瓦屋根のリフォーム費用はどのくらい?

自宅の屋根が古くなってきたらリフォームを検討する人は多いです。瓦屋根は、他の屋根材と比べて耐久性が高く長持ちしますが、それでも経年劣化は起こります。
屋根のリフォームを考えるとき、気になるのは費用です。業者によっては費用が高すぎるところもあるため、おおよその相場を把握しておくとよいでしょう。
ここでは、瓦屋根のリフォーム費用の相場についてくわしく解説していきます。リフォーム工事の業者選びの際にぜひ役立ててください。

瓦屋根のリフォームの種類

瓦屋根をリフォームするときの工事の種類について見ていきましょう。

屋根の葺き替え

瓦と屋根と職人

屋根の葺き替えとは、既存の屋根材をいったん全部取り払ってから、新しい屋根材に替える方法です。

新しい瓦に替える

これまで瓦屋根でとくに問題や不満がなかったのであれば、新しい屋根材も瓦を選ぶとよいでしょう。現在と近い環境でそのまま新しくできます。

瓦以外の屋根材に替える

ストレート屋根やガルバリウム鋼板など、瓦以外の屋根材に替えることもできます。瓦屋根に不満がある場合や、気になっている屋根材があれば検討してみるといいでしょう。

屋根の葺き直し

防水シート補修中職人

葺き直しとは、既存の屋根材はそのまま使用し、漆喰(しっくい)を詰め直して下地や防水シートなどの補修・交換を行う内容のリフォーム工事です。
瓦自体はまだまだ使えるものの、漆喰や下地、防水シートが劣化している場合に行います。

塗装工事

屋根青く塗装中

瓦には通常塗装は施しませんが、セメント瓦のみ塗装が必要です。むき出しの状態だと雨水を吸ってしまうため、塗装が剥がれているようなときには、塗装工事を行いましょう。

瓦屋根のリフォーム(葺き替え)でかかる費用

瓦屋根のリフォームでかかる費用の内訳は、主に次の通りです。トータルで140~250万円程度かかります。

足場費用

高所で作業を行うため足場を組まなければなりません。足場費用は足場の面積で決まり、1平方メートル辺り600~1500円程度です。
延床面積が35坪(116平方メートル)くらいの平均的な広さの住宅だと200平方メートル程度必要で、1平方メートルあたり1,000円と仮定すれば20万円程度かかります。

古い瓦の撤去費用

古い瓦を撤去するのにかかる費用は、1平方メートルあたり1,500~3,000円程度が相場です。
屋根の面積が100平方メートルだとすれば、15万~30万円程度かかります。
1階の面積が20坪(66平方メートル)で屋根の勾配が急な場合で、100平方メートルくらいです。
また、戸建住宅だと1階が20坪、2階が15坪くらいのところが多いです。

下地補修費

葺き替えをするくらいの状態だと下地の野地板も劣化している可能性が高いため、補修を行います。そのための費用は1平方メートルあたり2,000~3,500円程度です。
100平方メートルくらい平均的な広さの屋根なら20万~35万円程度かかります。

防水シート

防水シートは、野地板の上に敷かれています。こちらも劣化している可能性が高いため交換が必要です。相場は1平方メートルあたり500~1,500円程度で、100平方メートルくらいの平均的な広さの屋根なら5万~15万円程度かかります。

新しい屋根材の施工費

葺き替えでもっとも費用がかかるのは、新しい屋根材の施工費です。日本瓦の場合には1平方メートルあたり8,000~15,000円程度かかります。100平方メートルくらいの平均的な広さの屋根なら80万~150万円程度です。
屋根材によっては、これよりも安く済む場合もあれば、もっと高くなる場合もあります。

屋根材別の単価相場と耐用年数

屋根材別の単価と耐用年数について紹介していきます。葺き替えでどの屋根材にするか迷っている場合には、参考にしてみるといいでしょう。

日本瓦

甍の波

日本瓦は粘土を焼いて作った瓦のことを指します。
日本瓦の単価相場は前章で紹介したとおり、1平方メートルあたり8,000~15,000円程度です。耐用年数は非常に長く、きちんとメンテナンスをしていれば50~80年程度使用できます。

スレート(コロニアル・カラーベスト)

スレート屋根

ストレート屋根は粘板岩やセメントでできている薄い板状の屋根材を指します。
スレート屋根の単価相場は、1平方メートルあたり5,000~7,000円程度で、瓦屋根より安めです。しかし、耐用年数は20~25年程度とそう長くはありません。
コロニアルやカラーベストと呼ばれることもありますが、これらはスレート屋根の具体的な商品名です。

ガルバリウム鋼板

ガルバ屋根

ガルバリウム鋼板は、鉄の合金でできており、表面にアルミニウムや亜鉛などでメッキ加工が施されている金属板です。熱反射率や耐熱性に優れているのが特徴で、見栄えがよいことで人気があります。
価格はスレートよりもやや高めで、1平方メートルあたり6,500~8,000円程度です。耐用年数もスレートよりやや長めで、20~30年程度使用できます。

セメント瓦(モルタル瓦)への葺き替えは難しい

セメント瓦屋根

セメント瓦は、セメントを原料として伝統的な日本瓦を模した形状に成形した屋根材です。モルタル瓦と呼ばれることもあります。一時期流行しましたが、現在では製造されていません。入手が困難なため、セメント瓦への葺き替えを行うのは非常に難しいです。
また、セメント瓦の場合には、アスベストが含まれている可能性もあります。現在ではアスベスト含有の建材の使用は禁止されていますが、セメント瓦が流行した時期にはそのような規制はありませんでした。

葺き替え時期の目安とメリット・デメリット

屋根の葺き替えをする時期の目安について説明していきます。これとあわせて、葺き替えをするメリットとデメリットについても見ていきましょう。

瓦屋根の葺き替え時期の目安

瓦屋根の葺き替え時期は、新築から20~30年経過くらいが目安です。
瓦そのものはもっと長く保ちますが、瓦の下に敷かれている防水シートや下地などが20~30年程度で劣化してしまいます。
葺き直しでも対応できますが、これを機に屋根材を瓦以外のものに替えたい場合には、葺き替えをするといいでしょう。

葺き替えのメリット

瓦屋根はかなり重いため、他の屋根材と比べて耐震性があまり高くありません。瓦屋根からスレートやガルバリウムなどの軽い屋根材に葺き替えすることで、耐震性を高められるメリットがあります。
軽い屋根材なら台風などの自然災害の危険も減らせるでしょう。
また、瓦を全部取り外すため、下地の点検や補修ができることもメリットのひとつです。
今後の大きな地震や台風などが不安だと感じている人は、他の屋根材への葺き替えを検討してみるといいでしょう。

葺き替えのデメリット

瓦屋根の葺き替えは高額な費用がかかるのがデメリットです。新しい屋根材を使用することから、葺き直しと比べても費用がかかります。
また、工事が終わるまで10日程度かかることもデメリットのひとつです。その間に、天気の悪い日があれば、その日は工事ができないため工期が延びてしまう可能性もあります。

葺き替え以外の屋根リフォーム費用の目安

葺き替え以外の方法でリフォームしようと考えている人もいるでしょう。その場合の費用の目安について説明していきます。
葺き替えと葺き直し、塗装のうちイエコマで対応している屋根のリフォームは、葺き替えと塗装のみです。

葺き直し費用の目安

葺き直しの場合には、新しい屋根材が必要ない分だけ葺き替えよりも安く済みます。しかし、高所で作業を行うという点に関しては葺き替えと変わりません。そのため、足場の設営が必要です。
屋根の広さにもよりますが、トータルでかかる費用は100万~180万円程度と捉えておくといいでしょう。

塗装の費用の目安

セメント瓦の塗装にかかる費用は100平方メートルくらいの平均的な広さの屋根なら、18万~35万円程度です。使用する塗料によって差があります。シリコン塗料の場合には安く、耐用年数の長いフッ素塗料だと高めです。

瓦屋根のリフォームを受け付けている業者

瓦屋根のリフォームは、主に次のような業者で受け付けています。それぞれの特徴について見ていきましょう。

リフォームの専門業者

リフォームの専門業者では、屋根のリフォームだけでなく、外壁や内壁、水回りなど、住宅のリフォームを全般的に行っています。
また、特定箇所のリフォーム工事を得意とする業者も多いです。

ハウスメーカー

ハウスメーカーでは住宅を建てるだけでなく、アフターサービスとしてリフォームも行っているところもあります。
家の建設を行った業者ということで、安心して依頼できるでしょう。ただし、広告費や営業経費が多くかかっているため費用は高めです。

工務店

工務店は地域密着型で営業しているところが多いです。新築住宅の建設から、リフォームやリノベーションまで幅広く行っています。費用は全体的に見てリーズナブルです。業者によって得意不得意があるため、屋根のリフォームが得意な業者なら選択肢のひとつとして検討してみるといいでしょう。

フランチャイズ加盟店

フランチャイズ加盟店は、大手業者の看板を背負って営業している小規模な業者です。修理技術の良し悪しは加盟店によって差があります。費用は工務店などと比べると高めです。

業者選びの際に気をつけるべきこと

瓦屋根のリフォームで業者を選ぶ際に気をつけるべきポイントを見ていきましょう。

リフォーム工事の実績をチェックする

実績の少ない業者だと、何かと不安になるでしょう。そのため、どの程度の実績があるのか、公式サイトなどを見て確認しておくのが望ましいです。
それとあわせて次のような点もチェックしておきましょう。

実際に利用した人の感想

業者の公式サイトに掲載されている、実際にリフォームを依頼した人の感想に目を通しておきましょう。実際に利用した人がどう感じたのか、満足のいくリフォームができたのかが分かります。

瓦屋根のリフォーム実績があるかどうか

リフォーム工事の実績は多くても、瓦屋根のリフォームはあまり行ったことがない業者の可能性もあります。水回りのリフォームや増改築などを中心に行っている業者も多いです。そのため、瓦屋根のリフォーム実績があるかどうかチェックしておきましょう。

担当者の対応

業者の担当者の態度や発言などについてもよく見ておきましょう。言葉遣いがよくなかったり、不快な言動をしたりするような担当者だと、トラブルが起こりやすいです。
質問に対して的確に回答してくれるかどうか、説明が分かりやすいかどうかもチェックしておきましょう。回答や説明が的確でないと、勘違いによるトラブルが発生する可能性があります。

アフターフォローの有無

屋根のリフォーム工事では、完成後に雨漏りなどが起こる例も見られます。そのため、アフターフォローが充実している業者を選ぶことをおすすめします。また、どんなときにアフターフォローの対象になるのか、契約前に確認しておきましょう。

複数の業者を比較して決める

最初に相談した業者が良さそうな業者だと、すぐにでも契約を決めたくなる人が多いです。しかし、他に数社程度あたってみれば、もっと良い業者が見つかる可能性もあります。
そのため、なるべく3社程度の業者を比較して決めるのが望ましいです。複数の業者を比べて見て初めて見えてくることもあるでしょう。

こんな業者は要注意

次のような業者は悪徳業者の可能性があるため注意が必要です。

訪問販売の業者

訪問販売で屋根リフォームや屋根修理を勧めてくる業者は悪徳業者が多いです。技術レベルが低く、料金は高いという業者が多い傾向にあります。また、優良業者のほとんどは飛び込みで来訪するようなやり方での訪問販売は行っていません。
すべての訪問販売業者がだめとは限りませんが、突然自宅に訪問販売の屋根リフォーム業者が来たら、言動すべてに目を配り慎重に見極めた方がいいでしょう。

やたらと契約を急かす

工事費用が高すぎる業者は、他の業者と比べられると困るため、その場で契約するように急かすことが多いです。悪徳業者の場合には、不安をあおるようなことを言って契約を急かすこともあります。
そのため、やたらと契約を急かすようであれば、怪しいと思っていいでしょう。

見積もり書が分かりにくい

料金が妥当かどうか判断する際に、見積もり書の記載内容の確認が必要です。内訳を見て、どういう根拠でいくらかかるのかひとつひとつ吟味します。
しかし、見積もり書の記載内容が分かりにくいとそれができません。また、相場よりも料金が高い業者の見積もり書では、意図的に分かりにくい記載をしている可能性もあります。
そのため、見積もり書が分かりにくい業者は避けた方が無難です。

屋根のリフォームで補助金が使える?建築確認申請は必要?

屋根のリフォームで補助金が使える場合もあります。また、建築確認申請が必要かどうか気になる人もいるでしょう。
では、補助金と建築確認申請について説明していきます。

屋根リフォームで補助金が使える?

主に省エネリフォームと耐震リフォームに該当する場合に、支給を受けられることがあります。
たとえば、経済産業省の「ネット・ゼロ・エネルギーハウス支援事業」や、神奈川県大和市が実施している「大和市木造住宅耐震改修工事費等補助金制度」などがあります。
自治体が実施している補助金制度はほかにも多いです。詳細な条件は自治体によって異なりますが、瓦屋根の葺き替えの場合には、耐震リフォームに該当する可能性があるでしょう。
補助金の支給を受けたい場合には、工事前に申請をしなければなりません。工事前後の写真撮影や自治体の調査員による確認作業なども必要です。

屋根リフォームで建築確認申請は必要?

屋根の葺き替え工事の場合には、家の大きさや構造により、建築確認申請が必要になる場合とならない場合があります。
具体的には4号建築物に該当する場合には、建築確認申請は不要で、それ以外の建物なら必要です。
4号建築物とは以下のいずれかに該当する建物のことを指します。

  • 2階建て以下で延べ面積が500平方メートル以下、高さが13メートル以下、軒の高さが9メートル以下の木造建築物
  • 平屋建てで延べ面積が200平方メートル以下の非木造建築物

木造3階建て、鉄筋2階建ては4号建築物には該当しません。4号建築物以外の建築物では、「大規模の修繕・模様替え」を行う場合には確認申請が必要です。
大規模の修繕・模様替えとは、「主要構造部(壁、柱、床、はり、屋根又は階段)の一種以上について行う過半の修繕・模様替え」と定義されています。4号建築物以外で屋根のリフォームをする場合は、大規模の修繕・模様替えに該当するため、建築確認申請が必要になるケースは意外と多いです。

リフォームではなく補修の場合の費用

屋根リフォームの費用は高額です。火災保険が使えないと、費用の捻出が難しいという人も多いかもしれません。
屋根全体のリフォームが難しいようであれば、部分補修で対応するのもひとつの手です。
瓦が少し割れているくらいであれば、リフォームまでしなくても大丈夫でしょう。漆喰が剥がれている箇所なども漆喰補修で対応できます。
リフォームか補修かで迷っている方はこちらもご参照ください。
瓦屋根の各種修理の費用について掲載しています。

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イエコマ編集部

屋根のリフォームや補修の費用の支払い方法

屋根の状態によっては、部分修理での対応は難しく、屋根全体のリフォームが必要になるケースも多いです。無理に部分修理で済ませようとしても、またすぐに修理が必要になり、余計に費用がかかることもあるでしょう。

そこで、リフォーム費用を一括で支払うのが難しければリフォームローンなどを利用する方法もあります。金利も2.5~4.5%程度と低めで、無担保で利用できるところも多いです。

まとめ

瓦屋根のリフォームは140~250万円程度の費用がかかります。使用する屋根材によって差があり、同じ日本瓦に葺き替えをする場合には比較的高めです。スレートやガルバリウム鋼板などに替える場合には、瓦で葺き替えるより安く済みます。瓦屋根にこだわらないのであれば、耐震性の高いスレートやガルバリウムなどに葺き替えをするのもいいかもしれません。
また、屋根のリフォームでは業者選びが重要です。良くない業者に依頼してしまうとトラブルに遭う可能性もあります。優良業者で瓦屋根のリフォーム実績が豊富なところに依頼しましょう。
もし、どの業者に依頼すればいいのかよく分からない場合には、イエコマにおまかせください。イエコマなら瓦屋根のリフォーム実績が豊富で、家の専門家が施工を行っています。アフターサービスも充実しているので安心です。
お問い合わせは24時間365日いつでも受け付けておりますので、お気軽にご相談ください。

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