屋根の上に、壊れたアンテナや不要なアンテナを放置していませんか?
今回は自宅のテレビアンテナの撤去についてくわしく解説。撤去にかかる費用やアンテナ撤去の依頼先、業者選びのコツを紹介します。
「自分でアンテナ撤去ができないかな?」「屋根の上にアンテナを放置したままでもいいのでは?」と考えている人は、古いアンテナが屋根の上から落下するなど思わぬトラブルに発展する恐れも。この記事を参考に優良な業者に依頼して、不要なアンテナの撤去を行いましょう。
アンテナ撤去の費用相場
2階建て木造住宅の屋根にあるテレビアンテナを撤去する場合は、15,000~20,000円前後が費用相場です。ただし撤去にかかる費用設定は業者ごとに異なり、アンテナの種類やサイズ、設置している高さなどでも変わるため、目安として参考にしてください。
費用の内訳は、基本料金の5,000~10,000円に加えて、以下の追加料金などが加算されます。
- 出張費
- 高所作業費
- アンテナや周辺機器の処分費用
- 駐車料金(有料駐車場を利用した場合のみ)
アンテナ撤去はどこに依頼すればいい?
アンテナ撤去を依頼できる主な業者は以下の5種類です。それぞれの特徴をチェックしましょう。
アンテナ工事の専門業者
アンテナの撤去や設置を専門に行う、アンテナ工事の専門業者です。アンテナ工事に関する専門知識と技術があり、撤去だけの依頼も可能です。
依頼者の要望や、アンテナ工事に関するさまざまなトラブルに、柔軟に対応してくれるでしょう。中間業者を挟まないので、比較的安い価格で引き受けてくれる可能性が高いです。
家電量販店
家電量販店でもアンテナ撤去を引き受けているところがあります。基本的には新しいアンテナを設置する場合のオプションですが、アンテナ撤去のみの工事にも対応している店舗もあります。撤去のみの場合は、出張費が別途必要になるでしょう。
一方でアンテナ撤去自体を行っていない家電量販店もあるため、事前に確認が必要です。
キャンペーンを行っていたり、ポイントが付いたりするのがメリットです。作業は下請けに依頼するため、料金は高めになるでしょう。
引越し業者
引越し作業のオプションとして、引越し業者がアンテナの撤去や移設を引き受けている場合があります。引越しのついでに依頼できるのがメリットです。
引越し業者はアンテナ作業の専門ではないため、アンテナ撤去は下請け業者が行います。中間マージンが発生して、料金は高めになるでしょう。
また引越しのオプションサービスのため、アンテナ撤去のみの依頼には対応していません。アンテナの設置環境によっては断られるケースや、アンテナの撤去自体を行っていない業者もあり、事前に確認が必要です。
リフォーム業者・工務店
家のリフォームや補修をする際に、リフォーム業者や工務店にアンテナ撤去を依頼できることがあります。
オプションサービスのため、アンテナ撤去のみの依頼には対応していません。リフォームや補修にアンテナの取り外しが関係ない場合や、高所にアンテナがあるなどの設置環境によっては依頼を断られるケースも多いです。下請けが作業を行うため、中間マージンが発生して料金が高めになるでしょう。
外壁や屋根の塗装業者
外壁や屋根の塗装業者に、屋根の塗装と合わせて、アンテナの撤去を依頼できることがあります。塗装業者は足場を使った高所での作業に慣れているのが特徴です。
ただしアンテナ作業の専門ではないため、新しいアンテナへの交換や移設は対応していない場合が多いでしょう。アンテナ撤去自体を引き受けていないこともあるため、事前に確認が必要です。
アンテナ撤去業者の選び方のコツ
アンテナ撤去業者を選ぶコツを紹介します。業者選びをする際は、前章の「アンテナ業者はどこに依頼すればいい?」で業者の種類を絞ってから、この章の選び方のコツを参考に、条件にマッチする優良な業者を探すとよいでしょう。
相見積もりを取る
契約前に必ず見積もりを取りましょう。
業者が公式サイトやチラシで掲載している料金と、実際の料金は異なることが多いためです。高所作業費などの追加料金が発生するケースもあり、工事後に想定よりも高額な料金を請求されることがあります。事前に見積もりを出してもらうと安心です。
見積もり依頼をする業者選びも慎重に行い、問い合わせた段階で見積もりが無料か、しっかり確認しましょう。以下のような業者とは契約しないことが大切です。
- 見積もりが有料
- 見積もりで出張費を取る
- 見積もり後にいきなり工事に進もうとする
- 不安をあおって契約を急かす
さらに、2~3社の業者に見積もりを依頼する相見積もりを取りましょう。スタッフの対応やサービス内容、料金を比較することができます。
口コミや評価、公式サイトをチェックする
気になる業者の口コミや評価をネットで調べてみましょう。すべて正しい情報とはいえませんが、誠実な仕事ぶりかを判断する材料になります。
公式サイトがある業者は、施工事例やお客さまの声を掲載していることもあります。業者の雰囲気やモットーを知ることができ、実績や技術力も確認できるでしょう。
悪徳業者に注意
アンテナ工事を行う業者の中には悪徳業者が存在するため注意が必要です。アンテナの撤去や設置工事を巡る以下のようなトラブルが発生しています。
- アンテナ工事業者を装って前金を受け取り、工事を実施しない
- ケーブルテレビ事業者を名乗って不正請求する
- アンテナ工事に関する郵便で架空請求をする
- 「アンテナ無料撤去」というチラシを見て依頼。老朽化が原因のため実際は保険が使えないにもかかわらず、火災保険が使えるからと屋根や雨樋工事の契約を勧めてくる
※参考:悪質商法について(総務省テレビ混信対策センター)
消費生活センター便り 2021年1月号(船橋市)
また突然、家を訪ねてくる訪問営業にも注意が必要です。以下のような手口で、無理に契約をさせようとします。
- 総務省など公的機関の役員を名乗って契約させる
- 契約するまで家に居座る
- 居住者の不安をあおって強引に契約させる
悪徳業者と契約してしまった場合は、自分で業者に問い合わせをしても連絡が取れずに解約できないなど、解決できないケースが多いです。アンテナ工事を巡るトラブルに発展した場合は、すぐに国民生活センターやお住まいの地域の消費生活センターに相談をしましょう。「188」に電話をすると、お住まいの地域の消費生活センターにつないでもらうことができます。
そもそもアンテナ撤去は必要?
地上波がデジタル放送に完全移行される2011年7月24日より前に使用していた、アナログ放送用のVHFアンテナをそのままにしている方もいるのではないでしょうか。不要なアンテナを撤去せずにいると、以下のような思わぬトラブルを招く恐れがあります。
アンテナが倒れる・落下する
紫外線や雨風の影響を受け続けるアンテナは、少しずつ劣化が起こります。アンテナを固定している金具やワイヤーも錆びて強度が下がると、少しの風でもアンテナが倒れたり落下したりする危険性が高まるでしょう。
アンテナの重さは、アンテナ本体と周辺パーツを合わせると、
- 八木式アンテナ(屋根の上に高さを出して設置されるアンテナで、電波を受信しやすいのが特徴)は3kg前後
- BS/CSアンテナは本体サイズによって1.5~6kg
と重量があります。高所から落下すると大変危険です。
アンテナが倒れるときに屋根材を破損したり、地上に落下する際に家の設備や車に当たって破損させたりする恐れがあります。通行人に当たって重大な事故を招く危険性もあるでしょう。
屋根や外壁が劣化する
使用していないアンテナは適切なメンテナンスが行われません。アンテナ本体やアンテナを固定する金具やワイヤーからサビが発生して、屋根や外壁に流れてしまいます。
屋根や外壁にサビが広がると、そこから腐食して劣化し、やがて雨漏りの原因になる恐れがあります。雨漏りは家の土台部分を腐らせるなど、建物の耐久性を大きく下げる深刻なトラブルです。家の大がかりな修繕が必要になる可能性もあるでしょう。
場合によっては火災保険が適用される可能性も
台風などの自然災害によってアンテナが倒れた場合は、火災保険が適用される可能性があります。火災保険の申請が通ると、アンテナ修理にかかった費用の一部や全額が補償されるのです。
経年劣化により倒れた場合は、火災保険の補償の対象にはなりません。自然災害による被害でアンテナが破損した場合でも、日にちが経ってしまうと、補償の対象外となる可能性が高いです。
火災保険が適用される可能性がある場合は放置せずに、すぐに申請してアンテナ工事を行いましょう。火災保険が適用されるまでの流れは以下のとおりです。
- 1.保険会社に連絡する
- 2.業者に修理の見積もり依頼をして、被害状況の写真を撮影する
- 3.必要な書類を保険会社に提出する
- 4.保険会社により、調査が行われる
- 5.審査に通ると保険金が支払われる
自分でアンテナ撤去を行うのは危険
業者に依頼すると料金がかかるため、「自分でアンテナ撤去ができないか」と考える人もいるでしょう。しかし安全面や技術面を考慮すると、知識のない素人がアンテナ撤去を行うのは大変危険です。以下のトラブルが生じる恐れがあるため、アンテナ撤去はプロに依頼しましょう。
ケガをする/ケガをさせる恐れがある
アンテナ撤去は屋根の上などの高所で行います。足場は不安定で、慣れない人が作業するのは難しい作業です。うっかり手や足を滑らせた結果、以下のような重大なトラブルに発展する恐れもあります。
- 高所から転落して大怪我をする
- アンテナや部品を高所から落としてしまい、通行人にケガをさせる
- 配線処理を誤って感電してしまう
アンテナや家の設備が破損する恐れがある
アンテナの撤去作業は技術力や知識が必要です。アンテナとテレビをつなぐケーブルの処理、アンテナを固定する金具の取り外し、金具を取り外した後の穴のパテ埋めなどが必要です。
素人がアンテナ撤去をすると、以下のような失敗をする可能性があります。
- 機材をぶつけて、アンテナが故障したり、壁や屋根など家の設備が破損したりする
- 屋根に上がったときに、誤って屋根材を割ってしまう
- 高所から機材を落下させてしまい、家の設備が破損する
- 穴のパテ埋めが不十分で屋根から雨漏りが発生する、さらに雨漏りが原因で家の基礎部分が腐食する
まとめ
不要なアンテナは放置せずに、撤去することが大切です。配線の処理やパテ埋め、高所での作業が必要なため、アンテナ撤去は業者に依頼しましょう。
ただしアンテナ工事業者の中には、悪徳業者も存在するため、注意が必要です。今回の記事を参考に業者選びを行い、優良な業者に依頼しましょう。相見積もりを取り、ネットなどの口コミや評価も参考にしながら、業者を選ぶのがおすすめです。
住まいのトラブルを解決するイエコマでは、「アナログアンテナ撤去」サービスを承っています。イエコマを初めてご利用の方に限り、2m以内のアンテナであれば11,000円(税込み)でアンテナ撤去を行います。追加で出張料や処分費がかかることもありません。不要なアンテナをそのまま放置している方は、イエコマにどうぞお気軽にお問い合わせください。