エアコンは、快適な生活のためになくてはならないものですよね。
夏には冷房機能が熱中症対策に欠かせず、冬には部屋全体の空気を暖めてくれる重要な暖房器具になります。
一年を通して使える家電製品、エアコンですが、電気代や本体の値段は少し高めです。
家計を節約するためにも、できれば長い期間、経済的に使い続けたいですよね。
この記事では、エアコンを長く賢く使う方法とエアコン買い替えを見極めるポイントについて紹介します。
エアコンの寿命や長持ちさせる方法について知り、エアコンを賢く使っていきましょう。
エアコンの寿命は何年?
そもそも、エアコンの寿命は何年程度なのでしょうか。
家電の中では壊れにくい方ですが、何十年も使い続けられる物ではありません。
平均寿命
内閣府による2017年の統計情報「消費者動向調査」によると、エアコンの平均寿命は「13.6年」という結果が出ています。
これは総世帯数の平均です。総世帯数とは、「単身世帯の数」と「2人以上の世帯の数」を合わせた数です。
ちなみに「単身世帯」のエアコンの平均寿命は「14.9年」、「3人以上の世帯」のエアコンの平均寿命は13.6年です。
統計では「エアコンは10年以上使える」という結果が出ました。
しかし、エアコンの製造メーカーは家庭用エアコンの平均寿命を「10年程度」としている場合がほとんどです。
メーカーは、エアコンがどのくらい使えるのか「設計上の標準使用期間」を計測し、設定しています。
「設計上の標準使用期間」とは、言い換えると「安全に使用できる期間の目安」です。
統計では10年以上使える結果が出ていますが、安全に使用するためには10年が目安です。
また、エアコンの修理部品には「保有期間」があります。
この「保有期間」は各メーカーによって長さが違いますが、この期間を過ぎると部品がなくなり、部品交換などの修理が行えません。
修理すればまだ使えるエアコンでも、部品がないため買い替えなければならなくなるのです。
型落ち品やアウトレット品は、さらに早く部品がなくなる場合もあります。
ちなみに店舗や公共施設で使用される業務用のエアコンは使用頻度が高く、耐久性を重視したつくりになっているため寿命は15年ほどと言われています。
※参考:消費者動向調査 -内閣府
使っているエアコンの製造年の確認
家庭用エアコンの平均寿命を紹介しましたが、家にあるエアコンを何年前に購入したのか覚えていない人もいるでしょう。
エアコンの製造年は、メーカーや製品によって記載場所が違います。
今使っているエアコンの製造年をしっかり把握して、あと何年使えるかだいたいの予想を立ててみましょう。
以下にエアコンの製造年の確認方法を紹介します。
本体
部屋に設置されているエアコンを下から見上げると、吹き出し口の下に設計上の標準使用期間が書かれたシールが貼られていることがあります。
このシールで製造年を知ることができます。
室外機
本体に標準使用期間の書かれたシールが貼られていない場合は、製造年は室外機に書かれていることがあります。
外に出て、室外機の側面や裏側を確認してみてください。
メーカーへの問い合わせ
品番や型番、製造番号などが分かれば、メーカーのホームページで製造年を調べることもできます。
ホームページを見て調べるのが面倒な場合は、品番など必要な番号を控えてメーカーに電話で問い合わせて、製造年を教えてもらいましょう。
エアコンのこんな買い替えサインに注意
では、具体的にどのような状態になっていたらエアコンを買い替えるべきなのでしょうか。
先ほど紹介したように、使用期間10年を過ぎたエアコンはいつ修理不能になってもおかしくありません。
ここでは、エアコンを買い替えるべきサインについて紹介します。
異音
「エアコンのスイッチを入れると、変な音がした」という経験はありませんか?
エアコン本体の内部や、室外機から聞き慣れない大きな音が聞こえてくる場合は、買い替えのサインかもしれません。
ガタガタ、ガラガラと異音がするのは、室内機の送風ファンや室外機のコンプレッサーに異常が出ている可能性があります。
とくに室外機に異常がある場合は、メーカー側も買い替えを勧めることが多いです。
室内機のフィルターの目詰まりなどが原因の場合もありますが、こまめな掃除によってある程度防ぐことができます。
臭い
エアコンから出てくる嫌な臭いの原因は、ホコリや本体の内部に発生するカビの影響によるものです。これは、フィルターの掃除によってある程度改善することができます。
しかし、何度も自分で掃除する手間を考えると、自動クリーニング機能のあるエアコンに買い替えた方がよいでしょう。
また、フィルターの奥のファンや熱交換器の周りにカビが発生している場合は、自力での掃除は難しくなります。専門業者にクリーニングを依頼するか、それでも改善が見られない場合は買い替えを検討してください。
エアコンが効かない(部屋が冷えない、または暖まらない)
エアコンが効かない場合はまず設定を確認してみましょう。
冷房をつけたつもりでも暖房の設定になっていたり、自動運転設定で間違った温度に設定されていたりする可能性があります。
リモコンの電池が切れていることも考えられます。
設定を確認してもやはりエアコンが効かなければ、フィルターの汚れが原因になっている可能性があります。
フィルターにたまったホコリがエアコンの効きを妨げて、本体は作動しているのに部屋の温度は変わらない事態が起こります。
エアコンが効きにくくなったと感じたら、フィルターを掃除してホコリを取り除いてみましょう。
それでも効き目がない場合は、室外機の状態をチェックしてみましょう。室外機の不調が室内機の作動に影響している可能性があります。
室外機に汚れがたまっている場合や周りに物が置いてある場合は、「放熱フィン」から熱を放出することができないため、トラブルが起きます。
「異音」の項目で紹介したように、室外機の掃除でも問題が解決されない場合は買い替えをおすすめします。
室外機から水が漏れる
室外機から水が漏れる場合は、ガス漏れも起きている可能性があります。
ガス漏れによって結露が発生し、室内機に水がたまることがあり、その水が処理しきれずに室外機から水が漏れるのです。
ガス漏れの原因は、配管の劣化による亀裂発生、施工不良、エアコンを移設した際のガス抜けなどさまざまです。
特に配管の亀裂が大きい場合、亀裂を完全にふさぐには買い替えをしなければなりません。
室内機から水が漏れる
室内機からの水漏れは、ドレンホースの詰まりが原因かもしれませんドレンホースとは、エアコン内部の水を外に出すための排水管です。
ここにゴミが詰まっていると、ドレンホース内を水が逆流してきます。中のゴミを取り除くと解決できます。
ドレンホースの掃除でも水漏れが改善されない場合は、フィルターやフィンの掃除をしてみましょう。フィルターやフィンに汚れがたまっていると、結露が大量に発生し水漏れにつながるからです。
ドレンホース、フィルター、フィンの掃除をしてもまだ水が漏れてくる場合は、内部の部品に不具合があると考えられます。部品の交換で解決できればよいのですが、保有期間の10年を過ぎていると部品がメーカーにない可能性があります。型落ち品やアウトレット品だった場合は、10年よりも早くその部品がなくなっていることもあるのです。
型落ち品やアウトレット品であれば、買い替えをした方がよいでしょう。
ブレーカーが落ちる
エアコンのスイッチを入れても勝手に運転が停止してしまい、ブレーカーが落ちてしまうケースもあります。これはエアコン内部のコンプレッサーの故障が原因です。
コンプレッサーとは、エアコンの内部で室内の温度をコントロールする部分です。
コンプレッサーが故障すると、エアコンが正常に機能しないのに通電は続いている状態になります。すると、機器に対する電流値(アンペア)が上昇し、エアコンに流れる電流と他の家電製品で消費する電流の合計値が限界に達し、ブレーカーが落ちてしまいます。
コンプレッサーの故障は経年劣化によるものがほとんどです。フィルターの掃除などでは改善できないため、買い替えによって解決するしかありません。
エアコンの修理と買い替えの見極め方
エアコンに不調のサインが出たり故障したりした場合、エアコンの買い替え時かどうかの判断に迷うことはないでしょうか。
この章では「エアコンを買い替える」のと「修理して使い続ける」のではどちらがお得か、その判断材料となる情報を解説します。
意外と高額なエアコン修理費用
まず注意すべきは、エアコンの修理費用は意外と高額な点です。
各メーカーサイトで公表されているおおまかな修理費用※は以下の通りです。
※各メーカーサイトで記載されている最低金額~最高金額を記載。金額は全て概算。実際の修理費用は症状、機種、故障の程度などにより異なります。
軽微な故障であれば数万円で済む可能性もありますが、冷却装置の故障修理は高額になる傾向があります。
古いエアコンは何度も故障するおそれがある
古いエアコンを修理しても、時間が巻き戻されて新品になるわけではありません。
長期間使ったエアコンは複数個所が老朽化している可能性があり、故障を繰り返すおそれがあります。そのため、1回だけの修理なら購入するより安くても、数回故障を繰り返せば「買ったほうが安かった」ということになりかねません。
メーカー保証や販売店保証には期限がある
電気製品の多くはメーカー保証がついています。また、電気店などが独自の保証サービスを提供していることもあります。
では、「メーカー保証がついているから安心」「購入時に電気店の保証を申し込んだから安心」といえるでしょうか。
エアコンメーカーの保証期間はメーカーにより異なりますが、本体は1年、冷媒回路※は5年保証などです。エアコンの平均寿命とされている10年前後よりずっと早期に保証の期限が来てしまうことがわかります。
購入時に電気店の長期保証サービスを申し込んでいる場合は、より長期にわたって少ない費用負担で修理サービスを受けることができます。ただしその場合でも、年数が経過するにつれて修理費用の負担が増加します。修理の可能性が高くなる古いエアコンでは、修理保証サービスを申し込んでいても費用負担があるのです。
電気店の長期保証サービスの例:
※冷媒回路:機械の中で、熱を移動させるために使用する冷媒(現在では代替フロンなど)が流れる部分。
古いエアコンではメーカーの修理対応が終了している場合もある
第1章で紹介したとおり、古いエアコンでは、メーカーが修理用の部品を保有していない場合があります。この場合は希望しても修理を受けることは難しいでしょう。
省エネ性能も考慮しよう
新しいエアコンは省エネ性能が向上しており、年間の電気代が安くなる場合が多いです。
カタログなどで年間どれくらい電気代が安くなるかを試算してみましょう。そして「修理してあと〇年使い続けた場合の電気代の差」も考慮してエアコンの買い替え・修理を検討するとよいでしょう。
省エネ性能が劣る古いエアコンは、環境への負荷が高い製品でもあります。CO2排出量など、エコロジーの観点で古いエアコンと新しいエアコンを比較し、買い替えと修理を検討する材料のひとつとしてみてはいかがでしょうか。
エアコンの寿命を延ばす方法
普段の生活の中で何気なく使っているエアコンですが、間違った使い方がエアコンの寿命を縮めているかもしれません。
寿命を縮める使い方を知っておけば、それを避けることができます。
エアコンを長く快適に使うために、エアコンが壊れやすくなる使い方を把握しておきましょう。
無理な温度設定
エアコンに大きな負担をかける使い方は、寿命を縮めてしまいます。
例えば、設定温度と室内温度の差が激しいとエアコンに大きな負担がかかります。
設定温度と室内温度の差は5度以内にとどめるのを目安にしましょう。
例:室内温度が30度の場合 → 設定温度を25度以上に設定
長期間使用しない
家電は使いすぎても寿命を縮めてしまいますが、まったく使用しない期間が長く続くことでも壊れやすくなります。
季節の変わり目で久しぶりにスイッチを入れたら不具合が出た経験がある人もいるでしょう。
月に1回程度、点検も兼ねて慣らし運転をすることで、不具合を防ぐことができます。
また、長期間使用しないことでフィルターにホコリがたまります。喫煙者のいる家庭では、さらに汚れがこびりついてしまうのです。
使用しない期間はエアコンにカバーをかけておくと、これらのホコリや汚れを防ぐことができます。
室外機に負担をかける
室外機に負担をかける使い方をすると、室内機の使い方にかかわらず寿命が短くなってしまいます。
近年の猛暑の影響で、熱い外気に晒される室外機には大きな負担がかかっているのです。
室内でエアコンを使うと、室外機はファンを回して熱を外に逃がします。
この放熱がうまくいかないと、室外機にも室内機にも負担がかかり故障の原因になります。
室外機は可能な限り日陰に設置し、周囲に荷物などを置かないように注意しましょう。日陰に置けない場合は、風通しのよい「すだれ」などを利用して日陰を作ってください。
掃除をしない
エアコンを使わなくてもホコリがたまりますが、使用中のフィルターも空気と一緒にホコリを吸うのでかなり汚れます。
汚れがたまったまま使用すると、エアコンが効きにくくなり、風量を強めたり温度の設定を変えたりしなければなりません。
つまり、エアコンに汚れがたまったまま使うと、エアコンに負担をかけてしまうのです。
エアコンを使用している期間(特に夏、冬)はこまめにフィルターを掃除しましょう。2~3週間に1度の頻度での掃除が目安です。
また、専門業者に頼んで内部のカビまでしっかり洗浄してもらうのも効果的です。
まとめ
エアコンの寿命や買い替えについて紹介してきました。
家電の寿命を理解して、修理や買い替えは計画的に行いましょう。
イエコマではエアコンフィルターの洗浄サービスを初回限定5,500円(税込)で行っています。
普段の洗浄では取り除くことのできないしつこい汚れも、一度に取り除くことができます。
ぜひ一度ご相談ください。
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