春から初夏にかけて日本各地にやってくるツバメは、昔から日本人に親しまれている野鳥です。「ツバメが巣を作る家は縁起がいい」ともいわれています。
しかし、実際に自宅でツバメが巣を作ってしまうと、泥やフンで家が汚れて困ることが多いです。
この記事では、ツバメが巣を作りにくくする対策や、巣を作られた後の対処法を紹介します。
ツバメの巣作りの対策をして、自宅以外の場所で繁殖をしてもらいましょう。
ツバメが巣を作るとなぜ困る?
ツバメが自宅に巣を作ることの問題点として、以下が挙げられます。
巣で家が汚れる
ツバメの巣は、親鳥が枯草と泥を口の中で混ぜ合わせたものを壁に貼り付けて巣の形に成型したものです。主な材料が泥なので、当然家の壁や軒下が泥で汚れることになります。
モルタル外壁など、壁面に凹凸がある住宅は、泥を貼り付けやすいので巣作り場所に選ばれることが多いです。このような場所に巣を作られると、凸凹に泥が入り込んで、巣を撤去した後も汚れが落としづらくなります。
住宅の木材部分に巣を作られてしまった場合は、巣を撤去して清掃しても、シミが残るおそれがあります。
フンが不潔
ツバメのヒナは、巣を汚さないように巣の外にフンをします。つまり、巣の周囲はヒナのフンだらけになり汚れます。
野鳥はさまざまな病原菌やウイルスを保有している可能性があるため、ツバメのフンで健康被害につながるおそれがあります。
ツバメは巣の外でフンをするので巣の下はフンだらけになります。このフンを掃除するときに、フンが身体に触れてしまうかもしれません。また、乾燥したフンが粒子となって空気中に漂い吸い込む可能性もあります。
寄生虫
野鳥にはダニなどの寄生虫が寄生しており、ツバメの巣にも多くのダニがひそんでいます。
過去の調査では、ツバメの巣からトリサシダニ、スズメサシダニ、ツバメヒメダニ、ツバメトコジラミといった吸血する害虫が検出されています。
これらの害虫は、ツバメのヒナが巣立ち、巣が空になった後、屋内に侵入して人を吸血することもあるので注意が必要です。
参考:
本州のツバメ類の巣内より採集された吸血動物, および巣の新古による吸血動物相の違い
屋内に侵入してくるダニ(神奈川県)
ツバメトコジラミによるヒト刺咬例(Med. Entomol. Zool)
ヘビやカラスが寄ってくる
家にツバメの巣があると、弱いヒナを狙って、ヘビやカラスが家に寄ってくることがあります。
ヘビやカラスが家の敷地内にいるのは避けたいものですよね。
ツバメが巣を作る時期や場所
ツバメの巣を作る時期や場所を知っておくと、巣作りを防止するのに役立ちます。
ツバメが巣を作る場所
ツバメは、人の出入りが多いためにカラスやヘビなどの天敵が近づきにくく、かつ、雨風が当たらない場所を選んで巣を作ります。つまり、住宅や店舗、駅など、人の暮らしに近い場所がツバメにとって巣作りに適した場所です。
一般住宅では、玄関に近い軒下などを選ぶことが多いです。
ツバメが巣を作る時期
ツバメの巣作りは、地域にもよりますが、ツバメが日本に渡ってくる3月頃から始まります。ヒナが巣立ちをするのは5~6月頃なので、3~6月がツバメの巣作りに注意が必要な時期となります。
ツバメの巣を作らせない予防法
ツバメの巣作りを防止するためのポイントや方法を紹介します。
ツバメが巣を作る前に対策しよう
ツバメが巣作りをするのは、3~6月頃です※。
巣作りを防止したいなら、この時期より前に対策をしておく必要があります。
※温暖な地域では、より早くにツバメが飛来し巣作りを始める場合もあります。
ネットをかける
軒下など、ツバメが巣を作りやすい場所にネットを張る方法は、ツバメが近寄れなくなるので効果が高いです。ツバメが通り抜けられないように網目の細かいネットを選びましょう。
ネットをひもでくくりつけられる雨樋のような場所がない場合は、金具を壁や軒下に固定する必要が出てくる場合があります。
クギやネジを外壁や軒下に打ち込んでヒビ割れたり、穴から雨水が浸入して雨漏りの原因となったりするおそれがある点に注意が必要です。
光るものを設置する
鳥よけテープや不要なCDなど、光るものを設置するとツバメが警戒して近づかず、巣作りをあきらめる効果が期待できます。
ただし、全てのツバメに必ず効果があるとは限りません。ツバメによっては効果がなかったり、次第に慣れて気にせずに巣作りを始めたりすることもあります。光るものを設置したからといって安心せず、ツバメが巣を作っていないか毎日チェックをすると安心です。
天敵をかたどったものを置く
ヒナを狙うカラスや蛇は、ツバメなど小さな野鳥の天敵です。軒下などにカラスや蛇をかたどった模型を置くと、ツバメが家に近づきにくくなります。
忌避剤を使用する
鳥が嫌がる成分の忌避剤を設置して、巣を作りそうな場所からツバメを遠ざける方法です。
薬剤は強い匂いがするため、家族やご近所の人が不快に感じることがあるので注意しましょう。
壁面につるつるしたものを貼る
ツバメは主に壁面に巣を作ります。壁面に凸凹があったりザラザラしていたりすると、巣の材料となる泥を貼り付けやすいので、ツバメに巣を作られやすいです。
そのため、ガムテープやビニールなどで壁面を養生し、壁面に巣を作りにくくすることで、ツバメが巣作りをしにくくなります。
ただし、出っ張りの上などに巣を作る場合などでは、この方法では効果がない場合もあります。他の方法と組み合わせて試してみるとよいでしょう。
また、粘着力が強いテープを使用すると、外壁の塗装がはがれるおそれがあるので注意が必要です。
ツバメの巣を作られてしまった場合の対処法
ツバメの巣作りを防止する対策が間に合わず、気づいたらツバメの巣ができてしまっていることもあります。
ツバメが巣を作ってしまった場合の注意点や対処法を紹介します。
卵やヒナがいる期間の撤去は違法
日本の法律では、卵やヒナがいる野鳥の巣を撤去するのは法律違反となります。
ツバメが巣作りを始めてしまった場合は、卵を産む前に撤去しましょう。
巣が完成し、卵やヒナが確認された場合は、ヒナが巣立ってから巣を撤去します。
巣の中の状態が下から見上げても分からない場合は、脚立などに乗って確認する必要がありますが、ケガなどをしないように注意が必要です。
参考:有田振興局「よくある質問(鳥獣関係)について」和歌山県ホームページ
ツバメの巣の撤去方法
ツバメがまだ卵を産んでいない時期か、ヒナが巣立った後であれば、巣を撤去できます。
手が届く場所であれば、自身で撤去することも可能です。ただし、以下の点に注意して撤去を行いましょう。
- ゴーグルやマスク、軍手を装備し、巣に直接手で触れたりホコリを吸い込んだりしないようにする
- 脚立を使う場合は誤った使用方法で転落しないように注意する。また、脚立を押さえて安定させたり、万が一転落した時にすぐに対処したりできるので、2人以上で作業を行うのが望ましい
- ダニ駆除スプレーやアルコールスプレーを使い、ダニや病原菌の駆除・殺菌を行う
くわしいツバメの巣の撤去方法は、以下の記事を参照してください。
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自宅にツバメの巣を見つけたとき、 撤去したいけど、撤去したら…
2024.2.29イエコマ編集部
巣の撤去は業者に依頼したほうが安心
ツバメの巣の撤去は自身ですることも可能ですが、専門業者に依頼したほうが安全で確実です。その理由は以下のとおりです。
高所の作業は危険
ツバメの巣の多くは手が届かない場所にあるので、脚立を使って作業することになります。
脚立の上で巣を外したり巣があった場所を掃除したりしている時にバランスを崩し、転倒して大けがをするおそれがあります。
脚立に乗っても手が届かない場所に巣がある場合は、DIYで巣を撤去するのは危険なので、業者に依頼しましょう。
健康面を損なう心配がない
ツバメの巣を撤去する際に、泥や病原菌を吸い込んだりダニが付着したりすることがあります。うっかり病原菌を含んだホコリを吸い込んで健康を害するより、専門業者に任せたほうが安全です。
巣を撤去した後の消毒作業もばっちり
巣があった周囲には、菌や害虫が付着しているかもしれません。専門業者なら巣の撤去後に周囲を消毒してくれるので、病原菌やダニが残る心配がなく安心できます。
まとめ
ツバメはかわいらしいですが、巣作りをされて自宅が泥で汚れたりダニがわいたりするのは避けたいものです。ツバメが飛来する前に対策を行い、巣ができてしまうのを防止しましょう。
できてしまったツバメの巣は、卵を産む前かヒナが巣立った後に撤去します。自分でツバメの巣を撤去することもできますが、高所で作業をする危険や不潔な巣を扱って健康被害が生じる危険があります。無理をせず、専門業者に任せることも検討をしてみてください。
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