自宅の雨樋にできた穴やひび割れは、破損箇所が広がる前に修理したいですよね。
修理に必要な部品や道具はホームセンターで購入できるため、自分で補修しようと考える人もいるでしょう。
今回は、ホームセンターで購入できる雨樋修理グッズや、DIYでの雨樋の修理方法、作業する際の装備や注意点を紹介します。
ただし、雨樋修理は、作業内容や場所によってはDIYで対処できないケースもあります。道具をそろえる前に、DIYが可能かどうかについても確認しましょう。
「雨樋修理のDIYが可能なのは、どんな場合?」「自分で補修するのは困難なとき、ホームセンターに修理を依頼するのはアリ?」などの疑問にもお答えします。
目次
雨樋修理のDIYが可能なケース
道具を買う前に、自分で修理可能かどうか見極めることが必要です。
DIYで雨樋修理が可能なのは、以下の2つの条件をどちらも満たす場合です。
- 修理箇所が3m強までの高さであること
- 修理範囲が部分的であること
上記2つの条件を満たさない場合は、業者に修理を依頼しなければなりません。
2つの条件について、詳しく説明します。
修理箇所が3m強までの高さであること
DIYで雨樋修理が可能なのは、修理箇所が3m強までの高さの場合です。
厚生労働省が、労働者の安全を確保し快適な作業環境を作るために発行した「労働安全衛生規則」では、2m以上の箇所に立っての作業は足場を組むなどの安全策を講じることが義務付けられています。
参考:労働安全衛生規則
つまり、2m以上の高所に立って行う作業は、転落すると大ケガをする恐れのある危険度の高い作業なのです。
2m未満の高さに立って手の届く高さとなると、雨樋修理でDIYが可能な高さは3m強までといえます。
戸建て住宅の場合、1階の屋根の軒先の高さは3m前後のケースが多いです。
ただし、住宅の設計によっては、屋根の軒先が4m以上の高さのケースもあります。雨樋修理をDIY可能かは、補修箇所が3m強までの高さであることを目安にしましょう。
修理範囲が部分的であること
雨樋の一部分のみにひび割れや小さな穴がある場合は、部分的な修理で対応可能です。DIYで補修が可能な範囲は、以下を目安にしてください。
- 脚立を使う場合:作業者の肩幅くらいまでの範囲
- 地上から立って作業する場合:作業者が立つ場所から手が届く範囲
上記よりも補修範囲が広い場合は、業者に修理を依頼しましょう。広範囲の補修になるほど技術力が必要となり、素人では失敗する恐れがあるためです。
設置の際に樋の勾配を誤るなど、DIYしたことで樋からの水漏れが悪化するケースもあります。
脚立を使って広範囲の作業をする場合は、つい身を乗り出してしまいがちです。転落する恐れがあるため、安全な姿勢を保ちながら作業を続けられる範囲の補修にとどめましょう。
また、DIYで補修可能な範囲であっても、破損が数カ所ある場合は、雨樋が劣化している恐れがあります。DIYで応急処置しても、すぐ別の箇所から破損が生じる可能性があるため、業者に依頼して新しいパーツと交換する方がおすすめです。
ホームセンターに雨樋修理を依頼するのはアリ?
大手のホームセンターであれば、雨樋修理を依頼できるケースが多いです。料金プランが明瞭で、買い物のついでに雨樋修理の依頼をできるのが魅力です。
しかし、ホームセンターの本業はあくまでも商品の販売です。実際に現場で作業を行うのは下請け業者になります。紹介料などの中間マージンが発生するため、修理費用が高くなりがちです。
雨樋修理は、雨樋や屋根の専門業者に任せる方が、リーズナブルに修理できる可能性が高いでしょう。
ちなみに、プロに雨樋修理を依頼した場合の料金相場は以下のとおりです。業者によっても異なるため、金額は目安として参考にしてください。
作業内容 | 相場 |
部分的な修理・交換 (1カ所あたり) |
1~5万円程度 ※足場が必要な場合はさらに10~15万円前後必要 |
雨樋全体の修理・交換 | 30~60万円前後 |
住まいのトラブルを解決するエキスパート『イエコマ』では、「雨樋修理サービス」を承っています。リーズナブルな価格ながらも、経験と実績豊富な職人による、誠実で高品質な仕事ぶりが好評です。雨樋修理をご検討中の方は、イエコマへお問い合わせください。
雨樋の構造とパーツ
雨樋修理のDIYを検討する際、知っておきたいのが雨樋の構造やパーツの名前です。
ホームセンターで雨樋の部品などを購入するとき、パーツの名前を知っておけば、買い物がスムーズになります。
イラストと写真を見ながら、雨樋の基本的な構造やパーツの名前を把握していきましょう。
全体の構造
雨樋の基本的な構造は以下です。
※部品の位置や形状は雨樋によって多少異なります。
軒樋・集水器
軒樋は、屋根の端に沿うようなかたちで横方向に取り付けられている細長い部分です。
集水器は、軒樋と竪樋をつなぐ部位です。
屋根に降った雨水はまず軒樋に流れ落ち、軒樋に流れ落ちた雨水は、集水器の方へ流れます。
竪樋
竪樋とは、集水器から地面の方向へ縦に伸びているパイプ状の部分です。
集水器を通過した雨水は、竪樋を通って排水されていきます。
継ぎ手・曲がり・エルボ
継手・曲がり・エルボは、いずれも雨樋の部品同士を接続するものです。
継手には、軒樋同士を接続する「軒樋継手」と、竪樋同士を接続する「竪樋継手」があります。
曲がりは、軒樋同士を角度をつけて接続するのに使います。
エルボは、竪樋同士を角度をつけて接続するのに使います。
支持金具
支持金具は、雨樋を建物に固定させる部品です。
軒樋の支持金具は「受け金具」、竪樋の支持金具は「つかみ金具」とも呼ばれます。
ホームセンターで買える雨樋修理のグッズや部品
自分で雨樋修理をする場合、必要なグッズや部品はホームセンターで購入できます。それぞれのアイテムについてくわしく確認しましょう。
補修用のテープ
雨樋の破損部分に貼るだけで簡単に補修できる、雨樋補修専用のテープです。
アルミテープや補修テープなどと呼ばれ、500~1,000円程度で購入できます。耐水性に優れ、粘着力があるため、雨風の影響を受けても剥がれにくいのが特徴です。
雨樋の部品
雨樋はいくつかのパーツをつなぎ合わせて設置されています。主なパーツの価格は、以下を参考にしてください。
雨樋のパーツ | 価格の目安 |
軒樋 | 100cmあたり1,000~5,000円程度 |
竪樋 | 100cmあたり1,000~3,000円程度 |
集水器 | 1,000~3,000円程度 |
継ぎ手、エルボ | 1,000円未満 |
曲がり | 1,000~2,000円程度 |
支持金具 | 500円前後 |
いずれの部品も、家の雨樋とサイズや形が合うものかどうか、確認が必要です。
半円型(断面が半円になっているタイプ)の雨樋は、メーカーや型番が違っていても、サイズが合っていれば部品の接続が可能です。
半円型以外の雨樋は、メーカー・型番が同じでないと接続できません。このため、部品購入の前に型番の確認が必要です。
住宅の建築・購入などのときに受け取った住宅情報の書類で確認しましょう。
書類がない場合は、竪樋の表面をチェックしましょう。竪樋の表面に、メーカー・型番が記載されていることが多いです。
雨樋を切断する刃物
樋やパイプなどを切断する際に使うのこぎりです。パイプソーとも呼ばれ、1,000~2,000円程度で購入できます。
事前に雨樋の材質を確認し、材質に合ったタイプののこぎりを購入しましょう。
塩化ビニル製(プラスチックの一種)なら塩化ビニル製対応が、金属製なら金属対応が必要です。
専用の接着剤
樋や継ぎ手、集水器などの部品同士を接着するための、樋専用の接着剤です。速乾性、耐水性、耐久性に優れるのが特徴です。300~500円程度から購入できます。
電動ドライバー
樋を支える支持金具を交換する際に役立つグッズです。3,000円程度から購入可能です。
トング
軒樋や集水器に溜まったゴミを取り除くときに使うグッズです。300円ほどで販売されています。
脚立
手が届かない場所の樋を補修する際は、脚立に上がって作業します。3,000~10,000円程度で購入でき、サイズによって値段が変わります。
ヘルメット
脚立に上がる際は転落するとケガをする恐れがあるため、ヘルメットを着用します。2,000~4,000円程度で購入できます。
雨樋修理の基本装備と注意点
自分で雨樋修理を始める前に、まずは基本装備と注意点を確認しましょう。
基本の装備
安全に雨樋修理をするために、以下の装備で補修を行いましょう。
- 動きやすく、汚れてもよい服装
- 長袖、長ズボン
- 軍手
- 動きやすい靴
- ヘルメット(脚立を使用する場合)
注意点
雨樋修理は場所や補修内容によって危険を伴います。安全第一で作業を進めるためにも、注意点を把握しておきましょう。
- 脚立を使用する場合は正しく使い、二人一組で作業する
- 作業に不慣れな場合は無理をせず、業者に依頼する
脚立を使用する場合は、必ず二人一組で作業をします。
一人が脚立に上がり、もう一人は脚立を支えたり、脚立に上がった人へ道具やゴミの受け渡しのサポートをしたりしましょう。また二人で作業することで、万が一脚立から転落した際もすぐに対処や応急処置が可能になります。
脚立を正しく使うことも重要です。脚立を完全に開いて、開き止め金具を確実にロックし、身体を安定させた状態で作業しましょう。
天板に乗ったり座ったり、身を乗り出したり、脚立をまたいだまま作業するのは危険です。
雨樋修理は脚立を使った高所での作業や、刃物を取り扱う作業になります。不安定な足場での作業や日曜大工に不慣れな場合は、ケガをしたり補修工事に失敗したりする恐れがあります。少しでも不安がある場合は自分で無理に作業せず、プロに任せる方がおすすめです。
樋のひび割れや穴の修理方法
樋にできたひび割れや小さな穴は、アルミテープや補修テープなどのテープ類を用いて自分で簡単に修理できます。
デメリットは、上からテープを貼るため、見た目がきれいに仕上がらない点です。とくにテープの色が雨樋の色と異なる場合は、補修箇所が悪目立ちしてしまいます。
必要なもの
- 雑巾
- 補修用のテープ
補修方法
- 1.テープを密着させるために、破損部分や周辺の汚れを雑巾などで拭いて落とす
- 2.破損部分よりも少し大きめにテープをカットする
- 3.空気を抜きながらテープをしっかりと貼る
樋の欠けや変形の修理方法
テープで補修できないサイズの欠けや変形は、部分的に新しい樋と交換します。古い樋をカットして、新しい樋を設置しましょう。
ただし、自分で補修したことで、失敗して破損箇所を広げたり、水漏れがひどくなったりする可能性もあります。日曜大工が不慣れな場合は無理に自分で補修しようとせずに、業者に修理を依頼しましょう。
必要なもの
- パイプソー
- 新しく設置する樋
- 樋専用の接着剤
- 継ぎ手のパーツ
- 油性マジック
補修方法
- 1.破損部分の樋をパイプソーでカットする
- 2.新しい樋の上に古い樋を重ねて、油性マジックなどを使って寸法を取る
- 3.古い樋と同じ長さに新しい樋をカットする
- 4.専用接着剤を塗った継ぎ手を使い、取り外した部分に、カットした新しい樋を設置する
支持金具の不具合の修理方法
樋を支える金具が緩んでいる場合は、新しい部品と交換しましょう。横向きの樋を支える金具の場合は、勾配が変わらないように高さをそろえて設置します。
必要なもの
- 新しい支持金具
- 工具(電動ドライバーなど)
- 木工用パテ
補修方法
- 1.古い金具を外す
- 2.金具を外したときにできた穴を木工用パテなどで埋める
- 3.2~3㎝ほどずらした位置に工具で穴をあける
- 4.新しい金具を取り付ける
雨樋の詰まりの解消方法
雨樋に詰まりが生じると、雨水が地上までうまく排水されずに、雨樋からあふれてしまいます。詰まりが生じやすいのは、軒樋から竪樋へと流れる水が集まる集水器の箇所です。雨水と一緒にゴミも流れて、集水器に溜まってしまうのが原因です。
脚立に上がり、集水器の状態を確認しましょう。集水器に落ち葉などのゴミが溜まり、詰まりが生じている場合は、ゴミを取り除くことで詰まりが解消されるケースがあります。
必要なもの
- トング
- ゴミ袋
- バケツまたはホース
解消方法
- 1.軒樋や集水器に溜まったゴミをトングで取る
- 2.バケツまたはホースを使って集水器から水を流す
- 3.スムーズに排水されるか確認する
雨樋は定期的に点検しよう
雨樋の状態は定期的にチェックして、不具合が生じていないか確認しましょう。
樋に破損や歪みがないかチェック
雨樋は紫外線や雨風の影響を受けて、劣化が生じます。また強風による飛来物が当たって雨樋が破損したり、雪の重みによって樋が変形したりするケースもあります。
定期的に樋の状態を目視で確認し、下記のようなトラブルがないかチェックしましょう。
- 表面に穴が空いていないか
- ひび割れが起きていないか
- 樋に変形や歪みがないか
- 破損や割れている箇所はないか
- 接続部が外れかけていないか
- 支持金具が緩んだり外れたりしていないか
樋から雨漏りしていないかチェック
雨樋はいくつかのパーツをつなぎ合わせて設置されています。そのため、次のようなことが起こることがあります。
- 年月が経つうちに、接着剤の劣化や継ぎ目にできた隙間などから雨漏りする
- 樋の内部にゴミが溜まって詰まりが生じ、行き場を無くした雨水が継ぎ目から漏れ出す
また、目視では見落としがちなごく小さなひびから雨水が漏れることもあります。
以下のいずれかの方法で、樋から雨漏りしていないかチェックするとよいでしょう。
- 雨が降っているときに、雨水が雨樋から漏れたりあふれたりせずスムーズに排水されているか確認する
- 軒樋や集水器から水を流し、流した水が漏れていないか確認する
樋にゴミが溜まっていないかチェック
樋にはホコリや落ち葉、虫の死がい、風で飛んできたゴミなどが溜まります。とくにゴミが溜まりやすいのは、軒樋や集水器です。
ゴミが蓄積して雨樋が詰まると、スムーズに雨水が排水されなくなります。台風が去ったあとや落ち葉の多い時期など、定期的にゴミが溜まっていないか確認しましょう。
軒樋など上部にある樋は、スマートフォンの自撮り棒などを利用してパイプの中の様子を確認するのがおすすめです。脚立に上がる必要がないので、転落の恐れもありません。
ただし、誤ってスマートフォンを傷つけないよう注意しましょう。
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ごく一部ですが、イエコマの雨樋修理の施工事例を紹介します。
事例① 歪んだ雨樋の交換
事例② 割れた雨樋の交換
事例③ 支持金具の交換
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まとめ
雨樋修理のDIYが可能なのは、3m強までの高さの部分的な不具合です。自分で雨樋修理をする際は、高所での作業や刃物の扱いに注意が必要です。
自分で補修することに少しでも不安がある場合は、無理にDIYしようとせずにプロを頼りましょう。
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