますが切るのではなく、地中に差し込みギザギザ部分に根をひっかけて引き抜きます。
- 爪が汚れない
- 手が疲れない
- 効率的に雑草が取れる
と、カスタマーレビューでも高評価を獲得しています。炭素鋼という、非常に丈夫な材質でできているので長く使えそうです。
※引用元:amazon.co.jp
雑草ブラシ
アスファルトとブロック塀の隙間や石畳の隙間に生える雑草に威力を発揮する道具です。
こちらの動画を見たら、すぐに購入したくなる方は多いのではないでしょうか。引き抜くというよりは「剥がす」「こすって切る」イメージですが、こまめに使えば少ない労力できれいな外観を保つことができそうです。
※引用元:amazon.co.jp
草むしり用のイス
かがみ込んでの草むしり作業は、腰や膝に負担が大きいものです。肉体的な苦痛を少しでも取り除くことで、後回しにせずこまめに草むしりができるようになるかもしれません。
こちらはイスではなくカートですが、座高が低いので草むしりがしやすく、車輪がついているので移動が簡単です。座面に草むしり道具を収納できる点も便利です。
※引用元:amazon.co.jp
草むしりの服装
草むしりのせいで日焼けしてしまったり、虫に刺されては、面倒な草むしりがさらに憂うつになってしまいます。草むしりの前にふさわしい服に着替えましょう。
草むしりの服装は、真夏でも帽子+長袖・長ズボンで!
紫外線量は5月頃には真夏並みの水準に達しています。日焼けや蚊などの虫刺されを防ぐためには、帽子に加え長袖・長ズボンは必須です。帽子は、つば広で後頭部側に日よけカバーがついているものや、虫よけのメッシュがついているものであれば万全です。
※引用元:Maison KOSE
草むしりには、軍手ではなく園芸用ゴム手袋がオススメ
布製の一般的な軍手で草むしりをすると、泥やむしった後の草がついて汚れてしまいます。丈夫なゴム製の園芸用ゴム手袋や、指先や手のひら側がゴムコーティングされたタイプの手袋の着用をお勧めします。
効率的に草むしりするなら知っておきたいコツ
道具と服装を整えた段階で「いざ草むしり!」と腰をあげるところですが、その前に同じ時間でよりたくさんの雑草を抜けるタイミングと、草をむしる順番を知っておくことで、知らないでいるよりは驚くほど効率という部分で差が出ます。まずは草むしりのコツとも言える事前知識をおさえておきましょう。
草むしりは「狭くて目立つところ」から始めよう
最初に草むしりを行う場所はどこがいいのでしょうか。始める場所によって今後の作業効率にも影響を与えるので、ぜひ知っておきたいポイントです。
一見、まずは広いところからとりかかってしまいそうなものですが、草むしりはまず「狭くて目立つところ」から始めることをお勧めします。具体的には、玄関前の植え込みや、家の正面に面した道路脇などです。
訪問した人、家の前を通る方から見える部分は、スペースが狭くても家や住まう人への印象を大きく左右します。ご近所から「だらしのないご家庭」と思われないためにも、玄関周りや家の周りなど、人目につくところから草むしりを始めましょう。目立つ場所さえ先に済ませてしまえば、精神的な負担も楽になり、あとは他の場所をつぶしていけばいいとうわけです。
「狭くて目立つところ」はすぐにキレイになるため、達成感が味わえ、草むしりのモチベーションも上がります。「草むしりでキレイになると、楽しい」と思えば、裏庭などの人目につかない部分まで頑張れる、かもしれません。
※引用元:エクステリア&ガーデン橘
最適なタイミングで草を楽に抜く
草むしりを行うのは、思いだったが吉日、ということで、すぐに取り掛かってもいいのですが、せっかく行うなら楽に抜けたほうが効率もあがります。特に雨が上がった直後、または雨が降った日の翌日は絶好の「草むしり日和」です。湿った土は柔らかくなっていて雑草を引き抜きやすく、また引き抜く際に根が残りづらいので草むしりの効果も長持ちします。機会を逃さず、5分でも10分でも時間を見つけてどんどん雑草を抜きましょう。
とはいえ、雨が降るのを待って草むしりするような時間が持てない方にとっては難しい問題です。この場合、雨上がり後が草むしりに最適とはいえ、雨が降るのを待つのは得策ではありません。草むしりを先延ばしにしている間に、あっと言う間に雑草は成長し繁殖するからです。しばらく雨が降りそうにないなと思ったら、草むしりをしたい場所に水を撒いておきましょう。雨上がり後と同じ状態になり、雨が降らなくても草むしりがやりやすくなります。
草むしりの成果を長持ちさせるポイント
苦労して雑草を抜いたのに数日でまた元通り…ではがっかりしますよね。やる気もわかなくなるというものです。草むしりでキレイになった状態を長持ちさせるポイントをいくつかご紹介いたします。
4-1. 雑草は地上部だけでなく、根本から抜く
草むしりで葉や茎だけを取って根が残っていると、雑草は簡単に再生してしまいます。道具を使い、丁寧に根本から処理しましょう。
道具には以下のものを使うと便利です。
- スコップ
- ねじり鎌
- マイナスドライバー
いずれも雑草を根から抜くのに最適な道具ですが、土を掘り起こす勢いで抜いていったほうが結果的に雑草が生えにくくなります。
意外なものはマイナスドライバーですぐに道具が揃わなかったときの代用品になります。使い方は簡単で雑草の根が入り組んだようになっている部分に差し込み、そのまま引き上げるようにすると手で抜こうとするよりは簡単に除草することができます。
また、目立つ雑草だけを抜いていると、残った小さな芽がすぐに成長し、早いサイクルで何度も同じ場所の草むしりをする羽目になります。「1回の草むしりで雑草を根絶やしにする」意気込みで取り組みましょう。多少時間はかかっても雑草がまた生えてくるサイクルが長くなり、結果として草むしりに割く時間を節約できます。
除草剤の利用も検討する
除草剤というと「生えている雑草に散布するもの」というイメージがありますが、「土壌処理剤」と銘打ってあるタイプの除草剤は生えてくる前の雑草に効果があります。草むしり後の土に散布しておけば、きれいになった状態を長く保つことができます。ただし、庭木や栽培している植物が枯れる可能性があるので、使える場所は限られます。加えて、お子さんやペットが遊んだり、触ったりする可能性がある場所への除草剤の使用は控えた方が良いでしょう。
草むしりはいつから始める?
「まだ大丈夫」「そのうちに」と草むしりを後回しにしているうちに、気付けば手が付けられない状態になっていた…という経験はありませんか?草むしりは「雑草がまだ小さいうちに引き抜く」が鉄則ですが、雑草の種類によってそのタイミングは違ってきます。
春に芽吹く一年生雑草と多年生雑草は啓蟄から!
「冬籠りの虫が這いだしてくる」頃という啓蟄(3月8日前後)は、雑草が生育を始める時期でもあります。種子や地下に残った根から小さな芽があちこちに出ているはずですので、大きくなる前に根絶やしにしましょう。
秋に芽吹くタイプの一年生雑草は秋!
一年生雑草の中には、秋に芽吹いて越冬するタイプのものがあります。涼しくなってから小さな芽を抜いていきましょう。秋から冬にかけては雑草もそれほど成長しないので、時間がある時にこまめに抜いておきましょう。
草むしりを行う時に注意したいこと
熱中症に気を付けよう!
真夏の暑い時期は、草むしりに集中するあまり、熱中症になってしまうおそれがあります。
- 長袖や帽子で暑さ対策をする
- 水分をこまめに摂る
- 早朝や夕方に行う
- 長時間草むしりをしない
などの点に注意して、草むしりをするようにしましょう。
アレルギーに気を付けよう
イネ科のスズメノテッポウやカヤ類、キク科のブタクサやヨモギなどが原因で、アレルギーを発症することが知られています。スギ花粉のように広範囲に飛散しませんが、アレルゲンである植物の近くで作業をすれば当然花粉を吸いこみ、アレルギーを発症します。
雑草が開花する前に駆除することを心がけ、開花してしまったら近寄らずに草むしり作業を外注することも検討しましょう。
草むしりは正しい姿勢で行う
しゃがむ姿勢は腰と膝への負担が大きいため、腰痛・膝痛を持っている方は避けたい姿勢です。
- 小さな椅子に腰かける
- 膝パッドや敷物を敷き、膝をつく
など、草むしりの姿勢に注意することで、身体的な苦痛を減らし、草むしりへの苦手意識も克服できるかもしれません。
雑草でケガをすることもある
アザミなどトゲのある雑草、カヤ類など葉が鋭い雑草は、素手で触るとトゲが刺さったり葉で切り傷を負ったりします。「2-2. 草むしりの服装」の項でご紹介した服装・装備で対策をしましょう。
虫刺されに気を付けて!
草むしり中に刺してくる蚊にはイライラさせられますね。庭にいる害虫は葉の裏にいる毛虫、茂みの中に隠れているムカデなど、さまざまです。「2-2. 草むしりの服装」の項でご紹介した服装・装備を守るだけでなく、ハチなどの飛来に十分注意しながら作業を進めましょう。
草むしりを業者に頼みたい!
放置した雑草が手に負えないレベルまで生い茂ってしまったら、草むしりを業者に外注することもひとつの方法です。
草むしりをやってもらえる業者は?
ハウスクリーニング業者
家の中だけでなく、庭の草むしりをメニューに取り入れている業者もあります。
造園業者
庭師さんが庭木の伐採だけでなく草むしりもメニューに取り入れている場合もあります。
シルバー人材センター
リタイアした高齢者の方の出張サービスに草むしり作業が含まれている場合もあります。
草むしりを外注する際の相場は?
庭の広さや地域差もありますが、10㎡1万円前後と考えておきましょう。業者によっては、作業後のゴミ処理料金を請求される場合もありますので、複数の業者から見積もりを取り、料金の内訳をよく確認してから発注しましょう。
時間がない人・自信がない人は草むしりを外注しよう
ご高齢の方、小さいお子さんがいる、共働きなど、草むしりの時間が取れない方や草むしりが負担になる方は少なくないでしょう。これまで述べてきた通り、雑草は放置した時間が長くなればそれだけ処理が大変になります。一旦プロに徹底的にきれいにしてもらえば、きれいな状態を保つことは比較的簡単です。放置して雑草だらけにするよりは、ためらわずに外注して、気持ちのいい庭を維持しましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。草むしりは決して愉快な作業とは言えないかもしれませんが、きれいな庭は気持ちがいいものです。今年こそ、時期を逃さず、便利な道具を駆使して草むしりをし、必要なら業者にも外注することで、雑草のないキレイな庭を維持してくださいね。
草むしりならイエコマ
家のプロによる草むしりが…
90分以内:11,000円(税込)
荒れた庭をなんとかしたい!害虫対策にも!イエコマの草むしり