瓦屋根の修理費用と方法|メンテナンス時期はいつ?

瓦屋根のひび割れやズレが見えると、心配になりますよね。
さらに雨漏りや、天井にシミなどが発生すると、不安は強くなるでしょう。
急いで修理をしなければ!と思うかもしれません。
しかし、屋根の修理業者のなかには、悪徳業者も存在しますので、一度冷静になり、情報を集めることが大切です。
ここでは、瓦屋根を修理する前に知っておきたい、修理費用の相場や修理方法、修理しないとどうなるのか?ということや、業者の選び方などについてお伝えします。

屋根の修理を、適切な価格と方法で行うために、必ず確認してください。

瓦屋根の修理費用は?

瓦屋根の修理方法と費用は、修理の内容によって異なります。

修理の内容 修理の内容
割れている瓦の交換 1~10万円(1枚あたり8,000~3万円)
ズレている瓦の補修 1~10万円(1枚あたり8,000~3万円)
クギの打ち直し(棟瓦) 2~3万円(棟瓦全体)
棟(むね)の修理 1mあたり15,000円
棟漆喰(しっくい)の詰め直し 20~40万円
棟瓦積み直し 50~170万円
雨樋(あまどい)部分修理 1~3万円
雨樋全体交換 10~30万円
雪止め金物設置もしくは交換 10~20万円
屋根瓦塗装(セメント瓦の場合) 2,000~3,000円/1平米
葺き替え(ふきかえ)工事 70~200万円

 

部分修理から全体修理まで、工事内容はさまざまです。
くわしくはこちらの記事をご確認ください。

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瓦屋根の修理をしないとどうなる?

瓦屋根を修理せずに放置した場合、どのような状態になるのか解説します。

割れやズレが広がっていく

破風と割れた瓦

瓦屋根は、瓦同士を噛み合わせるように並べて葺かれていますので、どこかで瓦の割れやズレがあると、隣り合っている瓦もズレて全体にズレが広がる恐れがあります。
また、瓦のズレによって瓦自体に負荷がかかり、他の瓦が破損する場合もあります。
ズレや割れの範囲が広がると、その分修理費用もかかりますので、なるべく早い段階で修理しましょう。

棟瓦が崩れる

劣化した瓦

地震や経年劣化でゆがんだ棟瓦を放置したり、漆喰の詰め替えメンテナンスを行わないでいたりすると、棟瓦自体が崩れる恐れがあります。
崩れた棟瓦や漆喰は屋根から滑落する可能性があり、大変危険です。

雨漏りから屋根が崩落する可能性がある

瓦は、雨水の浸入を防ぎ、排出する役割があります。
そのため、ズレたり割れたりした部分を放置しておくと、雨水が下地や構造部まで浸入して、雨漏りを起こします。
雨漏りを放置すると、下地材や、屋根を支えている構造材が腐り、最悪の場合屋根が崩落する危険があります。

瓦が落下して危険

ズレたり割れたりした状態の瓦は、しっかりと屋根に固定されませんので、地震や強風、経年劣化などが原因で落下する恐れがあります。
家族はもちろんですが、通行人などに当たる可能性もあり、とても危険です。

修理が必要な瓦屋根を放置するのは、家族や周囲の人にとって大変危険なのです。
また、修理が必要な状態を放置することで、修理費も多くかかることになる恐れがあります。
瓦の割れやズレ、ゆがみなどの気になる部分がある場合、早めに対応しましょう。

瓦屋根の割れやズレが起きる原因や、放置した際に起こりうる事態について、くわしくはこちらの記事をご参照ください。

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瓦屋根の修理方法

瓦屋根の修理方法について、修理内容ごとに確認しましょう。

瓦の割れ

傷んだ瓦

瓦は、地震や雪の重み、台風で飛来物が当たるなどして割れることがあります。
瓦が割れている場合、業者に依頼すると、割れている瓦は新しいものに交換してもらえます。

漆喰の割れ、崩れ

棟崩れた漆喰

漆喰とは、石炭を焼いたものに水を加えた消石炭を原材料とした建築材料です。内外装さまざまな場所に使われますが、瓦屋根は、頂上の棟瓦を支え、守る役割があります。
この漆喰は、劣化や地震の振動、大雨によって棟瓦ごと崩れることがありますので、災害後は棟瓦と漆喰の状況を確認しましょう。
崩れている場合、既存の漆喰を専用の工具で撤去し、必要に応じて漆喰下の葺き土(ふきつち)を交換し、新しい漆喰を詰め直します。

棟瓦の積み直し(取り直し)

屋根の中心部分の棟瓦がズレてしまうと、雨漏りなどのトラブルが起こる可能性があります。そのため、棟瓦にズレが生じたら一度解体して積み直す必要があります。
手順は、既存の棟瓦を撤去し、下地にある漆喰、葺き土も取り除きます。
さらに下地の野地板やルーフィング(防水シート)の状態をチェックし調整した上で、新しい葺き土、漆喰、棟瓦を施工します。

クギの浮き

瓦クギ浮き

瓦を固定しているクギは、年月が経つにつれ浮いてきます。
既存の古いクギを抜き、下地材の状態を確認した上で、新しいクギで瓦を固定します。

塗装(セメント瓦の場合)

セメント瓦塗装

セメント瓦の屋根は、防水性を保つため、定期的に塗装を行う必要があります。
足場組みからはじまり、洗浄、下地処理、下塗り、中塗り、上塗り、点検の手順で、おおよそ1週間かけて塗装工事は行われます。

葺き替え

瓦葺き替え中

既存の屋根が全体的に傷んでいる際に、葺き替え工事は行われます。
足場組みからはじまり、既存瓦の撤去後、下地補修(交換)し、新しい瓦を葺き直します。
リフォーム以外にも、建物の負担を減らす耐震工事で行われることがあります。

このほかに、屋根の修理方法としてカバー工法がありますが、瓦屋根のような凹凸の大きい屋根は施工ができません。

瓦屋根のメンテナンス時期は?

瓦屋根のメンテナンス内容と適切な時期、メンテナンスが必要な状況について確認しましょう。

瓦屋根のメンテナンス時期

内容 時期
点検 新築から7~10年、その後5年に一度
漆喰詰め替え 10~20年
屋根塗装(セメント瓦の場合) 10~15年
野地板補修葺き替え 30~40年

 

屋根材のなかでも、瓦自体がとても耐久性の高い材質なので、瓦屋根はメンテナンスフリーと思われがちです。しかし、瓦屋根に使われている野地板や防水シートなどの下地材や、副資材のメンテナンスは必要になります。
副資材には、漆喰、水切り、クギ、雨どい、シーラーなどが含まれます。
割れやズレなどの心配もありますので、定期的に点検をすると安心です。

メンテナンスが必要な状況

瓦屋根の定期的なメンテナンス以外にも、修理が必要な状況として、次のことがあります。

  • 瓦のズレ、割れ
  • クギが浮いている
  • 棟瓦のゆがみ
  • セメント瓦の色があせている
  • 漆喰が剥がれ、隙間があったり、周囲に土のようなものが散らかっていたりする

これらの状況を発見したら、問題が大きくなる前に修理を検討しましょう。

瓦屋根は自分で修理できる?

瓦屋根の瓦が割れた際の修理は、DIYでもできる場合があります。
必要な道具と手順、注意点についてお伝えします。

割れた瓦を修理する方法

防水テープで修理する方法

防水テープで修理する方法から紹介します。

必要な道具
  • きれいな雑巾やウエス(工場などで汚れた機械を掃除するのに使う布)
  • 防水テープ

◆手順◆

  1. 割れた部分の水分や汚れを雑巾などできれいに拭き取る
  2. 割れた部分をピッタリ合わせて、防水テープを3~4重に重ねて張る
  3. 瓦の下にある木の下地板(野地板)が腐っていたり、割れていたりしないか確認する
  4. 瓦を元の位置に戻す
  5. 色の違いが気になる場合、スプレー塗料などで色合わせをする

コーキングで瓦を修理する方法

次に、コーキングで瓦を修理する方法を紹介します。
コーキング補修は、割れ部分が細いひび割れなどの補修に適しています。
コーキングとは、隙間を埋めるために使われるのりのような充填剤で、固まるとゴムのような質感になります。瓦の補修にはシリコン性のものが使われます。

必要な道具
  • きれいな雑巾やウエス
  • 瓦用シリコンコーキング
  • コーキングガン(カートリッジの状態のコーキングをセットして、トリガー部分を操作することでコーキングが押しだされる機械です)
  • ヘラ

◆手順◆

  1. 割れた部分の水分や汚れを雑巾などできれいに拭き取る
  2. コーキングをコーキングガンにセットする
  3. 瓦をピッタリ合わせ、ヒビや割れにコーキングを充てんする
  4. ヘラで表面をなめらかにする
  5. 瓦の下にある野地板が腐っていたり、割れていたりしないか確認する
  6. 瓦を元の位置に戻す

パテで瓦を修理する方法

パテで瓦を修理する方法を紹介します。
パテで補修する方法は、割れた瓦に欠損や穴あきがある場合に適しています。
割れ部分をしっかり平滑に補修することができます。
ガルバリウム鋼板は、パテ補修のみだと強度が劣るため、補修部分の補強をするために使用します。

必要な道具
  • きれいな雑巾やウエス
  • 瓦用パテ
  • ガルバリウム鋼板(薄い銅板でも可)
  • 金切りはさみ
  • ヘラ

 

◆準備◆

瓦より少し小さめに金切りはさみでガルバリウム鋼板をカットし、瓦のカーブに合わせて曲げておく

◆手順◆

  1. 割れた部分の水分や汚れを雑巾などできれいに拭き取る
  2. ヒビや割れにしっかりパテを塗りこみ、割れた瓦はしっかりくっつける
  3. はみ出した部分は拭き取る
  4. ヘラで表面をなめらかにする
  5. 瓦の下にある野地板が腐っていたり、割れていたりしないか確認する
  6. ガルバリウム鋼板を瓦の場所にセットし、上から瓦を置く

瓦屋根の修理を自分で行う場合の注意点

瓦屋根の修理を自分で行う場合に、知っておきたい注意点をお伝えします。

応急処置とする

自分で修理や補修をする方法は、あくまで応急処置です。
屋根の修理業者は、瓦の交換工事を行い、下地の点検も的確に行うことができます。
応急処置をした上で、できるだけ早く業者に依頼することがオススメです。

瓦を横に踏んではいけない

多くの瓦は凹凸のカーブした形状をしていますが、盛り上がっている凸部分を山、へこんでいる凹部分を谷といいます。
瓦屋根の上を歩く際は、必ず谷部分を縦に踏むようにして歩きましょう。
瓦を横に踏んだり、山部分に体重がかかったりすると割れる恐れがあります。

必ず2人組で作業する

屋根に上るという行為は、とても危険なものです。
必ず2人組になって、はしごを押さえる人、上る人に分かれて作業を行ってください。

クギを打たない

瓦がクギで固定されているのを見ると、クギを打ちたくなりますが、DIYでは絶対に行わないでください。
瓦を割る、下地に穴をあけるなどして被害が大きくなったり、雨漏りの原因をつくってしまったりする場合があります。

瓦屋根の修理業者の選び方

屋根の修理業者のなかには、悪徳業者と呼ばれ、詐欺のようなことを行っている会社もあります。
屋根に不具合があると、「早く直さなくては!」と焦ってしまいますが、業者選びで失敗しないように、次のポイントを確認してください。

小さな工事でも対応してくれる

瓦の部分修理は、下地の見極めや、被害を広げない技術などが必要な難しい工事です。
「瓦1枚から交換OK!」など、どんなに小さな工事でも対応してくれる業者は、技術に自信があり、屋根のことを理解している業者です。
小さな修理を依頼したい場合は、工事情報を確認し、小さな工事も対応してくれる業者に依頼すると安心です。

現地調査がていねいか

屋根チェック中職人

屋根の修理をする場合、必ず現地調査が必要になります。
屋根は下から見えない場所なので、調査の際に写真を撮って、写真をもとに説明してくれると親切ですね。
なかには屋根にすら上らない業者もいますが、とてもプロの現地調査とは言えません。
現地調査の際に、屋根に上っているか、写真を撮影しているか、説明はていねいか確認しましょう。

見積もり書の内容がわかりやすい

業者は、工事金額や工程を説明するために、見積もり書を作成します。
見積もり書の内容に、項目の単価や、詳細な面積や数量が書いてあるか確認しましょう。
信頼できない業者や、見積もり書を適当に作ってくる業者の多くは、見積もり書の数量を「一式」と表示してきます。
屋根の修理は、高額になることがあります。
見積もり書の内訳がわかりやすく、どの修理にいくら払うのか明確に提示できる業者に依頼しましょう。

不安をあおらない

いきなり訪問営業をしてくる業者がいますが、その際に「瓦が割れていて危ないですよ」「このままじゃ雨漏りします!」などと言われたら、不安になりますよね。
できればこういった不安感をきっかけに営業してくる業者ではなく、自分から問い合わせて業者を選ぶようにしましょう。

甘い言葉を使わない

訪問業者や、電話営業などに多い手口ですが、甘い言葉を使って、契約を急かす業者には要注意です。
「今ならキャンペーン価格で対応できます」
「近くで工事をやっているので、今なら通常より安くできます」
「火災保険を使えばゼロ円でできますよ」
などという言葉は、使われがちですが、よく考えて誠意を感じられる業者を選ぶべきです。
気を付けましょう。

2~3社に相見積もりをとる

見積書と電卓とペン

屋根工事の際は、3社程度に見積もりを依頼し、相見積もりをとりましょう。
相見積もりをとることで、以下の点を他社と比べ、優良な会社を見極めることができます。

  • 費用
  • 数量
  • 工程
  • 対応のていねいさ
  • 対応のスピード

極端に安すぎたり、高すぎたりする場合や、他社と比べて気になる点がある業者には、納得できる説明をしてもらいましょう。
その上で業者を選び、依頼すると安心です。

この他にも、前もって支払い方法や、ローンが使えるか、補助金の手続きをしてもらえるかなど事前に確認すると安心です。

まとめ

瓦屋根の修理について、修理費用の相場や修理方法、修理しないとどうなるのか?ということや、業者の選び方などについてお伝えしました。
瓦屋根の住まいを美しく、長く安全に暮らすためには、異常に気づいた際になるべく早く対応して、被害を広げないことが大切です。
その上で、焦らず業者選びをして、適切な方法と価格で修理ができるといいですね。

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現地調査、見積もりは無料です。
このほかにも、雨漏り調査や雨漏り修理など、小さな工事も行っています。
屋根について心配なことがありましたら、お気軽にご相談ください!

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