スレート屋根のカバー工法はどんな工事?|カバー工法について解説!

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カバー工法は屋根の全面補修方法のひとつです。今回は日本の住宅で広く普及している「スレート屋根」のカバー工法について説明します。スレート屋根のカバー工法の種類や使用する屋根材、カバー工法のメリット・デメリットについてくわしく確認しましょう。

スレート屋根のカバー工法とは

カバー工法は「重ね葺き(かさねぶき)」ともいわれる屋根のメンテナンス方法のひとつです。既存の屋根の上から新しい屋根材を重ねて取り付けて、屋根の耐久性や耐水性を高めます。
日本の多くの建物に使用されている屋根材「スレート」の特徴や、スレート屋根のカバー工法について順番に確認しましょう。

スレート屋根とは

スレート屋根

スレート屋根は屋根材のひとつで、下記の2種類があります。

  • 天然の鉱石を使った「天然スレート」
  • セメントを主成分にしたものを薄く板状に加工した「化粧スレート」

天然スレートは海外の城や寺院などに使用され、自然な風合いが美しい高級な屋根材です。日本では東京駅駅舎などで見ることができます。
国内で広く普及しているのは化粧スレートで、商品名から「カラーベスト」や「コロニアル」とも呼ばれます。軽量でカラーバリエーションが豊富であり、価格の安さから日本の住宅で人気のある屋根材です。

化粧スレートは形状からさらに、3種類に分けられます。

  • 戸建て住宅に使用される「平板(へいばん)スレート」
  • 現在は製造されていない「厚型スレート」
  • 工場の屋根などに使用される「波型スレート」

今回は戸建て住宅に使用される化粧スレート(平板スレート)のカバー工法について紹介します。

スレート屋根のカバー工法

スレート屋根の構造を説明します。
まず、屋根の骨組みである垂木(たるき)の上に土台となる野地板(のじいた)があります。さらにルーフィング(防水シート)を敷いた上に屋根材のスレートが敷き詰められているのがスレート屋根です。
スレート屋根のカバー工法とは、既存のスレート屋根の上から新しい屋根材を重ねて葺く方法です。

  • 直接下葺き材張りカバー工法
  • 野地板増し張りカバー工法

上記の2種類などがあり、屋根の下地である野地板の状態により工法が決まります。

直接下葺き材張りカバー工法

直接下葺き材張りカバー工法は、既存の屋根材の上から直接ルーフィングを張り、新しい屋根材を葺く工法です。既存の野地板の状態が比較的良い場合にのみ行うことができます。

野地板増し張りカバー工法

傷んでいる野地板の上から直接下葺き材張りカバー工法をしても、クギやビスがきちんと打てないため、新しい屋根材をしっかりと設置できません。既存の野地板に傷みがある場合は、野地板増し張りカバー工法を行います。古いスレート屋根の上に新しい野地板を張ってからルーフィングを張り、新しい屋根材を葺く方法です。
さらに野地板の痛みがひどい場合は、カバー工法ではなく「葺き替え」が必要になります。

スレート屋根のカバー工法に使われる屋根材

スレート屋根に対するカバー工法では、スレートを重ね葺きしません。スレート材のメーカー保証は長くても10年で、リフォーム工事には保証が適用されないからです。新しく差し替える屋根材は、ガルバリウム鋼板などの金属屋根かアスファルトシングルが用いられます。

ガルバリウム鋼板

ガルバ屋根のある風景

ガルバリウム鋼板はアルミニウムと亜鉛の合金でめっきされた鋼板です。軽量で耐震性があり、錆びにくく価格が安い金属屋根です。外壁材としても使われています。
耐用年数は約20~30年で、単価は1平方メートルあたり5,000~7,000円程です。

SGL(エスジーエル)鋼板

SGL鋼板

※引用:日鉄鋼板株式会社

SGL鋼板はガルバリウム鋼板をグレードアップさせた金属で、名前にはSuperior(上質な)、Special(特別な)、Super(超越した)なガルバリウム鋼板(GL)という意味が込められています。ガルバリウム鋼板にマグネシウムを添加したことで防錆効果と耐食性(錆びにくさ)がプラスされた、次世代ガルバリウム鋼板です。
ガルバリウム鋼板の3倍以上の耐食性があるとされており、耐用年数はメーカーから公表されていませんがガルバリウム鋼板よりも高い耐久性があると予想されます。
単価はガルバリウム鋼板とほぼ同じで1平方メートルあたり5,000~7,000円程です。

アスファルトシングル

アスファルトシングル

※引用:ニチハ

アスファルトシングルはガラス繊維にアスファルトを浸透させ、表面に石粒を吹き付けて作られています。金属屋根のようにひび割れやサビもなく、防水性・耐久性に優れます。カラーバリエーションが豊富で、軽量でシート状なことからさまざまな形状の屋根にも施工しやすいのが特徴です。
耐用年数は20~30年程で、単価は1平方メートルあたり5,000~6,500円程です。

カバー工法と葺き替え工事の違い

つづいて屋根を全体補修するカバー工法と葺き替え工事の違いについて確認しましょう。

カバー工法と葺き替えの違い

屋根全面を補修する大がかりなメンテナンスといえば、カバー工法と葺き替えです。どちらも新しい屋根材を取り付ける補修方法です。
既存の屋根の上から新しい屋根材を取り付けるカバー工法に対して、葺き替え工事は既存の屋根材を撤去してから、新しい屋根材に交換する施工方法です。葺き替えは屋根材を新しくするだけではなく、下地材のメンテナンスもできます。必要に応じてルーフィングの張り替えや野地板の補修ができ、屋根を新築時のような状態にすることができます。

デメリットは、費用と工期がかかる点です。撤去する手間がかかり工期も長くかかるので、そのぶん人件費も必要です。
また、カバー工法の場合は屋根の頂上に取り付けてある棟板金ぐらいしか廃材が出ません。しかし、葺き替えの場合は既存の屋根材も廃棄しなければなりません。
2006年以前に製造されたスレート材は、人体に有害なアスベスト(石綿)を含んでいる可能性があります。アスベストを含むスレートは「石綿スレート」、アスベストを含まないスレートを「ノンアスベスト」といいます。屋根の形状や面積にもよりますが、石綿スレートを撤去するのに一般的な大きさの住宅(30坪)で20万円以上が必要です。

カバー工法と葺き替え工事の工程やメリット・デメリットなどの比較は、以下のコラムでくわしく確認してください。

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2020.6.16
イエコマ編集部

カバー工法と葺き替えのどちらを選べばいいか

カバー工法は1度しかできない

カバー工法は1度しかできず、同じ屋根に重ねてカバー工法をすることはできません。屋根が3重になると重量が増して耐震性が低下するためです。すでにカバー工法を行っている場合は葺き替えになります。

屋根材・下地材の劣化具合から判断

カバー工法と葺き替えのどちらの方法で修理するかは、屋根材や下地材の状態により判断します。
屋根表面に傷みがあっても下地はそれほど傷んでいない場合は、カバー工法が行えます。しかし、屋根全体が劣化している場合や下地まで激しく傷んでいる場合は、葺き替えによる補修が必要です。
屋根材や下地材の耐用年数を知っておき、屋根の寿命を考えながらメンテナンスすることも大切です。立地条件や補修の頻度によって耐用年数よりも早く劣化するケースもありますが、メンテナンスの内容やタイミングの目安になります。
屋根に寿命がくれば、雨風や紫外線から家を守ることができなくなります。破風板や棟板金など屋根周りの設備や、ルーフィングや野地板など屋根の土台部分も劣化するので、大規模な工事が必要です。早めのタイミングで補修することが重要なのです。

将来のメンテナンス計画も参考に

葺き替えは、1度にかかる費用は高めで、工期は長くかかります。しかし長期間で見ると、何度も補修を繰り返すよりも下地材からやり直して葺き替えた方が、かえってトータルコストが抑えられる場合もあります。今後も住み続ける場合は、将来も考えてメンテナンス方法を選択しましょう。
引越しや家を建て替える予定があり、緊急性がない場合は、無理に葺き替えをする必要はありません。
今後住み続ける年数や将来のメンテナンス計画も考慮にいれて、カバー工法か葺き替えを選びましょう。

カバー工法のメリット・デメリット

メリット

既存の屋根の上から新しい屋根を取り付けるカバー工法には、以下のようなメリットがあります。

  • 屋根の美観性が高まる
  • つぎのメンテナンスまでの間隔が伸ばせる
  • 廃材が少ない
  • 屋根が二重になるので断熱性・防音性が高まる

デメリット

カバー工法のデメリットは以下のとおりです。

  • 屋根の重量が増えて耐震性が低下する
  • 屋根の劣化具合により施工できない場合がある
  • 取り付けられる屋根材が限られる
  • 元の屋根(瓦屋根など)によってはカバー工法で対応できないこともある
  • 費用が高く、工期が長い
    (葺き替えよりは費用がかからず工期が短い)

カバー工法の相場

足場代を含めて、一般的な30坪の住宅の屋根をカバー工法で施工した場合の相場は、80万~200万円です。使用する屋根材や屋根の形状・大きさ、施工業者により大きく変わるので、目安として参考にしてください。

カバー工法が向いている家とは?

屋根リフォームはカバー工法以外にも、塗装や葺き替え、部分修理などのメンテナンス方法があります。カバー工法が向いている家、向いていない家を確認しましょう。

カバー工法が向いている家

つぎの条件に当てはまる家はカバー工法が向いています。

費用・工期を抑えて全面補修したい場合

葺き替えは、カバー工法よりも工期が長く、費用もかかります。現時点で屋根材や下地材がそれほど傷んでおらず、費用や工期を抑えたい場合は、カバー工法を行うといいでしょう。たとえば、以下のような場合にカバー工法が適しています。

  • 築20年などで屋根の傷みがそれほどひどくない場合
  • アスベスト入りの石綿スレートの屋根が使用されていて、葺き替えると高い廃棄費用が必要になる場合

カバー工法にした場合、葺き替えるよりも費用は20万円ほど、工期は2、3日ほど抑えることができます。ただし、住み続けるのであれば、いずれは葺き替えが必要です。将来的なメンテナンスも考えて決断しましょう。

断熱性・遮音性を高めたい場合

カバー工法を行うと屋根が二重になり、熱や音を通しづらくなります。現在の屋根よりも断熱性・遮音性を高めることができます。

カバー工法が向いていない家

つづいてカバー工法が向いていない家、つまり、部分補修や葺き替え、塗装が向いている家を確認しましょう。

雨漏りや結露のある家

イラスト天井雨漏り

カバー工法を行うことで一時的に雨漏りが止んだとしても、根本的な解決はしていません。また雨漏りが再発する可能性があります。さらに雨漏りしている家は下地材が傷んでおり、クギやビスがきちんと打てない可能性があります。きちんと施工できないと、台風などで新しい屋根材が飛ぶ危険もあるのです。
屋根裏に結露が生じている家もカバー工法ではトラブルを解決できないため、おすすめできません。

屋根材や下地材が激しく傷んでいる家

屋根下地補修

屋根材や下地材の劣化具合が激しい場合は、カバー工法ではなく葺き替えになります。築30年前後になるとスレート屋根の下地材は劣化するため、葺き替えをした方がいいでしょう。
また不具合が多く報告されているスレート屋根材(ニチハの「パミール」など)の場合も、カバー工法ではなく葺き替えをおすすめします。

引越しや建て替えの予定がある、または将来も住み続ける場合

数年後に引越しや建て替えを予定している場合は、無理に大がかりな工事をする必要はありません。部分補修をしながらこまめにメンテナンスするといいでしょう。
逆に将来も家に住む場合は、葺き替えをして屋根の状態を一新する方がトータルコストを抑えられる場合もあります。将来的に何年住み続け、何回補修する予定なのか計画を立ててから補修方法を決めるといいでしょう。

まとめ

スレート屋根のひび割れや汚れは見た目が悪いだけではなく、放置することで雨漏りが発生するなどトラブルの原因にもなります。今回紹介したカバー工法などの全体補修や部分補修をこまめに行いながら、家の耐久性を維持していきましょう。
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