屋根塗装の時期と費用、注意点や賢くお得にする方法を解説!

自宅の屋根塗装を考えるとき、

  • どれくらいお金がかかる?
  • 我が家の屋根は本当にいま塗装が必要?
  • 塗料選びや色選びはどうしたら良い?

これらのことが気がかりですよね。

当コラムでは、屋根塗装の相場とタイミング、塗料選びと色選びの目安のほか、屋根塗装の注意やポイントを解説しています。

自宅の屋根塗装を満足のいくかたちで完了させることができるよう、このコラムを参考にご活用ください。

塗装が必要な種類の屋根と塗装のタイミング

塗装が必要な種類の屋根と、塗装のタイミングを解説します。

塗装が必要な種類の屋根

塗装が必要かどうかは、屋根材(屋根に使われている建材)の種類によって変わってきます。
戸建て住宅に多く使われており、塗装が必要なタイプの屋根は以下の4種類です。

【スレート】

【セメント瓦】

【モニエル瓦(コンクリート瓦)】

【トタン】

逆に塗装の必要がないのは、昔ながらの日本瓦(粘土瓦)の屋根です。

塗装のタイミング

住宅の1回目の屋根塗装のタイミングは、築8~15年くらいが望ましいとされています。

スレート・セメント瓦・モニエル瓦は、このくらいの時期に表面のコーティングの機能が落ちてくるためです。
表面のコーティングが劣化したまま長期間放置していると、屋根材が水気を吸って傷む恐れが出てきます。

トタンの場合はサビが発生する恐れが高くなります。長い期間放っておくと、サビで穴があくこともあるので、定期的なチェックやメンテナンスが欠かせません。

屋根塗装の費用と内訳

屋根塗装の費用や一般的な内訳について解説します。

屋根塗装の合計費用

屋根塗装の合計費用は、一般的な2階建て戸建て住宅(延床面積30坪前後)であれば、足場代を含め30~60万円程度であることが多いでしょう。
足場代抜きで考えれば、20~40万円程度です。

※延床面積とは、建物の各階の床面積の合計です。

費用は、屋根の面積や勾配(屋根の傾斜)によって変わってきます。面積が広いほど作業コストがかかりますし、急勾配(6寸以上)の屋根であれば、専用の特殊な足場の代金が別途発生します。

屋根塗装の内訳

見積書の内訳は、基本的に工程と対応しています。工程ごとの単価・施工面積・合計金額が記載されるかたちです。
屋根塗装の基本的な内訳は、次の通りです。

項目 説明
仮設足場 安全な高所作業のための足場を設置・撤去する費用。単価は700~1,000円前後/平方メートルのことが多いです。
高圧洗浄 塗装の下準備として、屋根表面を高圧洗浄機で洗浄する費用。単価は100~300円/平方メートルのことが多いです。
下地処理 塗料を塗る前に表面の状態を整える作業です。作業内容は屋根の状態や種類によります。ひび割れや欠けがあれば修繕します。トタン屋根の場合はケレン(研磨作業)を実施し、サビを落としたり、塗料の定着を助ける微細な傷をつけたりします。
下塗り 中塗り・上塗りで使用する塗料の定着を助ける働きのある下塗り用塗料を塗布する費用。単価は600~800円/平方メートルのことが多いです。
中塗り・上塗り 中塗り・上塗り用の塗料を塗布する費用。単価は1,500~6,000円/平方メートルのことが多いです。

※金額はあくまで目安です。

上記のほかに発生するのが諸経費です。工事で出たゴミの処分費や業者の交通費などこまごました費用。工事価格の5~10%であることが多いです。

また、スレート・セメント瓦・モニエル瓦は、次のような費用も発生します。

スレート屋根の場合

  • 棟板金(屋根の棟に取り付けられている細長い金属板)の下地処理・塗装の費用
  • タスペーサー(屋根材同士が塗料でくっつかないよう、屋根材同士の間にはさんでおく道具)の費用

セメント瓦・モニエル瓦の屋根の場合

棟と平部(屋根の平らな部分)との間のすき間を埋めている漆喰(しっくい)の補修費用がかかることがあります。

なお、モニエル瓦は表面のスラリー層(着色料の膜)を塗装の前に除去する必要があります。スラリー層が表面に残ったまま塗装をすると、塗布した塗料がスラリー層ごと短期間ではがれてくる恐れがあるためです。

スラリー層は高圧洗浄で落ちることが多いですが、高圧洗浄で落ちない場合はスラリー層を削り落とす費用が発生するかもしれません。

屋根塗装の工程と工期

屋根塗装の基本的な工程と工期を、実際の工事の様子の写真とあわせて紹介します。

仮設足場

安全のため、足場を設置します。足場をおおっているグレーのシートは、塗料の飛散を防ぐためのものです。

高圧洗浄

屋根を高圧洗浄機で洗浄します。
上の写真の屋根はスレートの屋根です。

下地処理

塗装の下準備として、屋根の状態を整えます。
上の写真は、ひび割れを補修している様子です。

下塗り

下塗り用の塗料を塗る工程です。写真のように、ローラーを使って塗ります。
下塗り用の塗料には、「プライマー」や「シーラー」など種類があります。

中塗り・上塗り(上塗り2回)

下塗りが乾燥したのを確認して、上塗り塗料を上から塗り重ねます。塗り重ねた上塗り塗料が乾いたら、さらにその上から同じ上塗り塗料を塗り重ねます。
このように、上塗り塗料を2度重ね塗りする工程を「中塗り・上塗り」や「上塗り2回」と呼びます。

上塗りが乾いた後、最終チェックや手直しを行い、足場を撤去したら工事は終わりです。
工期は1週間前後になります。

屋根だけでなく、外壁や付帯部もあわせて塗装する場合の工期は2~3週間です。

屋根塗装の塗料

通常は、業者が現地調査や見積もりの際に「この塗料はどうですか?」と塗料を勧めてきたり紹介してきたりします。このため、施主(工事を依頼する側)が1から塗料を選ぶ必要はありません。

とはいえ、使用する塗料を最終的に決めるのは施主なので、塗料の種類や選び方の基本的なところは知っておくとよいでしょう。

塗料の種類と耐用年数

塗料は、主原料の種類によって分類できます。
「シリコン塗料」はシリコンが主原料の塗料であり、「フッ素塗料」はフッ素が主原料の塗料です。
種類によって、耐久年数や価格の傾向が異なります。

種類 耐久年数 価格目安
アクリル塗料 5~7年 1,500円/平方メートル
ウレタン塗料 8~10年 2,000円/平方メートル
シリコン塗料 10~15年 2,300円/平方メートル
フッ素塗料 15~20年 4,000円以上/平方メートル
無機塗料 20~25年 5,500円程度/平方メートル

 

戸建て住宅の屋根・外壁の塗装で使われることが多いのは、シリコン塗料です。
比較的リーズナブルで、かつ10年以上の耐久年数があり、コストパフォーマンスに優れているためです。

「ラジカル制御」と呼ばれる技術で耐用年数を数年のばしたタイプのシリコン塗料(ラジカル制御型シリコン塗料)が、最近ではシェアをのばしてきています。

塗装効果を長持ちさせることを施主が強く望んでいたり、お金に余裕があったりする場合は、フッ素塗料や無機塗料が使われることもあります。

屋根は遮熱塗料の選択肢もある

塗料のなかには、特殊な機能が付いていたり、特定の機能に特化していたりするタイプがあります。
そのなかで、遮熱塗料は、太陽光に含まれる赤外線を高い率で反射する機能があるタイプの塗料です。

赤外線は物質を温める性質があるので、赤外線を反射することで屋根の温度の上昇を抑え、引いては室温の上昇も抑えることができます。太陽光が強く照り付ける夏場は、エアコンの効きが良くなり、エアコン代の節約にもつながる可能性があります。

屋根は太陽光を多く浴びる部分なので、遮熱塗料の効果が発揮されやすいです。予算などの都合が合えば、遮熱塗料で塗装するのもよいでしょう。

塗料には水性と油性がある

塗料には水性と油性があります。水で薄めて使うタイプの塗料が水性、シンナーなどで薄めて使うのが油性です。油性塗料は「溶剤塗料」とも呼ばれ、強溶剤系と弱溶剤系に分かれます。

屋根の塗装には、油性の塗料が使われることが多いです。水性よりも耐久性が高い傾向にある油性塗料は、紫外線を多く浴びて塗装が劣化しやすい屋根の塗装に適しています。

油性塗料の欠点は臭いですが、地上から離れている屋根であれば、問題になりにくいです。

だからといって、水性の塗料を屋根に使ってはいけないわけではありません。塗料の研究・開発が進んだ現代では、水性塗料も十分な耐久性を発揮するようになってきています。

塗料メーカー

塗料選びの基準の1つに塗料メーカーがあります。
以下は、住宅向けの塗料で実績があり、現場で働く塗装職人の間でも定評のある代表的な塗料メーカーです。

  • 関西ペイント
  • 日本ペイント
  • エスケー化研
  • 水谷ペイント
  • ロックペイント
  • アステックペイント
  • スズカファイン
  • 菊水化学産業
  • 日進産業
  • AGCコーテック

上記のいずれかのメーカーの塗料であれば、品質面で大きな心配はないでしょう。
とくに、関西ペイント・日本ペイント・エスケー化研の3社は、日本の3大塗料メーカーに数えられる老舗の大手塗料メーカーであり、信頼性が高いです。

屋根塗装の色

屋根に使う色は、塗料ごとに用意されている標準色のなかから選ぶのが一般的です。
使われることがとくに多いのは、次の3色です。

  • ブラウン系の色
  • ブラック系の色
  • グレー系の色

上記で「ブラウン系」「ブラック系」と書いたのは、ひとくちに「ブラウン」や「ブラック」といっても、いろいろな色があるからです。

たとえば、関西ペイントの屋根用塗料「アレスダイナミックルーフ」の標準色には、色合いが異なるブラウンが6色(チョコレート、シナモンブラウン、新ブラウン、コーヒーブラウン、セピア、ビスタブラウン)用意されています。

※参考:関西ペイント公式サイト 製品情報

ブラウン系・ブラック系・グレー系以外で使われる色としては、暗い緑や暗い赤などがあります。

屋根塗装の注意やポイント

屋根塗装の注意やポイントは、次の4点です。

塗装よりも重ね葺きや葺き替え工事をした方が良い場合もある

屋根の状態や種類によっては、塗装工事よりも重ね葺き(かさねぶき)工事や葺き替え(ふきかえ)工事をした方が良い場合があります。

重ね葺きとは、古くなった既存の屋根材の上に新しい屋根材を被せる工事です。カバー工法とも呼ばれます。
葺き替え工事とは、古くなった既存の屋根材を、新しい屋根材に交換する工事です。

たとえば、屋根材が「パミール」の場合は、重ね葺きか葺き替えになることがほとんどでしょう。

パミールとは、1996~2008年の間に製造されていたスレートの製品名です。
この製品はスレートではありますが、欠陥が見つかっており、塗装して見た目を整えたり長持ちさせたりすることができません。

自宅の屋根に何の工事が適切なのか知るためには、経験豊富な業者に屋根を見てもらう必要があります。

「火災保険を使えば実質無料で工事できる!」などのうたい文句に注意

屋根の塗装に限らず、住宅の工事全般にいえることですが、「火災保険を使えば実質無料で工事できる!」とうたって勧誘してくる業者には注意が必要です。

国民生活センターによれば、「保険金が使える」などのことをうたって勧誘してきた業者とのトラブルの相談件数は、2019年が2,691件、2020年が5,447件になっています。

※参考:国民生活センター 保険金で住宅修理ができると勧誘する事業者に注意! -申請サポートを受ける前に、損害保険会社に連絡を 保険金の請求は、加入者ご自身で!!-

優良業者に塗装してもらう

「屋根塗装が長持ちするかどうか」や「大きなトラブルなく工事を完了できるか」などは、業者によって変わってきます。良い工事をしてもらうには、良い業者に工事してもらうことが大切です。

業者選びのポイントとしては、次のようなものがあります。

  • こちらの悩みや希望をきちんと聞いてくれるか
  • 現地調査の結果や工事内容をていねいに説明してくれるか
  • 内訳が明確な見積書を作成してくれるか
  • 見積もり額が不自然に高すぎたり安すぎたりしないか
  • 工事保証があるか
  • 屋根塗装の実績があるか

また、1社だけから見積もりをとるのではなく、相見積もり(複数の業者から見積もりをとって比較すること)をするのがおすすめです。

複数の業者を比べることで、業者ごとの特徴が見えやすくなったり、自宅の屋根の費用目安がわかったりします。

こんな業者には注意!

下記のいずれかに当てはまる業者には注意が必要です。トラブルになったり、工事で手抜きをされたりする恐れがあります。

  • 「いま工事しないと大変なことになりますよ!」などの言葉で、不安をあおってくる
  • 「今日契約すれば、○○%値引きできますよ!」などの言葉で、契約を急かしてくる

上記はよくある悪徳業者の手口です。

屋根塗装をお得にする方法

工事の質を落とすことなく、屋根塗装を少しお得にする方法3つを紹介します。

外壁・付帯部もまとめて塗る

屋根だけを塗装するのは、屋根・外壁・付帯部(建物の外側の、雨どいなどの細かい部分)をまとめて塗装するのに比べると、割高になりがちです。

主な理由は足場代です。屋根・外壁・付帯部をまとめて塗るなら、足場の設置は1度で済みます。しかし、別々のタイミングで塗装する場合には、足場を二度三度設置しなくてはならなくなります。

足場代は、一般的な2階建て戸建て住宅(延床面積30坪前後)の場合で1度につき10~20万円するので、無下にはできない金額です。

ハウスメーカーは避ける

工務店や塗装屋など、住宅の塗装を請け負っている会社はさまざまあります。
どこに頼むか迷う人が多いですが、費用を抑えたいのであれば、ハウスメーカーは避けておくのが無難です。

なぜなら、ハウスメーカーの塗装工事は高額な傾向にあるからです。
ハウスメーカーの工事が高い理由は、主に2つあります。

1つは、ハウスメーカーが、中小の工務店やリフォーム会社に比べ、大勢の営業マンの人件費や広告宣伝費に多くのコストを割いてる点です。このコストを、ハウスメーカーは工事費から回収しなくてはいけません。このため、ハウスメーカーの工事費は自然と高くなります。

2つ目は中間マージンの存在です。ハウスメーカーの工事では、実際に現場で作業するのは下請け業者であるため、必ず中間マージンが発生します。この中間マージンが工事金額に上乗せされ、そのぶん高くなるのです。

自治体の助成金・補助金を使う

自治体によっては、戸建て住宅のリフォーム向けの助成金・補助金を用意しています。

耐震補強工事やバリアフリー化を対象としたものが多いですが、塗装工事も対象になっている場合もあります。

屋根塗装を検討している場合は、住んでいる地域の自治体公式サイトで、使えそうな助成金・補助金がないかチェックするのがおすすめです。

屋根塗装をDIYできる?

DIYの屋根塗装は、あまりおすすめできません。
なぜなら、高所作業は危険を伴うからです。
万が一、作業中に屋根から転落した場合、大ケガをしたり命を落としたりする恐れがあります。

塗装業者でさえ、屋根の塗装作業中に転落して亡くなった事例があるので、不慣れな素人が屋根で作業するのはとても危険といえます。

※参考:職場のあんぜんサイト 二階建て家屋の屋根の塗装作業において、屋根上で滑り墜落

まとめ

スレート・セメント瓦・モニエル瓦・トタンのいずれかの種類の屋根であれば、築8~15年くらいの間で1度塗装をしておきたいところです。

塗装費用は、一般的な2階建て戸建て住宅(延床面積30坪前後)であれば、足場代を含め30~60万円程度のことが多いです。

屋根だけでなく、家全体のメンテナンス費用を抑える意味では、屋根塗装の際に外壁や付帯部もまとめて塗装することをおすすめします。
屋根・外壁・付帯部をまとめて塗装する費用は、一般的な2階建て戸建て住宅(延床面積30坪前後)の場合で80~120万円ほどになります。

イエコマは、戸建て住宅の屋根塗装を承っております。
お客様のご希望に応じて、外壁・付帯部分をまとめて塗装することも、もちろん可能です。

  • もう築10年以上経つし、塗装を検討したい
  • 屋根の色あせや汚れが気になっている
  • 今しっかりメンテナンスして、屋根を長持ちさせたい

上記のようにお考えの方は、イエコマまでお気軽にお問い合わせください。
お見積もりは無料です!

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