自宅の郵便受けに入れられているさまざまなチラシ。その中でこんなチラシを見たことはありませんか?
「△△地区にお住まいの皆様へ。排水管高圧洗浄○○円!」
一見すると、行政が斡旋しているようにも見え、値段もお手頃な金額に設定されています。
「知らない業者だけど、排水管の洗浄なんてしたことがないから話だけでも聞いてみよう」と思う方もいるかもしれません。
そのチラシは本当にお得な情報なのでしょうか?
知識がないと判断ができずに困ってしまいますよね。
実は昨今、このようなチラシを使って集客し、知識の乏しい依頼主に高額請求をするトラブルが発生しています。対処するためには、悪質な業者の手法を知ることが一番です。
今回は、問題となるチラシについて下記の点を解説します。
- どうして高額な請求となるのか
- チラシのどの部分に注目すればいいのか
自治体からの注意喚起や排水管洗浄の必要性なども説明しますので、悩んでいる方は参考にしてみてください。
目次
排水管の高圧洗浄のチラシは疑うべき?
排水管の高圧洗浄のチラシがなぜ問題を引き起こすのでしょうか。最大の要因は、最終的に請求される料金にあります。
チラシの印象とは異なる請求額
チラシを軽く見た段階では、数千円程度で排水管の高圧洗浄ができるかのように感じます。
しかし、実際に作業をしてもらうと、さまざまな追加費用が発生してしまい、結果的に高額な請求をされるトラブルが起きるのです。
戸建住宅がターゲット
このようなチラシは、戸建住宅に住んでいる人をターゲットにしています。排水管を洗浄するかどうか、住人自ら判断しなければいけないからです。
集合住宅の場合、管理会社や管理組合が定期的な点検作業を行っていることが多く、戸別に高圧洗浄について判断することはあまりありません。
戸建住宅の住人は相場などがわからず、高額請求をされる場合があるのです。
ホームセンターなど、信頼できるケースも
全てが悪質業者のチラシではないことも念頭に置いておきましょう。
たとえば、全国展開しているホームセンターなどが、出張サービスのひとつとして排水管の高圧洗浄を取り扱っていることがあります。チラシに記載されている会社名を確認しましょう。
また、インターネットでそのホームセンターが同様のサービスをホームページなどで掲載しているかを確認したり、直接電話で問い合わせたりしてみるとさらに確実となります。
気をつけるポイントはココ!排水管高圧洗浄のチラシを要確認
ここからは具体的に、問題となるチラシがどのような言い回しを使い、何を狙っているのかを紹介します。
安い価格設定
悪質な排水管高圧洗浄のチラシには、相場よりも大幅に安い価格が記載されています。チラシの目立つ部分に記載された安い価格が、払う全ての金額だと勘違いする人がいても不思議ではありません。
しかし大抵の場合、価格が記載されている箇所から離れた箇所に、小さな文字で追加費用が発生する可能性が記されています。景品表示法に違反しないよう、チラシをすみずみまで読めばわかるように業者側は記載しています。
それでも数字のインパクトは大きく、「多少追加費用がかかっても安上がりでは?」という印象に誘導する効果もあるかもしれません。
比較のため、「通常なら○円かかるところ…」のように、一般的な費用が書いてあることもポイント。この一般的な費用も業者のさじ加減ひとつです。
いかに安いのかをアピールするために、根拠のない数字を記載していることも考えられます。
ネット検索などをあまりしない人も、複数の業者に問い合わせるなどして、相場を調べましょう。チラシを鵜呑み(うのみ)にしないことが大切です。
独自の追加料金設定
依頼主が前もって想定するのが難しい追加料金の条件が、下記のように提示されていることがあります。
- 1箇所増えるごとにプラス○円
- 排水管○メートルごとに○円
上記の例でいえば、どこまでの範囲を1箇所と捉えるのかが不明。そもそも排水管の長さが数メートルで収まることはあるのか、などの疑問が浮かびます。
行政の代行であるかのような書き方
「○○地区にお住まいのみなさまへ」のように、地域ごとに一括で進めているプロジェクトであるかのような印象を与える書き方をしていることも多いようです。
地区の区分は業者が勝手に設定したものであり、行政とは関係ありません。こちらも小さな文字の注意書きで、独自の地域区分であることは書かれてはいるものの、勘違いを誘発しているような書き方です。
「(行政区分名)センター」のように、業者名自体が公共サービスと誤認識されやすい名前になっていることもあります。
住宅の排水設備は個人の所有物であり、行政が斡旋・委託するようなことはありません。
「地域一斉工事」をアピール
「地域ごとにまとめて排水管の高圧洗浄を行う」ことをアピールすることで、格安価格の理由付けになるだけでなく、集団意識に働きかけることもできます。
「近所のお宅も洗浄を行っていますよ」という情報は、安心感を与えられ警戒心を緩めることにつながります。自分の家が少数派になる焦燥感にかられることもあるかもしれません。
冷静な判断を妨げるスケジュール設定
チラシに書かれている格安料金設定の終了日まで、日数的な余裕がないことがあります。これも時間を与えて冷静な判断をさせないためのテクニックです。
さらに、「混み合うことが予想されるので希望の日時や内容に添えない」という文面で、早めに申し込まなければ損をするのではないか、と急かされます。
郵便受けにチラシを入れるタイミングをあえて年末年始やお盆の忙しい時期にすることもあるようです。多くの人が休日であり、急がなければ予約で埋まるのは当然と納得してしまいがちだからでしょう。
シンプルなチラシ
文章だけのシンプルなチラシにも注意しましょう。
チラシやダイレクトメールは、たくさんの色や写真を使い、強調したい情報は加工して目立つようにしてあることがほとんどです。
一方、トラブルを引き起こすような排水管の高圧洗浄のチラシは非常にシンプルで、日付など手書きの部分すらあることも。
あえて装飾を抑えたりアナログな部分を作ったりすることで、公共事業のような雰囲気を狙っているのかもしれません。
排水管の高圧洗浄で高額請求に発展する要因
チラシの印象よりも、高額請求になることがトラブルの主たる要因。ではなぜ排水管の高圧洗浄は高額になるのでしょうか。
追加料金のルールは業者次第
先述したように、チラシの価格はあくまで1箇所の場合で、追加料金がかかることが小さく補足で記載されています。どのようなルールで追加料金が加算されていくのかは、業者次第なのです。
事前に調査をした上で総額の見積もりを出すのならまだ良心的ですが、依頼主の同意を得ずに作業を進めてしまうケースも見受けられます。追加料金の記述を見落としたり、軽い気持ちで同意したりしてしまうと、最終的に高額な請求を受けることになるのです。
過度な修理や交換を勧められる
排水管の高圧洗浄作業を進めるうちに、何らかの不具合が見つかることがあるかもしれません。たとえば、部品の修理や交換が必要になるケースです。
その際、余計な修理や交換をされないよう注意しましょう。その場で決断せずに保留し、複数の業者に相談するのも方法のひとつです。
排水管の洗浄だけでは済まなくなる
「せっかくなのでこの機会に」と他の場所も点検され、そのたびに別のクリーニングやメンテナンス、設備の営業を受けてしまうパターン。
依頼主が、家屋のメンテナンスや設備に関する知識に乏しいことをわかったうえで営業をかけてくるので、不安をあおる・利便性を強調するなどの手法を使うことが予想されます。
その場でしっかり断らなければ、
「排水管の高圧洗浄のはずだったのに、他の契約を結んでいた」
という事態になりかねません。
排水管高圧洗浄については行政からも注意喚起されている
排水管の高圧洗浄に関わるトラブルが多発する中で、多くの自治体から注意喚起が発信されています。
※参考:横須賀市 排水管高圧洗浄の投げ込みチラシにご注意を!
新宿区「排水管の高圧洗浄の地域一斉サービス」を勧めるチラシにご注意ください!【情報提供】
都市部だけではなく、地方の自治体からも同様の発信がされているので、全国的に問題になっていることがわかります。
悪徳業者のチラシにだまされないために
チラシの中に潜む危険な罠を見つける主なポイントとして、下記が挙げられます。
- 自治体が個人宅の排水設備に関して、洗浄や点検を業者に委託することはないので、自治体名が記載されている場合は確認をとる
- チラシには小さく、追加料金がかかることなどが書かれているので、細部まで読む
慎重に検討し、疑問に感じたら消費生活センターなどに相談しましょう。
相談事例からわかること
行政からの注意喚起には、相談事例が掲載されていることがあります。
いくつかの自治体の事例から、相談者の悩みが下記のように浮かび上がります。
- 自治体や水道局が関わっていると思っている。あるいは判断ができない
- 格安な価格とその有効期限を見て急かされてしまっている
- 断り方がわからなくて困っている
自治体に直接相談をした方々は、心のどこかで「怪しい」「相談して判断したい」といった気持ちがあったのでしょう。
トラブルを避けるためには、何か違和感があったらすぐに情報センターや自治体などに相談するといったことをしましょう。
排水管高圧洗浄にクーリングオフ制度は適用される?
悪質な契約から消費者を守るクーリングオフ制度。思わぬ高額請求をされた排水管高圧洗浄のチラシの事例では、適用されるのでしょうか?
クーリングオフ制度の適用外
郵便受けに入っていたチラシを読んで電話で依頼した場合、クーリングオフ制度は適用外です。
その理由は、チラシを受け取ってから考える余裕があったとみなされる、いわゆる「不意打ち性」がないからです。
※参考:東京くらしWEB
クーリングオフ制度が適用される場合
下記のようなケースであれば、クーリングオフ制度が適用される可能性があります。
訪問勧誘・電話勧誘の場合
業者から勧誘電話がかかってきた、あるいは家に訪問してきた際に契約してしまった場合は、“不意打ち性が高い”と判断され、クーリングオフ制度が適用されます。
ただし、法定書面を受領した日を含めて8日以内が期限として定められています。契約の仕方によっては期限が過ぎた後でも取り消しできることもあるので、消費生活センターなどに相談するとよいでしょう。
高圧洗浄作業後の各種契約
先述したように、排水管の高圧洗浄後、他のメンテナンスや販売の営業をうけることがあります。
その場で結んでしまった契約は、不意打ち性が高いという条件に合致しますので、クーリングオフ制度が適用になることもあります。
排水管の定期的なメンテナンスは必要
排水管高圧洗浄のチラシに注意しなければいけないことと、その理由についてこれまで説明してきました。
ではそもそも、排水管の洗浄は必要なことなのでしょうか?
答えは「はい」です。
定期的なメンテナンスは行う方がいいのです。
学校や百貨店など特定建築物に定められている建物の場合、6ヵ月ごとに排水管洗浄が義務づけられていますが、一般住宅に関しては排水管洗浄の法的義務はありません。異常が感じられなければそのまま使用し続けることもできます。
しかし排水管は、日々の生活で排出される油や洗剤、あるいは髪の毛、うっかり落としてしまったゴミなどが流されています。家屋の状況によって異なりますが、一般的には3~5年ごとにメンテナンスを行うことをオススメします。
定期的なメンテナンスを行っている場合でも、「異臭がする」「詰まり気味である」など異常が感じられるのであれば、周期から外れていたとしても洗浄を行った方がよいでしょう。
イエコマがお得で安心な理由
イエコマでは、外・内配管の高圧洗浄を、9,800円/世帯(初回限定価格/税抜き)で提供しています。
このような価格で提供できるのは、イエコマならではの理由があるのです。
インターネットで受注
折り込みチラシなどの宣伝広告費は大きなコストとなり、価格に上乗せされてしまいます。
イエコマはインターネットで依頼を受注することにより、宣伝広告費を抑えることに成功。その分を価格に反映させることで、サービス内容に対し安価で提供することができます。
提携業者との連携で効率的な運用が可能に
作業は依頼主宅の近隣のイエコマ提携業者が担当します。
イエコマは、提携する業者の作業内容やスケジュールを適切に把握することで、合理的な派遣体制を確立。無駄な移動費用などを削減することで、低価格なサービスが可能になっています。
イエコマが仲介役となっていることで、万が一業者とお客様の間でトラブルが発生した際も円滑に解決まで導くことができるのです。
見積もりを提示
現地調査を行った後に見積もりを提示、納得いただけた場合に契約成立となります。
また、何かのトラブルで追加の作業・料金が必要になった場合には、必ず事前にお伝えします。
「作業が終わって請求書が渡されたときに、よくわからない追加料金が上乗せされていた」などの事態にはなりません。
まとめ
行政からの注意喚起があるほど、排水管高圧洗浄のチラシを発端とするトラブルが全国的に発生しています。
消費者には、「不審な点はどこか」「考えられるリスクは」などを自分で判断できる知識を持つことが求められています。
排水管の高圧洗浄は必要なメンテナンスですので、安心できる窓口から適切に排水管の洗浄を依頼することが大切です。必要な作業とその費用をしっかりと見極め、納得してから依頼するようにしましょう。
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