屋根カバー工法とは?葺き替え工事との違い|行うべき時期は〇年

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家が古くなると、外装の傷みが心配になりますよね。
とくに屋根は、下から全体を見回すのが難しく、傷み具合などが確認しづらいため、雨漏りなどのトラブルが発生する前にメンテナンスが行われにくい部分です。

建物の外装は、雨や風、夏の日差し、冬の寒さから私たちを守ってくれている重要な部分です。建物を健全に長持ちさせるためには、適切な時期に適切なメンテナンスを行うことが大切です。

この記事では、屋根のメンテナンス方法のひとつである「屋根のカバー工法」について、カバー工法の方法や、葺き替え(ふきかえ)との違い、工事費用の目安、業者の選び方などについてお伝えします。

カバー工法について正しく理解し、失敗せずに適切な工事を行うために、ぜひ参考にしてください。

屋根のカバー工法とは?

屋根のカバー工法とは、今ある屋根を撤去せずに、上から新しい屋根材を施工する方法です。

カバー工法の種類や手順、メリットやデメリットなど知っておきたい基本事項について確認しましょう。

カバー工法の種類

屋根のカバー工法とは、既存屋根の上に直接透湿防水シートを敷き、屋根材を葺く工法が一般的です。屋根材には、建築物の負担になりにくい軽い金属屋根が用いられます。

カバー工法の手順

一般的なカバー工法は次のような手順で行われます。

  1. 足場や養生を設置
  2. 既存屋根に設置されている
    「棟板金(むねばんきん)」
    「貫板(ぬきいた)」
    「雪止め金物」を撤去
  3. 棟板金:屋根のてっぺんで、屋根同士が突き当たる部分に取り付けられる板金のこと
    貫板:棟板金の下の下地の木材のこと

  4. 屋根の清掃
  5. 既存屋根の上から透湿防水シートを張る
    (場合によって、既存屋根の上に張った下地の野地板)
  6. 新しい屋根材を施工
  7. 棟板金を設置
  8. 点検を行い、問題がなければ足場や養生を撤去

一般的に、80平米の屋根の施工でおよそ5日程度かかります。
屋根面積80平米とは、2階建ての住宅で、床面積40坪程度の家を基準としています。

カバー工法ができる場合とできない場合

カバー工法ができる場合、できない場合それぞれの条件を確認しましょう。

カバー工法ができる場合

  • 既存屋根がスレート材(センメント、ケイ砂を原材料とし、繊維質で補強したもの)などの平坦な屋根
  • 既存屋根材と下地材の劣化が少ない
カバー工法ができない場合

  • 既存の屋根勾配に適した屋根材が施工されていない(スレート材は3寸勾配以上でなければ施工できません。屋根の勾配が緩やかなのに、スレート材が施工されている場合は、勾配に適していない屋根材が施工されている可能性があります)
  • 既存屋根が瓦などの凹凸の大きい屋根
  • 既存屋根材が劣化していて釘が打ち込めない
  • 既存下地材の腐食や劣化で釘が打ち込めない
  • 過去にカバー工法を行った屋根

カバー工法のメリット、デメリット

カバー工法のメリット、デメリットは、それぞれ次のことが挙げられます。

カバー工法のメリット

  • 既存の屋根を撤去しないため、撤去費や処分費がかからない
  • 古い屋根からアスベストなどが飛散する心配がない
  • 工期が短縮される
  • 雨漏りのリスクが減る
  • 防音性能が向上する
カバー工法のデメリット

  • 屋根が二重になるため、重くなり建物の負担になる
  • 既存屋根の湿気がこもり、下地の腐食やカビなどが発生する恐れがある
  • 雨漏りが発生した場合、原因箇所の特定が難しくなる
  • 人によっては「古い屋根が残っている」という嫌悪感を抱くことがある
  • 火災保険が使えなくなる可能性がある

葺き替えとカバー工法の違い

屋根のカバー工法ができない場合、葺き替えが行われます。
「葺き替え」とは、一般的に次のような手順で行われます。

  1. 足場や養生を設置
  2. 既存の屋根材を撤去
  3. 下地板を補強、補修、増し張り(下地板を新しく張ること)
  4. 透湿防水シートを張る
  5. 新しい屋根材を葺く
  6. 点検を行い、問題がなければ足場や養生を撤去

カバー工法との大きな違いは、「古い屋根材を撤去する」点です。その点で、手間がかかるため、工期が1~3日程度延び、工事金額も増加します。

ただし、カバー工法と比較して葺き替えには次のメリットがあります。

  • 屋根を軽くして建物の負担を軽減することができる
  • ソーラー発電システムを取り付けられる
  • 雨漏りなどのトラブルを発見しやすく、根本的に解決できる
  • 下地から新築同様にできるため、腐食やカビなどの心配が少ない

カバー工法を検討中の場合も、葺き替えのメリットから予算や築年数なども考慮した上で工法を選べるといいですね。

屋根のカバー工法を行う時期と目安

カレンダーと積み木の家

屋根のカバー工法を行う場合、適した時期や注意点について解説します。

築年数の目安

屋根のメンテナンス方法には、「カバー工法」「塗装」「葺き替え」があります。
カバー工法が行われるスレート材を使った屋根は、新築から10年を目安にメンテナンスを検討しましょう。

それぞれのメンテナンス方法について、適した時期の目安は次のようになっています。

メンテナンス方法 目安時期 適している条件
塗装 築10~20年程度まで ・屋根のダメージが少なく、汚れの付着や色あせ程度
・雨漏りしていない
・費用を抑えてメンテナンスしたい
カバー工法 築20~35年程度まで ・アスベストを含む屋根材を使っている(カバー工法では屋根材を撤去しないため、屋根を撤去する際にアスベストが飛散するのを防いだり、高額なアスベスト処理費を削減したりすることができます)
・塗装でカバーしきれない劣化がある
・雨漏りしている
・屋根材を金属屋根に変更したい
・メンテナンス期間をあけたい
・葺き替えよりも安くしたい
葺き替え 築20年~ ・屋根材の割れや腐食、劣化が激しい
・屋根の下地材が腐っている
・雨漏りしている
・雨漏りなどのトラブルを根本的に解消したい
・屋根材を変えたい

 

こんな状態に注意

カバー工法や葺き替えは、目安の施工時期に達していなくても、屋根や下地の傷みや劣化状態に合わせて適切な方法を判断する必要があります。

判断に必要なのが現地調査です。しかし、なかにはくわしい現地調査をせず、カバー工法しか勧めない業者もいます。

屋根が次のような状態にある場合、下地が傷んでいる可能性があります。カバー工法を行う際には下地の状態まで慎重に調査をしてもらいましょう。

  • スレート本体が飛散し、下地が露わになっている
  • 棟がめくれている
  • 屋根材が反っている
  • 広い範囲にヒビや割れがある
  • 瓦のズレ

屋根のカバー工法費用の目安

十数万と白電卓

屋根のカバー工法の見積もり書では、次の工事内容について計上されます。

  • 仮設足場費
  • 養生費
  • 既存屋根解体処分費
  • 下地板施工費
  • 透湿防水シート施工費
  • 新規屋根材施工費
  • 各種役物施工費
    ・軒先(のきさき):屋根の突き出た先端部分のこと
    ・ケラバ:切妻屋根や片流れ屋根で斜めになっていて、外壁より外側に出ている部分
    ・谷部分:異なる傾斜の屋根面と屋根面が突き当たる部分
    ・棟(むね):屋根のてっぺんで、屋根同士が突き当たる部分のこと
    ・天窓(てんまど):屋根に取り付けられる窓 などの板金
  • 諸経費
  • 消費税

一般に、それぞれの項目について平米単価×平米数で計上されることになります。
屋根のカバー工法の工事費用の目安は、屋根面積80平米の場合(床面積約40坪)、ガルバリウム鋼板使用で約90万円となります。

カバー工法で気を付けるべきこと

チェックバインダーと鉛筆

カバー工法を行う際に、気を付けることについて確認しましょう。

下地は腐っていないか

カバー工法を行うためには、下地材が腐っておらず、釘やネジを固定できる程度の強度が保てることが大前提。

下地が腐っていると、カバー工法を行っても新しい屋根材が飛散してしまう恐れがあります。

下地が「老け」ていないか?

屋根の下地に使われる合板(野地板)は、5枚の単板を互い違いに接着して強くする構造になっています。しかし、湿気や熱気などの影響で、単板が剥がれることがあります。

この現象を下地の「老け」といい、下地の強度が低下する原因となるのです。

老けている下地にカバー工法を行うと、より湿気をためこみ、下地の強度はどんどん失われていきます。最終的に強風などで新しい屋根材が飛散してしまう恐れもあるのです。

瓦のカバー工法の依頼先の選び方と注意点

青作業着とバインダー

屋根のカバー工法は、事前の調査、施工まで専門的な知識と技術が必要になる工事です。
依頼する業者選びはとくに慎重に行う必要があります。
失敗しないための選び方と注意点についてお伝えします。

下地の傷みを的確にチェックできるか

カバー工法ができるかどうかは、屋根の下地の傷み具合を見極める必要があります。

「下地は大丈夫です!」という言葉を信じて契約し、いざ「屋根材を剥がしたら下地が腐っていて、カバー工法ができなかった」ということになると、急いで葺き替えの段取りをして、追加資金を用意して……と大変なことになります。

現地調査の段階で、下地の傷みまで見極められる業者を選びましょう。

屋根勾配に合った屋根材を提案できるか

屋根の勾配によって、施工できない屋根材があります。
カバー工法ができないケースとして、既存の屋根に合った屋根材が施工されていないことが挙げられますが、この点を見極められるか確認してください。

図面があれば、専門的な知識がなくても屋根の勾配と既存の屋根の仕上げ材は調べることができます。
スレート材は3寸勾配(約16.7度)以上の勾配が必要になります。

ガルバリウム屋根の施工に実績があるか

カバー工法で用いられるガルバリウム鋼板は、「金属屋根葺き」に実績があり、専門的な知識と技術がある業者に依頼した方が安心です。

錆びなくて長持ちすることが特徴の材料です。しかし、技術がない業者が施工すると、すぐに錆びてしまったり、塗装が必要になったり、最悪の場合葺き替えが必要になる場合もあります。

結局どういう点に注目して業者を選別すべき?

3つの条件を挙げましたが、なかなか業者の見極めは難しいものです。
次のことに注目して選定を行うといいでしょう。

現地調査の結果を、写真や図面を交えて説明してくれるか

腐食がある場合、写真を撮影し、図面に位置をおとしこみ説明をきちんとしてくれるか、内容を確認しましょう。

現地調査の説明資料を提出してくれるか

悪徳業者や、自信のない業者は、他の業者に見られたくないため、何かと理由をつけて説明資料の提出を拒みます。

数量根拠のある見積もり書か

見積もり金額が「一式」ではなく「〇〇平方メートル」という風に図面や現地の測量をもとにした数量根拠のあるものであるか確認しましょう。

施工実績が見られるか

ホームページやパンフレットなどで、過去の施工実績が確認できる業者に依頼すると安心です。

必ず2~3社に声をかけて相見積もりをとる

対応の比較、見積もり金額の比較、見解の比較のために、必ず2~3社に声をかけて、一番信頼できる業者を選ぶといいでしょう。

まとめ

屋根のカバー工法について、カバー工法の方法や、葺き替えとの違い、工事費用の目安、業者の選び方などについてお伝えしました。

屋根のカバー工法は、葺き替えに比べて手軽にできる工事に感じますが、下地の腐食具合など、工事ができるかどうか見極めるためには専門的な知識と技術が必要になります。
メリットとデメリットをよく理解した上で業者選びは慎重に行い、安心してカバー工法を任せられるといいです。

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