屋根の種類|それぞれ異なる効果とは

切妻屋根、陸屋根など、日本の住宅の屋根にはいくつか種類があります。その違いは、住宅のデザインや構造の違いによるものだけではありません。それぞれに特徴があり、またメリットや役割も異なってきます。
この記事では、そんな屋根の種類を紹介しましょう。

1、屋根の種類とその特徴

屋根には、代表的な5種類の形があります。ここでは、その5種類の屋根の特徴やメリット・デメリットを詳しく紹介します。

1-1、切妻屋根

日本の屋根で最も多いのが、切妻屋根(きりづまやね)です。「三角屋根」とも呼ばれ、その名の通り、最上部から2方向に下がった屋根が三角に見えます。

まずはメリットを見てみましょう。

【メリット】

・工事費用を抑えることができる
シンプルな形状をしているので工賃も他の形と比べると安く、将来的なリフォームも含めたランニングコストも抑えることができます。

・屋根材や将来的なリフォームに柔軟に対応
切妻屋根にはほぼ全ての屋根材が使用できますので、好みの屋根材を選ぶことができます。
また、洋風・和風問わない形状をしているので、将来的にリフォームをする際に、洋風から和風の家にしたいという場合でも違和感はありません。切妻屋根はソーラーパネルも設置しやすく、建築当初につけることができなくても、後付けすることも可能です。

・屋根裏にスペースができる
切妻屋根は屋根裏にスペースができますので、収納が多く欲しいなど、スペースをより確保したいと希望されている方にはメリットなります。

一方、画一的になりがちなデザインといったデメリットもあります。

【デメリット】

・妻側(三角型の外側壁のこと=への字側)に太陽光や雨が当たりやすい
切妻屋根の妻側は、どうしても太陽光や雨が当たりやすくなります。ですので、妻側の外壁は劣化しやすくなります。

・個性に欠ける
切妻屋根はシンプルな形状で価格もリーズナブルなことから、日本で最も多く取り入れられている形のため、個性に欠けるという点はデメリットと言えるかもしれません。

1-2、陸屋根

陸屋根(りくやね、ろくやね)は、傾斜のない平面状になっている屋根のことを指します。以前は商業施設やマンションなど、大型の建物に採用されていました。近年では、屋根部分を活用した屋上菜園や、ソーラーパネルを設置した戸建て住宅も増えてきています。

まずはメリットからみていきましょう。

【メリット】

・屋上を活用することができる
陸屋根のメリットは、なんといっても屋根を屋上として活用できる点にあります。先ほど紹介したように、住宅だと屋上に庭園や菜園を設けたり、ソーラーパネルを設置したりすることができます。

・建築スペースを広く確保することが可能
天井面が平らであることから、住空間のスペースを広く確保することが可能になります。陸屋根以外の屋根形状だと「屋根裏」がどうしても発生してしまいますが、陸屋根は屋根裏がない分、住空間が広がります。

他方、陸屋根はランニングコストなどの点にデメリットがあります。

【デメリット】

・雨水が流れにくい
陸屋根は天井面が平らなので、雨水が溜りやすくなります。ですので、陸屋根には必ず防水工事が必須です。おおよそ10年を目安に防水工事をし直す必要が出てきますので、ランニングコストが高額になるという点はデメリットと言えるでしょう。

・夏は暑く、冬は寒い
陸屋根は、建築スペースが広く確保できる一方で、屋根の熱が直接部屋の温度に直接影響します。例え断熱材を屋根裏に入れたとしても、他の屋根に比べると夏は暑く、冬は寒くなることは避けられません。

1-3、寄棟屋根(方形屋根)

最上部から4方向に屋根面が分かれている屋根のことを寄棟屋根(よせむねやね)と呼びます。日本では切妻屋根と並んで人気があります。

屋根の上部に棟があるものを寄棟屋根、棟がなく上部を中心として4方向に分かれている屋根を方形屋根(ほうぎょうやね)と呼びます。方形屋根は、寄棟屋根の一種です。

【メリット】

・雨風に対する耐久性が高い
寄棟屋根は、先ほどご紹介した通り4方向に屋根面が分かれているので、雨風によって受けるダメージを分散させることができます。台風や梅雨時期のある日本においては、このメリットは非常に重要と言えます。

・4方向全ての外壁が保護できる
最上部から4方向に分かれる寄棟屋根は、建物の外壁面が全て、屋根で覆われている状態です。そのため、雨風や日光から外壁を保護することができます。屋根の長さにもよってしまいますが、他の屋根と比較して、外壁の劣化を抑えることが可能です。

一方、デメリットとしてはコストなどが挙げられます。

【デメリット】

・コスト負担が大きい
寄棟屋根は、他の形に比べて屋根の表面積が大きくなりますので、それに応じてコストも増します。ただし、屋根面積が多くなれば、外壁の面積はおのずと少なくなります。ですので、家全体でかかるコストで言うと、それほどコスト負担を感じることもないかもしれません。

・雨漏りの可能性
寄棟屋根は構造上接合部分が多いため、そこに地震などの衝撃ですき間ができれば雨漏りする可能性が高くなります。屋根を張る際に技術を要しますので、寄棟屋根の場合は業者選びにより注意を払いましょう。

1-4、入母屋屋根

入母屋屋根(いりもややね)は、寄棟屋根の上部に切妻屋根を乗せたような形をしています。日本の田舎でよく見られる、伝統的な形です。

重厚感があり、日本の伝統的な家屋を思わせる一方、その構造がデメリットにもなっている一面があります。

【メリット】

・断熱性
入母屋屋根は、その形状から家の断熱性に優れています。屋根裏の広い空間にある空気が外気をシャットアウトする役割を果たすためです。

・重厚感
その特徴的な見た目から、入母屋屋根は家に重厚感をもたらしてくれます。日本らしさやレトロな雰囲気が好きな方、高級嗜好の人にとって入母屋屋根の重厚感はメリットとなります。

【デメリット】

・構造の複雑さ
寄棟屋根と切妻屋根を合わせたような形の入母屋屋根は、構造が複雑なため、修理やメンテナンスの費用が他の屋根と比べて高くつきます。また、棟や合わせ部分が多いので、雨漏りのリスクも高くなります。

1-5、片流れ屋根

片流れ屋根(かたながれやね)はその名の通り、片方だけに流れた屋根で、一面のみで構成され、斜めになった屋根のことを指します。

西洋風でモダンな家の屋根として、片流れ屋根を選ぶ人も多いでしょう。

【メリット】

・コストが安い
片流れ屋根は造りがシンプルなので、コストを抑えることができます。初期費用はもちろんのこと、リフォームや修理などのランニングコスト面においても、他の屋根と比較すると経済的です。

・雪や雨の落ちる方向が1つ
片流れ屋根は屋根が一面で、かつ一方向に流れているので、雪や雨の落ちる方向をあらかじめ予測することができます。予測できることによって、屋根からの落雪・雨粒によって発生するリスクを未然に防ぐことが可能です。

【デメリット】

・外壁が劣化しやすい
片流れ屋根はその構造上、外壁の量が多くなります。それに加えて妻側の壁面に雨水や日光が当たりやすいために、外壁が劣化しやすいことがデメリットとしてあげられます。

2、まとめ

それぞれの屋根の種類によって、メリット・デメリットは異なります。どの屋根が一番優れているというわけではなく、それぞれの屋根に特徴があることがご理解いただけたのではないでしょうか。

住宅を建てる際、リフォームをする際に屋根を選ぶ参考にしてみてくださいね。

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