自宅あるいは別々に暮らす両親のために、トイレをウォシュレットにしたいと考えたことはありませんか?
すでにウォシュレットを導入している人も無関係ではありません。ウォシュレットの耐用年数は一般的に7~8年といわれています。あなたが長年使っているウォシュレットは交換時期が来ているかもしれません。
トイレの全面的なリフォーム(タンクなどトイレ設備すべてを交換)は予算などの条件から難しい人も多いでしょう。部分的なリフォームとしてはウォシュレットの設置・交換が挙げられます。
しかし、ウォシュレット本体を購入しても、自分で設置するのは知識や技術がなければ難しいですよね。
ウォシュレットの設置を検討している人は、まずはトイレの間取りや便器のサイズなどの計測をしましょう。トイレ内のさまざまな部分のサイズを把握しておくことで、作業時や使用時のトラブルを少なくすることができます。
この記事では、トイレのどの部分を測ればいいのか、サイズ以外にあらかじめ確認するポイントはどこなのかを解説していきます。併せてイエコマがおすすめするTOTOのウォシュレットも紹介しますので、ウォシュレット設置を検討している人は参考にしてくださいね。
目次
なぜトイレ内のサイズを確認する必要があるのか
そもそも、なぜサイズ計測が必要なのでしょうか。理由は以下のとおりです。
便器は主に2種類ある
便器は主に下記の2種類に分類されます。
- エロンゲートサイズ(大形サイズ)
- レギュラーサイズ(普通サイズ)
※引用:TOTO
2000年頃以降に新たに設置されたトイレは「エロンゲートサイズ」が主流です。
シートタイプウォシュレット(便座のみのタイプ)はそれぞれの便器やタンクに合わせてラインナップされていたので、事前のサイズ確認が必須でした。
その後、エロンゲートサイズにもレギュラーサイズの便器にも対応可能な兼用タイプの「シートタイプウォシュレット」が登場しました。TOTOのシートタイプウォシュレットは2004年の生産途中に兼用タイプに切り替わっています。
※参考:TOTO「ウォシュレットがエロン・レギュラー兼用便座になったのは、どの製品からですか?」
センサーや扉の開閉のためのスペースが必要
ウォシュレットのなかには、「人を感知してフタが自動で開閉する」などの機能がついているものがあります。人感センサーが正常に作動するためには、前方に障害物のない所定の距離が必要です。
また、トイレの扉を開閉させるときに、ウォシュレットやリモコンなど増設した設備が邪魔にならないことも求められます。
取り付け後のシミュレーションのため
ウォシュレット設置後の掃除のしやすさや収納スペースの増減などは、サイズ計測をすることでより正確なシミュレーションができます。
ウォシュレットを取り付けられないケースに気づくことがある
日本の主要メーカー製造のほとんどのJIS規格便器なら、ウォシュレットを設置することが可能です。
しかし、海外メーカーのトイレや特注のデザイントイレ、タンクの形状によってはウォシュレットを設置できないケースがあります。サイズ計測をすれば、購入前にウォシュレット設置の可否に気づくことができるでしょう。
便器の寸法の測り方
便器のサイズを知るために計測する場所は、以下の4箇所です。始点と終点の位置に注意しながら計測しましょう。
また、「便座取り付け穴」がひとつの基準となるので、可能なら便座を取り外した状態で計測してください。
※引用:TOTO
①便器の開口部
だ円形の開口部の長い方の直径。タンク側のフチから先端部分のフチまでの長さです。
②便座取り付け穴から便器先端まで
便座を取り付けるために開けられた2つの穴のある位置から、便器の先端までの長さです。
③便座取り付け穴からタンクまで
便座取り付け穴からタンクまでの長さ。便座のフタの開閉が可能かどうかの目安となります。
④便座取り付け穴の間の長さ
2つの便座取り付け穴の間の長さ。海外製の便器など、140mm間隔以外の便器には取り付けることができません。
エロンゲートサイズとレギュラーサイズの違い
先述のとおり、便器にはエロンゲートサイズとレギュラーサイズの2種類があります。製造年代によってある程度予測できますが、正確な違いは計測することでわかります。
エロンゲートサイズ(大形)
※引用:TOTO
2000年頃以降に新たに製造されたトイレでは主流となっています。便座全体や開口部のタンクからフチまでの長さが、レギュラーサイズよりも数cm長いのが特徴です。
近年販売されているウォシュレットは、エロンゲートサイズとレギュラーサイズの両方に適応できる兼用タイプがポピュラーとなっています。エロンゲートサイズを基準としているので、設置した際の違和感がほとんどないでしょう。
レギュラーサイズ(普通)
※引用:TOTO
2000年頃以前に製造されたトイレに多いタイプ。2000年以前では、ウォシュレットもレギュラーサイズ専用のものを設置しなければいけませんでした。
しかし、兼用タイプの登場以降はほとんど気にする必要がなくなりました。
ただ、兼用サイズのウォシュレットをレギュラーサイズの便器に設置すると、便座の先端が多少出っ張ったり、先端部分の便器のフチが便座をおろした状態でも上から見えたりすることがあります。
出っ張りに関しては、オプションとして出っ張りを埋めるスペーサーが用意されていることがあるので、必要な人は購入しておくといいでしょう。
サイズ比較
前の章で説明した寸法の測り方に合わせて、エロンゲートサイズとレギュラーサイズの違いを比較すると、以下のようになります。
開口部 | 取り付け穴から先端 | 取り付け穴からタンク | |
エロンゲート | 355~380 | 470 | 50以上 |
レギュラー | 320~350 | 440 | 65以上 |
(単位:mm)
※引用:TOTO『ウォシュレットご購入前のチェックポイント』
トイレの間取りを確認
便器のサイズの計測と並んで大切なのが、トイレの間取りの計測です。タンクの種類やメーカーによって必要とされるスペースが異なりますので注意しましょう。
リモコンが壁面ではなく便器のサイドにあるタイプは、必要とされる寸法が広くなる傾向があります。
ここではTOTOの各モデルを例に、必要とされる寸法を紹介します。
ロータンク式の場合
※引用:LIXIL
タンクが背面に設置されている便器で、最もオーソドックスなタイプです。
機種 | A寸法 | B寸法 | C寸法 |
KF | 255以上 | 325以上 | 300以上 |
KMシリーズ | 255以上 | 325以上 | 300以上 |
K | 345以上 | 330以上 | - |
A寸法:便器の中心から向かって左壁面まで
B寸法:便器の中心から向かって右壁面まで
C寸法:便器の便座側の先端から壁面まで(人感センサー搭載モデルのみ)
(単位:mm)
※引用:TOTO『ウォシュレットご購入前のチェックポイント』
隅付きロータンク式の場合
※引用:LIXIL
タンクが便器の奥の壁側の左右どちらかに設置されているタイプです。ロータンク式と異なり、タンクから便器までの高さも計測する必要があります。
機種 | タンク位置 | a寸法 | b寸法 | c寸法 | d寸法 | e寸法 |
KF | 左側 | 400以上 | 325以上 | 300以上 | 230以上 | 550以上 |
右側 | 255以上 | 400以上 | ||||
KMシリーズ | 左側 | 380以上 | 325以上 | 300以上 | ||
右側 | 255以上 | 380以上 | ||||
K | 左側 | 430以上 | 330以上 | - | ||
右側 | 345以上 | 370以上 |
a寸法:便器の中心から向かって左壁面まで
b寸法:便器の中心から向かって右壁面まで
c寸法:便器の便座側の先端から壁面まで(人感センサー搭載機種のみ)
d寸法:便器のタンク側末端から壁面まで
e寸法:床からタンク底面まで
(単位:mm)
※引用:TOTO『ウォシュレットご購入前のチェックポイント』
ワンピース式は注意が必要
※引用:LIXIL
タンクと便器が一体化し、ロータンクの高さを抑えたワンピース式便器の場合、Panasonicの「ビューティー・トワレ」など、取り付けられないメーカー品もあります。取り付け可能な場合でも、一般的なロータンク式よりも必要なスペースが大きくなるため、注意が必要です。
ワンピース式以外では、ハイタンク式・幼児用・障害者用などの便器で取り付けられないケースがあります。対応しているか判断できない場合は、メーカーや販売業者に問い合わせて確認しましょう。
扉の開閉や動線のためのスペースを想定
ウォシュレットを設置すると、便器自体が一回り大きくなったり、壁にリモコンを設置したりとトイレ環境が今までとは異なります。扉の開閉が問題なく行えるかは最低限チェックしておきたいポイントです。
また、トイレに消臭剤やマット、消耗品や小物などを置いている人もいるでしょう。トイレ関連グッズをそのままの位置に置けるのか、移動した場合に不都合はないかなどを想定しておきましょう。
人感センサー搭載モデルは前方のスペースが必要
便座のフタの自動開閉や自動洗浄・消臭のためにセンサーが付いているモデルでは、便器の先端から30cmほど障害物のないスペースが必要になります。壁までの距離や障害物の有無を確認しましょう。
コンセントの位置も要チェック
ウォシュレットはコンセントから電気を供給されて作動します。そのため、トイレ内にコンセントがあることが必須条件となります。
コンセントが無い場合
コンセントが無い場合は、専門業者による設置工事が必要です。
トイレ外から自分で延長コードを引いてくると、便器使用時や手洗い時にコードに水がかかるリスクが増大します。また、床に近いコード同士の接続部分にホコリが付着しやすくなるのです。
火災や感電の危険性が高まるので、延長コードは使用しないようにしましょう。
製品の購入と取り付けサービス込みのプランなら、オプションとしてコンセントの設置工事を依頼することができる場合があります。
ウォシュレットの電源コードは正面から見て左側にあることが多く、コンセントも左側の壁面に設置すると便利です。暖房や空気清浄機、プラグ式の消臭剤などを使う家庭であれば、別の位置にもうひとつコンセントを増設するとよいでしょう。
コンセントがある場合
コンセントがある場合、万が一の故障や漏電に備えるため、アース付きかどうかを確認してください。アースには、漏電時に漏れた電流の大部分を大地へと逃し、感電による人体への影響を最小限にする働きがあります。
次に、便器からコンセントまでの距離を測ります。
備え付けの電源コードは1m前後です。そのため、80cm程度の距離ならば、コードを床面にはわせる形で接続できるので、つまずきにくくなります。
距離に余裕があれば、コンセントの位置が左右どちらの壁面でも対応できます。
トイレが広い、あるいはコンセントが右側にあるなどの理由で、電源コードが届かないことも考えられます。トイレ内にコンセントが無い場合と同様に、延長コードを使用すると発火や漏電の危険性があるので避けるべきです。
また、延長コードを使うとメーカー非推奨の接続方法をしたとみなされ、事故やトラブルが起きたときに保証が受けられなくなるリスクも生まれます。
長さが足りない場合は、メーカー純正の長さ違いの電源コードを取り付けるようにしましょう。
※参考:TOTO「電源コードの長さが足りない場合、どのように対応したら良いでしょうか?」
ウォシュレットの消費電力も把握すべき
ウォシュレットも電化製品のひとつです。お尻の洗浄水を温水にしたり、便座を暖めたり、人感センサーなどの各機能の待機、使用時に電力を使います。
冷蔵庫やエアコンなどの大形家電に比べると、全体の電気料金に占める割合が低く、消費電力についてあまり意識していない人もいるかもしれません。
しかし、水回りの設備は毎日使うので、メンテナンスを怠ると性能を発揮しづらくなり、必要以上に電力を消費する状態が続きます。ちょっとした節電の工夫の積み重ねが効果的です。
ウォシュレットの消費電力や節電について、くわしくは以下の記事をご参照ください。
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2018.2.23イエコマ編集部
イエコマおすすめのウォシュレット(TCF8GM33)
※当章内画像引用:TOTO
イエコマおすすめのウォシュレットは、TOTOの「TCF8GM33」です。高性能で、コストパフォーマンスも高いウォシュレットです。
簡単に特徴を説明します。
TOTO「TCF8GM33」の特徴
「ノズルきれい」
使用前後にノズルを洗浄するセルフクリーニング機能でいつも清潔。さらに「きれい除菌水」でノズルを洗浄・除菌するので安心で長持ち。
エコ機能
使用頻度を記憶し、あまり使わない時間帯は便座の温度を調整して節電。洗浄中の水圧は、従来のように水を捨てる調節ではなく、本体であらかじめ適切な吐水量に調節できるため節水も実現。
掃除がしやすい
汚れをはじく撥水(はっすい)処理と、簡単に取り外しができる便座でお手入れが簡単。
そでなしデザインで見た目スッキリ
壁リモコン式で便座サイドのそで部分がなく、見た目がスッキリするだけでなく、床掃除の邪魔になりません。両側の壁までのスペースが狭いトイレに最適。
イエコマなら取り付け工事込みで108,900円(税込)!
トイレは、工事などで使用できない時間が長いと困るものです。知識や技術のない個人での作業では、道具が揃わない・うまく接続できない等の状況に陥りがちです。
そうしたさまざまな状況に対応できる標準取り付け工事込みのサービスなら、効率的に工事を進められます。
イエコマでは、TOTOの「TCF8GM33」をウォシュレット本体の送料・標準取り付け工事費込みで108,900円(税込)でご案内しています。TCF8GM33は、一般的なロータンク式トイレなら、メーカー問わず取り付けが可能です。
コンセントが無いトイレは、同時にコンセント増設工事(10,800円~)も行います。
まとめ
エロンゲートサイズ・レギュラーサイズの両方の便器に対応できるウォシュレットが発売され、好みのウォシュレットを選べるようになりました。しかし、新たなウォシュレットを設置する際には、便器の細かなサイズ、トイレの間取りも大切なチェック項目です。
事前に便器のサイズやトイレの間取りを測ることなら、メジャーがあれば誰でもできます。あらかじめ各部分のサイズを計測しておくことで不必要なトラブルを避け、ご自宅にピッタリのウォシュレットを設置しましょう。