キッチンや洗面所などの水回りは、毎日使う、汚れがたまりやすい場所です。排水が流れる排水管にも少しずつ汚れが蓄積するため、掃除をしなければ詰まることがあります。
今回は排水管の洗浄方法を中心に以下についてくわしく解説します。
- 排水の流れが悪いとき、どのような対処をすればいい?
- 排水管が詰まる原因は?
- 排水管の詰まりを防ぐための予防方法は?
- プロはどのように排水管を洗浄するの?
この記事を読めば、ご自宅の排水管の状態に合わせたメンテナンス方法がわかります。「最近、キッチンで水がスムーズに排水されない」「一度も排水管掃除をしたことがない」という方は、ぜひ参考にしてください。
目次
排水の流れが悪いときの最初の対処法
排水の流れが悪いと感じたときに、最初にすべき対処法を水回り別に紹介します。
まずは排水口周りを掃除して、水の流れが改善されるか確認しましょう。
カビやヌメリ、臭いのある汚れを掃除するため、ゴム手袋とマスクを着用し、換気も行いましょう。
キッチン
調理や洗い物の際に使うキッチンの排水口には、食材や油汚れなどが水とともに流れます。食品を扱うため、とくに清潔さを保ちたい場所ですが、汚れがたまりやすいところです。
排水の流れが悪い場合は、以下のように排水口を掃除しましょう。
- 1.ゴミ受けにたまった生ゴミなどを取り除く
- 2.中性洗剤と古歯ブラシやスポンジを使って、ゴミ受けやフタを掃除する
- 3.40~50度程度のお湯を1分間ほど排水管に流す
- 4.ゴミ受けやフタを元の位置に戻す
排水管内に付着した軽い汚れであれば、流れるお湯の勢いで冷え固まった油汚れをほぐして洗い流すことができます。パイプを傷める恐れがあるため、熱湯は流さないようにしましょう。
洗面所・浴室
手や体を洗う洗面所や浴室は、髪の毛や皮脂汚れなどがたまります。ヘアキャッチャーを掃除して、目詰まりを解消しましょう。
- 1.フタやヘアキャッチャーを外し、たまった髪の毛などのゴミを取り除く
- 2.中性洗剤と古歯ブラシを使って、ヘアキャッチャーの汚れを掃除する
- 3.取り外したパーツを元に戻す
水回りの中でもとくに湿度が高い洗面所や浴室は、ヌメリのある汚れが付着します。ヘアキャッチャーにたまったゴミに触れたくない場合は、ティッシュやキッチンペーパーを使って拭き取るのがおすすめです。
洗濯機
洗濯機の下に排水口があります。見落としがちな汚れですが、洗濯するたびに衣類の繊維や洗剤カスなどが、排水とともに少しずつ流れて蓄積されます。
漏電や水漏れを防ぐために、洗濯機のコンセントを抜き、蛇口を閉めてから作業をしましょう。また、排水ホースや排水口のパーツを外したときに、水がたれることがあります。雑巾を用意しておくと安心です。
- 1.洗濯機のコンセントを抜き、蛇口を閉める
- 2.排水口から排水ホースを抜く
- 3.排水口のパーツを外す
- 4.中性洗剤とスポンジや古歯ブラシを使って外したパーツを洗う
- 5.パーツを元に戻す
洗濯機は排水口のほかに、糸くずフィルター(ゴミ取りネット)にも汚れがたまります。排水口と同じように、たまったゴミを取り除き、古歯ブラシなどを使って掃除しましょう。
排水管の詰まりの原因となる汚れ
排水口を掃除してもスムーズに排水されない場合は、その奥へと続く排水管のパイプが詰まりかけている可能性が高いです。
排水管内に付着する汚れの種類は、場所ごとに異なります。詰まりを適切に解消するためにも、場所別に汚れの原因を把握しましょう。
キッチン
調理をしたり洗い物をしたりするキッチン。排水管が詰まる主な原因は、以下の汚れです。
- 食材のカス
- 洗剤カス
- 油汚れ
油汚れは冷えると固まる性質があり、洗い流したときに排水管の側面に付着しやすいです。さらに食材カスや洗剤の溶け残りと混じることで頑固な汚れになり、蓄積していきます。
洗面所・浴室
顔や手を洗ったり、髪の毛をセットしたりする洗面所。浴室では体や髪を洗います。洗面所や浴室で排水管が詰まる主な原因は、以下の4種類です。
- 髪の毛やひげ
- 石けんカス
- 皮脂やアカ
- ヘアピンなどの小物
とくに髪の毛は他の汚れと絡まりやすく、水アカが生えるとぬるぬるとしたヘドロ状の汚れになります。掃除の際に誤って落としたヘアピンやヘアゴムなどの小物も、詰まりの原因になることがあります。小物に髪の毛が絡まり、石けんカスなどと混じると、大きな汚れの塊になるためです。
洗濯機
洗濯機は使うたびに、衣類から出る繊維や衣類に付着していた髪の毛などのゴミ、洗剤の溶け残りなどの汚れが生じます。ある程度のゴミは糸くずフィルター(ゴミ取りネット)がキャッチしますが、フィルターやネットからあふれたゴミは、排水口に流れ出てしまいます。
- 洋服から出た糸くず、繊維
- 髪の毛
- 洗剤カス
臭いのある、ヌルヌルとしたヘドロ状の汚れが特徴です。
自分でできる排水管洗浄の方法4つ
排水口周りを掃除してもスムーズに排水されない場合は、排水管の掃除が必要です。
自分でできる排水管洗浄の方法を紹介します。場所ごとに効果的な洗浄を行い、詰まりが解消するか確認しましょう。
薬剤を利用する方法
大まかな手順は以下です。
- 1.排水口のフタやゴミ受けを取り外し、掃除する
- 2.排水管に薬剤を注ぐ
- 3.薬剤ごとに指定された時間(30分前後など)、放置する
- 4.薬剤が流れきるまで、水または湯(40~50度程度)を流す
パイプクリーナーなど、市販の薬剤を利用して詰まりを解消する方法です。粉末タイプや液体タイプ、錠剤タイプなどがあり、細かい手順や有効な場所は商品ごとに異なります。説明書をよく確認してから使いましょう。
完全に詰まっている場合は、薬剤では詰まりを解消できないため、業者に洗浄を依頼してください。
水圧を利用する方法
大まかな手順は以下です。
- 1.排水口にたまったゴミを取り除く
- 2.タオルの片端や排水栓を使って排水口に栓をする
- 3.40~50度ほどのお湯をシンクの3分の1程度の深さまでためる
- 4.勢いよくタオルまたは栓を抜いて、排水管に一気にお湯を流す
排水管内に付着した汚れが軽度の場合は、勢いよく排水管にお湯を流し込むことで、パイプ内に付着した汚れを剥がせることがあります。キッチンの場合はタオル、洗面所の場合は付属の排水栓を使って、簡単にできる洗浄方法です。
ただし、熱湯を排水管に流すと、パイプを傷める恐れがあります。ためるお湯の温度は40~50度程度にしましょう。
ワイヤーブラシを利用する方法
長いワイヤーの先端にブラシが付いた、排水管のパイプ内を掃除するためのワイヤーブラシを使った詰まり解消方法です。回転式パイプクリーナーなどとも呼ばれ、ホームセンターやネットショップで購入できます。
出典:Felimoa
回転式 5m/10m パイプ クリーナー ワイヤー 詰まり取り お風呂 トイレ 洗面所 排水口 下水 修理 解消 (5m)
洗浄の大まかな手順は以下です。
- 1.排水口のフタやゴミ受けを取り外し、掃除する
- 2.水を流しながら、排水口からワイヤーブラシを差し込む
- 3.ワイヤーを上下に動かしながら、先端を奥へと押し進める
- 4.詰まり部分に到達したら、上下に動かしたり回転したりしながら、汚れをからめ取る
- 5.ワイヤーを引き抜き、スムーズに水が排出されるか確認する
- 6.排水されなかった場合は、先端に付いたゴミを取り除き、再度ワイヤーを差し込む
- 7.詰まりが解消するまで(3回ほど)、2~5を繰り返す
製品によりますが、ワイヤーブラシの長さは3~5mほどあり、手の届かない細い排水管内に付着した汚れも擦り落とすことが可能です。ワイヤーブラシは商品ごとに適した使用場所が異なります。よく確認してから、購入しましょう。
洗面台下の排水管を一部取り外す方法
洗面台下の排水管が、下の写真のような樹脂製(プラスチック製)であれば、工具なしで一部を取りはずすことが可能です。
下の写真の矢印で示してある、表面がぎざぎざになったドーナツ状の部品(ローレットナット)をゆるめて、排水管の一部を取り外せます。
ローレットナットの内側にはゴムパッキンがあります。失くさないよう気を付けて、いったんどけておきましょう。
排水管の一部を取りはずせば、パイプ内を直で見ることができます。そうなれば、使い古しの歯ブラシや割り箸で詰まったゴミを掻き出すことが可能です。
ローレットナットをゆるめたときや排水管の一部を取りはずしたときに、排水管内の汚水やゴミがこぼれてくる恐れがあります。
あらかじめ、ビニール袋を敷いたバケツなどを、取り外す部品の下に準備しておきましょう。
掃除が終わったら、取り外した部分を元あったように戻しましょう。
このとき、ゴムパッキンを戻すのを忘れないよう注意が必要です。ゴムパッキンがないと、ローレットナットの部分から漏水が起こる恐れが高いです。
DIYで行える排水管洗浄は限定的
排水管洗浄がDIY可能なのは、「軽度の汚れであること」が条件です。汚れがひどい場合や、完全に詰まった場合、小物が落ちた場合は自分で対処できません。
排水管は見えない場所にあり、折れ曲がりながら設置されています。完全にきれいにするには、技術が必要な作業です。さらにキッチンや洗面所などすべての水回りの排水管を洗浄するとなると、手間もかかります。
無理にDIYをした結果、詰まりが悪化したり、排水管が破損したりする恐れもあるのです。
家の排水管全体の洗浄ならプロの高圧洗浄
排水管洗浄は業者に依頼するのがおすすめです。家庭用よりも威力のあるプロ専用の高圧洗浄機を使い、排水管内部に付着した汚れをきれいに落とします。
さらに屋内にある水回りの排水口側からだけではなく、屋外に設置された排水桝(はいすいます)側からも高圧洗浄を行います。排水桝の底にも排水に含まれる汚れが蓄積するため、定期的な洗浄が必要です。しかし、悪臭があり不衛生な環境での作業は、慣れない人にとっては非常に困難です。業者であれば、安全にスピーディーに作業を進められるでしょう。
※排水桝とは、排水管の点検や清掃をするために屋外に設置された設備です。
排水に混じったゴミや汚れを分離して底へ沈殿させ、上澄みだけを排水する役割があります。
排水管高圧洗浄が必要なのはこんなとき!
排水管高圧洗浄が必要なのは、次のような場合です。
- 排水管高圧洗浄を5年以上していない
- 排水管の詰まりや排水不良を自分では解消できなかった
排水管高圧洗浄を5年以上やっていないとき
排水管高圧洗浄を5年以上行っていない場合は、排水管内に汚れが蓄積している可能性が高いです。業者に依頼して、きれいに洗浄してもらう方がよいでしょう。
マンションやアパートの場合は1~2年に1度のペースで、管理会社などが排水管高圧洗浄を実施しているところが多いです。しかし一戸建ての場合は、自分で計画し、実施する必要があります。
一般社団法人 全国管洗浄協会「排水管清掃について」によると、排水管の高圧洗浄は半年に1度行うのが理想とされています。とはいえ、一般住宅で半年ごとに洗浄を行うのは、費用や時間などを考慮すると、難しいと感じる人が多いでしょう。
一戸建ての排水管洗浄は、3~5年に1度を目安に実施しましょう。
排水管の詰まりや排水不良を自分では解消できないとき
自分で排水管洗浄をしたものの、詰まりが解消しないこともあります。とくに以下のケースは、DIYで対処することが難しいため、最初から業者を頼る方がよいでしょう。
- 汚れがひどい場合
- 完全に詰まっている場合
- 排水管に小物を落とした場合
また自分で洗浄することが難しいと感じる場合や、不安がある場合は、無理に作業しない方がおすすめです。排水管洗浄に失敗すると、詰まりを悪化させたり、排水管を破損したりする恐れもあります。
排水管洗浄は技術の必要な作業です。素人が自分で行うと、手間もかかります。排水管内の汚れをきれいに落としたい場合や、家全体の排水管洗浄をしたい場合もプロの力を頼りましょう。
排水管洗浄をしないと起き得るトラブル
排水管洗浄を行わずに汚れを蓄積したままにすると、以下のようなトラブルが起きる可能性があります。
排水の流れが悪くなる/排水されなくなる
排水管内に付着した汚れが蓄積すると、水の通る部分が狭くなります。排水の流れが悪くなるため、完全に排水されるまで時間がかかったり、シンクに水がたまったりなどのトラブルが起こるでしょう。
さらに汚れを放置することで、排水管は完全に詰まります。排水できなければ、水回りが使用できないため、毎日の生活が大変不便になります。
排水が逆流してあふれる
排水管の詰まりが悪化すると、行き場を無くした排水が排水口から逆流して、あふれてしまうこともあります。トイレの床や、風呂場で詰まりが発生した場合は脱衣所が、汚水で水浸しになってしまう可能性もあるのです。
悪臭が発生する
排水管内に汚れが蓄積すると、そこから悪臭が発生します。汚れがひどくなると室内まで臭いが漂います。
食材カスや髪の毛などに雑菌やカビが繁殖し、長年蓄積された腐敗した汚れです。悪臭を感じながら暮らすのは不快で、なによりも不衛生です。
排水管の詰まり予防に出来ること
排水管の詰まりは、日頃からのお手入れを心がけることである程度予防できます。以下の予防策を普段から実践し、習慣化させましょう。
排水口周辺および排水管掃除の頻度は、以下を目安に行いましょう。
排水口周り | 排水管の掃除 | |
---|---|---|
キッチン | 毎日~週3回 | 1~2週間に1度 |
洗面所 | 週に1回 | 2週間に1度 |
浴室 | 毎日~週2回 | 2週間~1カ月に1度 |
洗濯機 | 月に1度(糸くずフィルターは2週間に1度) |
食器・調理器具の食べカスや油汚れを事前に拭き取る
排水管の詰まりを防ぐには、油汚れを排水口から流さないことも大切です。
食べカスや油汚れが付いた食器やフライパン、鍋はそのまま洗い流すのではなく、一度キッチンペーパーなどで拭き取ってから洗いましょう。
こまめに掃除する
毎日、使用する水回り。使う度に汚れるため、排水管の詰まりを防ぐにはこまめな掃除が大切です。とくにキッチンのゴミ受けや三角コーナー、風呂場のヘアキャッチャーなどはゴミがたまりやすいため、こまめにゴミを取り除くよう心がけましょう。
また掃除の際に、ヘアピンや指輪などの固形物を誤って落とさないように気をつけることも大切です。排水口まわりにものを置かないようにしましょう。
定期的に薬剤を使う
詰まりの解消方法で紹介したパイプクリーナーなどの薬剤は、詰まり予防に利用するのがもっとも効果的な使い方です。排水がスムーズに行われていても、排水管内には汚れが付着しています。
定期的に掃除を行い、排水管が詰まるのを防ぎましょう。薬剤は悪臭の予防にも効果的です。
最後にお湯を流す
キッチンで洗いものをした最後に、40~50度程度のお湯を排水管に1分間ほど流しましょう。油汚れが冷え固まって排水管に付着する前に、お湯で柔らかくして洗い流します。
毎日の積み重ねで、詰まりを予防する方法です。熱湯を流すと排水管を傷める可能性があるため、お湯の温度に注意しましょう。
まとめ
今回は水回りの排水管洗浄についてくわしく解説しました。場所ごとに汚れる原因は異なり、詰まりの対処法や予防方法は異なります。水回りを快適に、清潔な状態に保つためにも、普段からこまめに排水口周りと排水管のお手入れをしましょう。
プロは高圧洗浄機を使って、安全にスピーディーに、排水管に付着した汚れをきれいに落とします。3~5年に1度を目安に、業者へ排水管高圧洗浄を依頼して、しっかりと掃除しましょう。
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