洗面台の排水管の構造を写真と図で解説!詰まり対処・防止にお役立ち

自宅の洗面台で、悪臭がしたり水の流れが悪かったりしてお困りではないでしょうか。
そのトラブルは、排水管の詰まりが原因かもしれません。

水漏れなどの原因になる排水管の詰まりは、掃除などで早めに解消しましょう。

この記事を読めば、曲がりくねって掃除がしにくそうな洗面台の排水管の構造が分かり、掃除や詰まり解消がしやすくなります。
また、詰まりや水漏れのサインも紹介するので、水漏れで被害が起こる前に早めに対処できます。

洗面台の排水管掃除にぜひお役立てください。

洗面台の排水管の構造と各部位の名称

まず、洗面台の排水管の構造や各部位の名称を確認しましょう。
下の写真は、塩化ビニール製の排水管です。住宅によっては金属製の場合もあります。

排水管の部位

1.排水金具

排水管のうち、洗面ボウルの排水を流す穴に取り付ける金具類を総称して排水金具と呼びます。ボウルに水を溜めるための構造を持たせてある場合もあります。

2.テール管

排水金具からU字管につながる短い直線状のパイプです。排水金具とセットになっている場合もあります。

3.U字管

テール管からステッキ管につながる、U字状に曲がったパイプです。
U字管を清掃しやすいように、カーブの部分に掃除口が設けられているタイプもあります。

4.ステッキ管

U字管から床下にある排水管までをつなぐパイプです。文字通りステッキのような形状をしています。
なお、床下ではなく壁面に排水管がある場合は、ステッキ管ではなくキセル管と呼びます。

5.排水トラップ

排水管の途中にある、水を溜めておく装置です。形状にはいくつかの種類がありますが、どのタイプもトラップの内部に水が溜まったままになるように設計されています。排水トラップの役割や種類は次章でくわしく解説します。

6.掃除口

排水トラップ内のゴミや汚れを掃除するための開口部です。

7.ナット

排水トラップと排水管の接続する部品です。ナットの内側にはパッキンがあり、水漏れを防いでいます。

排水トラップの役割と種類

洗面台の排水管には必ず排水トラップが設置されています。曲がりくねった構造のものが多いため、「これがなければゴミも詰まらないし、掃除も楽なのに」と思う人もいるかもしれません。

しかし、排水トラップは、排水管になくてはならない装置です。その役割と、排水トラップの形状の種類を紹介します。

排水トラップの役割

排水トラップにはいくつかの種類があります。いずれも、曲がった部分があり、そこに水が溜まる構造になっています。この排水トラップ内に溜まった水を「封水」と呼びます。

封水は、悪臭やゴキブリなどの害虫が下水道から上がってくるのを防ぐ壁の役割をはたしているのです。

洗面台の排水トラップの種類

洗面台の排水トラップの形状は、主に以下の3つに分類できます。

S字トラップ

S字トラップ

S字トラップは、横にしたSの字のようなカーブがある排水トラップです。カーブの部分に封水が溜まる仕組みです。排水管は床下につながっています。

排水管が洗面台の直下に伸びているため、収納の邪魔になる場合もあります。

Pトラップ

P字トラップ

Pトラップは、横にしたP字のようなカーブがあるトラップです。トラップから続く排水管が床に対して水平になっています。

排水管は壁面の中を通って床下につながる構造のため、洗面台下のスペースがすっきり見え、収納などの邪魔にもなりません。

S字トラップよりカーブが少ないため、比較的詰まりにくいメリットもあります。

ボトルトラップ

ボトルトラップ

トラップがボトル状の形状をしているタイプの排水トラップです。
ボトルと排水管の間に封水が溜まる仕組みになっています。

ボトルトラップはPトラップよりもさらにコンパクトで省スペースです。
また、排水管であることを感じさせない直線的なデザインであるため、排水管がむき出しになっていてもインテリアの邪魔にならないメリットがあります。

洗面台の排水管が詰まるサイン

排水管が詰まる前には、以下の兆候があります。
排水管が詰まると洗面台が使えなくなるので、排水管が詰まる前のサインに気付いたら早めに対処することをおすすめします。

1.水の流れが悪くなる

洗面ボウルに溜まった水が流れるのに以前よりも時間がかかると感じたら、それは排水管に汚れやゴミが溜まって流れが悪くなっているサインです。

2.排水時にゴボゴボ音がする

排水管の中に汚れやゴミが溜まって排水管が狭くなると、排水管内の水と空気が混ざり泡立つようなゴボゴボとした音の原因となります。

3.悪臭がする

排水口からの悪臭は、排水トラップや排水管内部に汚れが蓄積し雑菌やカビなどが繁殖していることによるものです。汚れがひどくなるといずれ排水管が詰まってしまうでしょう。

洗面台の排水管が詰まった時の対処法

頼もしい主婦

すでに洗面台の排水管が詰まっているなら、早急に詰まりに対処しないと洗面台が使えず困りますよね。排水管掃除の専門業者に依頼するのが確実ですが、まずは以下の方法を試してみましょう。

ペットボトルや真空式パイプクリーナーを使用する

ペットボトルや真空式パイプクリーナーで排水管に空気を送り込み、詰まりを流す方法です。ここでは、ペットボトルを使う場合の手順を紹介します。
手順は以下です。

1.空のペットボトル(1リットル入り以上)を用意する。
2.オーバーフロー※の穴にテープを貼ったり布を詰めたりしてふさぐ。手で塞いでもよい。
3.洗面台のヘアキャッチャーを外し、空のペットボトルの口部分を排水口に差し込む。ペットボトルと排水口はできるだけぴったり密着させる。
4.ペットボトルを手で一気に押しつぶし、中の空気を排水口に強く送り込む。
5.詰まりが解消するまで数回繰り返す。

オーバーフローを塞いでいなかったり、ペットボトルと排水口が密着していなかったりすると、空気が送り込めず効果がなくなるので注意しましょう。

※オーバーフロー:洗面ボウルから水をあふれさせないための構造。水位が上がるとオーバーフローから水が排水管に流れる。

詰まり解消用の薬剤を使用する

市販されている排水管詰まり解消用の薬剤を使用し、パイプ内に蓄積した汚れや髪の毛などを薬剤で溶かして詰まりを解消する方法もあります。
製品の注意書きに記載されている使用量と使用方法に従って使用しましょう。

ワイヤーブラシを使用する

回転式パイプクリーナー

排水管掃除用のブラシで排水管内部を掃除し、詰まりを解消する方法もあります。

ただし、ボトルタイプの排水トラップがついた排水管の場合は、排水トラップより先にブラシを進められません。そのため、詰まりの原因が排水トラップより奥にある場合にはブラシを使用しても詰まりを解消できないでしょう。

ボトルトラップ以外の排水トラップでも、曲がりくねったトラップより先にブラシを進めて清掃するのは容易ではありません。排水管内部にブラシが引っかかって取れなくなったり、無理やり押し込んで排水管を破損させたりする恐れもあるので注意が必要です。

排水トラップを外して掃除する

洗面台の排水管の詰まりは、排水トラップの周囲で起きていることが多いです。そのため、掃除は排水トラップを外して行うことをおすすめします。

塩化ビニール製の排水トラップの多くは、工具などを使わずに手で簡単に取り外すことができます。排水トラップを外して掃除をする場合の手順は以下のとおりです。

1.排水管周囲のものを片付ける
2.ゴム手袋と掃除用の古い歯ブラシなどを用意する。
3.排水トラップを外すと汚れや汚水が落ちてくるので、排水トラップの下にバケツなどを置く。バケツにあらかじめビニール袋をかけておくと汚物で汚れないので衛生的。
4.U字管を止めているナットを緩めてU字管を外す。水漏れを防ぐためのワッシャー※やパッキンが内部にあるので、どの順番で取り付けられていたか忘れないようにする。
※ワッシャー:ナットの下に挟み込む輪状の部材。ナットの圧を分散し、締め付けた部分が破損したりゆるんだりするのを防ぐ役割を持つ。
5.U字管の中を古い歯ブラシなどで掃除し、汚れを取り除く。
6.掃除が終わったら、元どおりにU字管を排水管に取り付ける。
7.ナットをきつく締める。ゆるみがあると水漏れの原因になるので注意。パッキン等の取り付けも忘れずに。
8.U字管を元どおり取り付けたら、水を流してみる。排水トラップ部分から水漏れしないことを確認する。

パイプ掃除

※S字トラップやPトラップなど、U字管部分がある排水トラップの場合です。

掃除口が設けられている排水トラップの場合は、掃除口の蓋を外すだけで、簡単に排水トラップの掃除ができることもあります。

また、ボトルトラップも製品によっては外して掃除ができるものもあるので、製品の取り扱い説明書などで確認してみるとよいでしょう。

洗面台の排水管を掃除する方法

洗面台

排水管が詰まらないようにするためには、日頃のお手入れが大切です。
すぐできる排水管の掃除方法は、以下の通りです。

お湯を一気に流す

洗面台に溜めたお湯を一気に流すことで排水管内部の掃除をすることができます。

お湯は洗面台の排水管に溜まる石けんカスや皮脂など、室温では固形化する汚れを溶かして流しやすくします。また、お湯を溜めて一気に流すと、水圧が高まるために汚れが押し流されやすくなるのです。

1カ月に1度を目安に、汚れが蓄積して詰まりが生じる前に行うと効果的です。
ただし、60度以上の高温のお湯を流すと塩化ビニール製のパッキンを傷める可能性があります。流すお湯の温度は50度くらいに設定すると安心です。

詰まり解消用の薬剤で掃除をする

詰まり解消用の薬剤は、定期的な排水管掃除にも効果があります。薬剤には詰まりの原因となる汚れを溶かすだけでなく排水管内部の殺菌効果もあるので、こまめに使用すると清潔な環境を維持できます。

2週間から1カ月に1度程度の使用を目安に掃除を行うとよいでしょう。

洗面台の排水管で水漏れが起こっている時のサイン

洗面台下の排水管

洗面台の排水管では、詰まりだけでなく水漏れもよく起こります。
洗面所に以下の兆候がある場合は、洗面所の排水管周囲で水漏れが起きている可能性があります。

不自然な水音

洗面所を使っている時、通常の水が流れる音とは別に、ポタポタ、ピチャピチャなどの水音がしていたら、排水管のどこかから水が漏れているかもしれません。

洗面台下の濡れや湿気、カビの増加

洗面台の下は収納スペースになっていることが多いですが、収納内部が濡れていたりカビが増えていたりしていたら、水漏れが起きている恐れがあります。

洗面台の排水管で水漏れが起きた時の対処法

洗面台の排水管で水漏れが起きた場合の対処法を紹介します。

どこから水漏れしているかを確認する

洗面台下の確認

排水管を観察しながら洗面台で水を流してみましょう。排水がどこから漏れているかがわかります。

水漏れ箇所の下にバケツなどを置く

洗面台からの排水で周囲が汚れるのを防ぐため、まずはバケツなどを置きましょう。

バケツなどで排水を受けられれば、水漏れ箇所の修理が終わるまで、注意しつつ洗面台を使うことができます。

水漏れ箇所を防水テープでふさぐ

防水テープ

排水管が破損して水漏れが生じている場合は、専門業者に修理を依頼する必要があります。しかし、すぐに業者が来られない場合などは破損をそのままにしておくのは不便ですね。

防水テープで補修をすれば、修理が終わるまでの短期間であれば水漏れを防止することができます。

パッキンを交換する

排水管と排水トラップを接続している部分から水漏れしている場合、パッキンの劣化が水漏れの原因かもしれません。

排水トラップが取り外せるタイプであれば、外してパッキンを交換してみましょう。
以下が排水管のパッキンを交換する手順です。

1.排水管周囲のものをどけて片付ける。
2.ゴム手袋とバケツを用意する。
3.排水トラップの下にバケツなどを置き、排水トラップを止めているナットを緩めて排水トラップを外す。
4.排水トラップの中にあるパッキンのサイズを確認する。
5.ホームセンターなどで、外したパッキンと同じサイズのパッキンを購入する。
6.新しいパッキンをはめて排水トラップを元に戻す。
7.ナットをゆるみがないようにきつく締める。
8.排水トラップを元どおり取り付けたら、水を流してみる。排水トラップ部分から水漏れしないことを確認する。

ただし、パッキンを交換しても水漏れが解消しないこともあります。その場合は専門業者に修理を依頼しましょう。

排水管の詰まり予防や解消には専門業者に依頼するのも有効

笑顔の業者

自分で洗面所の排水管を分解するのに不安があったり、汚れた排水管の掃除に抵抗があったりする場合は、専門業者に相談するのも有効です。

排水管の詰まり解消や詰まり予防に専門業者を利用するメリットと、専門業者に依頼する場合の注意点を紹介します。

洗面台の排水管詰まりに専門業者を利用するメリット

専門業者は排水管の構造に精通しているので、排水管を破損させる心配がありません。

また、専門行業者は業務用の高圧洗浄機を使って排水管の内部を洗浄し、詰まりを解消してくれます。

排水管の内部は表からは見えないので、自分で掃除をしていてもきれいな状態になったか不安が残るものです。

プロに清掃を依頼すれば排水トラップ付近以外もすみずみまで強力な水流で掃除をしてもらえるので、安心できます。

洗面台の排水管詰まりに専門業者を依頼する場合の注意点

洗面台の排水管詰まりへの対処を専門業者に依頼するときの注意点は、次の3つです。

1.訪問販売の業者に依頼しない

「点検は無料です」などといって戸別訪問し、汚れが溜まっているといって高額な清掃費用を請求されることがあります。すべての訪問販売業者に問題があるわけではありませんが、業者の提示する清掃料金があいまいな場合や会社の所在地がはっきりしない業者の場合は、清掃を依頼することは控えましょう。

2.料金の内容を事前に確認しよう

ネットやチラシで清掃費用が安く表示されていても、出張費や緊急対応費用などの名目で加算されて高額な費用を請求される場合があります。事前にいくらかかるのかを確認した上で清掃を依頼しましょう。

3.完全に詰まる前に利用したほうがお得

排水管が詰まってから業者に依頼すると、すぐに業者に来てもらえなかったり救急対応で料金が割高になったりします。詰まりのサインが見られた時点で業者に依頼するとよいでしょう。

まとめ

洗面台の排水管は曲がりくねっていて複雑そうに見えても、構造を理解すれば、分解して清掃することは可能です。
洗面台の排水が悪くなったり悪臭がしたりしたら放置せず、ぜひ清掃にチャレンジしてみてください。

住宅の排水設備は、自分で日頃から掃除するだけでなく、プロによる洗浄を定期的に実施するのがおすすめです。
プロの洗浄によって、排水管内がより良好な状態に保たれ、詰まりなどのトラブルが発生しづらくなります。

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