スレート屋根の寿命は20年!必要な工事やメンテナンス方法は?

住まいの築年数が10年以上経過すると、スレート屋根(セメントを主原料とする昨今主流の屋根)が色あせることや、見た目が悪くなることがあり、のメンテナンスや、寿命が心配になりますよね。

屋根は、夏の強い紫外線や暑さ、冬の寒さ、風雨にさらされながらも、建物の中にいる私たちを守ってくれる大切な部分です。
屋根を良好な状態で長持ちさせるためには、適切な時期に適切なメンテナンスを行うことが大切です。
この記事では、スレート屋根の寿命や劣化のサイン、メンテナンスの方法などについて解説します。注意点なども説明するので、メンテナンスを行う際の参考にしてください。

スレート屋根の寿命

一般的に、スレート屋根の寿命は20年前後といわれています。
建材の寿命とは、本来の耐久性が失われ、防水や保護機能などがなくなる年数の目安のことです。

スレート材の種類や製造時期、環境により耐用年数は異なります。
寿命である20年を目安に、屋根材を新しいものに葺き替える(ふきかえる)か、既存の屋根材の上から新しい屋根材を葺く「カバー工法」を行うなどのメンテナンスの必要が出てきます。

また、スレート材は、寿命を迎えるまでなにもメンテナンスをしなくていいというわけではありません。
スレート材の防水性を保ち、長く美観を保つためには、劣化サインを見逃さず、適切にメンテナンスを行うことが大切です。

スレート屋根の劣化サイン

スレート屋根にメンテナンスが必要になる劣化のサインと、対処法を解説します。

コケや藻などの繁殖

スレートの塗膜が劣化し防水性が損なわれると、屋根の上に溜まったホコリや水分を栄養にし、コケや藻が発生します。

コケや藻があると、美観が損なわれるばかりか、屋根面がじめじめした状態になりやすく、劣化をさらに進行させることになります。

塗膜の劣化が進む前に屋根の塗装工事を行い、屋根の防水性を高めることが効果的です。

色あせ・変色

スレート屋根の表面が白っぽく色あせたように見える場合や、ツヤが失われている場合は、スレート表面の塗膜(塗料が乾燥して形成する膜)が劣化しているサインです。

白っぽい粉のような色あせは、「チョーキング」と呼ばれ、塗料の顔料が表面に浮き出ている現象です。
塗装工事を行い、屋根の防水性や美観を保ちましょう。

塗膜が剥がれる

塗膜の劣化が進むと、塗膜は徐々に剥がれ(はがれ)はじめます。
ここまで劣化が進むと、屋根の防水性はほぼ失われ、どんどん水分を含む状態になります。なるべく早く塗り替えを行いましょう。

塗膜が剥がれた状態のスレートに塗装を行う際は、ヤスリなどを使って古い塗膜を除去(ケレン)してから塗装を行います。

ケレンを行わないと、古い塗膜とともに新しい塗膜が剥がれる施工不良が起きてしまうことがあるので、注意が必要です。

スレートが反る、割れる

塗膜が剥がれた状態で長期間放置していると、スレート本体に雨水が浸みこみ、スレートの強度が損なわれ、もろくなります。
さらに、雨水の吸収・乾燥が繰り返されるうちにスレートが変形します。
反りや割れなどが見られるようになり、スレートの下の防水層の劣化も早まるため、雨漏りの危険性も高まる心配があるのです。

ここまで劣化が進行した場合、塗装ではメンテナンスしきれません。そのため、重ね葺き(かさねぶき)や葺き替え(ふきかえ)などの大がかりなメンテナンスが必要になるでしょう。

そもそもスレート屋根って何?

一般的なスレート屋根とは、主成分がセメントで、繊維質を混ぜ込んで作られた「化粧スレート(商品名をとって、「コロニアル」や「カラーベスト」とも呼ばれます)」を葺いた屋根のことです。

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比較的安価で、軽く、耐震性に優れるため、住宅に広く普及しています。

スレート材は、化粧スレートのほかにも「天然スレート」や「厚型スレート(セメント瓦)」や「波型スレート」があり、それぞれの特徴は次のようになっています。

名称 特徴
化粧スレート
(コロニアル・カラーベスト)
・比較的安価
・セメントに繊維状の原料を混ぜて薄板状に成型・加圧し、表面を防水性のある塗料で塗装したもの
・塗膜が劣化すると雨水を吸収するため、塗装によるメンテナンスが必要不可欠
天然スレート ・比較的高価
・天然の岩石である粘板岩を薄板状に割って成型したもの
・産出量が少ない
厚型スレート(セメント瓦) ・セメントを日本瓦のような形状に成型し、防水性のある塗料で塗装したもの
・素材そのものの防水性は高くないため、定期的な塗装で防水性を維持する必要がある
波型スレート ・セメントに線維性の原料を加えて波板状に成型したもの
・主に工場や倉庫の屋根に使用される

寿命がきたスレート屋根はどうしたらいい?

傷みや劣化サインが全体に見られ、寿命がきたスレート屋根は、塗装や補修ではメンテナンスしきれなくなった状態にあります。

この場合、行われる工事は「重ね葺き(カバー工法)」か「葺き替え」です。
それぞれにかかる費用や、特徴を解説します。

重ね葺き(カバー工法)

費用目安(木造2階建て30坪前後) 80~150万円

古いスレート屋根の上に、ガルバリウム鋼板や、新しいスレート材を葺くメンテナンスです。
ガルバリウム鋼板とは、金属板をアルミニウム・亜鉛・シリコンでメッキ加工した耐久性に優れる建材です。
一般的に、スレートの劣化が進み、塗装では補修できない場合や、劣化したスレート屋根にアスベストが含まれている影響で、撤去費用がかかる際に行われます。

重ね葺きのメリットは、以下の通りです。

  • 既存の屋根材を撤去する費用がかからないため、葺き替えよりも安価
  • 工期が短い
  • 屋根が二重になるため、屋根の断熱性・遮音性・防水性が向上する

一方でデメリットは、屋根が重くなるため建物の負担が増えることです。
建物の負担が増えることで、建物自体の耐震性が損なわれ、重みにより構造部分の劣化が早まることがあります。

葺き替え

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費用目安(木造2階建て30坪前後) 100~300万円

既存の屋根をすべて剥がして、新しい屋根材を設置するメンテナンスです。
葺き替えを行う際は、屋根の下地板の補修や交換、防水シートも交換ができます。
万が一雨漏りをしていた場合、原因の根本的な解決ができます。

費用は、新しく葺く屋根材の価格によって異なります。また、古いスレート材を撤去・廃棄する費用も必要です。(1平方メートルあたり1,500~3,500円)

屋根の葺き替えに使われる主な材料の特徴は以下の通りです。

屋根材の種類 耐久年数 メリット デメリット
粘土瓦(日本瓦) 50年以上 ・耐用年数が長い
・断熱性が高い
・防音性が高い
・塗装が必要ない
・重厚感がある
・高価
・重い
ガルバリウム鋼板 20~30年 ・軽量で耐震性に優れる
・錆びにくい
・スタイリッシュなデザイン
・防水性が高い
・薄く防音性が低い
・断熱性が低い
・傷がつきやすい
スレート 15~20年 ・安価
・デザインやカラーバリエーションが豊富
・施工性が良い
・瓦より軽い
・塗装が必要
・割れやすい
・古いスレートはアスベストを含有している恐れがある
銅葺き 60年以上 ・耐用年数が長い
・美しい青銅に変化
・塗装が必要ない
・重厚感がある
・軽量
・高価
・工事が難しい

まだ使えるスレート屋根のメンテナンスは?

まだ葺き替えや重ね葺きが必要なほど寿命を迎えていないスレート屋根の、メンテナンス方法と費用相場について解説します。

5~7年に1度の点検

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費用(屋根全体) 5,000円~2万円

スレート屋根は、新築から5~7年を目安に点検することをおすすめします。
屋根は、高さがあり普段目に入りにくいため、劣化やひび割れなどの傷みが確認しにくく、不具合を見逃しやすいためです。

スレート屋根の不具合に早く気付ければ小規模なメンテナンス対応ですみ、結果的に費用を抑えることができます。
塗装を行った後でも、塗料の性質に関わらず、10年を目安に点検を行うのが理想です。

スレートにヒビ・欠け・割れが入っている場合の修理

費用(1カ所あたり) 1~3万円

スレートにヒビ・欠け・割れが入った場合、部分的な補修や部分的な交換を行います。
小さなヒビであれば、ヒビを埋めるだけのコーキング※で十分補修できるケースもあります。

部分的な交換は、割れたスレート材の、他のスレート材と重ならず見えている部分を切り取り、上から新しいスレート材をコーキング材で貼り付けるかたちで実施します。

※コーキング:ヒビ割れや隙間などを埋めて、防水性や気密性を確保するために使う、パテ状の充てん剤

棟板金に不具合がある場合の修理

作業内容 費用
クギの打ち直し 3~5万円
板金の交換 6~10万円

屋根の一番高い部分である「棟」は、板金(薄い鋼板)で覆ってあります。強風などの影響でこの板金を留めているクギがゆるんで隙間ができたり、さびて穴があいたりすることがあります。

棟板金の不具合は、クギの緩みなど軽いものの場合は打ち直し、サビや反りなどの劣化が進んでいる場合は、全体的な交換が必要です。

屋根塗装

費用(木造2階建て30坪前後) 30~70万円

色あせや汚れ、ヒビ割れ、塗膜の剥がれなどの不具合を直し、屋根の防水性や美観を保つことができるメンテナンスです。
屋根の材質や、使われた塗料によって異なりますが、スレート屋根の防水性を保つためには、10~15年おきに塗り替えを行いましょう。

イエコマのスレート屋根のメンテナンスの事例

イエコマのスレート屋根の補修の事例を一部紹介します。

欠けの補修

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ひびの補修

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イエコマは、スレート屋根の補修を承っております。
屋根の状態やお客様のご希望に応じて、屋根の塗装・葺き替えも対応可能です。

お気軽にご相談ください。

スレート屋根のヒビ割れ・ズレ補修のページはコチラ
屋根塗装のページはコチラ
屋根の葺き替えのページはコチラ

雨漏りが起きている場合の注意点

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雨漏りが起きている場合、屋根が原因だと思いこまないことが大切です。
雨漏りは、屋根からばかりでなく、外壁や窓からしていることもあります。
まずは雨漏り調査ができる業者に相談し、雨漏りの原因箇所を特定しましょう。

雨漏りの原因箇所が特定できればピンポイントで補修できるため、雨漏りの修理費用を抑え、早く直すことが可能です。

イエコマでは、雨漏りの原因箇所を特定するための、散水調査・赤外線調査を初回体験価格55,000円で行っています。
お伺いするのは、「雨漏り診断士」の資格を持った雨漏りの専門家で、明確な価格設定と、多くの実績で、安心してお任せいただけます。

スレート屋根のメンテナンスの注意点

スレート屋根のメンテナンスで焦ったり失敗したりすることのないよう、メンテナンスを業者に依頼するにあたって知っておきたい注意点をお伝えします。

2006年8月以前のスレートはアスベストを含んでいるかも!

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2006年9月よりも前に建てられた家のスレート屋根は、アスベスト含有建材が使われていることがあります。
アスベスト含有建材(アスベストを重量の0.1%を超えて含有するもの)の製造・使用が労働安全衛生法で全面的に禁止されたのが、2006年9月であるためです。

アスベストは、吸引して肺にたまると肺がんなどの病気を引き起こす恐れがある有害物質です。

アスベストを含むスレート材の撤去は、アスベストの飛散防止や吸い込み防止の対策が必要になるため費用が高額になります。

なお、アスベストは吸引すると危険な物質なので、住宅の解体などで飛散しない限り、害を及ぼす危険はありません。

費用を抑えたいのであれば、カバー工法や塗装など、アスベストが飛散しないメンテナンス方法を選ぶのが良いでしょう。

業者選びは慎重に!

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屋根のメンテナンスを行う際は、業者選びを慎重に行うことが大切です。

「早く塗り替えをしないと雨漏りします!」などと訪問営業で家の不具合を知らされ焦った場合でも、必ず見積もりを確認し、費用や工事範囲に納得した上で依頼することが大切です。

また、依頼先の過去の実績も確認しましょう。

屋根は、一年中厳しい紫外線や雨や風にさらされている部分のため、住まいの中でも雨漏りや屋根材の傷みなどトラブルが起きやすい部分です。

工事が始まった後や屋根材を剥がした後に、隠れた雨漏りや構造体の腐食など工事前に見つけられなかった問題が見つかる可能性もあります。
過去の施工経験が豊富な業者であれば、スムーズにトラブルを解決してくれる安心感があります。

実績は、ホームページやパンフレットなどで確認することができます。

まとめ

スレート屋根の寿命は、一般的に20年前後とされ、寿命を迎えたスレート材は重ね葺きや葺き替えのメンテナンスが必要になります。

屋根材の防水性や美観を長く保つためには、まだ寿命を迎えていない段階から、適切なタイミングで補修や塗装などのメンテナンスを行うことが重要です。

イエコマでは、戸建て住宅限定でスレート屋根の補修や塗装、葺き替えを承っています。
お伺いするのは、技術と知識を持った家の専門家です。
明瞭な価格設定で、安心してお任せいただけます。

現地調査や見積もりは無料です!
屋根について気になる点がありましたらお気軽にお問い合わせください!

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